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プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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81.  クリフハンガー 天敵ソ連を失って以降は迷走の続いたスタさんにとっては起死回生の作品であり、ジュラシック・パークをも超える大予算で挑んだ超大作だけあって、アクション好きにとっては大満足の作品です。しかも単純なドンパチアクションに終わらせておらず、崖を登ったり斜面を滑り落ちたりという雪山ならではアクションを中心にして見せ場を作っているのですから、他のアクション映画とはレベルの違う、かなり丁寧に作られた映画だと言えます。今回は山岳救助隊員であって戦闘のプロではないという設定を最後まで裏切ることはなく、スタさんが銃を一発たりとも撃たない、プロの傭兵と素手で格闘すると負けてしまうという辺りも新鮮です。また、CGが本格的に使えるようになる前の時代の作品だけあって、生身の人間が危険な撮影に挑んでいるという緊張感もバシバシ伝わってきます(スタさんの登場シーンはセット撮影が多いような気がしましたが…)。この辺りは、監督にレニー・ハーリンを持って来たことが功を奏しています。大予算にもまったくひるまぬ図太い根性があり、またスタッフや役者にいかなる無茶も要求する暴君ぶりも有名な監督だけあって、大変な困難を伴う撮影を妥協なくやりきっています。。。ただし、ハーリンの起用が裏目に出ている部分もあって、ドラマパートが台無しになっているのはその最たるもの。本作はアクションだけでなく、ドラマパートも実は充実しています。スタさん演じるゲイブは、敵の手から逃れた時点でさっさと下山してしまうという選択肢があったにも関わらず、親友のハルを救うためにテロリストと戦います。そのハルとは恋人の死を巡る深いわだかまりがありながら、それでもなお親友として彼の命を救おうとする熱い話でもあるのですが、ここが完全にスルー。対するテロリストは一枚岩ではなく、内部では殺し合いにつながりかねないほどの対立が発生しています。また強奪作戦の失敗からテロリスト達が猛烈に焦っているという珍しい描写も入っており、よく突っ込んだ話となっているのですが、これまた設定を活かしきれていません。演技のできる役者で脇を固めていることからも、本作をただのアクション映画には終わらせないという製作側の意思が読み取れるのですが、これらをうまく機能させられていないのが残念なところです。[DVD(字幕)] 7点(2009-10-12 22:20:32)(良:2票)

82.  マルホランド・ドライブ 《ネタバレ》 【猛烈にネタバレします】5年以上前に見たものの、さっぱり意味のわからない映像がダラダラと続く(ファンの方ごめんなさい)中盤で眠くなってしまい途中でリタイア。今回久し振りに再チャレンジし、無事完走しました。要するに、自分を裏切った恋人カミーラを殺してしまったものの、その罪悪感に耐えきれず自殺した女優ダイアンが断末魔に見た妄想ということですね。妄想の世界でダイアンはベティという名の別人となり、一方カミーラは殺し屋襲撃から生き延びるも記憶喪失、ふたりの関係はリセットされ、出会いを一からやり直すこととなります。妄想の世界は、ダイアンの願望が具現化されるパラダイス。現実世界でカミーラを寝とった憎き映画監督は、理不尽なスポンサーに企画を潰されるわ、家に帰れば奥さんが堂々と浮気してるわ、浮気相手から殴られるわのさんざんな仕打ちを受けます。また現実世界でダイアンの演技をまったく認めなかった別の映画監督は、妄想の世界ではベティ(=ダイアン)を絶賛。しかしキャスティングの担当者は「あの監督は老いぼれだから、別の映画に出なさい」とその監督の悪口三昧なのです。意中のカミーラとも結ばれ(誘ってくるのはカミーラの方!)、ダイアンは至福の時を過ごしますが、その後カミーラに連れて行かれた劇場で「ここで起こっているすべてはウソ、幻」ということに気付かされ、これは空しい夢だと認識します。。。この映画の面白いところは、本来はシンプルな話を真ん中でぶった切り、前後を入れ替えたために難解なルックスとなっているところ。何が起こってるのかわからないが、画面で起きていることすべてに何かの意味がありそうな前半の「引き」のうまさはさすがリンチ。話の前後を入れ替え、観客を突如物語のド真ん中に放り込むという荒業の効果がよく出ています。また、謎がつながる後半部分も興味深く見ることができました。しかし問題は、中盤があまりに退屈なこと。ひとつひとつの場面が猛烈に長くて飽きてしまいました。それに、さっぱりわからない伏線がいくつかあって、ファミレスの裏に潜む魔物とか、監督に無茶な要求をするカウボーイなどの意味がいまだにわかりません。丁寧に見てもサッパリわからない謎で感心を引くのは、ちょっと反則じゃないかという気もします。[DVD(吹替)] 5点(2009-09-04 22:29:34)(良:1票)

83.  ドミノ(2005) 《ネタバレ》 ここ10年のトニー・スコットは、「スパイゲーム」や「デジャヴ」など並の監督では手出しできないような困難な企画を器用に作り上げており、リドリー以上にその手腕には注目しているのですが、ここ最近で唯一のハズレ映画がこれでした。大して難しい企画ではなく、普通に撮ってれば面白い映画になっていたのに、どうしてこんなことになってしまったのかと。前作「マイ・ボディガード」(ヘタレなタイトルからは想像もつかない残酷バイオレンスの傑作)で効果を発揮したチラチラ映像を全編でやってしまい、まったく落ち付かないビジュアル。ドミノの生い立ちなどではその効果を感じたものの、全編に渡ってこれはさすがにやりすぎでしょう。また、話を複雑にしすぎていることも問題でした。この映画の核はあくまでドミノ・ハーヴェイという実在の人物であり、彼女の数奇な生き様を堪能することがもっとも大事なことのはず。にも関わらず、タランティーノも呆れるような複雑な犯罪を後半に持ってきたことから、見ている私達の集中力はドミノから犯罪へとシフトすることを余儀なくされます。これにより、せっかく面白かったドミノと仲間たちの物語が中断される形となってしまいました。ラストの銃撃戦も、相変わらずのチラチラ映像のために燃えるような大アクションとなっていません。スコットの手腕があれば余裕でかっこいい銃撃戦を撮れるのに、必要とされていない工夫をしてしまったことが完全に裏目に出ています。良い題材に、良い役者(ミッキー・ロークの最高ぶり!)を得ながら、要らない工夫のために映画をつまらなくしてしまった珍しいケースだと言えます。。。なお、DVDに収録されている眞鍋かをりによる吹き替えはよく出来ていました。ここ数年のユニバーサルはよくタレントを吹き替えに起用し、その大半は恐ろしくダメな仕上がりなのですが(DAIGOによる「ウォンテッド」には倒れそうになりました)、これだけは例外。決してうまくはないものの、その不安定さがお嬢様育ちの賞金稼ぎというキャラクターと偶然にも噛み合っており、作品の意図と一致しているのです。彼女が汚い言葉を吐く時の無理しているような感じなど、完成されたプロの声優では出せない妙な味が出ています。キーラ・ナイトレイのルックスと眞鍋かをりの声質にも不思議な統一感がありました。[DVD(吹替)] 5点(2009-08-14 11:42:07)

84.  スパイ・ゲーム(2001) 《ネタバレ》 公開時にはブラッド・ピット主演のアクション大作として宣伝されたため誤解を受けましたが、これは硬派で知的なサスペンスです(だからこそ、アクション大作への出演を嫌がるブラピもこの企画には参加したのでしょう)。「スパイ・ゲーム」は逆説的なタイトルで、これは鮮やかに敵を倒す痛快なアクション映画ではなく、神経を擦り減らすような死と背中合わせの駆け引きを描く作品です。よって派手なアクションはほとんどなく(終盤の救出作戦すら、地味な撃ち合いで終わる)、スパイという世界が持つ極限の緊迫感や、命をかけた「ゲーム」であることから生じる痛みを作品の核としています。序盤のベトナム以外にブラピが銃を撃つ場面はなく、カーチェイスも格闘もなし、敵と顔を合わせることもなし。現地の協力者を口説き、彼らを戦場に送り込む駆け引きがひたすら描かれます。作戦が敵に漏れていたため協力者を置き去りにして逃げたり、作戦の手はずを間違えて死なせてしまったりという痛みのドラマをきちんと描いており、スパイ映画としてはジェイソン・ボーン以上に誠実に作り込まれた作品だと言えます。。。と、このように硬派な作風であり、なおかつ過去の回想と現在の救出作戦が並行して語られるという厄介な構成をとるため、作りの誠実さの代償として娯楽性という意味では問題のある脚本だと言えるのですが、これがスコットの手腕により十分面白く作られていることには驚きます。派手な見せ場は少ないものの、美しいビジュアルにかっこいい音楽、キレのある編集により、勢いのあるアクションを見たような高揚感を味わえます。脚本にあったと思われる泥臭さは調度いい具合に抑えられており、必要以上に重い作品にしていません。ラスト、作戦名を聞いて師匠の仕業だと知るブラピと、ポルシェで颯爽と退場するレッドフォード、この締めはまさに痛快でした。話の交通整理もうまいもので、ややこしい構造の作品でありながら、特に混乱することがありません。困難な企画にあって、水準レベルのアクションは寝てても撮ることができ、プラスαの工夫に頭を使う余裕のあるトニー・スコットを引っ張って来られたことは幸運でした。そこいらの監督に任せていたら、観客の頭を混乱させるだけの映画になっていたことでしょう。頭空っぽの映画ばかり撮る監督だと思っていたトニー・スコットの見方が変わった一作です。[DVD(吹替)] 9点(2009-08-14 10:52:10)(良:1票)

85.  オール・アバウト・マイ・マザー 序盤、マヌエラが息子を失うマドリードのパートは非常に素晴らしかったです。この監督さんは人間の描き方が巧く、彼女の悲しみが痛いほどに伝わってきます。また、エステヴァンという本作においてキーとなる人物を、短時間の登場ながら印象に残るよう描いていることにも感心しました。しかし舞台がバルセロナに移ると、途端に感情移入しがたくなります。ゲイが女性と関係を持ったり、修道女が避妊もせず成り行きで男と寝たり、有名女優が昨日今日会ったばかりの他人を付き人として雇ったり、マヌエラが息子の死の原因となった女優と何事もなかったかのように親しくしたりと、目の前で起こっていることにいちいち疑問符が付いてしまうのです。重いドラマがどんどん軽くなっていき、最終的には母を失った子供を引き取ることで、かつて失ったエステヴァンの代わりができましたというハッピーエンドも、やっぱりよく理解できませんでした。また、出てくるのが女性かゲイばかりなので、男の私には彼女たちの会話や行動の面白さがイマイチ伝わらなかったのも問題でしょう。「たぶんこの演出は巧いんだろうな」と思いながらも、心には入ってこなかったという感じです。外国の人が「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」を見ると、たぶんこういう印象を持つのだろうという感じです。おすぎは絶賛しても、私には一生良さのわからない映画だと思います。[DVD(吹替)] 5点(2009-08-07 21:43:36)

86.  ターミネーター2 小学生の時のレンタルビデオが初見でしたが、圧倒的な面白さに家族全員がテレビの前から動けなくなったことをよく覚えています。すぐに寝てしまう祖母も、30分もテレビを見ていられない妹も、2時間以上の長尺を微動だにせず見入っていました。当時の標準的な娯楽作よりも2つか3つぐらいレベルが上の作品だったと思います。製作から18年が経過し、娯楽作全体のレベルも進化している現在において見返しても十分面白いのですから、本作がいかに優れた作品であるかがわかります。役者もよくハマっています。第一作当時は無名だったシュワ氏もその後6年でコメディまでこなすようになっており、もう一度悪役をさせても前作同様のインパクトを残すことは不可能だっただけに、善玉に転換したことは良い判断でした。また、重い宿命を背負った人生を送り、前作とはまるで別人となったサラ・コナーをリンダ・ハミルトンが演じきっています。そして収穫だったのがエドワード・ファーロングで、輝かんばかりのルックス、大スター・シュワを相手にしてもまったく見劣りしない演技力と、これ以上望めないほどハマっています。…と、本作がきわめて優れた娯楽作であることは明らかなのですが、何度か見るうちに気になった点もいくつか。最大の問題はT-800を人間臭くしすぎたことで、良い子守りとなり、最終的には「行かないで、ロボット」までやってしまうのは違和感がありました(ファーロングの力により、陳腐にはなっていませんが)。その点でいえば、「サラを殺すもジョンを守るもプログラムが違うだけで、ターミネーターとしての本質は変わらない」という描き方だった第3作の方が合理的でした。また、核戦争を阻止すべくサイバーダイン社を破壊しにいくという展開は、さすがに話が飛躍しすぎです。ジョンの保護を任務としているT-800が、警官隊に囲まれ、T-1000が来ることも予想される襲撃にジョンを連れて行くことはありえないでしょう。自分の生みの親であるスカイネットの破壊に、ターミネーターが進んで手を貸すことにも違和感があります。「未来は自分の力で変えられる」というメッセージがラストに提示されますが、今の社会が続けば犯罪者の母親と不良少年にすぎないサラとジョンにとっては、予定通り核戦争が起こって人類の救世主となる未来の方が良かったんじゃないのとも思えるので、ハッピーエンドとも言い切れないモヤモヤが残ります。[ビデオ(吹替)] 8点(2009-06-11 16:32:10)

87.  ハプニング 《ネタバレ》 死にたくなる毒素が撒かれるというアイデアがまず凄い。異様な死に方の数々はかなり衝撃的で、他の映画とは違うもの、今までなかったものをちゃんと作り上げているのですからシャマランはやはり何かあるクリエイターだと思います。生き延びるためには集団から離れていなければならないというルールも秀逸で、群れをなす性質のある人類にとって、追いこまれるほど集団に依拠できず個人で対応するしかないのは恐ろしいことであり、またその状況で生き延びている他人は常日頃から集団に馴染まない変わり者であったり、人に手を貸さない自己中心的な人物である可能性が必然的に高くなるのですから、人間関係も非常に不安定なものとなります。主人公達は人智の及ばぬ現象と、常識の通用しない理不尽な人間を同時に相手にせねばならないわけですから、「ゾンビ」と「悪魔のいけにえ」の良いとこ取りが可能な、極めて秀逸な設定を作り出したと言えます。人間の描き方も相変わらずユニーク。夫婦の絆の再生というありがちなテーマをとりつつも、この夫婦の亀裂は他愛のないもので、一度ティラミスを食べに行った相手が勘違いして彼氏気取り、それを必要以上に後ろめたく思って旦那に言い出せない奥さんと、その話を聞いて機嫌を悪くする旦那という、「この深刻な世界観でそんな話かい」と呆れるほどどうでもいいものです。シャマラン作品の登場人物は皆平凡で、映画向きではない普通の人たちが常識を超えた現象に立ち会い、これに戸惑い、時にちぐはぐな行動をとり、そして最後には成長してこれを乗り越えるというパターンをとりますが、人間の描き方が抜群にうまいため、SF設定とほのぼのドラマという普通は馴染まないものを綺麗にまとめてみせます。子役の扱いも毎度うまいもので、映画に登場する子供は嫌味なほど良い子か、劇中のイベントを起こすためわがまま放題かの両極端なのですが、本作の子供は緊急事態であることを認識し、何も言わずひたすら大人についていくという現実的な描かれ方となっています。本作で残念なのはラストがあまりに安直だったことで、かなりの人口が失われたはずの街が何事もなかったかのように復興していたり、現象の正体を必要以上に説明してくれたりと、危機の余韻がまるでありません。三人仲良く暮らして新しい子供を妊娠しましたというのもありきたりで、ここで一気にドラマの良さも失われたように感じました。[ブルーレイ(吹替)] 7点(2009-06-08 14:53:41)

88.  グッドナイト&グッドラック オスカー主要部門への大量ノミネート、ベルリン映画祭主演男優賞&脚本賞受賞も納得の仕上がりでした。クルーニーとグラント・ヘスロフ(トゥルーライズ等に出てた人)による脚本が非常に秀逸で、事実ベースの淡々とした物語でありながら、エンターテイメントとして十分楽しめる作品となっています。この手の作品にありがちな過剰な煽りや一方的な主張がなく、ジャーナリズムの良心というテーマ同様、本作の制作陣の姿勢も非常に良心的なものだと言えます、事実に基づいた話を取り上げる場合、必ずしも映画が望むタイミングで山場やオチが来てくれないという大きな制約があり、これに直面した多くの作品は事実とはズレのある展開・解釈を加えることで製作者が意図する物語にしようとしますが(インサイダー、ビューティフル・マインド、シンドラーのリスト等々)、本作は脚色を極力排除し、事実を追うことを最優先にしています。また、劇中声を荒げるのは記録映像におけるマッカーシー議員のみであり、論理的なセリフの淡々とした積み重ねのみでスリリングで物語が構築されています。このように映画を盛り上げるための技術を相当放棄しながらも面白い作品にしているのですから、驚異的な仕上がりと言えます。この手の作品は冗長になりがちですが、コンパクトにまとめたのが勝因でしょうか。話をあちこちに飛ばさず局内で起こることのみに集中し、登場人物や発生するイベントを無闇に水増しするようなことをしていません。仕事とプライベートの間での悩みといったお決まりもなし、ジャーナリストとして為すべきことを為すプロの姿のみが描かれます。こうした地に足のついた描写は、ニュースキャスターを父に持つクルーニーならではの強みでしょうか。[DVD(吹替)] 8点(2009-06-05 22:49:34)

89.  ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン! 《ネタバレ》 映画は、時代背景により観客に馴染むかどうかは変わるし、ストーリーテリングの進歩によってかつては受け入れられていた題材が成立困難に陥ることもしばしば。日本映画界から怪獣映画が消滅したのもこの現象によるし(アバウトな設定が持ち堪えられなくなった)、ハリウッドが精出している往年SFのリメイクが解釈を大幅に変えねばならないのも、かつての姿のままでは観客に馴染まないため。ジャンルの最終作と見られる「バッド・ボーイズ2バッド」の不調等により現在絶滅危惧状態にある90年代ドンパチアクションも同様で、あのような荒唐無稽なアクションはもはやマトモには成立しない状況となっています。「ダイハード4.0」はブルース・ウィリスが出ているだけの別モノとなったし、「デジャヴ」のようにSFの域に達する作品まで登場する状態。そんな中、パロディという手法を巧く活用することで、ドンパチアクションを見事に復活させた本作は実にお見事。成立困難な部分は「これはコメディですから」と言ってうまく逃げつつ、90年代アクションの醍醐味をたっぷり味わわせるのです。見ている側までイラつかせる敵の存在、そりの合わなかったやつが思わぬ加勢となるカタルシス、そしてムチャクチャなんだけどかっこいい銃撃戦など、あの時代の燃える要素がテンコ盛り。広場での銃撃戦などはもう最高で、敵は全部年寄り、自転車から二丁拳銃を撃ってくるおばあちゃん、デスペラードばりに袖から拳銃が飛び出す神父さんなどバカバカしさの極致を行きつつも、アクションのツボは完璧に押さえていて笑いと興奮の嵐となります。落ち着いた前半も一気にペースを上げる後半とのコントラストの役割を果たしており、またここで蒔いておいた伏線が後半をさらに盛り上げているのですから、非常によく練られた構成だと言えます。ジャンルへの愛情を追いすぎて自家中毒に陥る監督も少なくない中、その愛情を万人受けするエンターテイメントへ昇華させた本作は非常に素晴らしいパロディの成功例と言えるでしょう。[DVD(吹替)] 8点(2008-12-06 15:34:37)(良:4票)

90.  ボーン・アルティメイタム 《ネタバレ》 観客を飽きさせないよう派手なアクションをやればやるほど「んなアホな」のスパイラルに陥る作品が多い中、本作は見せ場の連続なのにバカっぽくなく、そこにリアリティを感じさせる作りとなっています。特に素晴らしいのがロンドン駅での追っかけで、追っ手の配置や視界を先読みしながら対象を的確にナビゲートする様はあまり見たことのない珍しい見せ場。ボーンはただの強い殺し屋ではなく、状況判断やとっさの決断力にも長けた人間であることをちゃんと画で見せてきているのです。「陰謀のセオリー」「ロング・キス・グッドナイト」等、記憶を失った政府の殺し屋映画はいくつもあり、ボーンシリーズもネタ的にはありふれた作品なのですが、そんな中で新しさを発揮しているのは、世界を股にかけるエージェントに必要であろう知性を描いているためでしょう。目の前の危機を腕っぷしで乗り切るかつての主人公達とは違い、二手先三手先を読んで行動し、衝突はなるべく避けるという「当たり前」のことをきっちりやっているのです。またボーンが相手とするCIAも同様で、きちんとした官僚機構として描かれているので、悪役としての存在感を発揮しています。「CIAは巨大な官僚組織である」のは当たり前なのですが、これまでのアクション映画は見事なまでにこのおいしい部分をスルーし、その結果ボスと手下数人が勝手に暴走して主人公に倒されるという、何ともこじんまりとした組織となり下がっていました。そこにきて本シリーズは、個人の通話でも自由に盗聴できるハイテク機器を操り、世界中即座にエージェントを送りこむ豊かなネットワークを持ち、警察機構に指示を出すこともできる強大な権限を持った組織として描いています。そこに従事する人々も魅力的で、その切れる頭で出世したと思われるパメラ、現場の叩きあげで汚れ仕事をしているうちに感情も麻痺してしまったアボット、組織のためなら何でもやってしまう出世の鬼ヴォーゼンら、「官僚組織にいそうな人々」の熱いやりとりも見ごたえ十分です。賛否の分かれる細切れアクションについてですが、画面も話も「リアルに見えること」を意識した本作においては、その必要性があったように思います。アクションの中にリアリティを感じさせたい場合、「仮に現場に居合わせればこのように見えるだろう」という雰囲気を作り出せる手ぶれ映像や細切れの編集は、やはり威力を発揮しているのです。[映画館(字幕)] 9点(2008-08-26 02:26:24)(良:4票)

91.  シーズ・ソー・ラヴリー 《ネタバレ》 恋人のためなら触るもの皆傷つける痛々しいまでの愛情を描く映画かと思いきや、中盤辺りからどんどん雑になっていき、最終的にドタバタコメディで締めくくるという闇鍋状態の映画でした。前半はすごく面白かったんですよ。乱暴者のショーン・ペンが彼女に注ぐ愛情がよく描かれており、そんな大事な彼女がレイプされたなんて知れば、相手の男に対して何をするかわからない緊張感や危なっかしさもよく出ています。しかし短い尺のためか説明不足が多く、中盤以降は唐突な展開が何度も起こって話が怪しくなってきます。ショーン・ペンが逮捕される展開など、事前に彼の精神に異常のある描写がなく、ヤンチャのすぎるお兄ちゃんという印象しかないため、突如異常行動をはじめる展開にかなりの違和感。また彼の退院時。長い治療によって「カッコーの巣の上で」状態となっていたショーン・ペン。失われた時間の重みを感じさせる壮絶な場面なのですが、その後トラボルタ家に行く頃には、映画的な理由付けもないまま10年前と特に変わらない元の彼に戻ってしまいます。なんで?またトラボルタ家の描写も非常に浅く、クライマックスの決断と対比されるものが家族愛であることを考えると、その描写が薄いというのは映画としてのバランスがよろしくありません。前半が丁寧だった一方で、本来話のメインであるはずの後半パートが杜撰なのは残念です。とはいえこの映画の着地点は非常にユニークで私は嫌いではありません。クライマックス、ショーン・ペンがトラボルタに「彼女は俺のこともあんたのことも愛してないんだ!」と叫びますが、あれがこの映画の言いたかったことでしょう。女性というのは恋に恋してるだけで、別に男性に対して愛情を持ってるわけじゃないんだよと。しかし男は、女性から愛されようと必死になってしまう。そんな女性の身勝手さと、女性に右往左往させられる男のどうしようもなさがこの映画の主題ではないでしょうか。ベタベタなタイトルも、女性に対する男たちの気恥ずかしいまでの思いと健気さを表したものだと思います。話のキーとなるロビン・ライト・ペンの心情を後半においては一切描かなかったのも、これは女性に振り回され、それでも愛されたいと頑張る男目線のラブストーリーなので、意図的に彼女の心情は描かなかったのでしょう。そんなわけで、目の付け処は悪くないのにそれを活かしきれなかった本当に残念な映画でした。[DVD(字幕)] 4点(2008-06-08 04:24:31)(良:1票)

92.  カジノ やたら複雑なカジノの仕組みを流れるように説明する冒頭は本当に秀逸で、スコセッシという監督はダテに巨匠やってないなと感心させられました。この監督はあまり技術や手法には言及されない人ですが、何をどう見せるか、作品を見るうえでの基本知識をどの程度観客に与えておくかの計算を非常に緻密にやってることがよくわかります。デ・ニーロ&ペッシとのトリオも非常に安定感があり、作品全体の完成度は高いと言えます。ただしこの映画は既視感に溢れているのも事実で、束の間の栄光と挫折、傷つけ合うだけの男女、突発的な暴力、どれも監督が数十年間描き続けてきたものです。また監督の作風の悪い部分もきちんと継承しているのが困ったところで、いつもながらエピソードが連なるだけでクライマックスにかけて息切れをしてきます。スコセッシという人物の人間観は絶望的なまでに冷たいもので、悪い風が吹き始めると友達も家族も敵となって誰も助けてなどくれず、自分でピンチを切り抜ける頭を持った者だけが自力で逃げるという、人間に対する不信感しかないような作品ばかりです。そのような人間観のため作品全体に一本筋を通すような人間ドラマの存在しないものが多く、その結果ただエピソードが並んでいるだけにしか感じられないのです。主人公やその他の登場人物達が展開とともに成長したり、人物同士が触れ合うことで変わっていくという通常の映画には当然備わっているべきドラマ的な要素が完全に欠落しているのです。同様の傾向を持つタランティーノは遊びをふんだんに入れることでドラマの不在を完全に補っていますが、スコセッシの場合はそのような手段を持っていないのが問題なのです。各要素の完成度は高いだけにこれは残念。特に本作のシャロン・ストーンなどはスコセッシでなければ引き出せなかったであろう凄まじい演技を見せてきています。これぞまさに一世一代の大熱演で、デ・ニーロとペッシというオスカー常連コンビを完全に食ってるのがすごい限り。トータル・リコール→氷の微笑→硝子の塔→スペシャリストと演技など無縁な人だった当時のシャロン・ストーンにここまで委ねたスコセッシはやはり相当な目利きだなと思います。当時であればミシェル・ファイファー辺りでお茶を濁してただろう役柄を思い切ってシャロン・ストーンにやらせてみるってのが巨匠たる勘の鋭さなのでしょう。[DVD(吹替)] 7点(2007-01-02 00:33:28)

93.  ジェヴォーダンの獣 フランス貴族に並んでインディアン風の男が立っているポスターを見た時点で「これはバカ映画だ」と確信したのですが、いざ鑑賞すると意外にも時代劇としてまっとうな出来なので驚きました。ヴァン・ヘルシングのように「設定だけは時代劇ですが」みたいな軽いものではなく、衣装やセットも手がこんでいるし演出にも重厚感があってよくできているのです。登場人物の演技やセリフもバカっぽくなく、怪しい時代の怪しい田舎の雰囲気も良く出ていて、少なくとも前半はどこの大河ドラマかとでも言わんばかりの仕上がりとなっています。問題のカンフーインディアンも撮影や編集がよかったためか視覚的にはそれほど浮いて感じられず、マニという人物もキャラクターとしてきちんと完成されているので、フランス貴族とカンフーという無茶苦茶な組み合わせなのに巧く見せるなぁと感心しました。ただし話の展開が単調なので後半になると猛烈に退屈になってきます。確かに後半は獣がついに姿を現し見せ場も増えるのですが、話自体が求心力を失っているので見ていてもまったく盛り上がらないのです。「実は○○は~~でした」などという短絡的な怒涛の展開が起これば起こるほどチープ加減に拍車がかかり、クライマックスに行き着く頃には完璧なB級映画になってしまいます。監督もその自覚があるのかないのか、最後のバトルは無茶苦茶で笑ってしまいました。文科系の学者さんで得意の武器は銃だったフロンサックが、インディアンばりのフェイスペイントして二刀流で大暴れ。ブレイドばりに敵のど真ん中へ飛び降りて大見栄を切ると、武闘派マニですら勝てなかった敵一味をひとりで殺しまくります。あんた、そんなに強かったのか?と驚いていると、今度はヴァンサン・カッセルが伸びる剣で対抗。重厚な時代劇としてはじまった話のクライマックスがこれかと、高級フランス料理のデザートがガリガリくんだったような気持ちになりました。安易にアクションで決着をつけるよりも、ジェヴォーダンの獣に関する陰謀や駆け引きをもっと見せて欲しかったような気がします。モニカ・ベルッチの正体をもう少し早く暴いて、闇の勢力とバチカンとの知的な駆け引きを後半の山場にすれば良い映画になったと思うんですけどね。[DVD(字幕)] 5点(2006-11-25 19:42:54)(笑:1票)

94.  キングダム・オブ・ヘブン リドリー・スコットってのは、良くも悪くも映像派ですね。まず良い点は、とにかくすべてのシーンが美しく、どのカットをとっても絵画のように綺麗。そしてあのとんでもない戦闘シーンのド迫力。確かに「ロード・オブ・ザ・リング」のヘルム峡谷戦やミナスティリス戦とかぶるわけですが、こちらの方がレベルが上ですね。CGで作ったのが丸出しの「ロード~」に対して、こちらは生身の迫力に満ちてました。2時間丸々戦闘シーンという「ブラックホーク・ダウン」を作り上げた手腕はダテじゃないのです。一方悪い点は、ストーリーテリングに明確な弱点がいくつかあることです。人間関係が複雑な割に拾い切れていない要素が多く、バリアンが亡くした妻子のことは後のストーリーにまったく影響を与えず、彼の複雑な親子関係も実にアッサリとしたものです。(「グラディエーター」もそうでしたが)主人公のロマンスに深みはなく、むしろ蛇足になってるような気もしました。「人を救うはずの宗教を巡って異教徒と殺し合う」という矛盾をテーマにしている割に登場人物たちに葛藤はなく、悪者は最後まで悪者、善人は最後まで善人でした。このテーマであれば、誰もが自分なりの大儀や正義を目指しているがゆえに戦いが起こるという話にした方がよかったと思います。と言うか、いまだに続いている宗教戦争の本質ってそれですよね。それぞれが正義だと信じているからこそ相手に対して不寛容となり、争いが起こってしまうと。しかしギーという明確な悪役を作ってしまったがために、話からその深みが奪われたように思います。これでギーも善人で、自分なりの信念を貫く人間であれば、戦争というものの本質をえぐった傑作になっていたかもしれません。それにしてもリーアム・ニーアムとジェレミー・アイアンズはかっこよすぎですね。「これぞナイト」という風格に満ちており、彼らが映ってる時には完全に画面を独占してましたよ。演技ができる俳優さんはいろいろいますけど、彼らのように風格を出せる俳優さんってのはあまりいませんね。あとどうでもいいことですけど、劇中「13ウォーリアーズ」で聞いたことのある曲が流れたので「まさかパクったんか」って気になってたんですけど、エンドロールにはちゃんと「バルハラ ジェリー・ゴールドスミス作曲」ってクレジットされてました。他の映画の音楽をまんま使うってこともあるんですね。ちょっと驚きました。[映画館(字幕)] 7点(2005-06-05 00:27:47)

95.  ジャンヌ・ダルク(1999) もったいないというか、なかなか深い映画なんですけどね。ジャンヌ・ダルクをテーマにしながら、神の意思や英雄物語の否定をやっちゃってるわけですよ。神の意志による戦争という矛盾、伝説ではないジャンヌの実態など、すごくいい視点ですよ。ジャンヌの抱く、美化された死や奇跡のイメージのビジュアル化、人格化された良心との対話など、素晴らしいアイデアもいくつかあります。ただし、全体的に切り口が短絡的なために、主題がかえってブレてしまってます。戦場に転がる死体にショックを受けるジャンヌ、愚直なまでに神への信仰を叫ぶジャンヌなど、ちょいとしつこすぎです。王位を得た途端に傲慢になるシャルル7世の描写も、あまりに単純すぎてガッカリでした。姉の惨殺、ジャンヌへのリンチなどの描写も、生々しすぎてかえってメッセージ性を削いでしまってます。この辺が、常にベタにこだわり続けるベッソンの限界なんですね。まぁ、戦場の迫力は大変なものだったし、「Follow me!」には燃えたし、アランソン、ジル・ド・レ、ライール、ジャン・ドーロンなど、ジャンヌの脇を固める男達はみんなかっこよかったし、娯楽性もそこそこ。悪い映画ではないと思います。6点(2004-07-31 16:29:51)

96.  カットスロート・アイランド 中盤ダレるものの、勢いと物量を信じて作られた正当すぎる冒険活劇。「とりあえず爆破しとこう」というハーリン思想の頂点を極めた快作です。ラストの砲撃戦→乱闘→一騎打ち→大爆破のアクション数珠繋ぎは「パイレーツ・オブ・カリビアン」をはるかに凌駕しており、ブラッカイマーでもかなわないハーリンテイストここにありです。dts版DVDの音響がこれまたハンパではなく、映画会社をも破壊してみせた本作の迫力が体感できます。7点(2004-06-30 12:53:17)(笑:1票)

97.  ジャッカル 《ネタバレ》 地味だったオリジナルから一転、開き直って大作路線でリメイクという方向性は悪くありません。相手とする殺し屋があまりに凄腕でロシア当局もFBIも捜査に行き詰り、やむをえず収監中の元テロリストを放ってこれに対抗するという基本的なプロットも興味を引きます。ただ、この設定をまったく活かせていないことが本作のダメなところ。まず、ジャッカルが凄腕の殺し屋に見えません。高い戦闘能力を示す場面が皆無だし、かといって知能犯にも見えない、野生動物のような勘で捜査網から逃れるということもない。FBIはなぜこいつを捕まえられないんだと不思議になります。行動にもムダが多く、ジャック・ブラックやダイアン・ヴェノーラをわざわざ殺す必要がないし、そんなムダな殺戮のせいで足取りを掴まれてしまうのだからバカにしか見えません。挙句の果てに、あれほどこだわっていた銃座の設計図を持って逃げなかったために、暗殺の手段をFBIに知られてしまう始末。遠隔操作の高速銃を使っているにも関わらず遠くからターゲットを狙わず、わざわざ現場に姿を見せるという理解不能な行動も。ん~、もうちょっと何とかならなかったのでしょうか。彼に対するデクランの描写も杜撰です。そもそもリチャード・ギアがミスキャストでどうやっても凶悪テロリストに見えず、このために「毒をもって毒を征す」という本作のコンセプトが死んでしまっています。彼の捜査方法はFBIのそれと変わらず、元テロリストだからこその発想や捜査方法がまったくありません。後半になるとジャッカルを勘で追いはじめ、捜査らしい捜査すらしなくなる適当さには驚きました。よくもこんないい加減な脚本に予算がついたものです。 【2018.6.13再見】 何見ようかなぁとNetflixをダラダラと眺めていたらふと本作が目に入り、「もしかしたらもしかするかも」と思って8年ぶりに再見したのですが、全体の印象は8年前と変わらずでした。感想は↑と変わらないので、見ていてどうしても気になって仕方のなかった部分を箇条書きにしておきます。 ・どれだけ手の込んだ変装をしてもブルース・ウィリスにしか見えないジャッカル。 ・FBI・ロシア内務省・元IRAテロリストが組んで一人の暗殺者を追うという基本設定が完全に埋没しており、比較文化論とか組織論とか面白くなりそうな要素がかなり捨てられているので残念。 ・中盤で判明した内通者を使って誤情報を流せば随分早くにジャッカルを捕まえられたかもしれないのに、この内通者に尋問も何もせずアッサリ帰国させるデクラン&FBIの不手際。 ・ジャッカルのターゲットが完全に読めた後に「罠を張るんだ!」とか言いながら、結局何の準備もできていなくて発砲されるに至るデクラン&FBIの不手際。 ・「罠を張るんだ!」とか言いながら軍の大型ヘリコプターで現地入りし、来たことを思いっきりジャッカルに知らせるデクラン&FBIの不手際。 ・人質にとった少女を無傷で帰すジャッカルの無用な優しさ。[インターネット(吹替)] 4点(2004-06-29 20:20:34)《改行有》

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