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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. ハンナ・アーレント 《ネタバレ》 この作品が現在の日本でヒットしてしまうことが喜ばしいことなのか憂慮すべきことなのかは良くわかりませんが、多くの人が彼女の考え・行動に触れる機会を得たことは大いに意義があると思います。 正直、私はアイヒマンが「全体主義の下で思考不能に陥り事務的に残虐行為に加担した小役人」だとは全く思えないし、ユダヤ人の多くが「人間を無用の存在にした極悪人に報いを!」と怒りをぶつけたくなる気持ちも理解できます。 しかしながら、そこで「思考不能」に陥ってはいけないというのが彼女の訴えだと思いますし、我々がどのような状況であってもしっかりと思考し善悪を区別する能力をつけていくことが肝要であることは間違いないことだと思います。 作品的には、非常に分かり易く彼女の主張・行動を伝えており、特にアイヒマンの姿を俳優を使わず実際の映像を使ったことがとても効果的でしたね。 [DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 00:09:29)《改行有》 2. パーフェクト・サークル 《ネタバレ》 見終わった後、寂寥感に襲われました。ボスニア紛争時、セルビア軍に包囲され孤立したサラエボ市内の緊迫した状況が描かれている作品です。水を汲みにいくのにも、見えない敵からの銃撃を避けるように頭を低くして危険な場所は駆け抜けていかなければならないような極限状況の中で、2人の子供の難民と家族を国外に逃がして一人サラエボに留まった詩人の心の交流が繰り広げられます(子供達の無邪気で健気な姿が非常に心を打ちます。)。それだけに、この作品の結末はあまりにあっけなく、そして哀しいものになっています。 この作品は、ドラマとしても、そして当時のサラエボ市内の市民生活のドキュメントとしても非常に良く出来た作品だと思いました。(内戦さなかのサラエボで撮影されており非常にリアルです。)。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-04-16 22:35:17)《改行有》 3. バティニョールおじさん 《ネタバレ》 見終わった後とても爽やかな気分になりました。(まあ、決してハッピーな話ではないのですが・・・・)素晴らしい作品だと思います。 普通の肉屋のおじさんが、自分のせいでナチスに捕らえられたユダヤ人家族の子供を中立国のスイスまで送っていくのですが、様々な難関が待ち構えていて、最後までハラハラドキドキの連続です。(ただ軽快なテンポで進んでいるので、暗さは無いです) ユダヤ人の少年と主人公の関係も、最初は家族や家を奪われたこともあり、わだかまりが残っています。でも、主人公の熱意がその垣根を徐々に取り払っていきます。(完全に無くなる事はないでしょうが)。そして、おそらく親が教育熱心だったのでしょうけど、この少年が機転の効く賢い子なので、主人公といいコンビを見せてくれています。(結構小憎たらしいところもあったりしますが) とても、心が温まる作品でした。[DVD(字幕)] 9点(2006-04-16 22:26:42)(良:1票) 《改行有》 4. バーダー・マインホフ 理想の果てに 《ネタバレ》 60年代から70年代にかけてのドイツ赤軍の動向がドキュメンタリータッチで淡々と描かれていて非常に興味深く観ることができました。正直、現在の感覚で観ると、疑問や嫌悪を感じる部分も多かったです(ただこの「現在の感覚」というのはこういった事実を消化した上に成り立っているのですが・・・・・)。 序盤のテロ活動のシーンなんかは妙に格好よくて、こういった集団に憧れる若者が出てくるのも無理はないなと思いましたね。それ故に、その理念よりも「格好よさ」に惹かれた第2・第3世代が暴走していくのが本当に良く理解できましたし、必要以上に神格化された第1世代の戸惑いや脆さが上手く映し出されていたと思います。 [映画館(字幕)] 8点(2009-08-24 18:47:32)《改行有》 5. パラダイス・ナウ 《ネタバレ》 パレスチナ問題をパレスチナ人側から描いている作品ということで、正直観る前は、パレスチナ人やイスラムの考え方がどこまで理解できるだろうかと思っていました。けれども、実際観てみるとまったく違和感なく映画の世界に入ることができましたね。ドキュメントとしても、ドラマとしても良い作品だと思いました。逆に「ミュンヘン」のようなイスラエル側の作品よりも、登場人物の思いがわかるような気がしましたね(どっちの肩をもつとかいう話ではないです)。 しかし、上映する場所が非常に少ないのが残念です。もっとたくさんの人に見てもらいたい作品ですね。日本のマスコミ報道なんか、「アラブ人=狂信的なテロリスト集団」みたいな扱いですからね・・・・・。 [映画館(字幕)] 8点(2007-04-25 16:56:41)《改行有》 6. パリ20区、僕たちのクラス 《ネタバレ》 あるクラスの状況を通して、フランスの教育事情だけでなく「移民国家」としてのフランス社会事情を映し出している作品です。 移民の子供たちの態度も未熟さ、甘えから来るものと言うよりは、自分たちの主張を声高に叫ばないと拾ってもらえないというような移民の社会的におかれている状況、そして社会からの疎外感が影響しているように思えます。 まあ、教師側が情に流されず割り切って淡々と教師業をこなしていること、生徒側もいろいろな騒動が起こった後も引きずることなく授業に出ていることなんかを見ると文化の違いを感じますね。 はっきり言って映画としてはそれほど面白い作品ではありませんが、ドキュメンタリーとしては興味深い作品でした。 [DVD(吹替)] 7点(2011-05-09 21:31:29)《改行有》 7. パンドラの箱(2008) 《ネタバレ》 親子関係・兄弟関係そして介護問題という、トルコだけでなく我々にとっても他人事では無い普遍的なテーマを扱っているので見入ってしまいました。 しかし、この問題は難しいですね。ラストの一人で山に入っていくアルツハイマーの祖母をただ見つめるしか術のない孫の心境が非常に良くわかります。 緻密に計算された映像美と演出、そしておばあちゃん役の演技が素晴らしかったです。[映画館(字幕)] 7点(2009-11-08 11:28:15)《改行有》 8. 巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト) 《ネタバレ》 2003年の作品ではありますが、昔の洋画を見ているような懐かしい雰囲気が漂うミュージカル映画でした。まあ、1920年代にヒットした作品の映画化で舞台劇をそのまま映像化したような感じでしたけど、それがまたレトロな感じで良かったと思います。 ストーリーもちょっと下世話な男女の物語をユーモアを交えて軽妙で小粋な感じに仕上げていて面白かったです。ラストも上手くハッピーな感じになっているのもいいですね。料理で言えばメインディッシュではなく前菜といった感じの作品です。 [地上波(字幕)] 7点(2009-10-27 23:37:22)《改行有》 9. パリ空港の人々 《ネタバレ》 トム・ハンクス主演の「ターミナル」に感じが似ているなと思ったら、モデルとなった人が一緒なんですね。ただ、こちらの作品のほうが現実的なストーリーですね。 玄関まで辿りついたはいいもののドアを開けてもらえない宙ぶらりんな状況に置かれている人々のドラマがユーモラスにそしてハートフルに描かれています。夜のパリの華麗な美しさも印象的でした。 しかし、空港内の「ファーストクラスホテル」には一度泊まってみたいですね。どこがファーストクラスなんだw[DVD(字幕)] 7点(2009-10-13 18:46:10)《改行有》 10. 万事快調 《ネタバレ》 ゴダールの映像センスの素晴らしさを堪能できる作品でした。何というかデザインセンスが抜群でしたね(ポスターにして貼っておきたいシーンがたくさんありました)。音楽もCM撮影シーンでかかる曲が結構頭に残りました。 内容は非常に政治的で、ちょっと時代を感じさせるものになっていますが、映像作品としては今見ても斬新で格好良いですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-02 19:02:55)《改行有》 11. バベル 《ネタバレ》 遠く離れた国々がある事件の連鎖で繋がっていくというスケールの大きさ、異なる文化・人種のぶつかり合いが生み出す緊迫感で、2時間30分近くの長編ですが長さを感じさせませんでした。 しかし、菊池凛子のアカデミー賞ノミネートで話題になった作品ではありますが、正直「日本編って必要なの?」と思いましたね。何というか、ストーリー的にさほど重要ではないと感じましたし(ていうか、わざわざモロッコまでハンティングしに行く人っているの?)。後は、日本の描写にやや違和感を感じてしまいました(ニュース映像が東京MXテレビだったのは笑いました。何でUHF局・・・)。菊池凛子も体当たり演技でインパクトはあったけど、ちょっとこれでオスカーは・・・・という感じでしたね。まあほとんどのマスコミが具体的な演技内容について深く言及しなかった訳がよくわかりました。そして、何といっても今話題の「ポケモンフラッシュ」(笑)のシーンも見ましたが、確かにあれはキツかったですね。まあ、ニュースを見てなるべく直視しないようにしたので問題はありませんでしたが。 何というか、全体的には映画としてのグレードも高く面白かったんですが、日本編が何というか足を引っ張っているような気がしました。 [映画館(字幕)] 7点(2007-05-02 15:28:53)《改行有》 12. パリは燃えているか 《ネタバレ》 「花の都」パリが、もしかしたら消えていたかも知れなかったとは・・・・・。コルティッツ将軍の英断を讃えたいですね。 映画としてというよりは、ドキュメンタリーをみるような感覚で観てしまいました。最後のヒトラーの「パリは燃えているか?」の叫びがとても印象的でした。あと、音楽が素晴らしかったです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-01-06 20:44:19)《改行有》 13. 8 1/2 非常に芸術的な映画です。いろいろなプレッシャーの中、新しい作品を作り出していかなければならない苦しみが、美しい映像・美しい女優と共に幻想的に描かれています。 「人生は祭だ 共に生きよう」というセリフが一番印象に残る作品でした [ビデオ(字幕)] 6点(2006-04-16 21:52:18)《改行有》
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