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プロフィール |
コメント数 |
2490 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉
『What's Up, Tiger Lily?』(1966) 誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。
『華麗なる悪』(1969) ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。
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1. バッド・ジーニアス 危険な天才たち
《ネタバレ》 貴方は学生時代にカンニングをしたことがありますか?私はあります。でも、カンニングをビジネス化して大金を稼ぐなんて発想は思いつくわけもなく、現代はITテクノロジーがそれを可能にしてしまったわけだけど、どんなことでも金儲けの手段になるなら躊躇しないという世界になってしまったという事なんでしょう。まあこの映画のタイの高校生が使う手段はスマホなんだけど、あくまで情報伝達ツールであるわけで解答をデータに落とし込む手口はまさに悪知恵の極致と言えるもので、こうやって考えるといくらAIが発達しても人間の悪知恵の方が一枚上を行くんじゃないでしょうか。 タイの映画を観たのはたぶんこれが初なんだけど、いやはやいきなり凄い傑作にぶち当たりました。“バンコクの蒼井優”みたいな感じの舌を噛みそうでとても音読みできそうもない名前の主演女優、劇中で喜怒哀楽をほとんど見せない強烈な演技を見せてくれますが、実はファッションモデルで演技経験はゼロというのは驚き。彼女とペアでSTICに挑むバンク君が母子家庭、父子家庭の主人公とは左右対称みたいな環境で、二人を利用して試験突破を図るカップルはブルジョア家庭というところはちょっとありきたりな設定と言えなくもないけど、このバカップルをけっこうコミカルな存在としているのは良かったです。とにかく後半のSTIC試験のシークエンスでのサスペンスとハラハラドキドキは半端ない、まさに手に汗握るとはこういうことですな。たかがカンニングがここまでスリリングなストーリーになるとは、予想外でした。生真面目なキャラと思っていたバンク君が、ラストではふてぶてしいカネの亡者みたいになってしまうのは、自分にはまったく思いもよらない展開でした。邦画なら絶対に二人を恋仲にするラブコメみたいになるのが必定、こういうシビアな幕の閉め方を少しは見習ったらいいのにねえ。でもいちばんいい味出してたのは、リンのお父さんであったことは間違いなしでしょう。名前が出てこないけど、この人とそっくりな俳優が日本にいますよね、誰だったかな?[CS・衛星(字幕)] 9点(2024-01-22 22:06:59)(良:1票)
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