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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. グランド・イリュージョン 《ネタバレ》 けっこう深いストーリーですが、説明不足とネタばらしの順序に瑕疵があり失敗気味です。 ルパンと銭形のような追いかけっこ。ここでマジシャン側の目的が見えません。実は魔法使いになりたかったと云う動機に非現実な飛躍を覚えました。能無し刑事が魔法使い組織「アイ」の一員だった(=魔法使いだった)のですが、彼が正体を隠して暗躍した動機も最後に明かされます。これがとても単純な復讐(親の仇)で、魔法使いならもっと楽にやれただろうにと思われました。マジックのネタばらしの現場で復讐を完遂したかったようですが、リスキーな綱渡りです。私はあの刑事がどのようにして「アイ」の一員になったかにとても興味を覚えましたが、そこは省かれていて残念でした。総じて、ネタばれしない丁寧な脚本が却って満足感を減衰させたって意見です。 余談。ルパンの盗みのテクニックって、マジック的要素が強かったのだと再認識しました。[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-11-03 07:13:01)(良:2票) 《改行有》 2. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版 《ネタバレ》 ジャック・マイヨールは実在の人物なので、本作は海とイルカを愛した彼の人生へのオマージュですね。そのエッセンスを叙情的に切り取った秀作という印象です。言葉少ない彼の海への憧憬が綴られてゆく内に、彼の本当の願いが見えてくる。それは海と同化すること。彼は海に魅入られたというより、海に還って行く人でした。ベッドルームの天井から海水が溢れ海中を漂う幻想を見るシーンが象徴的。そんな浮世離れした願望を、あたかも自然なことのように捉えているジャック。その危い存在感に畏れを覚える。でも、実名を使った映画ということは、ジャック・マイヨール本人も同様に海を捉えていたのでしょう。本作におけるダイビングの深度とは海とジャックの同化を演出する記号でしかなく、ノーマル人間のエンゾに勝機は無かった。でも、映画としてはエンゾの存在は欠かせなかったです。幼なじみの友人であり、気丈にジャックをライバル視しつつも、海とジャックの関わりを最も理解していたのはエンゾだったと思います。無名に近かったジャン・レノの存在感は主人公より記憶に残りました。余談ですが、福岡の空港でマイヨール本人を見たことがある。彼が亡くなる直前のことでした。年齢的にはヨボヨボに近い老人なんだけど、背筋がピンと伸びてがっしりした体格も目を引いたが、なにより纏っている雰囲気が只者じゃなかった。あのオーラは形容できません。一緒にいた友人がジャック・マイヨールだと教えてくれて、この映画を観た後だったこともあり納得しました。その姿は今も記憶に焼きついています。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-03 22:44:35) 3. グリーン・ゾーン 《ネタバレ》 大量破壊兵器があると言いがかりを付けて始めた戦争なのに、調べたらありませんでしたという恥ずかしい過去を今さら映画にする意味があるのか? 観始めてすぐにそう思ったが、途中から段々と分かってきた。よその国に押し入って、国防総省とCIAがいがみ合う。そこで暮らす人たちのことは蔑ろで、視界に入っていない。自国の謀略を暴こうとするマット・ディモンの行為でさえ、現地の人から見ると米国人同士の諍いにしか見えないはず。あの通訳をやっていたイラク人の言葉がすべてです。自分たちのことは自分たちで決めたい。誰かが口にした「民主主義」が何の価値も持たない空虚な言葉に聞こえるのは、それが米国のイラク政策そのものだからだ。それを感じられただけでも観賞意義がありました。激しく動く映像には辟易しましたが、それに怒って0点を付けた「ハート・ロッカー」よりはマシでした。でもやっぱり、臨場感を演出する前にもっと見せるべきものがあるだろうと言いたい。頑張っているマット・デイモンにさほど感情移入が出来なかったのは、この撮り方に依るところも大きいと思う。そもそもの話をするなら、米国の勘違いヒロイズムをこき下ろす映画にアクションなんぞを持ち込むから、画面と一緒に視点までブレまくった印象だ。[映画館(字幕)] 5点(2010-05-31 23:47:02) 4. クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち おどろおどろしくスタートし、色んな謎が渦巻くように盛り上げながら、とんでもなくつまらないオチだった。オチにもなっていない。もし劇場で観ていたら怒りでさらに減点されたことでしょう。[DVD(字幕)] 2点(2008-08-06 22:05:47)
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