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【製作国 : オーストラリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. マトリックス 《ネタバレ》 ネオが真実の世界を知り、仮想空間で進化を遂げていくストーリーと世界観がたまらないです。 シリーズすべてを観賞(アニマトリックスは除く)し、まだ何となくしか理解できていない部分もありますが、おそらくネオは1作目で仮想世界のプログラミングを理解し、それを自在に書き換えるレベルまで達したのではないかと思っています。 ですので、仮想世界ではまさに神の領域。 ただ現実世界ではただの人間にすぎないので、シリーズ通してそのギャップにも魅了されました。 1作目が世間一般で最も評価されているのも、何となくわかる気がします。 3作目まで見てしまうと、ある程度世界の姿が見えてしまうのに対し、1作目ではそのスケールの概要がまだ覆い隠されています。 何でも、すべて見えてしまうと面白さが半減してしまうということでしょうか。 僕も例にもれず、1作目が一番好きです。[DVD(字幕)] 9点(2012-05-17 16:37:06)(良:2票) 《改行有》 2. グリーン・カード 《ネタバレ》 最初の「偽装結婚」という設定で既に筋書きの予想はついてしまいます。ですので、「次に何が起こるのだろう」という楽しみ方ではなく、登場人物たちと一緒に、おそらくそうなるであろう筋書きの決まったストーリーを一喜一憂しながら楽しみました。 もちろんこの映画の良いところは、予想を裏切ることがないことです。嘘から始まった二人の関係が次第に本物になっていく。特に終盤のブロンティの変化は、かなり可愛らしく好感がもてます。個人的には、試験が終わってからブロンティはこれで終わりといったそぶりで別れていくのですが、それから何となくジョージのことを考えているのが表情から伝わってくる静かなシーンが好きです。そして、チャイムが鳴ったらジョージだと思って満面の笑顔で玄関に出て行くシーンが最高に良いです。(結局ジョージではなかったのですが) そんなにラブストーリーを面白いと思うことは少ないのですが、これはかなり良かったです。コメディのバランスもとても良いので、最初から最後まで飽きることなく観られますね。 [DVD(字幕)] 9点(2012-05-10 00:02:52)(良:1票) 《改行有》 3. サルート・オブ・ザ・ジャガー へんな映画を借りてしまったかと思いきや、これめちゃめちゃ面白いです。 見始めてすぐは、「なんだこれは?スポーツなのか?ふざけているとしか思えない」と思っていたのに、最後はもう完全にサルート・オブ・ザ・ジャガーファンに。ああ、このスポーツ、オリンピックでやってほしいなあ・・・ キッドにも最初全然魅力を感じなかったのに、最後は応援しまくり。 架空のスポーツのくせに、なんだこの完成度と存在感は。 鑑賞しながら本気で戦略とか考えてしまった。 「歩いていけ。」 し、しびれる。 [DVD(字幕)] 9点(2012-05-03 15:23:25)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》 4. パニック・マーケット3D 《ネタバレ》 街のCGがしょぼいのはご愛敬。その代わり水浸しのスーパー店内はCGにしろそーじゃないにしろ、リアルな質感で最高。B級サメ映画のなかでは間違いなく当たりの部類です。 出てくるのは大きめのホオジロザメが2匹だけ。品種改良なし。陰謀なし。潔いくらいただのサメサメパニック。でもすごく面白い。 ストーリー展開も良い。強盗がスーパーに乱入。一触即発のところへ津波襲来。スーパーは水浸し。取り残された人たちがどーやって脱出しようかと途方に暮れているところに、『あれ?水の中に何かいる・・』この畳みかけ方が好きです。まさにパニックマーケットです。 このテの映画は『自分だったらどーする?』って考えながら見るのが面白い。陳列された商品棚の上に避難するっていうシチュエーションがたまらないです。 店内にいる人たちはともかく、地下の駐車場にいる人たちはどーしようもねーだろうと思っていたら、まさかあの状態から助かるとは。 最近の映画にしては珍しく、犠牲になる人にはある程度の規則性がありそうです。とりあえず悪い奴と嫌な奴が優先的にサメの餌食に。でもそのルールにあてはまっていないのが駐車場のバカ女。そーなってくるともう一つの規則性が。サメの餌食になってるの男ばっかりじゃね? まあこの映画、女性が多くヒーローも多いので、結構たくさん生き残っちゃう。サメ映画だけに、いやサメ映画なのにやや食い足りないとしたらそこくらいか。 で、『ゆき』さんがおっしゃっているように、終盤で突如主人公が覚醒。一人で2匹のホオジロザメを血祭にあげちゃう手に汗握る展開に。急にアツい。うん、パニックホラーの定石を踏まえつつこんなにスカッとさせてくれるとはなかなかです。[DVD(字幕)] 8点(2022-03-22 14:54:01)(良:1票) 《改行有》 5. ブレイブ ワン 《ネタバレ》 おそらく賛否両論あるであろうラスト。もしかすると『否』のほうが多いかもしれません。 ですがきれい事ばかりでラストをしめくくる作品より、私は人間の本音をあるがままに描くこーゆーラストにぐっときます。 重要なシーンがあります。注文していた結婚式の招待状が届くシーン。幸せだった頃の自分たちを思い出す重要なシーン。良くも悪くも、怒りは時とともに風化していくものです。このシーンはその風化をくいとめる重要なシーン。冒頭の結婚式の打ち合わせをする幸せそうなシーンが蘇り、犯人を許すなという気持ちに一気に引っ張られます。 この映画はエリカ・ベインの人物描写が凄く良い。ジョディ・フォスターという名優が演じているというのもあるでしょうが、脚本と監督が良いのだと思います。 警察署に行き捜査状況を確認。見事なまでのお役所対応。長時間待たされたエリカは意を決してガンショップへと行ってしまう。このときのエリカの気持ちが痛いほど伝わってきます。誰が彼女を責められるでしょうか。 1度目のコンビニ殺人⇒正当防衛。2度目の地下鉄殺人⇒過剰防衛。このあたりの、エリカの心境の変化の描き方が抜群に上手い。3度目も結果正当防衛ではありますが、そもそものきっかけが『巻き込まれ』ではないのが今までと違います。そして4度目とクライマックスは、遂に自分から狩に出ます。エリカの理性が少しずつ失われていく様子が、無理なく自然に描き出されています。 辛いストーリーなので満点はつけづらいですが、ドラマ仕立てのサスペンスとしてはほぼ満点の出来。 同じアパートのスーダン出身の女性の存在感が抜群に良い。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-11-06 12:16:55)《改行有》 6. インベージョン 《ネタバレ》 どっかで見た映画だと思ったら、『SF/ボディスナッチャー』のリメイクだったのか。なるほど。どーりで。 個人的にはこちらのほうが好き。『SF/ボディスナッチャー』より上映時間が短く、テンポがよく、それでいて見所が多い。前半の雰囲気作りがとても上手い。 序盤にちょいちょい街の様子をさりげなく挿入しているのが大事。自分が知らない間に少しずつ変わっていく街。日常。マジョリティーだった『人間』という種がいつの間にかマイノリティーへとすり替わっていく恐怖。これぞホラー、これぞSFでしょう。 巷の評判は厳しいみたいですが、私は好きです。とっても。ゾンビやモンスターと違ってぱっと見は人間。外見ではその脅威に気付けない恐怖。オリジナルのもつ最も重要な核となる恐怖が引き継がれているのが大事。そこさえ変わらなければ、『免疫』や『睡眠』なんかの追加設定やアレンジがされていても全然問題ないわけです。 オチは賛否両論ありそう。『SF/ボディスナッチャー』のバッドエンディングも嫌いではありませんが、丸く収まっちゃうこちらのほうが好みです。点数低かったから期待していなかったのですが、リメイクだから低かったのですね。オリジナルより点数が低くなりがちなのはリメイクものの宿命。納得です。 迷っている人がいたら、この映画に関しては平均点をあまり気にせず鑑賞することをオススメします。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-09-12 01:05:11)(良:1票) 《改行有》 7. ソウ6 《ネタバレ》 今までのシリーズに負けず劣らずのショッキング映像でスタート。このシリーズのファンなら間違いなく満足できるレベルです。はっきり言って、6作目にきて、いまだ『痛さ』の形容がパワーダウンしないだけでも、非常に頑張っていると思います。 本編では、ジグソウならではのゲームが盛り沢山。今回のテーマは『命の選定』。悪質な保険会社にぴったりのテーマ。保険会社に煮え湯を飲まされた経験がある人ならば、むしろ爽快にすら感じるかもしれませんね。つまりは、今までの犠牲者と違い、同情の余地が極めて少ないのであります。 また、保険会社のウィリアムの回想シーンが非常にわかりやすくバックグラウンドを教えてくれるのが良い。 全滅パターンが多かったシリーズで、今作の『テーマ』と『ゲーム』の性質上、生存者が結構いるというのも大変興味深い。かなりテーマを反映したゲームとなっているのではないでしょうか。 そしていつもの『連続テレビドラマ』のパート。こちらはいつにも増して緊張感があって良かったですね。 生きていたペレーズ捜査官。追い詰められていくホフマン。これだけでも面白いのに、今作ではジル・タックの回想シーンがプラスされ、新たなる事実が次々と判明します。特に、アマンダに対する評価は、この作品を見ると180度変わること間違いありません。 相変わらず今までのシリーズを見ていることが大前提の作品ではありますが、それだけの価値があるクオリティに仕上がっています。 これだけの内容を90分にまとめきるのも何気に凄い。[DVD(字幕)] 8点(2017-07-23 04:05:49)《改行有》 8. エイミー(1997) 《ネタバレ》 シリアスで緊迫した雰囲気と、コメディタッチのやわらかいテイストの演出が、絶妙な匙加減で上手にバランスをとっている良作。とは言え、後半、アル中親父に追いかけられたときはそれまでの作風とのギャップにいささか戸惑ってしまいましたが。 今作は、どう頑張っても母親とエイミーが、父親にはもう会えないという辛い背景をしょっています。ですが、『歌でしかコミュニケーションをとれない』という設定が、この映画に爽やかで楽しくて幸せな雰囲気を作り出しています。これはもう脚本勝ちと言っても過言では無いかもしれません。融通の利かない受付が、トイレの案内を歌で返すシーンや、捜索隊が歌いながらエイミーを探すシーンは、人の心の温かさをダイレクトに感じることができる名シーンだと思います。 本筋は完璧に近いシナリオながら、ディテールには粗さが目立つ部分があります。 二人組みは何故エイミーを連れ去ったのか。 水をまくおばあさん、あれだけエイミー親子をわずらわしく思っていたのに、何故エイミー探しには突然協力的になったのか。 さらっと流してしまうには不自然すぎました。 とまあ残念な部分はありましたが、歌う人々に笑い、エイミーの健気で父親を求める姿に涙する作品であることは間違いありません。ラストのお祭り騒ぎはやりすぎのような気もしましたが、この作品にはぴったりのような気がしますね。 そう思えたのは、この映画を見て少しだけ心が優しくなれたからだ。 [DVD(字幕)] 8点(2014-06-10 13:58:04)《改行有》 9. シャイン 《ネタバレ》 劇場予告の『誰があなたを輝かせるの。あなたは誰を輝かせるの。」というフレーズが最高に好きです。 あるピアニストの波乱万丈の人生を、リアルに、それでいてドラマチックに描いた作品ですね。実話ベースでありながら、おそらくは適度な脚色を加えることで、1本の映画としてのエンターテイメント性がきちんと存在しています。ですが決して軽い内容ではなく、深く味わい深い作品になっているところが素晴らしいんですよね。 音楽にはうとい私ですが、何故か音楽ものは心揺さぶられるものが多いです。今作も、少年デイヴィッドの演奏から始まり、ラスト直前のリサイタルまで、ピアノの演奏が主人公の人生を彩っているようで、そこには理屈ではない感動を覚えます。 今作のキーパーソンである父親は、家族に対する依存心、とりわけ息子に対する依存心が強いだけでなく、それに輪をかけて自己顕示欲の強い方のようです。その父親の存在あって、デイヴィッドのピアノの才能が幼少期に開花し、同時に父親の存在が彼の将来の可能性を摘もうかという皮肉な現実がやりきれないです。 父親と完全な和解をするには至りませんでしたが、切っても切れない家族の絆を、本作から確かに感じ取れます。そして精神に異常をきたしながらも、前向きに、ひたむきに人生を生きようとしているデイヴィッドには、『人生って本当に素晴らしいよね。』と言われているようでした。 本作は短い時間にすべてを詰め込んだためか、説明不足がある部分は否めません。まるで小説の行間を鑑賞者の想像力で補うような努力が必要かもしれません。ですがそれをふまえても、辛い現実と同じくらい訪れる幸せな瞬間を見せてくれる本作はオススメです。鑑賞後は、何とも言えない後味の良さが心に残ります。[DVD(字幕)] 8点(2014-05-20 15:33:09)《改行有》 10. 拷問男 《ネタバレ》 他の方がおっしゃっているように、タイトルで損しているのは間違いないです。 とはいえ、原題のままだと、ドラマかなんかだと勘違いして見た人が卒倒しちゃいそうです。 いや~、拷問する側の人間にこれほどまでに感情移入するドラマがいまだかつてあっただろうか。これはもう、前半の作りこみが良かったのだと思います。過剰なまでの娘への溺愛ぶり。そして娘もパパが大好き。そこからの悲劇。娘が見つかったときの描写の辛さといったら・・・。父親も母親も、娘が見つかったという一報を受け、安堵し喜び、思わず笑みがこぼれ、迎えに行ったらそこには変わり果てた娘の姿が・・・。女性警官が吐くところを見せて、父親に最悪の事態を想起させるシーンなんか本当によくできています。まさに天国から地獄です。 ただ、一言だけ言わせてもらうなら、そんなに娘が大事なら離婚なんかするんじゃないよ。 確かに窓を直さないのも問題だけどサ。それ以前にせめて娘が大きくなるまでは、離婚せずに家族仲良く暮らしていればこんなことは起きなかったんだから。そこだけはずっと心にひっかかっていました。 おそらく、なんとなくですけど、離婚の原因は奥さんのほうにあるんだろーなー、という気はしましたが・・・[DVD(字幕)] 7点(2023-06-14 01:18:23)(良:1票) 《改行有》 11. エイリアン:コヴェナント 《ネタバレ》 『プロメテウス』とはうってかわって、本来のエイリアンらしさを取り戻した本作。このシリーズならではの不気味さや恐ろしさ、緊張感を堪能できました。 エイリアンシリーズはいつもコールドスリープから目覚めるところから始まりますね。芸がないなぁって思っていたのですが、冒頭、コールドスリープの中でいきなり船長が丸焦げに。そこは芸があるなぁって思いました。 遠い予定地。突然湧いて出た、近くの掘り出し物。究極の二択。これ、日本の船だったら迷わず予定地に向かうんだろーなー。さすがアメリカ。自由の国。フロンティアスピリッツが違いますね。 エイリアンはすぐ登場するし。あっちこっちで惨劇が起きるし。前作に比べるとかなりエンターテイメント。 前作がマニア向けなら、今作は完全に大衆向け。 私は今作、結構好きですねー。 ただ宇宙船のクルーたちがいくらなんでもパニック起こしすぎで、正直イライラしたことは否めない。予定にない未知の惑星に不時着しようってんだから、ある程度の危険は覚悟しとかないと。もう始めから遠足気分じゃないですか。だから何か起こったときにワーワーキャーキャー。心構えがあれば、そうはならんでしょ。けが人、病人出ても落ち着いて対処せんかい。 特に、小型の探査船に残っていた整備士の女性は最悪。あんたのせーで母船に帰れなくなってしまいましたやん。 母船に残っていた整備士の女性の旦那も最悪。自分の妻の安否を知りたいがためだけに、2000人の命を危険にさらす。言語道断。開いた口が塞がりません。 本作は『1』への架け橋的作品なので仕方ないことではありますが、あまりにもあまりすぎるバッドエンド。 同じ顔のアンドロイドなんだから、コールドスリープに入る前に、もう少し疑ってほしかったかな。 自分達で生み出したアンドロイドが生み出したエイリアンに滅ぼされる人間たち・・・。 人間ってほんと愚か・・・。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-06-06 01:12:44)《改行有》 12. ダーク・フェアリー 《ネタバレ》 思っていたよりだいぶ怖い。特に序盤から前半。雰囲気づくりがとっても上手です。プロローグからして真っ当なホラー。 ゆるめのゴシックホラーを想像していたので、ちょっと油断していたというかなめていました。序盤はずっとドキドキしながらの鑑賞です。 で、こーゆー作品の宿命ですが、ダーク・フェアリーの姿が出ちゃうと怖さが半減しちゃうんですよねー。 つまり後半になるほどホラーとしての怖さは勢いがなくなります。 女の子が一人でお風呂に入っているとき、電気を消されちゃうのが怖さのピークでしょう。 そっから先はホラーというよりモンスターパニック。それはそれで面白いのですが、ファイナルバトルではどいつもこいつも簡単に気を失っちゃううえにいつまでも目覚めないのがイライラします。ダーク・フェアリーたちに都合の良いように物語が進んでいきます。まさにダーク・フェアリー視点からのご都合主義と言えるでしょう。 そして後味が悪い。キムが犠牲になる必要があるのでしょうか。それに人が一人消えたんですよ?どこに引きずり込まれたのかもわかっているんですよ?行政や公的な力であの地下を掘り起こすなりなんなりして探し出すでしょう、普通。そんなことを言ったらだめなんでしょうかね。 バッドエンドは嫌いなんですが、最後にキムがどうやらダーク・フェアリーの仲間入りをしたかのような終わり方そのものはおとぎ話っぽくて嫌いではありません。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-09-17 02:11:38)《改行有》 13. 共喰山 《ネタバレ》 邦題が究極ダサいので期待はしていなかったのですが、思っていた以上に力の入った力作。 特に中盤。メルがヒルに襲われ、その後謎の病気に感染し変異を始めてからが俄然面白い。 同じタイプの映画はたくさん作られていますのであるあるなんですが、仲の良い友人同士なので安易に殺したり置き去りにしたりはできないんですね。 で、みんな『どうしよう。どうしよう。』とオロオロしている間に、どんどん状況が悪くなっていく。この焦燥感こそこのタイプの映画で味わうべきポイント。だんだん追い込まれ劣勢になっていく様子が無理なく自然に堪能できます。 ただし、登場する若者達が自己中すぎてイライラさせられるっていうのも、こーゆー映画ならでは。 無駄にわめく。無駄に争う。見苦しいうえにうるさくて辟易します。ここはマイナスです。 そして終盤。得体の知れないモンスター登場。ちょっと欲張りすぎてテイストがぶれぶれになっちゃいました。感染した人間同士の殺し合いだけのほうが傑作になった気がします。 どうやら感染源は『水』らしいのですが、噛まれて感染しないってのもちょっと物足りないですね。 まあでも見ている間は結構ハラハラできて楽しかったです。[DVD(字幕)] 7点(2021-04-12 01:09:27)《改行有》 14. マンイーター 《ネタバレ》 『こんなジャングル・クルーズは嫌だ!』みたいな作品。 何かの陰謀とか、実験とか、生物兵器とか、遺伝子操作とか、そんな雑味はいっさいなし。ただでかいワニがいた。そして人を食う。それだけの映画。なんと潔いのでしょう。 このリアルワニワニパニックの巨大ワニの存在を、地元の人間が誰も知らない。なぜならこれはB級だから。 パニック映画としては一定の水準を満たしているのではないでしょうか。 『ジョーズ』の舞台を『ジャングル・クルーズ』に変えただけですね。 ホラーやパニックにたいして新しい風を求めない私とは、とても相性が良い。 ワニの巣穴に迷い込んでからの攻防はなかなかの迫力。リアルな恐怖心を感じられます。ワニが水中に入ってスーってこっちにやってくるときの恐怖はジョーズに通じます。 ただねえ。こーゆー映画ならではの『登場人物たちにイライラ』なーんて悪習まで踏襲する必要はないんです。その筆頭はケイト。ツアー客を自分の勝手な判断で巻き込むなんて非常識。更にはツアー客に死傷者多数。自身も大怪我して、みんなにこれからどう償っていくんだい、と心配していたら、そんな彼女がピートに一言。『ツアーはどうだった?』いやいやいや!これだけ死人を出しといてその冗談!こいつまじか! ピートはピートで会ったばかりのガイドの女性のために、そこまで命をかけるかね。 何とも理解に苦しむ人たちです。今回ばかりは二人ともワニに食べられちゃっても良かったです。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-04-12 21:12:57)(良:3票) 《改行有》 15. デイブレイカー 《ネタバレ》 ヴァンパイアが世界を席巻し、人間が絶滅危惧種。斬新。『人間が絶滅』⇒『ヴァンパイアも絶滅』という当たり前の構図をめっちゃ真面目に作った映画。 ヴァンパイア主体の世界ってのが、人間社会と同じように一定の秩序が保たれた社会ってのが面白い。駅の売店で売られている血液入りコーヒーのアイデアが好き。全くの仮想空間でありながら、ある種のリアリティを感じさせるほどに作りこまれた世界観。見事です。 さて、ストーリーはなんてことない普通のサスペンスアクション。もちろん面白いのですが、突き抜けた面白さというわけではありません。ただ、1つのアイデアを軸にして展開するストーリー構成が結構好きです。 吸血鬼から人間に戻る方法その①『太陽の光を浴びる。※1大変痛いです。※2死ぬこともあります。』 吸血鬼から人間に戻る方法その②『人間に戻った元吸血鬼の血をすう。※近くに別の吸血鬼が居た場合、命の危険があります。』 どちらもなんてことないルールなんですが、この取り入れ方、そして見せ方が抜群に上手いです。特に終盤判明するルール②.弟君に何かが起こり、突然場面が変わってエドワードは本社へ。このシークエンス、一体何が起こったのだろうと大変好奇心をくすぐられます。うまいなあ。 そしてこのアイデアを最大限に活かした最後の捕食ループ。この冗談のようなループを大真面目に、しかもクライマックスにもってきちゃうってのに脱帽です。しかもここが一番盛り上がっちゃうのも確か。1つのルールも使い方次第でストーリーや演出が面白くなる良い見本だと思います。 もったいなかったのは、最後に生き残った隊員達をクリストファーの手によって簡単に射殺させちゃったこと。ここはちょっと興が醒めます。ついでに言うと、会社のボスの娘がサブサイダーになったみたいですが、それがすぐに娘の成れの果てってわかりにくいのがちょっと減点。 面白かったのはクリストファーが代用血液を土壇場で完成させちゃったこと。『え?できたの?』って思ったのは私だけですか?[DVD(字幕)] 7点(2020-04-05 05:25:46)《改行有》 16. 蝋人形の館 《ネタバレ》 『獲物を蝋人形にしちゃう』ってことを除けば、極めて正当なスラッシャー映画。舞台である小さな田舎町の住人が、全部蝋人形っていうのは斬新。しかも中身は元人間。 だから、この街には殺人鬼兄弟しかいないわけで、ストーリーの整合性にイライラすることはほとんどありません。 殺人鬼兄弟の蝋人形アクションに挑戦するのは、6人の若者達。顔面偏差値は高くとも、おつむの偏差値は低めの人たち。この6人を、B級ホラーにしてはしっかり前半尺をとってキャラ紹介しています。これは重要。共感度が高くなります。 ただ、その過程において、ウェイドの行動にちょっとイライラしちゃうのが難点。閉館中の蝋人形の館に勝手に入った挙句、展示品の蝋人形をライターであぶっちゃったり、違法行為とマナー違反のオンパレード。こんなやつがどうなろうが、知ったこっちゃねーって気持ちになっちゃったら、まじであんま楽しめないんです。聖人君子でなくてもいいけどさ、もう少し共感しやすい人がいいな。ボーの家でトイレを借りるときだって、さっさと家を出れば良いのに、勝手に人んちのもんあさくって、電気消されて足切られて、まじで馬鹿じゃないの。 そんな彼も、生きたまま蝋人形にされた挙句、助けようとする友達から頬をぺりぺり。動けないけど、その目からは痛さのあまり涙が。この辺りの恐怖演出は容赦ありません。 まあそんなこんなで、ペイジ、ウェイド、ブレイク、ドールトンの4人は、完全に犠牲者の係。こちらの方たちのシーンはすべていつものホラーテイスト。 それに対し、カーリーとニック、特にニックはアクション映画の主人公なみの活躍を見せるタフガイ。ニックが強ければ強いほど、恐怖は半減してしまいますが、その代わり『反撃』というカタルシスを得ることができます。個人的には、やられっぱなしで終わるより、こーゆー反撃ありきのストーリーのほうが、爽快になれて好きです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-05-10 03:44:44)(良:1票) 《改行有》 17. ミスティック・リバー 《ネタバレ》 サスペンス的に言えば、『火サス』とあんま変わらない。ですがそこに出てくる人間の描き方がエグイい。 子供の頃に一人だけ誘拐。性的虐待を4日間にわたって受け、そのトラウマが元で精神不安定に。小児性愛者を偶然見つけ、突発的に幼少期の自分と重ねてしまい殺害。妻にそのことを告白。だけど運悪くケイティ殺しの日と重なったため、妻はケイティ殺しを疑う。結果、ケイティの父であり幼友達でもあるジミーから報復されてしまう。救いの無い話。デイブが悲惨すぎて、後味は悪いです。 ジミー、デイブ、ショーン。自分が誰と重ねあってしまうかで評価が分かれてしまいそうな本作。私はデイブ。だから良い映画だったとは言い難いです。 それにしてもショーン(ケヴィン・ベーコン)と奥さんのエピソード、これって必要だったんでしょうか。ショーンが奥さんからの電話を受けるたび、いちいちストーリーが止まる感じがします。で、その奥さんが事件や過去のエピソードとつながってくるわけでもありません。メインのストーリーが完璧なだけに、無言電話がジャマで仕方がなかったです。 また、事件の犯人は映画だから許されるような人物で、意外性があるのですが、動機が突発的なものっていうのは、オチとしていささか弱い気がします。いや、銃社会としてリアリティを感じさせるようなオチではありますが・・・ この作品は子供の頃から立場が違う3人の物語がメイン。その一方でミステリー要素が強く、犯人も全然わからないので、サスペンスとしても面白い。デイブのミスリードが効いていて、映画の緊迫感を増しています。ドラマとしても刑事サスペンスとしても緊張感のある良作。ですがオチが弱いのと後味が悪すぎるのがちょっと残念ですね。 映画としては◎ですが、好みとしては△といったところでしょう。評価しづらい作品です。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-11-12 13:04:42)(良:3票) 《改行有》 18. ドリームキャッチャー 《ネタバレ》 『エイリアンが白血病って。じゃああの母親は何なんだ。』とか、『結局「記憶倉庫」の中でジョンジーが必死に守ろうとしたダディッツの秘密は何?』とか、そーいった細かいことを『気にしない』というおおらかな気持ちでいると、最後までモンスターパニックとして楽しめる良作です。それに、こーゆー真新しさの無い使い古されたプロットが、昭和生まれの自分と相性が良いみたい。食べたことがない料理を食べる、それもまた驚きがあって良いものですが、食べなれた料理を食べるのもまた良いものです。 エイリアンの造形はけっこう好き。グレイタイプのエイリアンがジョンジーの体を乗っ取ってから、やたらおしゃべりするのが個人的にはマイナス。『コミュニケーションがとれる』というのは、恐怖感や緊張感を根こそぎ奪ってしまうようです。 また、4人+ダディッツの少年時代のエピソードが大変良かったので、ビーバーとピートがまるでモブキャラのようにあっさり退場するのにもの凄い違和感。同じ殺されるにしても、4人がみんな主人公みたいなものなんだから、もっと劇的な演出をしてほしいものです。 エイリアンに寄生された動物達や住人達は放置のまま、唐突に訪れるエンドクレジット。この割り切りかた、すごいです。 個人的にはずっと飽きずに、ハラハラドキドキできたんで良作です。[DVD(字幕)] 7点(2017-09-11 02:17:30)《改行有》 19. スパイダー パニック! 《ネタバレ》 『パニックもの』としても『サバイバルもの』としても大変良いですね。 『田舎町』で起きるモンスターパニックというのが、昭和のB級ホラーを彷彿とさせてよいです。 古き良き時代のホラームービーを、最新のCGを使ってハイクオリティなものへと仕上げてくれているのが、嬉しいじゃないですか。 産業廃棄物に汚染されたクモ達が、巨大化し街を襲うという、ストーリーはいたってシンプル。そしてごくごくありふれたもの。ですがそれが良いんです。 『そーゆーのが、久しぶりに見たいんだよね。』って方にはうってつけの映画です。 『ショッピングモールへ逃げ込む』という舞台設定。店にあるもので装備を整え徹底抗戦。ゾンビ世代には嬉しいノリ。 こーゆーのが、結果がわかっていてもわくわくするのです。 また、ジェイソンのコスプレしている人がいたり、所々で歴代のホラー映画への愛を感じさせてくれる作品。 『新しさ』や『深さ』を求める人にはまるで向かない作品ですが、昔のホラー映画を何度も見ちゃうような人であれば、まちがいなくはまる作品です。 まあホラーと言いながら、全然怖くはないので、少々かったるい感じはしますけどね。[DVD(字幕)] 7点(2017-03-31 12:04:59)(良:1票) 《改行有》 20. ソードフィッシュ 《ネタバレ》 非常にインパクトのある作品ですね。人の注意・関心を引きつけるのが上手いと思います。 世界中で映像が氾濫し、その結果『人の集中力の継続時間』が極端に短くなったらしい昨今、エンターテイメント作品においては冒頭10分以内で見せ場が1つは必要でしょうから、製作サイドも大変です。 今作は10分~15分以内に、『ハラハラドキドキ』『お色気セクシー』を定期的にはさむことで、『なんか面白い』と観客に錯覚を起こさせることに成功しています。ですので、ストーリー自体はそんなに面白いものではございません。見せ場の使い方が上手いということでしょう。 冒頭では『人間地雷』。序盤の『60秒ハッキングテスト』。『もう一人のハッカーの暗殺』。『ハルベリーのプチサプライズ』。 『いったい何の意味が?』というシーン、エピソードが、私達観客の意識をひきつけておくための『餌』だとしたら、その説明もつきそうです。 終盤からクライマックスにかけてはストーリーも面白く、作品全体のプロットが見えてきます。 スタンリーはガブリエルとジンジャーが大金もってまんまと逃げおおせたのを、それ以上は追求しません。『たいしたやつだ。』の一言には、ガブリエルを人として絶対に許すことはないが、人として認めることはできるという意思が見てとれます。 実際に、ガブリエルは潤沢な資金を手にし、次々とテロリストを始末していきます。 悪の華、アンチヒーローの誕生です。 もちろん、ガブリエルによって、罪の無い人が無残な殺され方をした事実は消せません。ですがそれを言い出せば戦争だって同じですからね。 理屈ではガブリエルの合理性を認めながらも、人としての良心、道徳を重んじるスタンリーは、ガブリエルに賛同することはないわけです。二人はさながら『曹操』と『劉備』のような関係ですね。 この作品に難があるとすれば中盤。 今何が起きていて、誰が何をしようとしているのか、テンポを重視したため説明不足すぎる箇所が、中盤に集中しています。 特に背信議員によって派遣されたヒットマングループの車襲撃シーン。スタンリーがジンジャーを問い詰めるシーンなどは、一瞬なぜそうなったのかわかりません。しばらく様子を見て、あるいは結果を見て、『あー、そうゆうことか。』と結局は答えが提示されるから良いんですけどね。スピード感を重視し過ぎると、説明不足を招き、臨場感を損ない、中だるみさえ引き起こしかねない、と感じます。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-11-19 11:54:04)(良:1票) 《改行有》
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