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1.  ベニスに死す 《ネタバレ》  ストーリーは2行で語れる様な、至ってシンプルなお話、それを131分の尺で、濃密に、美しく、テンポ悪く(?!)魅せてくれました。まずこの作品を掘り下げようとすると、タージオを演じるビョルン・アンドレセンの不遇な生い立ちと、その美し過ぎる美貌が招いた悲劇、本作の監督ルキノ・ヴィスコンティからの冷遇など、作品の内容には直接関係ないのにどうしてもネガティブなフィルターが掛かってしまうような情報が飛び込んでくる。  しかし本作は、独り歩きしてしまった美少年の存在以前に、主人公は悩める老芸術家グスタフであって、特にクローズアップされる美少年は、もはや幻のような存在。そんな文芸作品なのである。  芸術家グスタフは、「死」と「美」について考えている。人生を砂時計に例え「砂が無くなった時が死。しかしそれに気付くのは砂が終わる直前であって、気付いた時にはもう終わっている」そんな死生観を語っている。芸術家は自らの努力によって「美」を創造する。しかし本当の美とは精神的概念であり、芸術家の努力で作られるものとは別物である。だからこそ、自分の努力では作り得ない、崇高で絶対的な概念としての「美」を常に恐れていたのかもしれない。  着飾った貴族たちが大勢宿泊するなか遭遇したのは、中でも一際際立つ美しい一輪の花のような少年タージオ。無造作な金髪、華奢な身体つきに何の特徴もない白いセーラー服を着たタージオは、グスタフが常日頃から恐れていた「本当の美」「精神的な美」そのものだった。その時から目が離せなくなってしまう。ここら辺からのグスタフは完全にタージオのストーカー。それに加え身体の具合が悪いというグスタフを演じるダーク・ボガードの演技は本当に鬼気迫っており、報われるはずもない思いを切なく、そして程よく気持ち悪く、絶妙にリアルに演じており、素晴らしいとしか言いようがない。   この演技を見て思うのが、ヴィスコンティ監督自身が自分をグスタフに重ね、タージオ演じるビョルンに魅入られ、その美を、今現在の一瞬一瞬に放たれる美を、でもその一瞬は二度とは訪れないという美を、そこに留めておきたいと切望しカメラに収め、留めることが不可能である事を承知して苦しんだのではないだろうか。そしてそこで誰にでもやって来る「老い」という逃げられない無情を敵視しなければならず、ビョルンにもその敵視のようなものが向けられてしまったのではないだろうか。なんて考えることも出来なくもない。  美しい観光地のベニスが、荒廃した疫病の町と化す。それは才能に恵まれ若かった頃のグスタフが、老いて才能も枯渇し病に侵され朽ちてゆく様と重なってしまう。 「純粋」に対しての「不純」。「若さ」に対しての「老い」。タージオと自分が対局であることを思い知らされる。 後は残された命を振り絞り、美しいタージオの姿を脳裏に焼き付けるしかない。  何とも美しく切ないこの文芸作品は、間違いなく、名作でした。[インターネット(字幕)] 7点(2023-09-07 14:29:59)《改行有》

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