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1. セブンス・コンチネント
《ネタバレ》 私はつくづくマゾだ。ハネケ監督の作品は観たくなる。鑑賞後の心のざわつき、何ともいえない不安感は観る前から確実に分かっているのに、観てしまう。そして案の定、それらにじわじわ苦しめられる。圧倒的ではない。緩やかに、穏やかに、真綿で首を絞められるというのはこんな感じか。本当に、凄い。往々にして、ある監督の一番有名な作品は、その監督のカラーが色濃く出ていないことが多いように思う。ハネケ作を全部観ていない私の感覚だが、「ファニーゲーム」のように、分かりやすく不快感を提示する映画は、監督らしくない気がする。この映画は、身も蓋もない表現をすれば単なる一家心中の話である。だが、それだけではない何かを観客は確実に受け取っている。どこにでもあるからこそ、分からなくもない。分からなくもないから、怖い。誰にでもある「日常」から、破滅が生まれるということだから。そして、このタイトル。破滅は希望なのか、始まりなのか。いや、そんな筈はない。だから、哀しい。虚しい。ハネケ監督の作品はなかなかお目にかからないが、機会があれば全部観たいと思う。でも、他の作品を観れば観るほど、多分、この「セブンス・コンチネント」こそが、ハネケ映画なんだ、という思いが強まっていくような気がする。[DVD(字幕)] 8点(2010-06-15 10:41:04)(良:1票)
2. 隠された記憶
《ネタバレ》 DVDで観ていて良かった作品。というか、ラストシーン、あれはどう考えても劇場向きではないと思う。こういう「衝撃のラストシーン!!」という触れ込みが先行した作品は、観る人もその謎解き部分に期待して観るのは当然のことで、それなりに納得のいく答えを提示して欲しいもの。その点やはり(もちろん悪い意味で)裏切られたような気分になった。真相をあえてぼかしたというより、単なる怠慢のように思えてしまう。「ピアニスト」といい、ハネケ監督の映像の質感は結構好き。ただ、どちらもストーリーがなんかもどかしいのが難点。[DVD(字幕)] 6点(2009-06-27 23:02:41)
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