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1. 狼は天使の匂い
《ネタバレ》 飛行機事故でロマの子供たちを死なせてしまい、命を狙われるトニーは、逃亡先のカナダでチャーリー率いる犯罪グループに入り込む…この不思議なフレンチ・ノワールは、チェシャ猫の顔とルイス・キャロルの詩から始まるように、大人の御伽噺として語られる。冒頭、母親と新しい街に引っ越してきた少年は友達を作ろうとするが、最初のグループからは拒絶され(褐色の肌の子供たちはロマだろう)、次のグループでは、差し出したビー玉の網袋をナイフで切られ、ビー玉は全て階段に転がり落ちてしまう。しかし、ラストシーンでその少年とナイフの少年(グループのリーダー)は涙ながらに別れていく。最初はチャーリー一派に捕らえられ、皆から疎まれていたトニーも、ラストは「ビー玉のため」と言って瀕死のチャーリーの元に戻り、共に射撃に興じる。的はチェシャ猫の看板だ。大人になりきれない漢たちのロマンチシズムは、香港ネオ・ノワールのジョニー・トーへ受け継がれていく。死期を悟っていたというロバート・ライアンの貫禄ある老ギャング役が絶品。ペッパー役のティサ・ファロー(ミア・ファローの妹)は、『サンゲリア』でしか観たことなかったが、若い頃はこんな可憐な美少女だったとは![DVD(字幕)] 7点(2012-08-10 09:01:31)
2. おとなのけんか
《ネタバレ》 最初は礼儀正しく温厚に振る舞っていたが、些細なことからメッキが剥がれるように本音がポロポロとこぼれていき、お酒が入ったことで更に事態は収拾がつかないほど混沌を極める…。子供の喧嘩に端を発した、和解を目的とした「おとなのけんか」。ハムスターや携帯電話など、本筋とあまり関係のないところから夫婦間の溝まで明らかになり、敵味方入り乱れての〈言葉のボクシング〉状態。〇〇しちゃうケイト・ウィンスレットに、血管がぶち切れそうなジョディ・フォスター。オスカー女優の熱演に大爆笑!ポランスキーの悪趣味振りが存分に発揮された傑作コメディ。[DVD(字幕)] 7点(2012-07-14 19:31:27)(良:1票)
3. オーケストラ!
《ネタバレ》 映画の三分の二はドタバタコメディで、演奏シーンなんてほとんどないのだけれど、クライマックスの「オーケストラ!」には鳥肌が立った。ヒロイン(メラニー・ロランが綺麗)の生い立ちと舞台終了後のエンディングを一挙に見せる怒涛の展開に拍手。[DVD(吹替)] 7点(2011-05-04 21:22:15)(良:1票)
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