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1. 罪と罰(1983)
長編デビュー作がこの小説の映画化とは、自信家なのか無謀なのか? しかし結果は見事に成功と言える。カウリスマキが好きだと言う小津の影響も随所に見られる。冒頭の食肉解体工場のシーンに物語全体を象徴するかのような息苦しさがあり、一気に作品世界に引きずり込まれる。舞台は現代のヘルシンキに移されているが、基本的なストーリーはドストエフスキーまんま。ただし、役者に喋らせない静かで独特な演出スタイルが、原作の小説に特有の過剰さや饒舌さと全く異なる味わいをもたらしている。この作品から「レニングラードカウボーイズ」までは一見遠いように見えるが、実はごく近いのかも知れない。6点(2004-01-30 01:36:01)
2. カラマリ・ユニオン
《ネタバレ》 これはスゴイ。何がスゴイって、全然わけ分からん(笑) 見せたいシーンを積み重ねたら、シュールで笑えるロードムービーになった、カウリスマキの初期作品。といっても、理想郷を探しに旅立ったフランクたちが結局みんな死んでしまうというストーリーには、哀しみがにじみ出ている。カラマリってイカ墨のことらしいのだが、何かの比喩だろうか。考えすぎ?5点(2004-01-30 01:28:51)
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