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【製作国 : オーストラリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 美しい絵の崩壊 《ネタバレ》 そこは奇麗な碧い海が何処までも拡がる、風光明媚なオーストラリアのとある観光地。小さなころから共にこの地で育ったリルとロズは、お互いのことなら何でも知っている大の親友同士。結婚も出産も子育ても一緒に乗り越えてきた二人は、もはや夫以上に深く結びついている。そして、お互いの一人息子、イアンとトムも今やすっかり一人前の逞しい青年へと成長していた。そんなある日、彼女たちの関係に微妙な亀裂が入るのだった。なんとお互いの一人息子とほぼ同時期に肉体関係を持ってしまったのだ。「こんなこと、人としての倫理に背いている」――。許されざる事態に深く思い悩むリルとロズだったが、何度も身体を重ねるうちに彼女たちはいつしか深い愛情を芽生えさせてゆくのだった。それぞれの関係を認め合い、ずるずると深みに嵌まってゆく母親とその息子たち。微妙な均衡のうえに成り立っていた四人の関係は、二年後、新たな若い女性の登場で徐々に崩壊してゆく……。子供のころから知っている親友の一人息子との禁断の愛に溺れる二人の母親をじっとりと描いた愛憎劇。そんな許されざる愛に苦悩する母親役をそれぞれ演じるのは、実力派のベテラン女優ナオミ・ワッツとロビン・ライト。ノーベル文学賞を受賞した作家の小説を基にしたという本作、これがまぁなんともイヤーーーなお話でしたね。お互い親友同士の母親がこれまた親友同士のそれぞれの息子と一線を越えてしまうというだけでもイヤなのに、それがバレてしまうと今度はお互い公認で愛欲の海に溺れてゆくというのがまたなんとも不愉快……。母親と息子たちが、それぞれレズ&ゲイっぽいとこも不快指数を上げてきます。谷崎潤一郎の『卍』も真っ青な、なんというドロドロな四角関係(笑)。当然そんな関係がうまくゆくわけもなく、お互いの息子がそれぞれ若い娘に惹かれてゆくとこからは、今度は老いに怯える中年女性の嫉妬という新たな不快要素もぶち込んできます。さすがに後半は「もう分かったから勘弁してくれ!」って感じで観てました(笑)。まあここまで不愉快なお話を、美しい自然の風景と年を取ってもまだまだキレイな主演女優二人の魅力とで最後まで魅せきったところは素直に良かったと思うんですけどね。作品としてはそこまで悪くないんだろうけど、僕はもういいかな。ははは……。[DVD(字幕)] 6点(2020-09-21 00:32:05) 2. ウォルト・ディズニーの約束 《ネタバレ》 ディズニーの名作映画『メリー・ポピンズ』。その制作の舞台裏を、ウォルト・ディズニーと原作者であるトラヴァース夫人との確執をメインに描いたヒューマン・ドラマ。ディズニー社制作でありながら、ウォルト・ディズニーを必要以上に美化しておらず、また非常に丁寧に作られていて好感は持てるものの、『メリー・ポピンズ』にほとんど思い入れのない自分にはそこまで心に響かず。それでも嫌みなおばちゃんをのびのびと演じていたエマ・トンプソンはなかなかの嵌まり役でしたね。[DVD(字幕)] 6点(2018-12-14 09:48:51) 3. ウルヴァリン:SAMURAI 《ネタバレ》 昔から僕はこの「X-MEN」シリーズとは相性がよろしくなくて、確か一作目だけは観たと思うのだけど個人的に「うーん…」て感じだったので、以来このシリーズは全く観てこなかったのだけど、今回は日本が舞台、しかも監督は「17歳のカルテ」や「アイデンティティー」という良質のエンタメ作品を数多く制作してきたジェームズ・マンゴールドということで、ちょっと興味を惹かれてこの度鑑賞してみました。というわけで僕が「X-MEN」シリーズにこれっぽっちの思い入れもなく観始めたことが功を奏したのか、けっこう面白かったっすよ、これ。取り敢えず、ウルヴァリンさんは怒ると手の甲から鉄爪が出てきてすぐに傷が治っちゃう不死身のむさ苦しい髭面のおっさんてだけでなく、過去に奥さん(?)を殺しちゃった悲惨な過去を持つ哀しいおっさんでもあったのですね。そんな哀愁漂う彼が若い女と日本の観光地をウレシハズカシ巡りながら、その先々で暴れまくるアクションシーンの数々はなかなか楽しめました。まあ、真面目に突っ込み出したら怒りのあまり鼻血が出そうなほど、次々と出てくるおかしな日本描写はご愛嬌だけどさ。「どうだ、このイレズミ!怖いだろ~、俺たち恐ろしいヤクザなんだぜ!」と、わざわざ裸になって会長の娘を追いかけるお馬鹿なヤクザさんたちが一番面白かったかな~。ラブホの火星探検部屋は、逆に狙い過ぎてスベッてたけどね(笑)。それに新幹線をあんなにズタボロにしちゃったウルヴァリンを簡単に途中下車させちゃうJRってどんなけ甘々やねーん!と、まあそこらへんに目を瞑れば、その新幹線での白熱のバトルとか、中2病全開の赤毛の女忍者とか、真田広之のダークサイドに堕ちちゃったサムライっぷりとか、僕はけっこう楽しめたっす。[DVD(字幕)] 6点(2014-06-10 00:04:50) 4. ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷 《ネタバレ》 使いやすい自動小銃で人気を博し、一代で財を成したウィンチェスター社。だが、創業者であるウィリアム・ウィンチェスターは莫大な財産と51%の株を遺し、この世を去ってしまう。そればかりか一人娘であるアニーも亡くなり、遺産を相続したのは夫人であるサラ・ウィンチェスターのみだった。深い絶望の中で、夫人は怪しげな霊媒師に縋りつき、サンノゼに広大な屋敷を購入することに。以来彼女はその霊媒師に言われるがまま、この館を増築し続けるのだった。最初は8部屋から出発した館も20年経った今では7階建ての巨大建造物、まさに迷路としか言いようのない不気味な幽霊屋敷へと変貌を遂げ、夫人はその増改築を繰り返す館の中で孤独に暮らし続けている――。サンフランシスコで落ちぶれた精神科医として暮らしていたプライス医師の元に、そんな夫人の精神鑑定をしてくれという依頼が舞い込んだのもそんなころだった。トラブルを恐れた重役会が夫人から経営権を取り戻したいという本音が透けて見えるその依頼を受け、プライス医師はその巨大な迷路のような屋敷へと訪れるのだったが…。アメリカに実在する有名な幽霊屋敷を舞台にそんな悪夢のような恐怖を描いたゴシック・ホラー。スタイリッシュな映像と独自の世界観で最近めきめきと頭角を現しているスピエリッグ兄弟の新作ということで今回鑑賞してみました。細部にまで拘ったであろう重厚で美しい映像は相変わらず見応え抜群。このイカレタ?老婦人の頭の中を再現するために、ひたすら増改築を繰り返してきた幽霊屋敷という舞台の不気味さを余すことなく伝えられていたと思います。夜中であろうとお構いなしに聞こえてくるトンカチやのこぎりの音、何処に繋がっているのか分からない無数のドア、ひたすら同じところをぐるぐると廻らされる階段、夜中の12時に決まって鳴らされる鐘の音…、いやーこんな屋敷になんか死んでも泊まりたくない(笑)。ただ、それに対して肝心のストーリーの方は正直「?」でした。それぞれに闇を抱えた登場人物への掘り下げが巧く機能しておらず、クライマックスへの盛り上がりに繋がっていません。特に主人公の過去のトラウマである死んだ恋人のエピソードなど、果たして意味があったのかどうか。ヘレン・ミレン演じる夫人ももっとぶっ壊れた不気味なキャラでもよかったような気がします。映像や世界観は良かっただけに、惜しい。[DVD(字幕)] 5点(2019-04-08 23:48:13)
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