|
1. ウィンター・ウォー/厳寒の攻防戦
《ネタバレ》 197分完全版を視聴。前半1/3は戦場に赴くまでの被服の受け取りやら行進、その後は雪中でのソ連軍の砲爆撃、戦車と突撃との戦闘描写が延々と続く。それも非常に長く続くが、美術から何から丁寧に作られている印象で緩む感じはない。CGも不自然にドラマチックな演出もほとんどなく、英雄談も過剰な反戦メッセージがあるわけでもない。大国の侵略に敢然と立ち向かって国土を守ったフィンランドであり、誇るべき逸話もあろうがそういった話はなく、身近な戦友たちは次々と倒れて行き、唐突な停戦で終わる。一見単調な展開だがこれこそ当事者たちの感じる戦場の実相かもしれない。メガネの曹長さんがいい味を出していた。[DVD(字幕)] 6点(2020-05-21 21:59:49)
2. アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場
《ネタバレ》 第二次大戦のフィンランドとソ連の継続戦争を時系列に追ったもの。
舞台はずっとフィンランドからソ連北部の森林、湖、川、湿地で冬季は雪の中になるが非常に美しい。
戦闘シーンはその中でひたすら地味な歩兵戦、塹壕戦が続き非常に良くできているが、同じような場面が多いのでややだれるかもしれない。また、「1944 独ソ・エストニア戦線」や、「スターリングラード(独)」等過去の戦争映画の影響を受けたと思われる描写もあった。フィランド軍兵士がドイツ型、ソ連型二種類のヘルメットをかぶっていたことが面白かった。
兵士達は時々休暇で帰省するがのどかな田園風景が過酷な戦場と対比されて印象的。
日本ではあまり知られていない戦争の雰囲気がよくわかったし、敗れても占領されなかったとはいえフィンランド国民に残った傷も描写され、なんとも苦い後味が残った。[ブルーレイ(吹替)] 6点(2020-04-11 16:48:50)《改行有》
3. 1944 独ソ・エストニア戦線
《ネタバレ》 エストニアで同民族が独ソに分かれて戦った悲劇を描いた戦争映画で、日本であまり知られていないようですが、ストーリー、描写共に素晴らしい作品だと思います。
独ソのエストニア人部隊が戦場で遭遇し、戦闘をやめ双方ゆっくち立ち上がり見つめ合った後、一方が静かに去っていく時の両軍兵士たちの表情が非常に印象的。前半主役のドイツ側の兵士が途中で戦死し、殺したソ連側の兵士の話になりますが彼も戦死、それでも生き残った同胞が民族の血をつないでいく・・・時代に翻弄される小国民の悲劇を雄弁に物語るストーリーだと思います。
戦闘シーンも考証、ツボを抑えており、昨今のやたらグロ描写やCG、音響効果等でごまかした映画とは違います。映画での機関銃はやたらとフルオートで撃ちまくられていますが、本作では並射されていたり、ジャムったり描写が細かいです。[DVD(字幕)] 8点(2017-08-13 14:24:37)《改行有》
|