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プロフィール |
コメント数 |
407 |
性別 |
男性 |
ホームページ |
http://onomichi.exblog.jp/ |
年齢 |
55歳 |
自己紹介 |
作品を観ることは個人的な体験ですが、それをレビューし、文章にすることには普遍さを求めようと思っています。但し、作品を悪し様にすることはしません。作品に対しては、その恣意性の中から多様性を汲み取るようにし、常に中立であり、素直でありたいと思っています。 |
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1. 地獄に堕ちた勇者ども
ドストエフスキーの「悪霊」をモチーフにしたであろうヴィスコンティの傑作。特にマーチンの人物造詣と親衛隊による突撃隊殺戮劇「血の粛清」シーンは白眉だろう。分厚い制服を着た男達が、乱痴気騒ぎのパーティーで酔い潰れた裸同然の同類達を一斉に射殺する。迫りくる映像に僕らは完全に宙吊りにされるしかなかった。同類による同類の粛清という震撼すべき絶対的空疎。それは退廃した様式とイデオロギーという悪霊に一直線に繋がっている。悪霊とは何か?ここでマーチンよって語られる「スタブローギンの告白」は、ナチスという悪霊に憑かれることの危うくも美しい幸福感を見事に描いている。神の黄昏として表現される巨大な空疎⇒退廃。それは地獄の入口でもあるのだ。ナチスやソ連が滅んだ今でも、そのモチーフ、現代的意味は全く死んでいない。この映画を観たのは15年も前であるが、その内容を思い出すに付け、それは麗らかな春の昼間に朧見る悪夢に似ている。ぞっとして跳び起きた瞬間、まるで其処こそが地獄の入口であるかのように感じるのだ。8点(2004-02-22 15:02:43)
2. 恋人までの距離(ディスタンス)
旅と恋愛とは似ている。その本質は期待すること。そんな可能性を改めて認識させてくれる映画だった。旅が終われば、今、この瞬間の恋は終わってしまうのか。でも、それでも。。。この映画、舞台設定もなかなかよく出来ているが、日常を超えた些細な可能性について、その高揚と不安をよく描いていると思う。誠実さがさりげなく光る恋愛映画の佳作。8点(2004-02-08 22:45:11)
3. トリコロール/青の愛
青は孤独に美しい。この映画で表現されるビノシュの青は、哀しみです。画面の彼女が崩れ落ちるとき、青白い素肌が妖艶な炎のように、情景に広がる静謐から沸き立ちます。僕らは、ただひたすら、彼女の青に溶け込む透徹な美しさ、何ものをも受容しない絶望の美しさに酔うのみなのでしょう。フランス国旗のトリコロールの青は自由を表すといいますが、哀しみが何ものにも代えられない自分を抱えることと同義であるという意味において、この映画の青と象徴的な重なりをみせるのでしょう。 10点(2002-03-01 02:29:10)
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