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プロフィール |
コメント数 |
2490 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉
『What's Up, Tiger Lily?』(1966) 誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。
『華麗なる悪』(1969) ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。
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1. キャノンフィルムズ爆走風雲録
《ネタバレ》 キャノンフィルムズといえば80年代にハリウッドと世界に旋風を巻き起こし、ジャン=クロード・ヴァン・ダムやチャック・ノリスを世に送り出したB級プログラム・ピクチャーの雄。その創業者であるメナハム・ゴ―ランと従兄弟のヨーラン・グローバス、人呼んで“ゴーゴー・ボーイズ”の波乱万丈の映画バカ人生を描くドキュメンタリー、とくとご堪能あれ! ゼロからイスラエルで映画製作を始めてイスラエルでは名の知れたヒットメーカーになっていたゴ―ランのもとに映画好きの従兄弟グローバスが転がり込んできたのが、キャノンフィルムズのそもそもの始まり。二人はさらなる飛躍を夢見てハリウッドに進出、でも当たり前ですがそう簡単に成功が掴めるはずはありません。『グローイングアップ』シリーズなどでヒットのコツが判ると、70年代後半から80年代にかけて低予算B級映画で市場を席捲してゆきます。二人は、根っからの映画監督で年に何十本も映画を平気で撮っちゃうゴ―ランに、資金集めの天才グローバスがプロデューサーと裏方担当と役割分担がきっちりしていますが、どちらも根っからの映画バカだというのは共通点。キャノンが編み出した画期的な資金調達法は、キャスト・スタッフはおろか脚本すら存在しないただの企画を華々しいポスターに何十本も仕立て、それをカンヌなどの映画祭で大量に売り捌くという詐欺スレスレの際どいもの。とうぜん少なからぬトラブルも発生しますがイケイケの80年代でしたから面白いように儲かって、最盛期はハリウッドの映画興収の20%はキャノンが稼ぎ出し、インタビューでも語っているように本気でハリウッド六番目のメジャーになるつもりだったみたいです。ヴァン・ダムやチャック・ノリスのB級アクションのイメージが強いキャノンですが、意外なことに『ゴダールのリア王』やジョン・カサヴェテスの『ラブ・ストリームス』などの文芸作にも出資しています。もっともゴダールは「ゴ―ランは映画を撮っていなければただのマフィアの親分だ」なんて、出資してもらったのに罰当たりなこと言っていますけどね(笑)。 知っての通りキャノンは二人の野望にもかかわらず消滅してしまったのですが、EMI買収の頓挫とやはり『スーパーマン4/最強の敵』の大失敗がきっかけだったとこの映画では分析しています。どんなにカネがかかろうともただ映画が撮りたいだけのゴ―ランとさすがに資金繰りがもう限界だと悟ったグローバスはついに喧嘩別れ、ゴ―ランはまた映画製作会社を立ち上げ、グローバスはパテ社にキャノンを買収してもらいそのパテがMGMを買収したので彼がMGMの社長に就任という巡りあわせに。この買収は後に大金融スキャンダルになってMGM社長は短期で降りる羽目になったのですが、これはまた別の話し。 その後はゴ―ランの会社は破綻してこの映画が製作された2014年にはもう映画なんか撮れない状況になっていましたが、グローバスはイスラエルで撮影スタジオを運営したりしてそれなりに活躍しているみたいです。しょうじきキャノンに関しては悪い話しとイメージしかなかったですが、こうやって丹念に二人の足跡を見せられると、映画製作に人生のすべてを注ぎ込んだ愛すべき映画バカに共感してしまうほどです。ラスト、20年間絶交状態だった二人が本作をきっかけに和解し、仲良くポップコーンを食べながらスクリーンに流れるイスラエル時代の作品を嬉々として観ている光景は、もう泣いてしまいます。ゴ―ランは本作製作と同年に亡くなったそうです、合掌。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-09-18 21:35:46)
2. 暴走機関車
《ネタバレ》 黒澤明が投げた企画を形にしたゴーラン&グローバスのキャノン・フィルムの功績は素直に認めてあげたい。なんで監督がアンドレイ・コンチャロフスキーなのかという疑問はありますけどね。でも映像の随所にソ連の映画監督を引っ張ってきたという効果はみて取れます。刑務所の荒れっぷりや仕事に対する緊張感が不足している鉄道会社の社員たちの姿は、アメリカというよりも当時のソ連社会を投影しているみたいです。ジョン・ボイトを屋根に載せて機関車が突っ走るラストには、ソ連の映画作家が好む無常感に通じるものがあります。 黒澤のオリジナル脚本はもっと乾いたスリルとサスペンスを強調したものだったそうですが、それをアメリカ人がリライトしたら男と男の情念のぶつかり合いみたいな日本的なストーリーになってしまったというのも皮肉なもんです。出演者の中では半分ぐらい経ってようやく登場してきたレベッカ・デモーネイ、いつもの厚化粧とは打って変わってほとんど素ッピンみたいな田舎の芋ネエチャン風が良かったです、ほとんど活躍しなかったけどね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-10-17 21:14:32)(良:1票)
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