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【製作国 : オーストラリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. ミスティック・リバー 《ネタバレ》 ミステリーの筋書きとしては陳腐ですし、ケヴィン・ベーコンは子供の頃の事件に遭遇した3人のうちの1人である必要性が希薄だと思いますが…それでもイーストウッドが監督を務めれば、かくも重厚な出来になってしまうのですから驚きです。 出色なのは、とってつけたようでもある最後のパレードのシーンで(物語的には不快な残酷さを宿しており過酷ですが)、サングラスをかけて視線を遮り闇におちていくショーン・ペン、ただ見つめるだけのベーコン、もう不在のティム・ロビンス、夫を信じ切れず弱さを露呈するマーシャ・ゲイ・ハーデン(うろたえないでくれと心底願いたくなる!)、そして何より恐ろしいのは顔を背けることなく堂々とお天道様に照らされて表通りを見るローラ・リニー。華やかなパレードの中で巻き起こる人間の暗部のドラマが簡潔に描かれています。 ところで…どうでもいいことですが、なぜデイブは嫌な少年期を過ごしたボストンを大人になっても離れなかったのか?その答えは子供の頃からずっと被り続けている帽子にあります。彼は熱狂的なボストン・レッドソックスのファンだったんです。せめてバンビーノの呪いが解けたところを見られたら良かったのに…本当に憐れ。 [DVD(字幕)] 8点(2010-09-22 18:20:10)(良:1票) 《改行有》 2. ロミオ&ジュリエット シェイクスピアのような古典を、目まぐるしくカットが変わる現代的なスピードと、うんざりしてしまうほどのアップの連続で撮りあげてしまっていることに、何の良さも感じられませんし、アカデミー美術賞にノミネートされている美術とやらも全く記憶に残らなかったぐらい見づらかったです。 ロミオとジュリエットの、つまりはレオとクレアのアップは見たいと思いますので別にかまわないのですが、どうでもいいキャラクターまで息が詰まるほどアップアップでこられては、見ているこっちがあっぷあっぷです。 ピース・ポスルスウェイトの神父やジョン・レグイザモのティボルトなど面白くさせそうな人物たちを巧く使い切れていないのも残念です。 ただ、レオには最近やるような小難しい役ではなく、こういう役を演じてほしいです。せっかくの美男なんですから。[ビデオ(字幕)] 3点(2009-03-24 18:14:00) 3. インベージョン ニコール・キッドマンが見たかっただけで事前情報ゼロ、ドン・シーゲルのオリジナル版も未見の状態で鑑賞。・・・で率直に言いまして〝キッドマン見たい〟という欲望はそこそこ満たされたのですが、それ以外は作品としてかなり酷い出来かなと。確かに観客を退屈させない方法は心得ているようですが見るべき所は皆無に近かった印象です。レビューしようと思って本サイトで気付いたのですが、本作の監督さんは「es[エス]」や「ヒトラー 最期の12日間」などのドイツ映画を撮っている方ですね。どうやら環境により変化し得る人間の本質を描き出そうとしているみたいですが、今回などはラストでロシア外交官?の言葉をリフレインさせるなど取って付けた様な感じで少々滑稽な気がします。ということで奇麗なキッドマンがこれでもかとたくさん映っていたことを加点して5点で。[映画館(字幕)] 5点(2007-10-29 18:37:37) 4. 明日、君がいない 《ネタバレ》 子どもと大人との隔たりを主張しているためか型にはまった大人たちの描写は希薄で、ドキュメンタリー調でインタビュー形式の告白を聞かせてしまうのは映画としてはどうかと思いますが…最後まで緊張感を保ち若者特有のヒリヒリを感じさせてくれます。学校を舞台に肩越しから覗くように撮られた日常風景、人物と時間の交錯はガス・ヴァン・サントの「エレファント」と似た手法ですが、本作はあれよりずっと劇的であり感情的です。サスペンスタッチで冒頭から誰かの死を予見させる命の重みで訴える構成は、その後始まる一人一人の声に真剣に耳を傾けざるを得なくさせます。そして大き過ぎる問題を抱えた生徒たちはドラマチックですし、それでいて唐突に核心を衝くあの結末はヘビーな問題ではなく無関心による孤独という日常的な悩みがいかに重いかを気づかせてくれます。さらに〝予想外の自殺者〟は観客にも無関心への荷担を強いているのです。衝撃的なリストカットのシーンは画面から目を背けたくなるほど鮮明で痛々しく〝生〟への証として描いているように思えます。 監督が自らの体験をもとに本作にとりかかったのは弱冠19歳の時というのですから驚きですが、言われてみればで良い意味でも悪い意味でも若さを感じますし、若者らしい心の叫びが伝わってきます。[映画館(字幕)] 7点(2007-05-07 18:03:09) 5. ドリームキャッチャー 《ネタバレ》 スティーヴン・キング原作の映画は出来の差が激しいですよね。しかし彼の小説が好きな私は、迷いがあってもその映画も鑑賞。本作は酷評を聞いていたのが良かったのか、噂ほど悪くはなかったですね。「スタンド・バイ・ミー」のような子供時代、そして大人になっても子供の頃のように仲の良い彼ら。何となくうらやましくなってしまいましたよ。それから〝記憶倉庫〟も良いですね。私も記憶倉庫が欲しいです。色々燃やしてしまいたい。それに角刈り?のモーガン・フリーマンも新鮮でしたよ。内容もエイリアン侵略ものと考えればなかなかだと思います。 ちなみに私のレビュワーネーム、ミスター・グレイと本作に登場したミスター・グレイは一切関係はございません。[DVD(字幕)] 5点(2006-01-03 12:56:15)《改行有》
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