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【製作国 : タイ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. blue(2018) 《ネタバレ》 屋外なのか室内なのか分からない夜の静寂の中、虫の音、犬の遠吠えが遠くに聴こえ、 景色の描かれた垂れ幕が巻き上げと巻き戻しを繰り返す。 やがて女性の眠るベッドには燃え盛る炎が重なるように映し出され、映像と環境音がレイヤーのように連なって映画は完成される。 いつまでも眠れない熱帯夜に見る白昼夢を表現しているようだった。 この緩慢さが眠りに誘い、映画と同化していくことが監督の狙いかもしれない。 アピチャッポン・ウィーラセタクンの長編を覗きたければ、この短編を見て自らふるいにかければいい。[インターネット(字幕)] 5点(2023-06-12 23:25:01)《改行有》 2. MEMORIA メモリア 頭内爆発音症候群に罹った監督の実体験を元にしているという。 固定カメラによる常軌を逸した長回し撮影に、眠気と共にハッとさせられる"音"の数々が挿入され、 夢か現か彷徨い歩く超自然的な感覚と同化する。 本作を撮ったのは、かつてカンヌで最高賞を受賞したアピチャッポン・ウィーラセタクン。 母国タイでの制作環境の改善のなさから海外に拠点を移した初の外国語映画だ。 『ブンミおじさんの森』で撃沈した自分にとって、久々の監督作視聴となったが、 やはり既存の映画文法から外れた対極的な作りであるため、 本当にそういう風に割り切らないといけない。 お酒を飲んで、照明も外界の環境音もシャットアウトした視聴環境で、 人間をダメにするソファに埋もれながら見ることをおススメする。 無意識に委ね、何度も反芻して初めて、本作が傑作だという結論に辿り着くのかもしれない。 (再視聴次第では評価が変動する可能性あり)。[インターネット(字幕)] 5点(2022-09-02 23:59:39)《改行有》 3. ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団 《ネタバレ》 権利関係で円谷プロは敗訴し、DVD化が絶望的なため、VHSで見られた人は幸せだ。①タイトル詐欺。ハヌマーンという猿の神様が主役。造形が不気味すぎて泣きそう。ウルトラ6兄弟は取ってつけた戦闘シーンで終盤登場する程度。②文化の違いを痛感させられる。日照りの解決方法が擬人化した太陽に直談判して遠ざける斬新な展開。タイ独自の宗教観に圧倒される。ホドロフスキー監督作品を見ているようだ。③ウルトラマンシリーズに似合わぬ暴虐ぶり。仏像を盗んだ悪党が少年を射殺するわ、ハヌマーンになった少年が悪党を容赦なく惨殺する無慈悲さは、微笑みの国のタイとは思えぬ。当時は暴力表現の規制が緩めとは言え、ハヌマーン+ウルトラ6兄弟がゴモラにリンチを加えて活き活きしている様がリアルタイムでも今の世代でも千年の恋が醒めるレベルだろう。仏教って基本殺生禁止なんじゃ・・・。とにかく色んな意味で強烈なインパクトを残す珍作であることは断言できる。続編のタイ版仮面ライダーはもっとカオスな様相になっているけどな。P.S.ジャンルが「バイオレンス」って・・・[ビデオ(邦画)] 1点(2015-12-07 19:20:48) 4. ブンミおじさんの森 ティム・バートンが審査員長であることも大きかったのだろう、2010年のカンヌパルムドール作品。他では真似出来ない独創性はあるが、一つ一つのエピソードが発展せず空中分解するだけ。東洋的情緒に溢れた映像美もありふれた感じですぐ飽きてしまう。同じ意味不明なら次年度の最高賞である『ツリー・オブ・ライフ』の方がまだマシ。[DVD(字幕)] 2点(2015-06-15 20:08:05)
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