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【製作国 : ベルギー 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. サンドラの週末 ボーナスか解雇かという非情な選択も小規模な会社が経営難に陥ればあり得ないことでもないと思う。だがその選択を従業員の投票で決めるのはとんでもない話だし、解雇の当事者が他の従業員の家を説得に回るということは到底考えられない。たとえ職場復帰できたとしても人間関係がぎくしゃくしてうまくいかないだろう。そんなありえない設定にも関わらず、人物描写もいろいろで堂々と映画にしているのには恐れいる。これで何も得るものがなかったらつまらない映画になっていたかもしれないが、再投票の結果サンドラは何かをつかんだと思う。少なくとも鬱病は克服できたのでは・・・。[DVD(字幕)] 6点(2017-07-25 16:35:38) 2. ニューヨークの巴里夫(パリジャン) 主人公の性格や物語の展開に着いていけず、スパニッシュ・アパートメント同様に自分にはやっぱり合わないのかなあと思っていたら、舞台がニューヨークに飛んだあたりから俄然おもしろくなった。グザヴィエをとりまく女性たちがそれぞれ個性があっておもしろいし、終盤移民局の調査官を初め女性たちがアパートで鉢合わせするシーンには興奮を覚えた。「ロシアン・ドールズ」は未見だし、「スパニッシュ・アパートメント」ももう一度見直してみようと思う。シリーズを通しての発見が見つかるかもしれない。[映画館(字幕)] 6点(2015-01-20 09:12:50) 3. グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札 女優として絶頂期にありながら惜しまれつつ引退したグレース・ケリー、カムバックを期待したファンもさぞ多かったろう。ヒッチコックの誘いに一度は考えたものの、ついに公妃としての道を貫く。そのままの伝記ではなく、事実に基づくフィクションであり、愛の物語である。この映画はすべてラストの彼女のスピーチのためにあると言ってもよいくらいだ。中盤がちょっとだけ中だるみになるような気もするけど・・・。[映画館(字幕)] 7点(2014-11-10 19:32:48) 4. カストラート 映画自体はさほどおもしろいとは言えないが、カストラート歌手としてバロック時代に活躍したファリネッリの生涯を知る上で大変貴重な映画。大作曲家ヘンデルと反ヘンデル派とが競い合った時代背景も勉強になったし、何よりも歌声がすばらしかった。大詰めのヘンデルの歌劇「リナウド」のアリアを歌う場面は、去勢された過去とオーバーラップし大変印象深い。[DVD(字幕)] 7点(2014-07-03 00:21:19) 5. チキンとプラム ~あるバイオリン弾き、最後の夢~ ヴァイオリンの美しい音色に誘われ鑑賞。コミカルでファンタジックで切ないロマンスもある。最初バラバラだったストーリーが、後半になって繋がっていく過程が良い。[DVD(字幕)] 6点(2013-07-24 06:25:46) 6. 天使の分け前 《ネタバレ》 ウイスキーの樽一つで110万ポンド(約1億5000万円)と私にとってはまったく縁のない別世界。それにウイスキー蒸留に少しでも知識があればついて行けたかもしれないが・・・。 天使の分け前とは非常にロマンティックだが、大自然が分け前についたと言えば許されようが、人間がかすめ取るのは許されるのだろうか。犯罪を社会奉仕で償うのはとても良いことだと思うけど。それにウイスキーの世界に縁のなさそうな世界で育った主人公に、鑑定の才能があったとは不自然に思う。[映画館(字幕)] 5点(2013-05-30 15:46:17)《改行有》 7. 君と歩く世界 膝から下の両足を失った女性を演じたマリオン・コティヤールはさぞ大変だったろうと思う。しかしさすがオスカー女優、どんな役でもできるものだ。一方無骨なアリを演じるはマティアス・スーナーツ、がっちりした体格の男である。彼は砂浜やベッドでステファニーを抱えあげる以外、彼女を普通の女性として扱い、憐れみや同情心などは一切持たない。それが良かったのだろうと思う。[映画館(字幕)] 6点(2013-05-06 18:52:09) 8. トト・ザ・ヒーロー 最初はサスペンスかなと思ったけど、明るく楽しげな主題歌が重い空気を吹き飛ばしてくれた。姉のアリスがかわいい、いや魅力的。主人公のトマが何もなかった人生と言っている割にはいろいろあっておもしろかった。ピストルを構えているにしては、ファンタジックで、爽快感がある。[DVD(字幕)] 8点(2013-04-12 06:36:58) 9. やさしい嘘 グルジアでの生活は丹念に描かれゆっくりしていたが、フランスへの旅があっという間の進行でびっくり、そしてラストはさらにびっくり。やさしい嘘とは単にお婆ちゃんを安心する嘘だけではなかったのか。驚きとともに暖かさを感じさせてくれる映画だった。[DVD(字幕)] 7点(2013-01-24 21:53:31) 10. 少年と自転車 これはすばらしい良い映画だ。贅肉をそり落とし、87分という短い時間にすごくコンパクトにまとまっている。ストーリーとしてはごく身近にある素材にもかかわらず映画に惹きつけられるのは、少年の屈折した心理が巧みに描かれていることによるものだ。またその少年シリルを演じたトマ・ドレのうまさに大変驚く。そして頼まれたとはいえ、里親となったサマンサの愛情にも・・・。映画には、ベートーヴェンのピアノ協奏曲が実にうまく使われている。途中の演奏ではピアノはなく、エンディングになってようやく登場するが、それがあたかも希望の光に思える。[DVD(字幕)] 8点(2012-12-26 07:41:23) 11. セラフィーヌの庭 《ネタバレ》 2008年度フランス・セザール賞で最多7部門を受賞したというこの作品、本国フランスでは大人気で、日本でも静かなブームを呼んでいるという。正直この映画を見るまでは実在画家セラフィーヌ・ルイどころか、著名な画家である素朴派のアンリ・ルソーの存在さえ知らなかった。 セラフィーヌ・ルイの絵が知られるようになったのは、本当に偶然だ。ウーデという画商と出会わなかったら当然埋もれたままだったろう。映画は画家と画商の微妙な関係を実にうまく描いている。そして、草や木に語りかけ、神の御心のままに絵を描くセラフィーヌになりきったヨランド・モローは見事というほかない。 [DVD(字幕)] 7点(2012-04-11 03:01:00)《改行有》 12. ブラックブック 《ネタバレ》 主人公エリスは架空の人物でも、映画の中には結構史実が取り入れられているらしい。だから単なるスパイもの、レジスタンス映画ではなく、中身が相当濃いし強烈。 たとえばその一つ、身分を隠すのに髪を金髪に染めることは往々にあっても、敵将校に取り入るためアンダーヘアまで染める、しかもそれを映画で堂々と見せるのには驚きである。その他、残酷な拷問や頭が砕ける、糞尿を浴びせるなど見るに堪えないシーンも数多くあり、強烈というか容赦ない。これらはナチスが悪でレジスタンスが正義という構造ではなく、戦争自体が醜く汚いものであることを訴えているようにも思う。 ナチスドイツに潜入したエリスの使命は体当たりそのものであるが、映画のカリス・ファン・ハウテンもまた主演女優賞ものの演技と言わざるを得ない。[DVD(字幕)] 8点(2012-03-24 07:07:58)(良:1票) 《改行有》 13. マーガレットと素敵な何か ロマンティックで、メルヘンの世界を思わせる予告編につられ鑑賞。映画自体は悪くなかったが、60過ぎの爺にはちょっとばかり苦手だった。乞う、青年および女性。7歳ののマルグリットは大変かわいかった。[映画館(字幕)] 5点(2012-02-01 15:46:50) 14. ノー・マンズ・ランド(2001) 《ネタバレ》 最初見たときは国連軍の無能ぶりを皮肉る映画かなと思っていたが、どうもそれだけではなさそうだ。そもそも地雷というのが非人道的な武器である上に、信管を外すことが不可能なジャンプ型地雷というものであればどうしようもない。これじゃいくら国連軍であろうと、地雷除去専門家でもどうしようもないだろう。そういうどうしようもない武器を作り出す側、使用する側の非人道さが伝わってくる。 そしてまたボスニアとセルビアといっても人種は違っていても、紛争が起こる前は一つの国、その一つの国が人種の違いや宗教の違いその他でいがみ合い対立する愚かさ。そういった諸々の戦争の愚かさが凝縮されていて考えされる映画だ。 [DVD(字幕)] 8点(2012-01-12 23:02:31)《改行有》 15. マンデラの名もなき看守 恰幅の良い堂々としたマンデラだ。私としてはモーガン・フリーマンの方がイメージに近いと思うのだが・・・。だから大柄なマンデラに対して、看守のグレゴリーがいかにも小男に見え、囚人と看守の立場が逆転しているかのようだ。 グレゴリーの細君のダイアン・クルーガーは、もったいないほどの美しさ、しかしアパルトヘイトに関してはごく普通の世間と同じ考え。グレゴリーがマンデラの影響を受け少しずつ変わっていったのに対して、終盤の変わり様は唐突にも思える。 さて邦題の「名もなき看守」だが、何か卑屈すぎはしないだろうか。マンデラはグレゴリーを母国語(コーサ語)を話す友人として扱っていたはずだ。それゆえ「グッバイ、バファナ」という題になっていた。 アパルトヘイトについては、予備知識があったのですんなり見れたが、描き方は不十分ではなかろうか。しかしながら良い映画である。もっとレビューがあってほしい。 [DVD(字幕)] 7点(2011-10-05 17:07:24)《改行有》 16. イル・ポスティーノ 《ネタバレ》 韓国映画「永遠の片思い」の中で、この映画を知った。それほど好きという映画ではないが、チリ国内の状況や実在の人物パブロ・ネルーダについて知ることができる。 後にノーベル賞の文学賞も受賞し大統領候補にも挙げられた人だが、1948年に始まった共産党弾圧によって国外退去を命じられ、イタリアに亡命していた。映画では隠喩に長けた詩人として紹介されている。 それゆえ映画の中では、私たちは主人公マリオとともに詩のすばらしさを学ぶことができる。この主人公マッシモ・トロイージは、心臓が悪く手術が必要な状態であったにもかかわらず撮影を続け、終了後に亡くなったという。映画の中で集会デモの中で死んだことになったはそのためかもしれない。[DVD(字幕)] 6点(2011-07-06 16:12:21)(良:1票) 《改行有》
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