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プロフィール
コメント数 202
性別 女性
自己紹介 閲覧&良票を入れて頂いた皆様ありがとうございます(*^-^*)
良票を頂けると励みになります!作品に対する意外なヨミと、読んでいて楽しいレビューを心がけています。楽しんでいただければ幸いです☆

ジャンルを問わず鑑賞していますが、ホラーを観るときは手で目を覆って指の隙間から観ますw

★好きな俳優★
M.ファスベンダー、E.マクレガー、J.ロウ、D.クレイグ、O.ブルーム、ジョナサン・リース=マイヤーズ・・・・・はい、そうです。イギリス俳優好きですw
さらには、ドナルド・サザーランド、S.ブシェミ、M.フリーマン、フランコ・ネロ、B.ウィリス、H.ジャックマン、C.イーストウッド、女性では、ユマ・サーマン、M.ジョヴォビッチ、C.セロン、A.セイフライド・・・などが好きです。

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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  イングリッシュ・ペイシェント 《ネタバレ》 この映画がアカデミー賞に値するかという意見については「当然」と主張したい。 なぜならほら、よく思い出してほしい。 戦争という背景、そして夫のいるヒロイン・・・夫とは燃えるような愛情ではなく情の延長線上にあるような関係、ヒロインに恋するアウトサイダーな香りのする男・・・ そう、あのハリウッドの不倫映画の名作「カサブランカ」臭がするのだから。 カサブランカの舞台は北アフリカのモロッコ。 そしてそのモロッコは、マレーネ・ディートリッヒ主演の不倫要素も含んでいたハリウッドのレジェンド的作品「モロッコ」の舞台でもある。 今やアカデミー会員の中身も、多様性を主張する声に押されて女性や有色人種の割合も増え、新しい価値観の風が吹き荒れている。 しかしちょっと前までは、大多数派である高齢の白人の男たちが牛耳る、高齢の白人の男たちのお祭りであった。 となれば、今から20年以上も前のこの「イングリッシュペイシェント」という往年の名作の香りを漂わせる不倫映画が、不倫のひとつやふたつはしてそうな昔のアカデミー会員のオジサマ&オジイサマ達に 「なんて懐かしい世界観!ワンダホー!」 …と思わせ、彼らの心にロックオンしても何の不思議もない。 アカデミーでこのような古典的な香りのする不倫映画がオスカーを受賞できたのは、まさに当時の”時代がそうさせた”ともいえよう。 そして「不倫なんてけがらわしい!作品にするなんてありえない!」と頭ごなしに否定しそうな、厄介すぎるフェミニストの人数が増えた現代のアカデミーにおいては、もう二度とオスカーを受賞することはないであろう(ゆえに、作ろうとする監督やプロデューサーもいないであろう)、貴重な類(不倫)の作品でもある。 劇中でアルマシー伯爵は、ひとりの女性を愛したことで、結果的には仲間をピストル自殺においこみ、あるいは飛行機での無理心中においこみ、さらに無関係だった人間でさえ敵軍にとらえられ指をはねられる運命へと引きずり込んでしまう。 「彼女以外の事はどうでもよかった」と、関係者だろうと無関係者だろうと彼らが死のうが体の一部を失おうが、彼女のもとに行くための飛行機とガソリンを手に入れるためだけに敵国に味方の地図を渡すアルマシー伯爵。 そこまでしても彼女を死なせてしまい、一番の目的であった彼女を手に入れることはできなかったアルマシー伯爵。 彼女に指輪を贈りたくても、彼女の左薬指にはすでに別の男の指輪。 でもシンブルなら贈っても夫の目に不自然ではない。 バザールでボッたくられながら買って彼女にプレゼントした、それはとても何気ないものだったけれど、彼女にとっては指輪以上の意味を持っていたのだろう。 アルマシー伯爵が瀕死の彼女の胸にペンダントにして身に付けられたシンブルを見つけて、初めて堰をきったように泣き崩れた場面では胸がどうしてもしめつけられた。 洞窟で死んでしまった彼女の、彼が好きだったという首の付け根(アルマシー海峡)に、そのシンブルの中にあるサフランの粉をこぼし、それで彼女の顔に化粧をほどこして、彼女を白い布で覆いお姫様だっこで洞窟から現れた彼は、まるで教会の中から花嫁を抱いて出てきた花婿のように錯覚した。 しかし彼女は死んでいて、彼女を飛行機に乗せて死に場所を求めてふたり旅立つ光景は、未来のない新婚旅行に見えてやるせなくなった。 どんなに愛しても、結婚して祝福されることのない関係・・・。 不倫は、愛情の深度と現実に起きる出来事とのギャップが 通常恋愛よりも大きいからこそ、見るものに、人間のやるせなさや、もどかしさ、やりきれなさ、どうにもならい閉塞感と悲壮な感情をこれでもかというほどに、かきたてる。 そういう意味で、けして映画のテーマとして否定してはならない、外せないカテゴリーであることは間違いないと思う。 (エロシーンばかり売りにした安っぽい不倫映画はダメだけど) アルマシー伯爵の不倫からの安楽死という悲しい結末(闇)の後に、”私と関わった人は必ず死ぬ”というジンクスを破ったインド人彼氏との未来に希望を抱くジュリエット・ビノシュや、 積年の恨みを手離し恋人との未来に心弾ませるウィレム・デフォーというサイドエピソード(光)を描くことで、 「闇のあとには光が現れる」「闇夜の後には必ず夜明けが訪れる」 というイメージが、往年の名作のオマージュに感じられるこの北アフリカの自然と溶け合い、これだけアルマシー伯爵を起点に大勢のひとたちが悲しい運命をたどったというのに、最後はなぜかすがすがしい気持ちにさせる・・・ 不倫のように複雑な味わいのある映画であった。[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-02-19 11:56:37)(良:1票) 《改行有》

2.  パワー・オブ・ザ・ドッグ 《ネタバレ》 つい先日ゴールデン・グローブ賞が発表され、この作品が、ドラマ部門最優秀作品賞、監督賞、助演男優賞の3冠となった。 ということで早速Netflixで鑑賞。 そして見終わってこちらに他の皆さんの感想を見に来たらレビューがたったの3人…。 アカデミー賞ノミネートの噂も当然流れている中で、3人…。 コロナのせいで、話題作になるべき作品もこの状況。 コロナ前のような、映画は公開前からTVCMやネット情報で期待を煽り、そして映画館で満を持しての公開というスタイルが 今ではガラガラと崩れ去り、 世の中全体が、新作も配信でっていう流れが一気に推し進められてしまい、 話題の新作もサブスクと契約しなければならぬという縛りを受けなれば見れない嫌な時代になった。 スピルバーグ監督が「配信映画はアカデミー賞のノミネートとして認めるのはどうかと思う」と言ったところで 世界全体の潮流はどうにもならない。 これまでのように作品1本に1800円払ってみるより、1000円ほど払ってサブスク契約してその作品を見れば ついでに他の映画も見れるという点ではお得に見えるが 見たい映画の配信先と契約していない人の心理は 「作品に1800円払うのは惜しくないが、その作品見たさにその作品を提供して儲けようとしてるサブスクの企業に契約料を払うのは、払い先が”作品”ではなく”サブスク企業”なのが、なんとなく嫌だ」 というものがあるのではないか? まぁ愚痴が多いですが、サブスク映画には偏見はあるが、作品に罪はないので鑑賞した。 結論からいうと、やたらと物静かな殺人映画。 見終わってしまえば、あの青年はもともとサイコパスっぽいし、何考えてるかわかんないヤバイ顔だから ママを虐めた男を殺してもなんら不自然ではない。 でも、見てる間は、男女のもつれが入ってくるのかなとか、男と男のもつれ(笑)が入ってくるのかなとか 思ったら 「いえ、これ、怨恨殺人映画ですから」 と、ラストシーンでバッサリとやられた。 カンバーバッチ演じる牧場主フィルによる弟の嫁いびりで、嫁はアル中になるし 嫁の連れ子の青年は女々しいやつとバカにされ、母子にとっては居心地悪い牧場。 弟は悪いやつじゃないが、兄に対してそこまで強い権限がないのと 女の扱いが苦手なことで、嫁に対してそこまでケアができない。 そこで、動物をさばくのは得意な青年(伏線は、母親が営業していたレストランで母親に 「フライドチキン作るから、鳥をつぶしてきて」って言われて「はいよ」ってなったシーン)が思いついたのが 伝染病殺人。 荒野で野垂れ死にしていた炭疽症の牛の皮を手袋をしてはいできて それをタライに入れてフィルのところに持ってきて、牛革でロープを作ろうとしていたフィルに使わせ、 見事に病気に感染させることに成功して、ばれることなくフィルを牧場から消し去った。 バイオリンの練習みたいな、ギ~コギ~コという不穏感いっぱいの曲も この青年の不気味さを助長させる。 ラストシーンで、成年が窓から外を見下ろすと フィルの葬儀を終えた母親と義理父が車から降りてから、まるでフィルが死んでホッとしたかのように 抱き合ってキスをする… 振り返った青年は 「ふふっ…めでたしめでたし…大成功」 というアヤシイほほえみを浮かべ…映画は終わる。 人を殺して、犯人が微笑んで終わるなんて、これはバッドエンドなのに…いや、フィルが死んでまわりはみんな それはそれでホッとしてるから…ハッピーエンドなのか? なんとも複雑な…そんな作品。 フィルが最後まで青年をいじめてた訳でなく 途中から融和策に転じて、なんだか二人が仲良くなってBL的関係に発展するのかと予想させるストーリー展開だったので フィルの態度に軟化していく青年の態度があくまでも伝染病殺人遂行のための罠だったのは まったく読めなかった。 でも二度目で見たら、フィルが革でロープ作ってあげるって言われた時 「これでヤれるな笑」って思ったのか、その後二ヤッとした表情の微妙な変化を見せるんですよね。 「障害はない。いかに上手くやるかだ。」 メイキングでカンピオン監督が言ってたシメの言葉、かなり同感。[インターネット(字幕)] 6点(2022-02-19 11:17:24)《改行有》

3.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 悪役に拷問をされる時に、椅子の底をチョキチョキしたところを見た時、既視感。 チャップリンの「キッド」で、拾ってきた赤ちゃんのおまるを手作りするために、家にあるボロボロの椅子の底をチョキチョキしたあのシーンを思い出した。 それはさておきとして、スケ〇椅子にダニエルボンドを座らせて、まさかSMシーンが繰り広げられるとは… 007シリーズの中では、かなり斬新な作品である。[インターネット(字幕)] 7点(2021-10-10 13:58:58)《改行有》

4.  ホテル・ムンバイ 《ネタバレ》 「スラムドッグミリオネア」でその顔を知られることとなったデヴ・パデル(アルジュン)が、この映画の主人公。 だから彼に死亡フラグは立たない。 最後まで活躍して最後まで死なずに、心配してる妻子と再会してめでたしめでたしになろうことは予想がつく。 テロリストの首謀者は、リアルにどいつこもこいつもタチの悪いイジメっこでして、「神は偉大なり」の一言で少年を洗脳してテロリストに仕立てるのも、彼らにとっては日常のちょっとしたお遊びみたいなものなのですよね。 とにかく無差別に殺してショッキングな感じを楽しんだり、 気が向けば金持ちを生け捕りにして、ちょっと身代金要求しちゃおうかなとか、 ダメならストレス発散に殺して、関係者を苦しませちゃえとか、 その場のノリでやることを決めるので、本当にタチが悪い。 それにしても、この映画は実話だそうだけれど 赤ちゃんを連れて逃げてたあの女性が最後まで無事だったっていうのはホント? あの年齢の赤んぼなんて、ずっと寝てるか、オムツ濡れてるかミルクが欲しいときだけ目ざめて泣きわめくのに、 あんな状況でベッドにも寝かせてもらえず、それが何日も続いてたんですよね?ミルクどうしてたん?オムツどこに替えあるん? あんな真っ暗で狭いクロゼットに入っただけでも、一発で泣き出しますやん。 どうも赤ん坊を殺すのは悲惨だから生かしておきたい気持ちはわかるけど、そこはリアリティがなかったですね。 でも実際、ホテルの従業員がお客さんのために居残って殺害されてたなんて。 生き残った金持ちは、金があるから守られたってことですよね極論を言えば。 ちゃんと金持ちたちは、死んだ従業員の一生分のチップを遺族に払ってやらないと死んだ従業員に呪われますよ。[インターネット(字幕)] 6点(2021-07-21 20:25:48)(良:1票) 《改行有》

5.  アナイアレイション -全滅領域- 《ネタバレ》 アーティストな才能をもった宇宙人が地球上に壮大なインスタレーションを創作しようとする映画。 ほんと、この宇宙人すごくアートの才能あるよ。 シマーというアトリエの中では、美しい花々をひとつの株に咲かせるという斬新な作品、人間の形をした植物という作品…。 廃墟となった基地の中には、人間の体を破壊していろいろな素材で飾り立てた華麗なるウォールアートを残し、 灯台は灯台の色であるオフホワイトに合わせて、オフホワイトを基調としたコケのようなものを漆喰のようなもので装飾している。 浜辺のガラス状の樹々は美しく、ヴェントレスおばさんの口から出てきたイルミネーションアートもなかなかのレベルだ。 人間の声をまねる熊さんや、生まれたての超合金みたいな宇宙人がレナやレナの夫の見た目をまねて見た目も動きも本人になっていくという行為は、地球上生物へのオマージュだろう。 灯台の中でレナとあらゆる動きをシンクロさせている様子は、アヴァンギャルドな舞踏芸術。 そう、この宇宙人は、地球にやってきてアートで一旗揚げたかったのだ。 ただ、描写していることに一貫性がないのがいまひとつ。 生き残ったはずのレナの夫はオマージュ作品だが、レナもどうやらウィルス感染みたいに、宇宙人に体をのっとられている。 オマージュ作品を作るプロセス(あの鋼鉄みたいなボディから人間に変化する)だけでなく、ウィルス感染みたいなことも起きていて どっちつかずになっている エイリアンみたいに卵から産まれたフェイスハガーが人間の顔にくっついたらお腹からエイリアン生まれちゃう、とか、 ゾンビ映画みたいにかまれたり血を体内に入れたらゾンビになっちゃうとか、プロセスは印象的なものを1つだけに絞らないと、 全体のまとまりがよくないです。 ビデオの中でお腹の中に蛇らしきものが蠢く映像が映っていたが、エイリアンみたいにお腹に謎の生物が寄生するという現象を見せておいて、その後同じ現象が誰にも起きないってのも、じゃぁなんのために「後から来る隊員へ」なんて書いてわざわざメモリーカードを残すのかっていうことになります。 そこをきちんとやっておけば、アート好きな宇宙人が地球で個展を開こうとして奮闘しているドラマなんだなと受け止めることができたのに、残念です。 (とりあえず、宇宙人となったレナ夫と、宇宙人に体をのっとられたレナは 宇宙人のアートの才能を受け継いで、今後は夫婦でアート作品を続々と作り出して、世界的に有名なアーティスト夫婦として知られることになるでしょう、たぶん。)[インターネット(字幕)] 4点(2021-06-24 08:38:45)《改行有》

6.  マダム・フローレンス! 夢見るふたり 《ネタバレ》 カネがあれば、へたくそな歌をほめてもらえる! カネがあれば、カネ目当ての連中にちやほやしてもらえる! カネがあれば、悪評の新聞も買い占められる! カネがあれば、カーネギーでも歌える! カネがあれば、だんなの愛も買える! カネがあれば、伴奏者にもこっちの言うことを聞かせられる! カネがあれば、自主制作でレコードだって作れちゃう! では、歌わせていただきます。コホンッ ♪アァ~~~~~あたしも彼女みたいにカネが欲しいィ~~~ カネが欲しいよォ~~~~ カネがあればぁーーーーあ~~あ~~カネがあーれーばあああああーーーーー ハッハッホホッホッ・・・ハッ!(ここ、オペラ風に)[CS・衛星(字幕)] 2点(2021-04-24 20:04:59)(良:1票) 《改行有》

7.  エクス・マキナ(2015) 《ネタバレ》 劇中のセリフに「プロメテウス」というワードが入れられている。 このプロメテウスは、そのまま「プロメテウス」という映画があるくらい、あるいはディズニーシーのフォーカルポイントになっているあのお山もプロメテウス火山と名づけられているくらい、けっこう意味深に使われるワードである。 プロメテウスはギリシャ神話の神様で、ゼウスが人類から火をとりあげたにも関わらず、「人類は火がないせいで暖をとれなかったり温かい料理が作れないのがかわいそう」と、独断で人類に火を与え、結果的に人類はその火で武器を作り戦争を起こし誤った道に進むようになり、プロメテウスはゼウスに罰として山頂のはりつけられ、鳥に肝臓をついばまれる苦痛を、不死がゆえに生きたまま味わい続ける拷問を受けることになったというストーリーの持ち主。 この映画では、まさにケイレブがプロメテウス、そして社長がゼウスだといえる。 ゼウスは、あちゃこちゃの女神や妖精とイチャイチャしている女好きなスケベおやじ。まさに社長と一緒だ。 ケイレブは、ルールを破り独断でAI娘に火もとい”自由”を与えた。まさにプロメテウス。 その罰は、あの部屋にとじこめの刑ということか。 かくして、プロメテウスから火を得た人類が核爆弾さえ作ってしまったように、ケイレブから自由を得た彼女は相当よからぬ世界を作り出してしまうような不吉な予感を鑑賞者に与えながらこの映画は幕をとじる。 おそらくこの作品、オサレな視覚効果と、このオサレな哲学的ニュアンスのおかげで、実際以上にイメージが良くなってる。 やっぱり、見た目と雰囲気で、トクするのってありますよね。アリシアディキャンベルのAI娘が、まさにそれ。 映画もAIロボットも、見た目と雰囲気で七難隠せます。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-04-07 10:27:57)(良:1票) 《改行有》

8.  チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛 《ネタバレ》 ヒロインの不倫がメインテーマですけど、まずなぜ画家が好きになったかの理由づけに説得力がなく、その時点で感情移入できない。 「ピアノレッスン」のように、夫が性格が悪くてヒロインをぞんざいに扱っているなら、優しくしてくれた男に惚れていくのは分かる。 あるいは「マディソン郡の橋」のように、夫の性格は普通でもそれが退屈で、趣味の話しが合う男に惚れていくのも分かる。(キーツの詩を理解するとか) しかしこの映画えは、夫(クリストフ・ヴァルツ)はひたすら優しくヒロインをお姫様のように大事にしてるのでダメだ。 画家と話しが合って惹かれたわけでもないからほんとダメだ。 つまりは、”おじいさんの刺激のないエッチより、若い男の激しいエッチのほうが、すっごくイイわぁ…”っていう、うすべったさ。 だから、ヒロインが死んだフリして画家と駆け落ちをするつもりが、急に熱が冷めたのもよく分かります。 だって画家とは、ただエッチが良かっただけですもんね。 そんな相手のために、エッチがムードがないとはいえ自分に尽くしてくれた真面目な夫をだまして、 召使の子供をヒロインの子だとだましたあげく、夫にその赤子をヒロインの子だと押し付けて、 死んだフリして、駆け落ちしようなんて、若い男とエッチざんまいの日常を手にするだけのためにそこまでするかい…って どんな単細胞な脳でもわかりますよね。 そもそもあの画家、頭相当悪いし。 (彼女との駆け落ち資金を、彼女を育ててくれた修道院からチューリップ盗んでお金にしようとか、もう人としてアウト) 状況次第で高騰したり暴落するチューリップは、まさにヒロインの気持ちの象徴だと思えば このなんの感情移入できない作品も、あらての不倫映画としてはアリといえなくもない。 ヒロインに裏切られても、ヒロインとグルになって自分をだました召使と、その彼氏の魚売りの魚くさい男に いきなり家と資産をあげちゃう人の良さは意味不明だし その家にのうのうと居座って 元魚売りの男と夫婦になって、おしゃれな洋服を着込んで子供をワラワラ生んで生活してるマリアも、まぁ調子がいいこと…って意味不明。 (マリアの性格がピュアで優しいならともかくとして マリアが妊娠したことをヒロインに告げたら「もし私を追い出したら、あなたの不倫を旦那様にばらすぞ」って ゆすりをするような、雑草みたいにたくましくていやらしい貧困層の女ですからね) ラストシーンでは、修道院で、絵の仕事を頼まれてやってきた画家が、修道女になっていたヒロインと再会したわけですが まぁあのヒロインの性格からして、修道院の夜の庭でまた画家とめくるめくエッチを楽しんで 「やっぱりまた死んだフリして今度は修道院から逃げ出してあなたと一緒になるわ!ひゃっほ~!」 ってなりそう。[インターネット(字幕)] 2点(2021-04-01 09:36:52)《改行有》

9.  ブーリン家の姉妹 《ネタバレ》 次々嫁チェンジしてたヘンリー8世のことや、2番目の妻にしてしたたかなアン・ブーリンのことは多少知っていたけど、妹まで巻き込んでいたとは知らず、とても面白かった。 また、ブーリン姉妹以外の、親や叔父の、娘(めい)を利用してでも権力と地位を欲しがる様も見ごたえがあった。 そういえばチャールズ皇太子も、最初はダイアナの姉と付き合って、そのあと妹のダイアナと付き合ったわけだけど、スペンサー伯爵家の父親が、この映画のブーリン姉妹の父親や叔父みたいに、必死で娘たちを売り込んでたのかな…なんてイメージもしたりして。 英国王室は、こういう世継ぎのための結婚と、妾制度っていう歴史が当たり前のように継承されてきたから チャールズに対しても、愛情をもてないダイアナと結婚をしても失敗して離婚したのもさもありなんという印象。 それにしても、スカヨハは演技の幅が広い。 SFやアクション映画で勇ましい戦うキャラを演じてみせたかと思えば、こういう歴史上の控えめな淑女も完全になりきっちゃうし。 ナタリーポートマンは、眉毛をヘニョヘニョな形にゆがませた泣き顔が本当にお得意で、この映画でもその表情で何度も何度も悲しい顔を見せてくれます。 レッドメインとかカンバーバッジとか、ほんの脇役も味のある英国人俳優使っていているのも贅沢で良かった。 アンブーリンの肖像画を見たことあるけれど、Bのマークのペンダントも再現されていてよかった。 ヘンリ―8世は、兄が早くに死んで王になったので、次女であるメアリーに、次男次女の苦労という意味でシンパシーを感じていたのかなって思ったり。 (それを感じさせるセリフも劇中に入っているし)[インターネット(字幕)] 7点(2021-03-29 16:32:39)《改行有》

10.  レベッカ(2020) 《ネタバレ》 Netflixオリジナル映画で、ヒッチコックの「レベッカ」のリメイク。 しかも今が旬なリリージェームスに、デビュー作「アンダーザチェリームーン」でヒロインを演じたクリスティンスコットトーマス(おそらく彼女にとってこのデビュー作は黒歴史笑)とくれば、見ないわけにはいきません。 オリジナルのほうはまだ見ていなかったのですが、あちらは白黒なので、 リメイク版のカラーで見る、海の色や、マンダレー屋敷にあふれる美術品や、華麗なる衣装…そしてラストシーンのバグダッドっぽい煤けた光…どれもが鮮やかで、カラー向きな内容だと思いました。 前妻は実は何かの事情で生きていて、どこかに隠れてるのでは? 私にはそう思えたのですが、実は男遊びが大好きなレベッカがそのツケがまわってきたかのように子宮の病気になったことを思い悩み、マキシムに”自殺ほう助”させたっていうことだったわけですね。 そしてマキシムも彼女を好きどころか憎んでいたと。 ヒロインは、身分は低いし、高身長だというレベッカより背も低いし、レベッカは絶世の美女だというけれど自分はそれほどでもないし、ただでさえ自信がないところに、マキシムもレベッカのことをまだ好きな感じで(実は殺したことをカモフラージュする演技だったわけですが)うつ状態になっていた矢先に、マキシムとレベッカの関係性の真相が発覚! 「マキシムは、レベッカが好きじゃなかったんだ! レベッカもう死んでるし! それにマキシムは私が好きだって言うし! ヤッター!!」 と、途端に浮足立ちます。 そして、ならばマキシムを私が絶対守ると、急に逞しい女に変貌。 うん、私もこのヒロインならそうなる笑 ずっと嫉妬と愛されていないのではという不安で苦悩してたんだから、その呪縛から解放されたら 無限のパワーで全力で愛する人(裁判にかけられて弱ってるし)を守ることに命がけになるな絶対。 最後はふたりで国外に居場所を求めてバグダッドの旅の途中…という場面ですが そこで二人が抱き合い、そしてマキシムの背中がこっち側に見えるアングルで、ヒロインの目元だけがマキシムの肩の上から見えます。 その時の睨みをきかせた目元でカメラをジッと見る… おお怖い…もしマキシムが彼女を裏切ったら、マキシム、あなたが今度は殺されそうだ…笑 つまりこの映画は ”マキシムは女難の相が出ています” っていうお話ってことでよろしいでしょうか?[インターネット(字幕)] 6点(2021-02-04 09:51:18)《改行有》

11.  バイオハザードII アポカリプス TVのレポーターが平野ノラに見えて仕方ない。カチっとしたスーツ、太い眉、やせぎみの頬骨のはった顔つき。 学校の教室で子供ゾンビに集団で襲われるときに「おったまげー!」とか言い出しそうだ。 レポーターだけでなく、ノリの軽い黒人運転手、カウボーイな狙撃手、停職中の女性警官(ジル)とその相棒、元アンブレラの隊員・・・と、一挙にいろいろなキャラクターがワラワラと登場し、さらに敵陣もゾンビに加えて、リッカーやら、元マットのネメシスやらが登場し、ゾンビVSアンブレラ隊員というシンプルな構成だった「1」の続編は、イッキに”バイオハザード祭り”の様相を呈してきた。 良くも悪くも、にぎやか。 それゆえ、面白くもあり、まとまりがなくなりつつもある。 バイオハザードのゲームをしたことのない私としては、こうしたさまざまなキャラの登場と、学校や墓場や実験室といったいかにもゲームゲームした場面がやつぎばやに訪れてはそこでドンパチが繰り広げられる作品は、純粋に”ゾンビ映画”を楽しむにはちょっと適してはいない気がした。 つまり、ゲームを見ているような感覚にさせられるのは、映画作品としてはどうなのかと。 面白い場面のツギハギであるがゆえに、見終わったあとで、おなかがいっぱいにはなるが、ストーリーとしてどうだったかと言われるとそこまで絶賛というほどでもない。 そうなってくると、気になりだしてしまうのが、つっこみどころだ。 教会のステンドグラスをバイクで突き破って登場するアリスは超カッコイイが、そこにリッカーや助けを求めて緊急事態な人達がいるとどうして分かっていたのかなとか。 死体がうまっている墓場にわざわざ入ってくんなよとか。 Tウィルス開発者の博士をみせしめで撃つとか、あんた小ボスのくせに上の承諾とらんでいいんかいとか。 とはいえ、「これはゲームの映画化だ」と割り切って自己暗示をかけて見れば、純粋に楽しめることは楽しめるわけで、今作はそのように”割り切り”が大切なものだと思う。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-18 13:17:40)(笑:1票) 《改行有》

12.  28週後... 《ネタバレ》 前作を見ての今作の鑑賞だが、個人的には今作のほうが好み。 前回は、軍隊は全員ゲスでヤなやつら(=敵)だったが、今回は軍の医療関係の女性やスナイパーの男性が、民間人サイドについているところが、作品に深みを与えている。 それに前回描かれていたのは見知らぬ若者同士の絆だけだったが 今回は、夫婦、親子、姉弟…という、だれもがグッとくる絆をまんべんなく描いているのも良い。 そしてスナイパーの軍人が自らの死とひきかえに、民間人たちを助ける・・・というシーンは、 思わず「あぁぁああああ・・・イイひとだったのにぃ・・・」と本気で思ってしまった。 ロバート・カーライルが、人を犠牲にしてでも(妻を置き去り逃走、友達が出そうとした船を乗っ取り、襲われた友達を見捨てて逃走)生き延びようとした姿と、なんと対照的なことか。 このコントラストも、素晴らしい。 あと、画面がブレブレしてたり、画像がザラザラしてたりするのは、ゾンビ系の物語というフィクションの映像を、よりリアルに見せるうえで、すごくいい使い方だ。 下手なひとがそれをやるとただの”見にくい映像”になるが、ダニーがプロデューサーとして口出ししてたのか、とてもうまく仕上がっている。 特にタミーが父親を撃ち殺した後の目元アップ。 血まみれ泥まみれ汗まみれで、メイク崩れまみれのぐちゃぐちゃの目元で涙をながしながら 眉間にしわを寄せて苦悩の表情をしていた、あのザラザラした質感の映像が眼の裏に焼きついている。[CS・衛星(字幕)] 10点(2020-10-18 09:06:24)(良:1票) 《改行有》

13.  マレフィセント 《ネタバレ》 製作総指揮がアンジェリーナ・ジョリーということで 自分が産んだ子ではない子もわが子のように育てているアンジーとして 「自分の子じゃなくても母性は生まれるし真実の愛を与えることができるのよ」 という主張をサブリミナル信号で送ってきている作品。(多分) ステファンがマレのことを刺し殺そうとしたけど、できなくてトドメをさせなかったことで、アンジーは闇に落ちた。 一方マレもステファンを最後は塔の上まで追い詰めたもののトドメをさせなかったことで、ステファンは塔から落ちた。 つまり、お互いに、殺すところまではできなかったことで、”お互いに落ちました”というオチもうまい。   お姫様を助けるのは王子ではなくそれ以外の女性…という設定は「アナ雪」と同じなわけだが、 女が男化し、”男頼りのハッピーエンドなんて時代じゃねぇ”という世相を受けて、おそらく今後のディズニー映画では男女の恋愛モノを扱った場合でも最後に女を助けるのは女というスタイルが定番化するのだろうか? それはさておき、この映画を見て「マレフィセントを見る目が変わった」と思う人も少なくないと思うが、 英国俳優が演じたカラス坊がワイルドでステキすぎて、カラスを見る目が変わったのは私だけだろうか。[DVD(字幕)] 8点(2020-10-18 08:58:42)(良:2票) 《改行有》

14.  インターステラー 《ネタバレ》 娘の部屋の本棚にある本の奥はブラックホールの中でしたってのは、のび太君の部屋の机にある引き出しの向こうはタイムマシンでしたっていうのと同じくらい、奇想天外な世界観。 本棚の裏からトンツートントンツーも面白かったが、それ以外に面白かったパートは2つ。 マット・ディモンが来ていた星は住めない星なのに、無駄に信号を送って呼び寄せたあげく、マコノヒーを殺して生き延びようとするという、まさかの展開と NASAの偉い人による「ゴメン…住める星なんてないんだ」発言からの、ラストでアンハサウェイがたどりついた星でヘルメット脱いで普通に呼吸しちゃって重力も通常な感じでトコトコ歩いてるっていう「えっ…ここに住めるやん笑」というまさかの展開である。 ただ、地球を救う系の作品って、小惑星がドーン!とか派手な理由が多いが、こちらは地球環境変化というリアルな理由で、年を追うごとに悪くなる一方…ってところは、昨今の海水温度の上昇で日本列島に強烈な破壊力の台風が必ず規模の大きさを毎年更新しながらやってくる…っていういやぁな現実と重なって、地味に暗い気持ちにはなる。 とはいえ、地球救済映画は、だいたいにおいて主人公は死ぬのだけど、この映画では死なないっていうところはスゴイ。 娘はおばあちゃんになったがギリギリ生きててマコノヒーと再会できちゃったし。 アンハサウェイに至っては、成り行きでカレシが先に行っていた星でカレシと再会できてるっていうオチだったし、しかも立派ななコロニーまでちゃっかり出来てる景色のシーンを見せて終わるものだから、ここまでハッピーエンド祭りな地球救済映画はなかなかないと思う。[DVD(字幕)] 7点(2020-09-27 18:15:40)《改行有》

15.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 中学時代に母親にシネスイッチ銀座へ連行されてイギリスのホモ映画「モーリス」を見て以来、イギリス人のホモ文化には違和感のない私。 いやそれ以前に、小学生からリアルタイムファンだったボーイジョージもジョージマイケルも同性愛だったし(ファンとまではいかないがクイーンのフレディもエルトンジョンもそうだし)大学の卒論でとりあげた英文学者モームも同性愛(厳密に言えば両性愛だが)だし(ついでにオスカー・ワイルドも同性愛だし、「モーリス」書いたE.M.フォースターも同性愛だし)とにかくイギリスは同性愛者で成り立ってるんじゃないのかとさえ思うほどにイギリスの同性愛に違和感のない私。 そんな私から見ると、この映画は、”叶わぬ初恋を引きずり、亡き恋の相手の後を追ったホモ男の生涯”という見方もできる。 学校で初恋をした、暗号が得意な男子生徒クリストファーは心打ち明ける前に病死 ↓ そのトラウマを引きずりながら大人になると、手がけた暗号解読マシンに亡き初恋のクリストファーと名づけ彼の幻影を復活させる ↓ 戦後にそのマシンが極秘作戦の証拠として残らぬよう破壊を命じられたが「ボクのクリストファーを殺さないで!」と言わんばかりにコッソリ自宅保管 ↓ ホモ有罪判決を受け「服役で部屋にいるクリストファー(というマシン)と離れるのイヤ!」と言わんばかりに、服役代わりのホルモン治療の刑を受け入れる。 ↓ でもやっぱりホルモン療法で同性愛癖が消されたとして、それでクリストファーへの想いまで消えてしまうなら、「今クリストファー(というマシン)と共に命を絶つほうがマシ!」と言わんばかりに自殺し、天国にいるクリストファーのもとへ昇天 といった流れである。 この物語は 「へー、エニグマ解読マシンてのがあったんだー」 「へー、開発して有効利用されるまで紆余曲折があったんだー」 という表面的な”しらなかったー”、”おもしろかったー”だけではすまさせない、開発者が同性愛であるがゆえの、もうヒトヒネリなドラマ性が、単調で終わらない面白さを生み出していると思う。 この映画がただの暗号解読マシン開発者の奮闘話だったら5点だったけれど、同性愛要素が入ってひねりがきいていたので7点である。 ちなみに映画冒頭で盗難にあった彼の部屋で彼が青酸カリを掃除してる場面があったので、ひょっとして自殺は青酸カリかな?と思って調べてみると興味深いことにやはり青酸カリで、しかもベッド脇にかじりかけのリンゴがあったことや、彼が「白雪姫」の毒リンゴを模した自殺をほのめかしていたことから、リンゴに塗った青酸化合物を口にしたのではという分析があるらしい。 とすれば、彼は同性愛の男としては”女役”(同性愛でもやはり男役と女役の役割分担がある)として、自分をいじめから守ってくれた”男役”クリストファーを愛していたのだろう。 「リンゴをかじって死んで、次に目覚めたときには目の前に王子様(クリストファー)がいるはずだわ」なんて、乙女な思考だったに違いない。 アランはリンゴを口にする前に、暗号解読マシン(クリストファー)にそっと最初で最後のキスをしちゃってたかもしれない。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-23 11:35:17)(良:1票) 《改行有》

16.  プレステージ(2006) 《ネタバレ》 そっかぁ、SFかぁ。 考え見れば、ノーランって「インセプション」「インターステラー」「メメント」「バッドマン・リターンズ」そして「テネット」…って、基本的にSF要素がないと撮る気が乗らない監督なのかも。 でもそれより、え?そもそも、この二人の憎しみ合いの発端って、ボーデンがプロ意識強すぎて、カッターの反対を押し切って、助手でアンジャーのワイフの両手を二重結びにしたせいでしょ? 助手はマジシャンじゃない。 万が一のことだってあるのに、100%安全じゃない状態で助手の両手を二重結びしてる時点で、これって事故も承知の上での殺人ですよね。 悪いのはボーデンなのに、なんで最後の最後で勝つのはボーデンなの? 後味悪すぎ。 アンジャーは仕返しに、ボーデンの左手に銃を発砲したことと、アンジャーの瞬間移動をパクっただけ。 一方ボーデンは、アンジャーのワイフを死なせてそもそもの発端を作った張本人のくせに、さらにアンジャーの舞台で小鳥のマジックを失敗させて観客に返り血を浴びせるわ、瞬間移動のマジックを舞台上で邪魔して大恥かかせるわ、舞台下にあったクッションを隠して左足に大けがを負わせるわ…ほんと極悪非道なクズ男。 (小鳥マジックの妨害なんて、なんの関わりもない観客の女性を私情に巻き込んで洋服や顔を血だらけにさせてトラウマにさせたあたりが本当に本当に頭にきた。 舞台上で営業妨害っていうのだって、アンジャーは1回だけなのに、ボーデンは2回もやってる。なんで?悪いのはそもそもボーデンだったでしょ。 私でさえ、ボーデンに激しい殺意を覚えた。) アンジャーはワイフを殺された恨みを晴らそうとがんばったのに、結局相手に仇討できず、相手に殺されるって何この救いようのない物語。 ボーデンが、自己犠牲払ってでもマジックが大事とかいうきれいごと言ってましたが、いやいや、あんたひとりが偽の人生歩いてるならいいですけど、それなら結婚もしちゃだめだし、子供も作っちゃだめでしょ。 誰にも迷惑かけないように一生ひとりぼっちで生きるべき。 中途半端に人生を楽しんで、あげくに自分が原因でアンジャーのワイフを死なせてるくせいに逆恨みして最終的にアンジャーを銃殺ってどういうこと? それで気付いた。 これって、悪魔VSエクソシストの映画ですね。 悪魔がボーデン。アンジャーがエクソシスト。 悪魔のしでかしたことを、エクソシストが必死で悪魔を祓おう(滅亡させよう)とするが、悪魔のほうが強すぎて、エクソシストのほうが殺られる(あるいは負けて終わる)っていうバッドエンドは、悪魔映画の王道ですからね。 (スカヨハがどの場面でもどの角度から見てもお顔とオッパイが美しいところだけ悪魔映画ぽくなかった。)[インターネット(字幕)] 2点(2020-09-23 10:19:01)《改行有》

17.  ジャッカル 《ネタバレ》 髪が薄いブルース・ウィリスが、カツラ効果で頭髪モサモサになってる姿を見るだけでも価値のある今作。 ジャック・ブラックが武器メイカー役で、設計ミスにより武器の試し打ちの標的にされて死ぬという、コメディ畑の彼が斬新な扱いを受けるシーンも印象的。 オリジナル版は未見ですが、たぶんそちらを見て感動しても、それでもこちらのリメイク版は愛さずにはいられないと思う。 (髪モサモサのブルースと爆死のジャックのせい)[インターネット(字幕)] 10点(2020-09-13 18:42:57)《改行有》

18.  モネ・ゲーム 《ネタバレ》 イギリスが舞台、イギリス人俳優、格調高き絵画取引の世界、そして贋作をめぐる騒動・・・その情報だけみれば、私好みの要素だらけだった。 しかし、期待は大ハズレ。 セクシーとは程遠いアラフォー・ディアスの下着姿といい、ホテルの宿泊客のおばさんのオナラといい、アイアンの鉄柵にささるディーンの尻と、パンツ姿といい、バカっぽい日本語通訳師といい、何からなにまで、くだらない。1度も笑えない。 そんなネタを並べたてて客を笑わせることができると思ってるとしたら、コーエン兄弟は、いろんな意味で終わってる。[CS・衛星(字幕)] 1点(2020-09-08 11:49:22)《改行有》

19.  クライムダウン 《ネタバレ》 メリッサ・ジョージ、「トライアングル」って映画が、内容も彼女の演技もすごく気にいっていたので、期待値がガガガーーーっと上がった状態で見ました。 実際、山から下りてからの市街地での三つ巴のシークエンス(犯人チーム、誘拐された親が手配したチーム、事情を知らぬまま少女を助けている主人公たち)あたりは、少女が犯人の手元にないってバレたあたりからけっこう心臓バクバクするほど、盛り上がりました。 こういう映画でバクバクするのってなかなかいので、そのあたりすごく良かったってことかな。 誘拐と無関係の市民をムダ撃ちするブタお面の犯人の行動も、銃撃で気分がハイになっていたからと思って受容の範囲内。 山から街に舞台が移るのがNGという意見も多いけど、私の感覚では、テリヤキチキンの和風ソースと、モッツアレラチーズのトマトソースの2種類が1枚のピザで楽しめるハーフ&ハーフのピザだと似ているなと思う程度で気にはしない。 ただ、逃げ込んだ家が犯人によって火事を起こされ、2階から少女を脱出させるようとしたメリッサが、少女を窓の外に両手をもった状態で出してぶらんぶらんと左右に揺らしてトリャって放りだして1階の庭のクッションのききそうな植え込みの上に落として助ける・・・ってところで、えええええええってなりました。 だって、冒頭で断崖絶壁を命綱1本で登る場面を描いていたんですよ。 だって、少女を市街地に連れていってあげるため、近道である断崖絶壁を少女を連れて降りていく場面を描いていたんですよ。 そもそもこのDVDの表紙も断崖絶壁なんですよ。 もう、断崖絶壁がこの映画のテーマなんですよ。 だったら窓の外の2階から1階という”断崖絶壁”というシチュエーションなら、両手もって放り出すじゃなくて、カーテンひきちぢって綱つくってそれで彼女を片手で抱いて、もう片手でカーテンロープを握りしめ「うりゃーうりゃー!」と、数回壁をけりながら、1階の庭まで降りるとか、断崖絶壁降りのワザを見せて伏線回収しないでどーするの! ・・・って、私は思ったわけです。 身代金受け渡しのシークエンスでせっかくドキドキしたのに残念です。 彼女を抱いてカーテンロープで降りていたらもっと高評価だったのにw そうやって残念な気持ちを抱きつつ思い返してみると、犯人は地中に掘った穴に少女を箱に入れた状態で埋めて、空気を通すパイプを地上に出した状態で隠すとか、それはアホじゃないのかと、気づいてしまいました。 こうやって密猟者とかクライマーがやってくるような場所に「たすけて~」って声出そうとおもえば出せるパイプを地上に出させた状態で、なんだかもう、既にそこでアウトじゃないですか。 それに少女の親がけっこうワルっぽい金持ちみたいで、警察を頼らず独自に救出チーム作ってたわけだから、メリッサ一行も、少女を見つけたあとにまた少女を穴に戻して何事もなかったようにしとけば、メリッサ以外の全滅死亡にならず、ほっとけばちゃんと親の作った救出チームが少女と金の交換に成功してじゃんとか思っちゃったりもするじゃないですか。 個人的には、誘拐じゃなくてもっとクレイジーな精神異常者が、山にくる人間を無差別に殺すようなナワバリエリアに脚ふみこんだメリッサ一行を抹殺しようとしてたときに、少女が飛び入り参加してさぁ大変みたいなサバイバルものでも良かった気がする。 それでも6つ☆なのはメリッサのせい。[DVD(字幕)] 6点(2020-09-07 14:06:09)(笑:1票) 《改行有》

20.  キャロル(2015) 《ネタバレ》 キャロルは、夫とはそりが合わず離婚したいが、子供は何よりも大切。 一方夫は、妻を手放したくなくて、子供を人質にして彼女を繋ぎとめようとしている。 そんな矢先に出逢った、自分を慕ってくれる若い女性テレーズ。 自然と惹かれ合うが、しかし彼女と付き合っていることで、親権が不利になる。 子供か、テレーズか。 子供を選んだ彼女は、テレーズを手放す。 この時点で、私は胸がとても苦しくなった…。 だって、もう完全に夫とは切れてる。紙切れ一枚の問題で、子供とテレーズどっちを取るかを迫られるなんて…こんなつらいことはない。 キャロルもつらいし、捨てられたテレーズだってつらい。 特に若いテレーズにとって、自分の趣味(カメラ)を理解してくれ、とてもセンスが高くて美しく、そして初めて知ってしまった甘い官能の世界を教えてくれた相手… そう簡単に「お子さんのために身を引こう」なんて思えるわけがない。 つらい、苦しい… こんな終わり方の作品なら見なければよかった…。 ところがキャロルはこれで幕を引く女ではなかった。 「子供もテレーズも、どっちも取ったるで!!!」 まるで男みたいにめちゃカッコイイ!!! 同性愛って、ホモにしてもレズにしても、やはりどちらかが男役、女役になってるそうだ。 (余談ですが、たぶん、エルトン・ジョンは男役。) キャロルもたぶん男役なんだと感じた。 かくして、キャロルは親権は放棄しつつ面会権だけは死守して、同時にテレーズと同居できる環境を整える…。 ”恋も仕事も大事”っていうフレーズはよくあるが”恋も子供も大事”っていうのは、夫とうまくいってない状況の妻が新しい恋に出逢った時に必ず感じるものであって、この心境が分かる女性は、同性愛が理解できなくても、テレーズを男性に置き換えることで、その時の辛さや葛藤をリアルに感じてこの映画に没入しやすいかもしれない。 (とはいえ、現実世界では、キャロルみたいに、ぱっぱと決断して、愛する相手と暮らすなんてなかなか可能性が低い。 それゆえ、この映画のように、とんとん拍子で物事がうまくいく展開に心揺さぶられるのだろう…) ひさびさの再会で、テレーズはキャロルからの同居案を断るが、その後別のパーティーに行ったテレーズがキャロルのいるパーティーに戻ってきた時の表情は、いずれ同居もしそうという予感を感じさせる。 そして、ラストのキャロルの 「ふふふ…やっぱり、私のもとに帰ってきてくれたのね…いいわよ、さぁ来て」 的な魔性の微笑みが、グっときた。 困った時は元カノを頼って甘えん坊な一面も見せ、そしてラストでのこういうイケメンな余裕しゃくしゃくな表情…そのギャップ。 盗撮された時にピストルをふりまわす直情的な一面も含め、とにかくキャロルは、愛する相手と子供に全力で愛情を傾ける人間として生々しく、そしてとても愛おしく感じた。[DVD(字幕)] 7点(2020-09-06 09:30:08)《改行有》

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