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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 250
性別 男性
自己紹介 サンボリズムとリアリズムのバランスのとれた作品が好きです。
評価はもちろん主観です。
評価基準 各2点ずつで計10点
1.物語の内容・映像にリアリティを感じるか?
2.視覚的に何かを象徴できているか?
3.プロットの構成は適切か?
4.画面に映る動き・台詞や音にリズム感があるか?
5.作品のテーマに普遍性はあるか?

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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12

21.  マネーボーイズ 監督はアジア系で中国で幼少期を過ごしてはいるもののオーストリア在住のほぼヨーロッパの人間であり、台湾で撮影されていながら舞台設定は架空の中国の都市という複雑な背景の作品です。頻出する水のモチーフ、曇天の中の薄暗い映像、ロングショット中心で長回しを多用、同性愛やセックスワーク、田舎の貧しさと抑圧的な価値観、まあ確かに私もこのような映像美やテーマに期待してこの映画を見たわけなのですが、物語に没入するよりも今はこういう要素を散りばめとけば映画祭等で作家性がある作品として高く評価されるだろうという戦略のようなものが見えてくるのでうんざりしてきます。こういういかにもアート映画っぽい要素を取り除けば、内容はややシリアスな恋愛映画程度のものでしかないと思います。嬉しそうにバイクで相乗りする場面なんか何度も同じようなシーンを過去の映画で見た気がします。ヨーロッパの人間が監督した架空の都市を舞台にした作品であることを考慮すれば、これが現実の中国の同性愛者の境遇や社会問題を描いたものとしてそのまま受け取ることもできないでしょう。別にステレオタイプだとか差別的とまでは言いませんし真面目に作られてはいるのですが、新しい視点を得られるような作品ではなかったです。[インターネット(字幕)] 5点(2023-08-27 22:21:26)

22.  パラレル・マザーズ 冒頭からスペイン内戦に関する説明的な台詞が続き不安になりますが、まあすぐにいつものペドロ・アルモドバルの映画になります。レインボーな色彩と女性同士の連帯、そして母となる女性への賛美。うーんしかしこうも同じことを繰り返されると正直マンネリズムです。それに物語の根幹である子どもの取り違えとスペイン内戦に何の関係があるのかよくわかりません。新生児取り違えなんて今時目新しいアイデアでもないですし、赤ん坊がおじいちゃんに似たのかもしれないという旨の台詞がありましたがスペイン内戦を絡めるならむしろそこを掘り下げるべきではなかったでしょうか。ラストの遺骨の発掘場面ではリアリズム優先のためかビビッドな色彩の強調が抑えられておりそれは死者への誠実さの現れなのでしょうが、平凡なテレビ番組のワンシーンのような印象も受けてしまいこの監督が撮る意義を感じさせません。今までのように愛の多様性や人生を肯定する結末で終わるのが難しい題材である以上、自分のスタイルに固執するよりも題材に適したスタイルへの大胆な飛躍が必要だったのではないでしょうか。たとえばピカソだってスペイン内戦を描いたゲルニカでは色彩を捨てたモノクロの画面を選択しました。今回は新境地というよりもむしろこの監督の限界を感じてしまいました。[インターネット(字幕)] 5点(2023-06-02 23:42:56)

23.  スリ(1959) 罪と罰の映画化であるということは知ってたのですが、本当にそのまんまなシーンが出てくるので笑っちゃいますね。そもそもロベール・ブレッソンがフョードル・ドストエフスキーの作品に惹かれる理由がよくわかりません。饒舌で大袈裟な台詞が特徴の小説家と抑制された台詞と動きが特徴の映画監督は明らかに真逆の存在です。もちろん才能のある作家は影響を受けたからと言ってそのままコピーしたような作品を作ることはしないでしょう。しかしそもそも原作のテーマをロベール・ブレッソンはどのように理解してたのでしょうか。多様な解釈ができる作品ですが私は次のように解釈しています、人が一人でいるのは良くない、そして人が本当に一人になることは決してない。この映画で単独犯ではなく集団犯罪が描かれるのには違和感を覚えます、社会から孤立してしまった人間というテーマから外れてしまうからです。完成された美学の世界として楽しむにはこの映画は現実に近すぎ、逆に現実を見出すには人工的すぎます。感情表現を抑えた演出というのは普通は制約としてしか機能しません。それが活きるジャンルはコメディです。フョードル・ドストエフスキーの小説も喜劇的作品として理解されることが多いです。しかしロベール・ブレッソンの作品はクスリとも笑わせる気がありません。ピンボールで反射神経を鍛えるとかギャグシーンとしか思えないのですが、至って真面目なシーンのように出てくるのでズッコケるしかないです。[DVD(字幕)] 5点(2023-05-27 23:55:48)

24.  君の名前で僕を呼んで アメリカ人(フランスとの二重国籍)が主演し、アメリカ人が脚本を書き、タイ人が撮影し、イタリア人が監督した映画。この中だとイタリア人の仕事にいまいち褒めるところが見つかりません。現地の人間ですからロケーションに貢献したぐらいでしょうか。いくら二人の世界が中心になりがちなジャンルとはいえ主役二人以外に印象に残る人物があまりいません。終盤の父親の語りのシーンはいいと思いますが、それも普遍的な人生訓というよりはあくまで二人の儚い世界を彩るためのものでしかないと感じてしまいます。深いテーマを求めるような映画ではないんでしょうけど、ストーリーも映像も綺麗以上の感想は出てこないです。とはいえ全体的に健康的な雰囲気なのは好きです、人間の醜さも全く描かれず地上の楽園にいるような気分に浸れます。こういう同性愛を描きながらも安易に劇的な展開にしない映画も作られる意義はあるんでしょうね。単純にティモシー・シャラメの美貌を堪能しようとしてもアップだと意外と髭が目立つショットがあるのでちょっとがっかりしちゃいますね(笑)、お相手のアーミー・ハマーがおじさんというのもなんだかなあ。斬新な映画というより少年愛も含めてヨーロッパの美の伝統を尊重している部分が評価されてそうです。[インターネット(字幕)] 5点(2023-05-23 22:27:14)

25.  アスファルト(2015) 古くはジャック・タチ、最近だとアキ・カウリスマキあたりのよくあるオフビートコメディ、もちろん先人のようにガチガチに凝った画面構成ができているわけでもなく、なんかこういうのはクスリと笑えるだけで二番煎じというのもあってあまり楽しめないです。そもそもこういうオフビート演出って劇的なシーンを何でもないように撮るから面白味が生まれるのであって本当に何でもないようなシーンを何でもないかのように撮っても何にもならないのではないでしょうか。エレベーターの故障にしろNASAの宇宙飛行士にしろ思いついたエピソードを放り込んだだけという感じでそれらが絡み合って盛り上げる展開にしないのはダメでしょう。こういうオムニバス形式の映画ってたいてい佳作どまりで傑作は生まれないと思います、構成しようとすることを放棄していますから。劇中に他の映画のワンシーンやポスターが挿入されるあたり、映画好きの監督が題材への興味よりも好きな映画の演出を真似てみたいというモチベーションで作っているように見えます。なんか悪い意味で日本映画っぽいです。もちろん大半の日本映画よりは上手いし様にはなっているんですけど、まあどこの国でもこういうタイプの人間はいるんだと勉強にはなります。[インターネット(字幕)] 5点(2023-05-17 22:58:13)

26.  イタリア旅行 男と女と一台の車とカメラがあれば映画ができるというジャン=リュック・ゴダールの言葉は不正確でしょう、イタリアという土地を抜きにしてこの映画が成立するとは思えません。関係が死んでいた夫婦が死者の国を巡り再び生を得るみたいなお話です。博物館や遺跡は死者を連想させ、火山が出てくるのも地獄のイメージだと思います。クライマックスの聖母像の行進に集まった子供たちは天国のイメージでしょうか。意外とダンテの神曲あたりがベースにあるのかもしれません。ほとんどセルフオリエンタリズムみたいな作品ですが、ロベルト・ロッセリーニはイタリア人なのによくこんなものを作りましたね。公開当時は即興的な演技や明確でないプロットが他の映画とは異なるリアリティを感じられ評価されたのでしょうが、現代では珍しいものではないのでそれほど心が動かされる作品ではないです。[DVD(字幕)] 5点(2023-03-27 23:31:43)

27.  ベネデッタ さすがにご高齢ともなると直球のエログロエンターテインメントはきつくなったので文芸風味の体裁を整えてみましたというところでしょうか。結局できあがったのはただのエログロ娯楽映画でキリスト教批判や同性愛の要素は具体的なメッセージというより単に下品な場面を見せるための口実としてしか機能しておらず、熱心なキリスト教徒でもなければこの程度の描写に心を揺さぶられるとも思えません。物語を語る上で不必要なほどの暴力やヌードに濡れ場、それも往年ほどの過激さはなく現代ではもはやありふれた大人しい描写でしかありません。中世は性的な抑圧や不当な暴力に溢れていたなんて今時誰でも知ってますしそこにテーマとしての目新しさもありません。歴史物として衣装や美術はちゃんとしていることが却って内容の平凡さを際立たせているとすら言えます。この程度の内容ならば80年代に作ることも可能だったでしょうし、その時代ならばより挑発的で意義深い作品になったでしょう。ここに見られるのは成熟というよりも老衰と言わざるを得ません。[DVD(字幕)] 4点(2023-07-29 23:08:24)(良:1票)

28.  TITANE/チタン さすがに賞を受賞しただけあって撮影や演技はちゃんとしていますし、最低限読み取りが可能なストーリーもあります。問題はそれが現実の問題と何か関係があると思えないところです。主人公は冒頭の幼少時から車中でエンジン音のような唸り声をあげており既に車に狂っているようなのであの手術が何かのきっかけになったように見えません。実際頭の中にチタンを埋め込んだところで性の対象が変化することなどあり得ないでしょう。男だろうとレズビアンだろうと黒人だろうと構わず殺しまくるのでその行動に一貫性はなく何か意味を読み取ろうとしても無駄だと思えてしまいます。消防隊関係のエピソードとなるとあくまで男装の女性の境遇が描かれるだけで、チタンが埋め込まれたことによる肉体変化という基本設定もほとんど活かされていません。アンチモラルというだけで新しいモラルを提示できなければそれが一瞬のインパクトだけで終わってしまうという好例です。[DVD(字幕)] 4点(2023-07-15 23:26:04)

29.  おとなのけんか 80分でサクっと見られそうという動機で見たのでそれ以上のものを求めても仕方ないのですが、全く面白くないということはないものの本当にサクッと見れる程度のあっさりした内容でしかなく深みはないですね。世間体を気にしているが一皮剥けばエゴ丸出しの俗物、雑学的知識だけ豊富で薄っぺらい現代人を描いているといえばその通りですがこの映画自体がそうした表層的な人間観しか持てていない印象を受けてしまいます。この頃からゲロを吐けば熱演と評価されていたんでしょうか、いくらなんでも成人女性があんなにあっさり嘔吐するのは不自然だと思います。ちゃんと相手に頭を下げればそれで終わる話なのに…喧嘩させるために作られた舞台設定という感じで全て徒労ですのでこっちの人生まで無駄にしたような感覚になります。[インターネット(字幕)] 4点(2023-07-14 23:09:29)(良:1票)

30.  ルルドの泉で 観光化された巡礼に対する皮肉なのでしょうが、この映画自体が半分ぐらいはただの観光映画な感じで笑えないです。ロングショットであまりカットは割らず大きな起伏もなく淡々とした展開、このスタイルは却って心地よさと安心感を与える方向に機能しています。宗教的テーマを扱うなら現代の社会問題とぶつけて格闘させるぐらいでないと真剣に鑑賞する価値がある物語にはならないと思います。20世紀の偉大な映画作家はそういうことをやっていたというのに、神のきまぐれさのような19世紀でも可能なテーマだけで一本の映画を成立させるのは怠惰の極みです。現代なら本当に観光目当てでしかない非キリスト信徒のアジア人を主役にするぐらいのことはやってもおかしくはないでしょう。必要なのはアヴェ・マリアではなくいっそ軽薄な商業音楽を流す覚悟です。この映画は観客に解釈を委ねる以前の問題として作家側の態度が優柔不断過ぎます。[DVD(字幕)] 4点(2023-05-26 22:50:03)

31.  神様メール うーん、アイデアや設定だけ見ると面白くなりそうと期待してたんですが、残念ながら中身は正直お寒いだけのレベルの低いコメディでした。聖書を茶化したり人の死を笑う風刺要素の強いブラックコメディなのかと思っていたら、いつのまにか一人一人の人生を語るオムニバスみたいになっていきます。それも大して魅力があるわけでもない人物ばかりなので終始見ていてどうでも良い気持ちが続きます。色んな映画の小ネタも出てきますが、ほとんど意味がないパロディでしかないです。神様がブリュッセルに住んでいるという基本設定だけで展開できる想像力がないので思い付いたネタを適当に突っ込んでるだけという感じです。これならブリュッセルに住んでいる平凡な女の子の妄想のお話にした方が面白くなりそうですね、本当に神様の家族の話にしちゃってるので感情移入もしづらいのです。[インターネット(字幕)] 3点(2023-10-12 23:12:09)(良:1票)

32.  さよなら、人類 舞台は人工的なセットにしか見えずリアリティがなく、正直テレビのコントみたいな映像ですね。明確な筋もなく話は支離滅裂にしか見えません。三部作の最終作らしいので前2作を見ていないと妥当な評価はできないのかもしれませんが、この映画を見て過去作品を見返す気にはなれませんね。この監督はヨーロッパではそれなりに評価されているみたいでこの映画も金獅子賞を取っているわけですが日本での評判は芳しくないですねえ。実際これはヨーロッパの庶民の感覚を知らないとギャグもピンと来ずクスリとも笑えないと思います。過去のスウェーデンとロシアの戦争が背景にあるようでそこも評価されてそうですが正直スウェーデンの近世とか日本じゃ歴史マニア以外にはどうでもいいですし…。近い作風のモンティ・パイソンやアキ・カウリスマキとは何が違うんでしょうか。まあかわいげが無いのが一番の問題ですかね。画面はくすんだ灰色、登場人物の顔は全員白塗りでことごとく血色が悪い(笑)。クローズアップで撮れば人生は悲劇、ロングショットで撮れば喜劇という有名な言葉がありますがずっと定点ロングショットというのはいくらなんでも芸がなさすぎます。[インターネット(字幕)] 3点(2023-10-04 23:40:08)

33.  アテナ それにしても最近は本当に長回しを売りにする映画が多いですね。しかし技法というものは物語やテーマに沿って正しく使用しなければ真価を発揮するものではありません。そこばかり突出して強調されるのは映画の堕落でしかないと思います。これもドラマを語るより長回しで派手でカッコいい画を撮ることにばかり注力している映画です。登場人物に共感し映画の中に引き込まれるのではなく他人事として事件を眺め続けさせられます。この映画を見て連想したのは社会派映画よりもむしろジョン・ウーやジョニー・トーのような香港のギャングと警察の抗争を描いたアクション映画です。スペクタクルな映像を楽しむ分には悪くないのですが、もしこの映画が目指したものがフランスの社会問題を多くの人間に伝えることならばそれは完全に失敗していると思います。その派手な映像もずっと続くと単調でダレてきますし、やはり映画の中心となるべきなのはアクションよりもドラマの方でしょう。[インターネット(字幕)] 3点(2023-09-15 23:05:15)

34.  The Son/息子 ファーザーで感じた違和感の答え合わせみたいな作品でした。やはりこの監督は現実の社会や人間にあまり興味がないのではないかと思います。鬱病という概念が全く浸透していないような世界で繰り広げられる不自然な物語は一応認知症への啓蒙になっていた前作ほどの価値もありません。構成や演出の斬新さがなくなれば頭の中で考えられて作られただけの全く新しいところのない平凡な物語が残るだけです。あの陳腐な息子との海での思い出の回想シーンは何の意味があるのでしょうか。描かれる世界の狭さが平凡な日本映画みたいで苦笑するしかありません。海外のレビューサイトでは酷評されてるのですが日本ではそこまででもない様子なのはある意味納得ではあります。[インターネット(字幕)] 3点(2023-06-16 23:11:22)

35.  ラ・ジュテ 止め絵にナレーションって実写では斬新に見えますが要はテレビアニメでよく使われる類いの技法じゃないですかね。実際押井守監督は影響を受けてるみたいですしね。第三次世界大戦という大掛かりな舞台設定を用意しておきながら語られる内容は幼少期や女性への執着という卑近さも悪い意味で日本のアニメに受け継がれていそうです。結局同じような技法が経済的な事情以外で採用されないのはこれが面白くも何ともないからでしょう。やっぱり映画は動いてナンボですよ。[インターネット(字幕)] 1点(2023-10-05 23:08:40)

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