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プロフィール |
コメント数 |
1274 |
性別 |
男性 |
年齢 |
43歳 |
自己紹介 |
嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。 ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。 程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。 |
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1. カジノ
やたら複雑なカジノの仕組みを流れるように説明する冒頭は本当に秀逸で、スコセッシという監督はダテに巨匠やってないなと感心させられました。この監督はあまり技術や手法には言及されない人ですが、何をどう見せるか、作品を見るうえでの基本知識をどの程度観客に与えておくかの計算を非常に緻密にやってることがよくわかります。デ・ニーロ&ペッシとのトリオも非常に安定感があり、作品全体の完成度は高いと言えます。ただしこの映画は既視感に溢れているのも事実で、束の間の栄光と挫折、傷つけ合うだけの男女、突発的な暴力、どれも監督が数十年間描き続けてきたものです。また監督の作風の悪い部分もきちんと継承しているのが困ったところで、いつもながらエピソードが連なるだけでクライマックスにかけて息切れをしてきます。スコセッシという人物の人間観は絶望的なまでに冷たいもので、悪い風が吹き始めると友達も家族も敵となって誰も助けてなどくれず、自分でピンチを切り抜ける頭を持った者だけが自力で逃げるという、人間に対する不信感しかないような作品ばかりです。そのような人間観のため作品全体に一本筋を通すような人間ドラマの存在しないものが多く、その結果ただエピソードが並んでいるだけにしか感じられないのです。主人公やその他の登場人物達が展開とともに成長したり、人物同士が触れ合うことで変わっていくという通常の映画には当然備わっているべきドラマ的な要素が完全に欠落しているのです。同様の傾向を持つタランティーノは遊びをふんだんに入れることでドラマの不在を完全に補っていますが、スコセッシの場合はそのような手段を持っていないのが問題なのです。各要素の完成度は高いだけにこれは残念。特に本作のシャロン・ストーンなどはスコセッシでなければ引き出せなかったであろう凄まじい演技を見せてきています。これぞまさに一世一代の大熱演で、デ・ニーロとペッシというオスカー常連コンビを完全に食ってるのがすごい限り。トータル・リコール→氷の微笑→硝子の塔→スペシャリストと演技など無縁な人だった当時のシャロン・ストーンにここまで委ねたスコセッシはやはり相当な目利きだなと思います。当時であればミシェル・ファイファー辺りでお茶を濁してただろう役柄を思い切ってシャロン・ストーンにやらせてみるってのが巨匠たる勘の鋭さなのでしょう。[DVD(吹替)] 7点(2007-01-02 00:33:28)
2. カットスロート・アイランド
中盤ダレるものの、勢いと物量を信じて作られた正当すぎる冒険活劇。「とりあえず爆破しとこう」というハーリン思想の頂点を極めた快作です。ラストの砲撃戦→乱闘→一騎打ち→大爆破のアクション数珠繋ぎは「パイレーツ・オブ・カリビアン」をはるかに凌駕しており、ブラッカイマーでもかなわないハーリンテイストここにありです。dts版DVDの音響がこれまたハンパではなく、映画会社をも破壊してみせた本作の迫力が体感できます。7点(2004-06-30 12:53:17)(笑:1票)
3. 神様メール
アイデアの奇抜さや、そのアイデアを観客に伝えるためのストーリーの整理の仕方など、この監督の手腕には恐れ入るのですが、『ミスター・ノーバディ』に続き、私との相性は良くありませんでした。
この監督はアイデアで引っ張る一発ネタ的な作風である割りには上映時間が長めだし、極端な設定から人類普遍のドラマを導き出すのかと思いきや、その核にはそれほど訴求力のあるメッセージがなかったりと、結局技巧を楽しんでいるだけという印象がしてしまいます。
比較すべき相手かどうか分かりませんが、例えばチャーリー・カウフマンのように、物凄く奇抜な設定やキャラクターを選択しながらも、見る者の共感を呼ぶような着地点を見出せる作風の方が、より万人受けするのではないでしょうか。[インターネット(吹替)] 6点(2017-10-31 18:40:12)(良:2票) 《改行有》
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