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1. あるいは裏切りという名の犬
個人的なエピソードとして、16年前に見た作品であることが1時間15分してから判明(見覚えのあるシーンが出現)。何も覚えていないことに我ながら驚愕。...という程でもありません。しばしばあります。
基本的には、複雑さを排し(ありがたい)多岐に渡る様相の経過の描写が重厚な雰囲気で描かれる秀作だと思います。もはやDVDのパッケージからしか読み取れない「一人の女の愛を巡って」という設定は必要だったのか?みたいな点もありますが。
様々な経緯をたどり、権力指向の同僚に裏切られた警察官が刑務所から出てくる!。さあ復讐戦かと思いきや、主人公は手を汚さずあっさり終幕へ。そ、そんな~。もっとカタルシスを~!。娘との新しい生活を選ぶというのは理論的には理解できますが(娘の方がそれに応じるのはどうなのかな?)、映画なんですから。[DVD(吹替)] 7点(2023-08-23 11:31:18)《改行有》
2. 燃ゆる女の肖像
事前に得た情報から予想したとおりのシリアスな雰囲気は私好みでしたが、正直少々退屈さも感じました(終わるのが待ち遠しいかのように時計をみたりして...)。
物語があまりにこじんまりして、ふくらみがないせいでしょうか。主人公二人は許された枠の中でいちゃつくばかりで、そこから一歩も踏み出そうとしません。許される状況でなくなると、せいぜいが回想したり未練を表明するだけ。観客が見て感銘を受けるほど深い思いとも感じられません。物語の展開も思いの深さもない。これでは作品として成立しようがありません。
脇役の妊娠も同様です。堕ろすだけで終り。過去のいきさつも描かれず、未来への展望の示唆もありません。
一貫して物語展開が欠如していて、欲求不満が募るばかりです。
まあ、こんな根暗作品を上映してくれた地元のシネコンには感謝したい気にはなりましたが。[映画館(吹替)] 6点(2021-01-02 18:55:50)《改行有》
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