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1. ぼくの伯父さんの休暇
つまらなくはない。一人一人を見ている上では面白いものの、何か物足りない。ドタバタ喜劇的な笑いという意味での物足りなさというよりはフランス映画的な面白さ、良さという意味での物足りなさというべきか?それなりに面白いけれど、あと、一押し、いや、それ以上の何かが欠けている気がする。チャップリン的な笑いというよりは日本のドリフのコントみたいな感じが見られるものの、ドリフターズのあの面白さに比べたら、やっぱり物足りないし、色んな意味で何か物足りない。[ビデオ(字幕)] 6点(2010-05-06 21:21:41)
2. 冒険者たち(1967)
《ネタバレ》 甘い。確かに甘いが、だからってこの映画に対してケチを付けるということは出来ない魅力がこの映画にはある。オープニングからして惹き付けられるあの美しく切なく、甘い何か人生とはほろ苦くて哀しいものである。だからこそ夢に向って突き進むということは素晴らしいとでもあの音楽自身が語っているようなほど一度、見ただけで、聞いただけでいつまでも耳に残る。離れない音楽、二人の男に一人の女というのはよくある典型的なパターンであるが、この映画の最大の功績はやはりヒロインであるレティシアを演じているジョアンナ・シムカスの存在があればこそで、彼女の存在なくしてこの映画が大勢の方に愛され続けているということは絶対にないと断言して良いぐらいジョアンナ・シムカスが良い。海を愛し、「海が私の初恋の相手」だなんてかっこ良すぎるし、素敵じゃないか!周りから見れば何言ってんだ?と思われるかもしれないが、何かに対し素直な気持ちで自分の好きなことを告げる。なかなか出来やしないことだと思います。そんな彼女にもただ一つ思ってても言えなかったこと、自分の事を愛してくれているマヌー(アラン・ドロン)よりローラン(リノ・ヴェンチュラ)の事が好きでいた気持ち、それをローランに伝えることなくギャング達に襲われて死んで行った彼女とラスト、同じくギャングの銃弾によって殺されたマヌーに対してレティシアはお前の事を愛していたぞと言うローランと嘘を言えとだけ残して死んで行ったマヌーの事を抱きしめるローラン、この映画は青春のほろ苦さ、破れし夢を追い求める男と女の青春映画であると共に恋愛映画なのである。あのラストシーン、ここでは音楽も一切無しというのが良い。余韻を残したまま終わる。ここらがフランス映画の上手さであり、今時の映画とは大きな違いである。美しい音楽と美しい海、空、切なくてほろ苦くてそれでいて、甘さも残しつつ青春の儚さをストーレートに表した正に青春と呼ぶなに相応しい映画である。[ビデオ(字幕)] 9点(2009-08-02 11:51:12)
3. 望郷(1937)
《ネタバレ》 う~ん?この映画、映画史に残る名作とやたら評判の映画らしいけど、そこまで凄いとは思わなかったけど、それでもジャン・ギャバンが相変わらず良い。とにかく渋くてかっこ良いのだ。あのラストシーン、愛する女、ギャッピーに対してギャッピー~と叫ぶ姿には男の哀しさ、刹那さがにじみ出ている。それまでは退屈だなあ!と感じてしまうものの、あのシーンの余韻の残し方の上手さに1点プラスしたくなる。個人的にはこれがジャン・ギャバンのベスト、最高傑作とはちっとも思わないけど、最近のハリウッド大作を見るよりはまだまだマシだと思います。それとこの「望郷」ていう邦題の付け方に関しては流石はフランス映画!本当に上手い。[ビデオ(字幕)] 6点(2007-11-16 21:47:58)
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