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【製作国 : ベルギー 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. やわらかい手 アイディアは独創的だけれど、あらすじから想像できる以上のものは何もなかった。俳優陣は与えられた役割を最大限果たしている。でも台詞のほとんどはあらかじめ引かれたストーリーのレールを辿るだけのもので、人物の体温が感じられない。 友達とのエピソードなんかは取ってつけたように思えた。息子さんとの関係も当然こうなるんだろうと予想される範囲内の展開で、それでも別に構わないんだけど、もっと丁寧な心理描写があればなおよかったと思う。どの登場人物もまるで脚本家の手で動かされるコマのよう。厚みを持った人間としての存在感がない。 全編を覆う鬱な音楽にも首をひねってしまう。一箇所も明るいトーンがないのは、なぜ? もしかしたら少しアキ・カウリスマキを意識しているのかもしれないけれど、あの世界観を中途半端に真似るのはあまりに危険でしょう。[DVD(字幕)] 5点(2008-10-10 18:21:07)《改行有》 2. イル・ポスティーノ 《ネタバレ》 唐突な結末に引いてしまったけれども、この映画に漂う空気は好きです。陽光きらめく海沿いを自転車で走る姿にあの音楽――ほんの少し、ジブリっぽいなと感じました。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-16 18:06:07) 3. ブラックブック 《ネタバレ》 戦争を題材にしつつもウェット過ぎず、悪い意味での文学気取りもなく、ミステリーとしてもオーソドックスな作り。余計な気負いなしに、語るべきことを堅実に語ったという感じで、素直に楽しめた。 もっとも印象深いのは、真犯人を棺に閉じ込めたあと、ラヘルら二人が呆けたように湖のほとりに佇む場面。悲鳴が止んだときの「永遠に続くかと思ったわ」という、復讐のカタルシスよりも徒労感の滲んだ台詞が忘れ難い。 初めはナチス相手の戦いだったのが、やがてナチ将校に恋をして、味方のはずの英米軍に虐待を受け、最後には同胞を敵として殺す。善悪の境界も混沌とした極限状況でここまで振り回されたら、そりゃ疲れ切るよなあ、と思う。大昔のアメリカ映画ならナチ=絶対悪の単純な形式でしかなかったのが、ヴァーホーヴェン監督には我慢ならなかったのだろう。事実あの時代を公平に見れば、白黒のつけにくい複雑な状況がいくらでもあるのだから。 ムンツェが告発される場面で、裏切ったドイツ軍人が「この男は保身のためなら平気で嘘をつくのです」という台詞がある。それに応じてカナダ人(だっけ?)将校が「誰でもそうだろう」と平然と応じる。ヴァーホーヴェンの冷めた人間観があの台詞に凝縮されているように思った。[DVD(字幕)] 7点(2007-09-20 01:42:19)《改行有》 4. マダムと奇人と殺人と 見た目のままに変てこな映画。鬱陶しい変人たち、ややブラックなユーモア、とんでもなくカラフルなのに不思議と調和している色彩感。外国のレトロなおもちゃ屋さんに迷い込んだかのような心もちになった。珍しい小道具とかしょうもない細かい演出とかにこだわっているので楽しく、飽きはしない。しかしミステリー仕立てのストーリーはあってないようなもので、ストーリーに期待してはいけない。レオン警視とうざいけれど憎めない仲間たちはなかなか魅力的で、こういうドラマシリーズがあったらたぶんチェックしてしまうと思う。完成度が高いとは到底いえないけれども、たまにつまむ分にはいい珍作です。 (ところでベルギーではダサい服しか売っていないという噂を聞いたんですが、本当なのでしょうか?)[DVD(字幕)] 6点(2006-09-01 16:29:01)《改行有》 5. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 平均点高っ。海の場面はさすがにぐっときたけど、他はそんなでもない。この設定であればもっと疾走感があっていいと思うし、映像的なセンスもとくに突出したものはない。ユーモアも微妙な抑え方で、大笑いさせられるようなギャグはなかった。もっとやろうと思えばかっこよく、むちゃくちゃにできたろうに。ただ、後味の爽やかさは抜群。暴力シーンも女の裸もあるのに、ものすごく健康的な映画だった気がする。死の宣告が主人公たちの生の密度を奇跡的に高め、短くとも生きている実感のこもった最高に楽しい時間が過ぎる。まったく悲壮感のない、幸福な最期。乗ることができればものすごく気持ちいい映画であることは間違いない。[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-18 02:25:01)(良:1票) 6. ベルヴィル・ランデブー あまりにデフォルメが効いて、もはや人間以外の領域に……! 自転車選手の孫のふくらはぎがあまりにもむきむきで笑った。触ってみたいな~と思っていたらおばあちゃんがいろいろな道具で揉む揉む。笑った。 でもストーリーは地味で子供向け。絵柄はともかく、脚本は退屈だった。おばあちゃんと男しか出てこず、若い女性が出てきても可愛さのかけらもないので、色気ゼロ。地味な印象。 高い塔が並んだ都市の映像も面白かったが、「美しい」映像とはちょっと違っていて、あんまり好みでもなかった。悪くはないが、いま一歩満足がいかない。[DVD(字幕)] 6点(2005-10-06 00:53:45) 7. ロゼッタ 終始、眠気との闘いでした。主人公の行動は訳がわかりませんね。知的障害者なんでしょうか。 深読みしようとすればできるんでしょうけれども、そうする気になれないほどつまらない。エンターテインメントしろとは言わないけれど、少しは観客の興味を惹こうとする努力をしてはどうかと。いや、他の方のレビューにもあったように、ロゼッタに感情移入できれば面白いのでしょうが……。僕はロゼッタにむかつきこそすれ、全然好きになれませんでした。 同じ監督の『息子のまなざし』はなかなか面白いと思ったんですけどね。40分くらいの短編にしてくれれば良かったと思います。90分観てこれだけだと、とても損した気になります。2点(2005-03-07 00:26:24) 8. ノー・マンズ・ランド(2001) 善玉も悪玉もなく、自己中心的な正義と盲目的な憎悪が相乗して悲劇にいたる。場を収めようとしていた人間がもっとも悲惨な末路をたどる。これは戦争と、あらゆる争いの縮図。個人的には、戦争映画とはこうあるべきだと思う。7点(2005-01-15 18:13:32)
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