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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 鉄くず拾いの物語 《ネタバレ》 この映画は主人公たちの日常生活を観賞する「作品」ではありません、我々の「なぜ?」という気付きを喚起させ、この物語の背景にある問題について考えさせるための「素材」なのです。 社会の抱える諸問題の多くは、静かに深く佇んでいることを、セミドキュメンタリータッチで示しています。[DVD(字幕)] 7点(2014-11-01 12:19:19) 2. 天使の分け前 《ネタバレ》 表面的なストーリーはハートフルなんですけど、結局は主人公たちのような労働者階級の人間は、人並み外れた才能と宝くじに当たるくらいの運がなければ「負の連鎖」が渦巻くコミュニティから中々抜け出せないというイギリス社会の問題点が背景に隠されていて、さすがケン・ローチだなと思いましたね。 この作品の本当の主役は、実は主人公のロビーではなく彼を取り巻く人々の方ではないですかね。で、ロビーのサクセスストーリーもどこか違和感を伴うものとなっていて、その違和感が何なのかを我々に考えさせることがケン・ローチ監督がこの作品を作った狙いなんじゃないかと思ってしまいました。 まあ、やり切れないラストよりも一応ハッピーなラストの方が好きですけどね。 [DVD(字幕)] 8点(2013-12-23 23:59:29)(良:1票) 《改行有》 3. デイズ・オブ・グローリー 《ネタバレ》 戦場では皆平等だという建前と植民地出身者を本国人の盾にしようとする本音の非情とも言えるギャップがとてもやるせなかったですね。人種も宗教も全く異なり、行ったことも無い宗主国のために戦う男たちのドラマです。金のためであったり、出世のためであったり戦地に赴いた理由はいろいろですが、敵と戦うだけでなく本国人との格差(食事や休暇等待遇の違い)や差別とも戦わなければならない不条理さが痛烈に伝わって来ました。 最後に、フランス政府による旧植民地出身軍人の恩給凍結について問題提起が為されています。 [DVD(吹替)] 7点(2009-12-03 23:30:35)《改行有》 4. D.I. 《ネタバレ》 同じようなシーンの反復とそこに生じる微妙なズレを効果的に用いて、イスラエルに暮らすパレスチナ人たちの日常をユーモラスに描いた前半、突如として突飛な展開の飛躍が駆け巡る後半で構成されるこの映画ですが、本当に掴みどころがなく、はっきり言って訳がわかりません。 ただ、それは映画が訳がわからないのか、テーマとなっているパレスチナ問題が訳がわからないのか・・・考えさせられます。 日本で言えば北野武のシュールな空虚感の下で鈴木清順の自由奔放な表現を展開しているような、この監督のセンスは非常に興味深かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2009-10-22 10:15:22)《改行有》 5. 鉄路の闘い 《ネタバレ》 フランス国鉄の協力を得ていることもあって、鉄道員たちのレジスタンス活動が非常にリアルで迫力あるものとなっており、見ごたえがありました。まるで、実際の映像を見ているかのようでした。 [DVD(字幕)] 7点(2009-08-30 13:46:51)《改行有》 6. 敵こそ、我が友 ~戦犯クラウス・バルビーの3つの人生~ 《ネタバレ》 まあ、アメリカという国が表向きは綺麗事ばかり言ってるけど、実際は己の目的を達成するためには悪魔とも平気で手を組む恐ろしい国家であることや軍隊式命令系統は、「命令は絶対」という逃げ道を与えることによって、人間を簡単に悪魔にしてしまうシステムであることが良くわかりましたね。 何というか、現実社会の醜悪さに暗澹とした気分になりますが、目を背けてはならない事実なんですよね・・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-17 18:38:39)《改行有》
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