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【製作国 : トルコ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. おじいちゃんの里帰り 《ネタバレ》 「我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だった」この言葉が全てを言い表しています。 この言葉は言ってみれば「労働力は必要だが人間はいらない」という非常に都合の良い考え方を示していて、その考え方の短絡さが現在の移民問題の根源となっているのがよくわかります。 作品については、ドイツにおける移民受け入れの歴史、そして、「普通の」移民家族が抱える「同化とアイデンティティ」の間の葛藤を移民側の視点でわかりやすく描いていてとても興味深かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2015-02-22 20:28:37)《改行有》 2. 遥かなるクルディスタン 《ネタバレ》 正直、ストーリーは粗さが目立ち、映画としてはそれ程良い出来だとは思わないのですが、節々に映し出されるトルコにおけるクルド人の置かれている状況の厳しさは非常に衝撃的でした。 ナチスがユダヤ人の住居・店舗の目印として「ダビデの星」を落書きしたように、クルド人の住居のドアに赤い×の印がつけられるシーンには本当に背筋が凍るような気分にさせられました。 なんともやるせない気分しか残らない作品でしたが、このような事実を映画にして世界に発信したイェシム・ウスタオウル監督の勇気には拍手を贈りたいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-23 21:07:10)《改行有》 3. パンドラの箱(2008) 《ネタバレ》 親子関係・兄弟関係そして介護問題という、トルコだけでなく我々にとっても他人事では無い普遍的なテーマを扱っているので見入ってしまいました。 しかし、この問題は難しいですね。ラストの一人で山に入っていくアルツハイマーの祖母をただ見つめるしか術のない孫の心境が非常に良くわかります。 緻密に計算された映像美と演出、そしておばあちゃん役の演技が素晴らしかったです。[映画館(字幕)] 7点(2009-11-08 11:28:15)《改行有》 4. そして、私たちは愛に帰る 《ネタバレ》 ストーリー・演出・構図・音楽等々全てに於いて緻密で隙が無く、ファティ・アキンの才能の凄さに圧倒されてしまいました。何というか、神話の現代版を見ているような感じでしたね。日本から遠く離れた国の物語でありながら根底にあるテーマは非常に普遍的なものであり、いろいろ考えさせられるものがありました。また、トルコとドイツ、そしてEUの微妙な関係も織り込まれていて非常に興味深かったです。 ファティ・アキンという優れた才能をリアルタイム(まあだいぶ日本公開は遅れてますけど)で感じられる幸せを感じましたね。しかし、邦題は「エッジ・オブ・ヘブン」でよかったんじゃないですかね? [映画館(字幕)] 9点(2009-01-05 21:02:14)(良:1票) 《改行有》 5. 路 《ネタバレ》 トルコの風景の美しさと、登場人物たちが抱える問題の重さが非常に対照的でしたね。家族制度の束縛の強烈さや、クルド問題などが生々しく描かれていて興味深かったです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-09-29 19:35:00)《改行有》 6. イラク -狼の谷- 《ネタバレ》 作品自体は、反アメリカ視点の勧善懲悪B級アクション映画なのですが、映画のところどころにイラク(とその周辺国)の国内事情やアメリカのイラク政策の問題点などが散りばめられており非常に興味深かったです(なぜ、悪の独裁者フセインから解放された筈のイラクが今もなお平和とは程遠い状況にあるのかが良くわかります)。 [DVD(吹替)] 7点(2008-05-31 23:43:39)《改行有》 7. 愛より強く 《ネタバレ》 何と破壊的でロックな作品なんでしょうか、なんつうかロックの歌詞を映像化したような感じでとても面白かったです。まあ、ストーリーとしてはオーソドックスな恋愛ドラマだと思いますが、その中で抑圧から解放された時に生じるハイテンションなパワーが上手く描写されていますね。主人公の2人も非常に魅力的でした。 ドイツのトルコ人社会の姿も垣間見ることができ興味深かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-18 14:05:44)《改行有》 8. 少女ヘジャル 《ネタバレ》 クルド問題は、毎日のようにニュースに出てくるにも関わらずイマイチ良くわからなかったのですが、この作品を観てトルコではクルド人という人種の存在自体が否定されている(た?)事実をはじめて知りました。まあ、この問題についてはトルコ側とクルド人側それぞれの言い分があると思いますが、あるクルド人が語る「我々はトルコ軍とゲリラの板ばさみだ」というセリフがありましたが、力による解決は難しいでしょうね・・・・。 作品としては、ヘジャル役の子の健気な演技も光っていて心温まる良い映画だと思いました。 [DVD(吹替)] 8点(2007-11-08 18:51:49)《改行有》 9. タッチ・オブ・スパイス 《ネタバレ》 「ニュー・シネマ・パラダイス」のギリシャ版といった感じの作品でした。ただ、背景にギリシャとトルコの緊張関係があり、その歴史の流れに沿った形でストーリーが進んでいくので非常に興味深かったです。 ギリシャ系トルコ人の語る「我々はトルコではギリシャ人と言われ、ギリシャではトルコ人と言われる」というセリフがこの作品の状況を物語っています。 とりあえず、観終わった後ムール貝が食べたくなりました。(ただ、肉団子にシナモンというのはどうなんでしょう・・・・)あとサウナにも・・・・ [DVD(吹替)] 8点(2006-09-16 15:38:26)《改行有》 10. 雲が出るまで 《ネタバレ》 トルコとギリシャの関係が良くないというのは、キプロス問題等で何となくは知っていましたが、この作品の背景にあるような強制移住の話等は初めて知りました。 そのような歴史を知るきっかけとなり、非常に興味深い作品でしたね。(重い話ですけど・・・) ラストの引き離された姉と弟が、古い写真を見ながら語っているシーンは非常に考えさせられますね。良いとも悪いとも言えない終わり方が民族紛争の根の深さを表している気がしました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-09-10 18:26:01)《改行有》
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