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1. 珈琲時光
エンドロールで初めて、主演が一青窈だと知りました。知らない女優さんだな~と。おかげで余計な先入観もなく映画を楽しむことができました。
真冬に観たけど、夏の空気感がよく表現されていて、とても心地よかったです。
中途半端に陳腐なドラマや事件が出てこなくて本当に良かったですよ。
それでいて人物や物語はしっかりある。そして「目の前にありながら、あまり注目しない風景」を見事に映画にしていて、それだけでも嬉しくなりますね。
「有楽町の駅前をこう切り取るか~」とか、「東西線と並走する、あのちょっとした気まずい感じ」とか、観ていて楽しい。外国人監督ならではの作品かもしれません。
ホウ・シャオシェンの他の映画も観てみようと思います。[DVD(邦画)] 8点(2013-03-07 16:28:52)《改行有》
2. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
《ネタバレ》 ここまでファンタジー色の強い作品だったとは思わなかったです。水平線が見えなくなり、空と海の境界線がなくなって、まるで宇宙を旅しているよう。イシュ・パテルの短編アニメ「ビーズ・ゲーム」を思い出させる生命の進化の様子。人間が辿り着けないほど奥の、宇宙の行き着く先の光景。そんな幻想的な映像が、もうグワーっと強烈なイメージとなって押し寄せてきて、頭が朦朧としてきます。
途中で漂着する浮き島に至っては、もはやこの世ならぬ世界を覗き見しているようで、狂気すら感じる。ミーアキャットたちが、「もののけ姫」のコダマっぽく見えてきて、なんだかあの島に取り込まれていった人間たちの魂のように見えて怖かったです。
映画を見る前は、ろくに調べもせずに「実話の映画化」なんだろうと思っていました。が、主人公が語る物語だけでなく原作(スミマセン、読んでないw)自体も嘘か真か曖昧なものだったのも驚き。「トラと漂流した227日」というサブタイトルや、「なぜ少年は生きることができたのか」という、過去形のキャッチコピーに上手いことのせられました。
しかし、散々ファンジックな映像に真実はわからない物語、そして抽象的な人物やシチュエーションを見せられても、圧倒的なリアリティを感じる不思議な作品でした。[映画館(字幕)] 8点(2013-01-30 21:17:55)《改行有》
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