|
1. the EYE 【アイ】
この作品への自信を覗かせるような、点字と触覚を意識した白地のタイトルバックが、まず巧い。眼の見えなかった女性が、手術により、本来見えないものまで見えてしまうという恐怖を描いた本作、例のエレベーターのシーンやショッカーなど、その怖がらせ方に熟知した演出力には只ならぬものを感じる。まさに纏わりつくような恐怖といったところだろうか。ただ、後半の謎解きあたりからクライマックスにかけては、いかにも強引で作り話っぽくて残念だが、近年では出色のホラー映画だと言える。8点(2003-07-21 15:43:43)(良:1票)
2. RAIN/レイン
幼い頃からの聴覚障害のトラウマから、男はやがて殺し屋として暗黒街に身を委ねるようになる。そして或るきっかけで若い娘を好きになり・・・とストーリーは至って単純で、その後、裏切りや騙まし討ちによる、刺し違え覚悟の同朋の弔い合戦をクライマックスに、聞こえないことで圧倒的不利な状況での銃撃戦が展開される。本作はしかし、凄まじい抗争の果てに、この世界でしか生きられなかった男の無念さが、ひとりの女性に淡い恋心を抱くことでより顕著となり、痛いほどその気持ちは伝わってくる。トイレの床に流れ出す血のタイトル・バックや、全編に渡るおびただしい血しぶきから見ても、おそらくここで言う「レイン」の意味は、まさに“血の雨”のことを示すのだと解釈している。7点(2002-02-10 18:26:17)
|