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1. ハウンター
《ネタバレ》 非情な殺人鬼の手によっていきなり生を断ち切られてしまった者の魂は、こんなふうに彷徨うのか。
何もなければ平和に続いていくはずだった家族との日常を、どこにも存在しない真っ白な霧の中で、永遠に繰り返すのか。
なんと哀れで、なんて悲しいんだろう。
死後もこんなふうに彷徨わなくてはならなくなるなんて、観賞中に、他人の命を奪う事の罪深さについて、思いをはせてしまった。
そして、ようやく自分たちがすでに死んでいると家族全員が気づくことができ、あちら側(死後の世界)へ行けるようになったにも関わらず、ヒロインはたった一人、家に残る決断をする。
現実に今、殺されかけている少女を救うため。かつての自分のようにその少女が殺されようとしているのを、ヒロインは見過ごせなかったのだ。
彼女の勇気と優しさと、人間を信じる心。彼女の強くて優しい人間性が、美しくもせつない。
幽霊物としては一般的な設定かもしれないが、とても自然に謎に引き込まれるような展開を重ねてある。
主役が自分は死んでいる事に気づくまでを淡々と描き、そこへ現実の人間と霊との錯綜した交信をからめ、霊になっても人を殺し続ける恐ろしい殺人鬼との闘いを描いた。
派手なドラマがないので一般受けは難しいかもしれませんが、脚本もかなり凝った良作です。[DVD(吹替)] 6点(2016-05-30 22:38:35)《改行有》
2. ハンニバル・ライジング
レクター博士のファン以外の人が見ても、たいして面白くない。そんな映画。
レッドドラゴンはまだ面白かったんだが。
原作者のレクターへの思い入れにつきあうのも、これが最後かなぁ。もう本も読まんよ。
[DVD(吹替)] 4点(2012-02-06 16:32:31)《改行有》
3. ハイテンション
《ネタバレ》 みんな言ってることですが、やはりこのオチはマズイでしょう。
張ってある伏線すべてが観る側を騙すためのウソってのは、さすがにいただけない。
こーゆうオチにするならするで、「あの伏線もこの伏線もこーゆうわけだったのか!」と最後に納得がいくようにしなければ、何の意味もない。そういう意味で、このオチはナシ。やってはいけません。
にしても、友達役はわざと10人並み以下の容姿の女優さんをさがしたの?別に美人にしろとはいいませんが、なんかの意味があるのかと思ってしまいましたよ。
ああ、内容ですね。ストーリーはオチをのぞけばなかなかスリリングでいいと思いました。
ボーイッシュで現代的なヒロインが、友達を助けるために殺人鬼を追跡するのですが、キビキビ行動して、観る側をイライラさせません。
よくあるホラーっちゃそうなのですが、マヌケな行動をして殺人鬼にやられる登場人物が多い昨今のホラー映画とは違って、キャラにもストーリー運びにも無駄がないです。惨殺シーンも勿体ぶったり躊躇することは全然ナシで、ガンガンいきます。
また、自分の存在を殺人鬼に知られまいとするヒロインと殺人鬼との駆け引きも面白く、スピーディーにテンポよく進んでいきます。ラストまでは高評価なので、よけいにオチがおしかったですね。
ハリウッド映画とちがってていいな~と思ったのは、音楽です。
音楽のセンスがフランスとアメリカとじゃ違うのかな。
ラスト、鉄格子の中から友達に向かって両手を広げるヒロインが、哀しくも怖かった…。この「哀しい」という叙情は、ハリウッドにはムリ。と思いました。[DVD(吹替)] 5点(2012-02-06 16:20:57)(良:1票) 《改行有》
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