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プロフィール
コメント数 1647
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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81.  バクラウ 地図から消された村 《ネタバレ》 最後まで観ると、思ったよりも遥かに完全に西部劇なのですよね。その意味では、序盤から妙ちきりんなミステリアスさをプンプンと醸してるのはシンプルに大いなるミスリードだとも言えます(特に、中盤以降散見されるUFOは中々手酷い目眩ましですね)。 前述どおり、そういった本筋とは(実は)関係ない幾つかの要素を除けば、非常にシンプルな話なのです。その意味では、個人的には序盤からの異様な雰囲気に完全に惑わされて(罠に嵌って)しまってからのこの終着というのは、やや肩透かし気味というか、若干以上にシックリ来なかった、というのが正直な感想です。ジャンルとしては(西部劇部分を除けば)スリラーに非常に近いですが、恐怖描写・アクション展開・またはグロ描写、といったものについては率直に特に目を引く様なレベルのものも無いといってよいでしょうし。 ただ、典型的西部劇なシビアさ(殺るか殺られるか、或いは、自分の身は自分で守る、といった様な価値観)を現代にそのまま移植したことによる異様な「殺伐とした感」といい、ミスリードとはいえのこれも異様にミステリアスな雰囲気といい、その面ではかなり独特な雰囲気を擁する映画であることは間違いないです。一種、唯一無二な空気感を擁している、と言ってもよいかも知れません(とは言えこの部分も前述どおり、本質的には非常によくある西部劇のモノ、でしかないとも思うのですケド)。 評点はちょっと迷いましたが、個人的な大枠の「観た感じ」を信じて、低めに付けておきます。[DVD(字幕)] 6点(2021-05-29 08:37:59)《改行有》

82.  勝負師(1958) 《ネタバレ》 ドストエフスキーの『賭博者』を原作・原案とする映画として、先に『大いなる罪びと』を観たトコロ、コレが予想以上に面白かったため、こちらはジェラール・フィリップ主演ということで観比べることにしたものです。今作の方が原作に忠実だということなのでしょうが、しかし賭博シーン以外の部分が率直にあまり面白くないというか、特に前半(=本題の賭博シーンに入るまで)は相当に退屈でしたね。 更に、賭博シーンに関してもハッキリ言って『大いなる罪びと』の方が盛上げ方・脚色の質という点で二回りは上ですね。特に、将軍の伯母に関するシーンの出来は雲泥です。『大いなる罪びと』の10年後の作品であることを考えれば、この進歩の無さは極めて残念だと言って全く過言ではないでしょう(カラーにしたから許してちょ!というコトなのであれば、そうは問屋が卸さねーよ、と)。 何より、肝心のジェラール・フィリップの出来もまるで冴えないです。まず見た目からして全く冴えてないというか、なんか老け込んでて干乾びてて瑞々しさが皆無、という感じで。同年の作品『モンパルナスの灯』ではあんなに美しかった彼が、これは一体どーしたことでしょうか(モノクロ・マジックというコトなのでしょうか)。とは言え、実際に彼は翌年にはガンで亡くなっています。本当に体調がすぐれなかった、それが故の本作の出来映え、というコトも、まま想像は出来るのですケドね。[DVD(字幕)] 4点(2021-05-24 21:45:27)《改行有》

83.  2重螺旋の恋人 《ネタバレ》 恋愛系サスペンスかと思って観ていたら、終盤は完全にサイコ・スリラーの様でしたね。ただ肝心の結末部分に関しては、ソレっぽいコトを言ってドヤ顔を決め込んで居るだけでお話としては全くケリを付けられていない、と言ってよいでしょう。オシャレ不条理映画とでもゆーならまだしも、ここまで思わせぶりな描写を積み重ねてサスペンス風をカマしておいてこのオチは無いっしょ、とゆーのが個人的結論ですかね(私にとって、モヤっと終わるサスペンスとノンアルコールビールほどに存在価値の分からないものは無いのです)。 ただ、百歩譲ってオシャレ不条理映画と看做すならば、そのオシャレで耽美エロティックな映像面の出来はかなり高水準だったと言ってもよいのではないかと。主演女優さんは単純に美人で、細身でちょっと神経質そうな感じも役柄に非常にマッチしてて、かつ体を張った演技も結構凄めだったので、そこら辺は諸々フツーに褒められるトコロですし。お話の完成度か、映像美&空気感の完成度か、どっちをより重視するかで全体の評価も大きく変わってくる、という作品に思います。[インターネット(字幕)] 5点(2021-05-04 18:00:10)《改行有》

84.  グランド・ジャーニー 《ネタバレ》 稀にみる素晴らしい映画でした。絶滅危惧種の渡り鳥に安全な渡りのルートを教えるという「大いなる旅」は、自然科学・環境保護の観点からの深い意義を孕むと同時に、父の夢、そしてその息子の飛躍的な成長の道程でもありました。特に、日ごとに逞しく、また人と人との繋がりを得て正に子供から青年へと脱皮してゆく息子の姿には、観ているコッチも大いに勇気を貰えたという気がします。そしてそんな中で家族の絆というものも取り戻されてゆきます。人間ドラマとしても満足度は最高でしたし、爽やかなラストもとても好かったと思います。 映画の技術としては、諸々の撮影が非常に見事でした。繰り返される大胆な空撮はヨーロッパの自然の意外なまでの美しさ・雄大さを画面に収めると同時に、実に素晴らしい爽快感・高揚感を映画にもたらしていました。加えて何と言っても鳥たちを使用したシーンの出来の好さ・巧みさが素晴らしい。CGや特撮は未使用とのことなのですが、ちょっと信じられない、という感じですね(動物映画としても十二分に観る価値があるかと)。 邦題『グランド・ジャーニー』も中々悪くないと思いますが、原題の『Donne-moi des ailes』は”翼をください”という意味だそうです。こちらの方も、様々な意味・価値を包含する本作を言い表すものとしては、とても適確な言葉だと思いました。[DVD(字幕)] 8点(2021-04-23 23:03:18)《改行有》

85.  ソング・オブ・ザ・シー 海のうた 《ネタバレ》 元ネタはアイルランドの民話ということで、異類婚姻譚というヤツですかね。映画でのお話も大体そんな感じのオーソドックスですが、やっぱりどーもお話が面白くないのですね(根本的にやや暗めの話だ、ということもあって)。前作『ブレンダンとケルズの秘密』より尺も延びてますし、中盤は(なんか魔女が出てきてどーたらというアクセントが入るものの)ハッキリ言って退屈でしたね。 好い点としては、キャラがカワイイこと。絵柄は日本で言えば『ちびまる子ちゃん』とかあるいは『アンパンマン』くらいなごく低年齢向けアニメの感じですが、表情のつくり方から何からとにかく可愛くて、そこには観る価値があります。終盤のファンタジック展開での煌びやかな演出もとても綺麗でした。[映画館(吹替)] 5点(2021-04-17 15:26:39)《改行有》

86.  ブレンダンとケルズの秘密 《ネタバレ》 画の出来は文句無しに凄い。同じアニメでも、これは相当にカネの掛かってる方のヤツだし、誰にでも出来る仕事ではない。そこには大いに観る価値があるだろう。 ただ、お話の内容は前半から決して面白いとは言えないレベルで推移し、終盤はかなりテキトーでもはや不可解、という有様。典型的なある種の片手落ち映画で、万人向けとは言い難い。ポイントを絞って観にいく必要がある。[インターネット(字幕)] 5点(2021-04-17 08:59:15)《改行有》

87.  ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ! 《ネタバレ》 オープニングアクションは随分と派手にドンパチやらかしてますが(007級)、今作のネイビーシールズのメインのミッションは正規任務でもない宝探しで、じゃったら別にネイビーシールズやのうてもええんちゃうん?(インディ爺さんとか)なんて思ったりもしましたですね。が、お宝の金の延べ棒というのが湖の底に沈んでる金庫の中にあるっちゅうコトで(だから"ネイビー"シールズが主役なのね)、取り出すのに面倒でややこしい準備&手順が必要なのだす。てなワケで、その準備~作戦実行場面が結構長いのですがそこも単純に観ていてまあまあ面白いですし、水中というだけでやっぱ緊迫感も高く維持されるしで、アクションとしては今作、全体的にも決して悪くはなかったかと思います。 ただ、ラストにもっかいデーハーなドンパチがあればなお好かった、という感じですかねぇ~お宝探しのクライマックスとて、上に敵が居るけどとりあえず浮上してみっか、からの絶体絶命!というのは、百戦錬磨の彼らにしては随分とヌカってますし、その大ピンチ!という状況の盛り上がりも、そこへ横からブン殴ってくる救援ヘリのカタルシスも、どちらもちょっと弱くて物足りないというか(率直に、コレで終わり?てな感じで)。オーラスが洒落の効いたコミカルなのはまた好いのですが、その前にもう一押し欲しい、というトコロでしょうか。[インターネット(字幕)] 6点(2021-04-16 00:19:12)《改行有》

88.  異邦人 《ネタバレ》 諸々ひっくるめて原作(の雰囲気)にかなり忠実というか、それはつまりどちらかと言えば(ややもすると)少し工夫を欠く、というコトにも思われる。何故そう思うか、と言えば、そーしちゃったら中々に勝目の無い戦いに陥る、とも思われるからだ、とでも言いますか。 小説も実に淡々としているのは映画とも同様なのだが、あっちはムルソーの一人称で書かれているため、ごく一部の箇所においては彼の心情の極めて重要な部分が直接的に表れてくるのだ。それがこのお話を理解するための非常に重要な取っ掛かりでもある。しかし、実際のそれは彼が心で独り言ちているものであるから、小説に忠実に撮ってしまったこの映画ではそれが抜け落ちてしまっているのも必然なのであって、結局コレ、小説読んでない人には多分「分からない」と思う。件の太陽の描写、ラストの監獄での神父との対話、等々、ソコも確かに重要だとは思うのだけど、でもソコ「だけ」でもない、とも思うのだよね。「太陽のせい」というのは、別にホントに「太陽」の所為であったワケではないのだからさ。 結局のトコロ、オーソドックスに映画化するには向かないタイプの小説、つーことかと思います(そもそも)。マストロヤンニ自体の出来は決して悪くないし、地味にアンナ・カリーナが出ててお得感もあったりするのだケド。[映画館(字幕)] 5点(2021-04-03 19:19:22)《改行有》

89.  何も変えてはならない 《ネタバレ》 女優にして歌手、ジャンヌ・バリバールのライブ・リハーサルの様子をひたすらモノクロで撮ってゆくというシンプル極まりないドキュメンタリ。ほぼ全編が(練習として)歌っているシーンなので、見た目はミュージック・ビデオの一種だと言ってよいかも知れない。音楽的にも、シャンソン風のものからクラシカルやポップス調のものまで多彩な楽曲が奏でられて面白いのだが、その上に、ただ練習風景を映像に納めているだけではあるのだが、そこにしっかりと歌手が歌をつくり込んでゆく過程が端々に描き込まれており、普通に音楽を聴くのとは一味違った面白さを確実に備えた優れた作品だとも言える。無作為なようで、実に見事なドキュメンタリだと思う。 また、監督の特徴である闇を多用した画づくりもこれまた見事。こっちもただ白黒カメラを無造作に置きっぱなしにしているだけにも思えるのだが、何とも言えないエレガントな映像を撮り納めることに成功しているのだ。これも一種の才能・センスなのだろうとしか言えないようにも思えるが、どこか少し不思議な作品という風にも感じられる。[DVD(字幕)] 7点(2021-02-11 13:12:12)《改行有》

90.  コロッサル・ユース 《ネタバレ》 『ヴァンダの部屋』の続編といってよかろう作品でしょうが(ヴァンダも再登場しますし)、テーマ自体も非常に似通っています。主人公こそ違う人物ですが、描かれるのはこれも「絶望」、前作よりはやや乾いた絶望とでも言いましょうか。 演出方針も基本的には同様ですが、少しだけ抽象的な表現を取り入れてる?というシーンが見られたり(団地の担当者との幾つかのシーンとか)、画的に非常に凝っているようなシーンも随所に見られたり、そこは前作より挑戦的な作品にも思えます。あとは、何度も何度も繰り返される詩文のひとり語りからも想起されるように、より形而上的で詩的な作品と言えるのも事実でしょう。 ただ、これも前作と同じく、個人的な感想としてはとにかく長い!というコトが最上位に来るのですよね。もう分かったよ!(許してよ!)とでも言いますか。長いことに(大した)理由が無い映画というのは、どうしたって得意にはなれない、というのが正直なトコロです。[DVD(字幕)] 5点(2021-02-07 02:00:00)《改行有》

91.  ヴァンダの部屋 《ネタバレ》 こ~れは…映画として評価するのは正直言って中々難しいというか、個人的にも(どーしてこーしているのかは重々分かるとは言え)いくらなんでも暗すぎるし長すぎるし説明も不足してるし、とは思います。ただ、コレは……もし映画館で観ていたら更に凄まじかったろうと思いますし、どこかしろに共感が引っ掛かれば確かに唯一無二の「絶望感」というのを嫌と言うホド味わえる稀有な作品だと思いますね。 朝起きて、咳込んで嘔吐し、それを打ち消さんとするかの如くおもむろにコカインを吸引する…これだけでも、この人何のために生きてるんだろ、という絶望をこの上なく生々しく実感できるのですよね。抽象的な意味でなくて、正に「悪夢」の様な人生。麻薬はむしろそんな人生に少しだけでも「存在意義」というものを与えてくれる希望のよーにすら思われます。彼らが自暴自棄に陥らず、なんとかかんとか悪い意味での衆目を集めずに大人しく生活しているのも、ただ麻薬をやりたいから(=逮捕なんかされたらできなくなるし)なのだろうとも思われますし。事ここに至っては何が正義なのかももはや分からなくなる、とでも言いますか。強烈な映画であることは確かですね。 分類的にはドキュメンタリ(に非常に近いドラマ作品)ということのよーですが、質感はどちらかとゆーと普通に劇映画に近いです。前述どおりの部屋の暗さ、全く動かない置きっぱなしカメラ、音も皆無、という漢気溢れる演出方針が形づくる寒々しい雰囲気自体は、どこか荘厳な感じすら帯びているというか、中々オツな味わいを感じ取れるヤツだと言えるでしょう。ただ、DVDだとちょっと画質がイマイチなのですよね(残念)。[DVD(字幕)] 6点(2021-02-07 01:59:53)《改行有》

92.  8人の女たち 《ネタバレ》 オチは中々秀逸だと思いますが、そこまでの実際の展開上にはミステリ的な面白さというものは薄くて、否、そもそも展開上に現れるのは面白さ、というよりは醜い人間性のエゲツなさ、だとでも言いますか。これをコメディとして楽しめるのは、それは率直に女性の方ではないか、とも感じます(純真な男のコである私なんかは正直ドン引きでしたですよ)。コメディだとしても少なくともかなりシニカルな方のヤツですね(私がごくごく苦手なヤツ)。 ただ現場そのものは、ある種超豪華な女優陣の面子とプライドを賭けた頂上決戦の場と化しており、凄く近寄り難い非常に危険な様相を呈していました。キャラが立ってたのはまずユペールですかね~ただ彼女は比較的分かり易いキャラで、その演技のもたらす面白さも少し表面的かとも。ドヌーブも単純なキャラで実は見た目ほど存在感も無いかと思います。悪辣ぶりが際立っていたのはベアールで、コッチは見た目にも若々しさとキレがあってこの8人においては重要なアクセントとなっていたかと。ただ私が一番印象に残ったのはアルダンです。正直訳の分からないキャラだし容貌も大味だったですが、ミステリアスな魅力、という意味では一番深みのあるものを感じました。そこら辺、女優の演技合戦という部分には間違い無く観る価値がある作品でしょう。 一点、件のミュージカル要素については、別にコンセプト的にアリかナシかで言えばアリっちゃアリかと思いますが、やるんだったらもうチョイ本気でやって欲しい、という感じですかね。特に歌ってる時の動き・振付け的な部分が非常に適当に思えました。そこは残念。[DVD(字幕)] 6点(2021-01-17 00:41:07)《改行有》

93.  デデという娼婦 《ネタバレ》 メチャクチャに単純な話なのですよね(いくらなんでも単純すぎねーか、というレベルで)。演技・演出・キャラクター、と諸々含めてありがちと言える範囲を逸脱するものは何ひとつ無いのです。これは少なくともラストにもうひと波乱仕込むか、あるいはデデという主人公のキャラをもう少しユニークにつくり込むか、それくらいはしないと一映画としてはキビシイでしょう。意外なホドに正統派的に美しかったシモーヌ嬢に免じて+1点で。[DVD(字幕)] 5点(2020-12-31 01:22:34)

94.  燃ゆる女の肖像 《ネタバレ》 流行りのLGBT系とも言えるでしょーが(めくるめく百合的ロマンチック)、個人的にそっちもまあまあ面白かったのですが、どっちかというと肖像画制作の純粋な芸術面の話が面白かったのですよ。というのも、主人公の画家マリアンヌ役のノエミ・メルランという女優さんが、何つーか凄いイケメンというか、否、見た目よりは内面、職人としての矜持に満ち溢れているというか、なんかもう迸ってたんですよね(彼女は、芸術家というよりは職人に近い方の絵描きかと思いました)。そこへ来て素人に表面的な仕事を喝破されて(図星)悔しさのあまり作品をブチ壊す、というシークエンスにはある面で非常に納得・共感できますし、演技にもキレがあって迫力抜群でしたし。 今作、全体的に非常に静かな作品で(台詞なんか全部囁く様なとでも言いましょうか)、その静謐で文学的な趣もとても心地好いのですケド、却ってそういう熱が籠るシーンの切れ味というものは逆に際立っている様でした。音楽も多分2か所くらいしか入らないのですが、その2か所、祭のシーンのソウルビートな歌&終盤のヴィヴァルディ『夏』のシーンは、全編を通してもかなり強い印象を残す優れた箇所だったと思います。緩急の付け方、ここぞというシーンのハイライトの仕方に巧みさが感じられましたね。 一方で、前述どおりその静かな雰囲気も正に絶品でした。あくまで歴史ものといった系統のごく実直な演出がされていましたが、これでもし演出をもう少し抽象的な方面に寄せていたら、その空気感は恐らくタルコフスキーにすら匹敵し得たのではないか、とさえ。結論、随所の演出に監督の力量というものが大いに感じられた傑作だったかと思います。監督の過去作をチェックしたくなりますね。[映画館(字幕)] 8点(2020-12-29 00:06:53)《改行有》

95.  ポルトガル、夏の終わり 《ネタバレ》 ラストシーンが出色の出来でしたね。山の稜線、広がる海、そこに集まる人びと、いつしか海に沈んでいく太陽が、そこに一筋の光る道を照らし出す。それは正にある人生の終わりを象徴する様な、それでいてどこか温かく、かつその先の希望というものさえ感じさせる様な。一人また一人と画面からフェードアウトしてゆき、誰もいなくなったトコロで計算どおりのジ・エンド。このシーンを思い付いたがためにそこに向かって組み立てた、とでもゆー様な話だったかも知れません(静かに心に沁み入る様な好いラストでした)。 このとおり、非常に静かな物語で正直あまり抑揚というものはありませんが、本作にはそれ故のリアリティというものがつくり出せており、そしてそんな中に真摯に繰り出される俳優陣の演技には、それでも随所にジワっとズシリと効いてくる様なパワーというものが大いに感じられました。ポルトガルの情景というのも中々面白いですね(南ヨーロッパ風の乾いた雰囲気も滲ませながら、アフリカに近いというトコロなのか、何とも言えない自然の力強さも持ち合わせている、というか)。心が穏やかになってゆくという様なダウナー系人間ドラマです。私自身は結構好きなタイプ。[映画館(字幕)] 6点(2020-12-17 18:46:34)《改行有》

96.  嘆きのテレーズ 《ネタバレ》 シモーヌ・シニョレとゆーと、どうしても「クセ者」な方の仕事を思い出してしまうのですけれど、今作の清純そうな薄幸そうな可哀そうな感じも意外なホドに全然素晴らしかったです。シンプルなサスペンスですが、登場人物全員に瑕があると言うか、何かしらな心暗さを背負ってゆくなかで運命がそれを悉く許してくれない、とでも言いますか。ある種、勧善懲悪のキッチリした話なのだとも思いますが、個人的にはどれも少し、運命がわの「やり過ぎ」にも感じます。皆が不幸になって終わりますが、最後の2人の破滅は手紙一本で、というラストの呆気無さ・さり気なさが、洒落ているしそれでいて残酷さが際立つようで中々秀逸です。フレンチ・フィルム・ノワール斯くの如し、という佳作。[インターネット(字幕)] 7点(2020-11-29 09:51:33)

97.  シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 ミシェル・ルグランの音楽があまりにも素晴らしい。であるからして「100%歌」というかなり攻めてる形式も、この作品に関しては成功だとしか言い様が無い。特に、ラストの感傷の素晴らしさたるや(個人的には映画でこんなに泣いたことは他に無いってレベルで号泣しましたですよ)。恋愛映画では圧倒的に一番好きですし、あと今作のドヌーブがワタシ的には「映画史上最高の美人」でありますね。 私はまた、純・恋愛映画とゆーのには構成要素は3つしかないと思っている。「愛し合う美女とイケメン」+「悲しい別れ」+「ムーディな名曲」ただこれだけだ、と(もちろん、ハッピーエンドな恋愛映画もあるだろ!というツッコミは百も承知ですが)。だから、特にルグランの力ゆえに、今作は恋愛映画の白眉のひとつたりえるのであろう、と。[DVD(字幕)] 9点(2020-10-25 03:29:28)(良:1票) 《改行有》

98.  ジュリアン(2017) 《ネタバレ》 なんか勝手にヒューマンなヤツかと思って観に行ったら、完全にスリラーだった作品(残り15分で話が全然片付いてない辺りでアレ?と気付いた)。ただ、いったんスリラーだと解釈してしまえば実は全編通して素晴らしく不穏な緊迫感がモリモリで、率直にそこそこ優れた見応えがあった様にも思われる。とは言え、ヒューマンなヤツだと思って観てしまうと話が非常に単純で深みも無いのでイマイチかも。が重ねて、スリラーとしては中々に優秀かもと。アテが外れたワリには、意外と印象は悪くない。 そもそも、邦題や宣伝の感じほど息子のアレコレが主題な映画ではないのだよね(むしろ父ちゃんの悪い意味で抜群な存在感の方が、映画的なテーマには近いかもと)。個人的に、これも中々センスの感じられないクソ邦題だと思う(と思ったら英題も『JURIAN』なのね…原題は『Jusqu'a la garde(親権)』だけれども)。[映画館(字幕)] 7点(2020-10-24 00:14:21)《改行有》

99.  リヴィッド 《ネタバレ》 ことB級ホラー界隈においては、上映時間全体の前半分が完全に「捨て」で、話も大して進まないしショック描写も皆無、なんてことは結構ザラである。今作もその例に漏れず、前半ちょうど45分は特に何も発生しない(気味悪い寝たきりババアの描写がちょっと物珍しいくらい)。これがもう少し低級なスラッシャーとかだと、この前半の場繋ぎに安っぽいエロが盛り込まれたりするのだけど、今作ではそれも無い。結果、前半はかなり退屈・モッタリだし、せっかく激マブかつ爆乳という逸材フランス美少女を連れて来たのに、お前ら何年ホラーやってんだよ!と若干イラっとしたのも内緒(決してクロエ・クールーちゃんのオッパイが観たかっただけではありません)。 さて本作、ちょうど45分くらいから怪異が発生し始めるも、更に10分くらいモタモタした後にやっと本格的に動き始めるお話はとゆーと、これまた何だか「思ってたんと違う」怪奇幻想ファンタジックな代物、かつ話に辻褄をつけることをあまり意識していないとゆーか、率直にやややりたい放題なとゆーか。思うに、今作もまた「撮りたい映像が先にあって話の方はこじつけた」類いの作品かと思う(実は)。その意味では、監督ふたりの前作の様な単純明快血飛沫スプラッシュな作品を期待していたとしたら、かなり強烈な肩透かしを喰らう、と言っても過言ではないだろう。 ただ、あくまで私個人としては、そのめくるめく耽美&淫靡&残虐でゴシック怪奇な映像美には意外とわりかし観入ってしまった。なので結論、そんなに悪い作品でもなかったかなあ、というのが正直な感想。ホラーモンスター的なコンセプト、血みどろの白いバレリーナはどことなく『サイレントヒル』を彷彿とさせる様な優れた出来だったし、その他の部分、単純なスプラッタ描写のキレ味も決して悪くはなかった(前述どおり、ちょっとエンジンかかってくるのが遅い→物量的にはやや不足ぎみ、ではあるが)。個人的には少しの意外性・物珍しさも含めて今作決して嫌いではないし、観て損した感も無いと言える。 ただ、バスティロ&モーリーさんよ。あなた方のよーに一度コッテコテのB級ホラーの沼に堕ちた映画人とゆーのは、そこから這い上がれたというのはあんまり聞いたタメシがねーのですよね(ロメロなんかもそーですが、例外はサムライミとかですかね)。こういうちょっと気取ったのを撮るのもいいけど、あくまで観客の観たいモノづくりに徹した方が、後々後悔が少ないかも、なんて思ったりもするのですよ(10年前の映画に対して今更ゆーことでもないかも知れませんが)。[DVD(字幕)] 5点(2020-10-19 14:29:28)《改行有》

100.  スクールズ・アウト 《ネタバレ》 何故かホラーに分類されてるが、ホラーなのは冒頭だけで、内容的にはかなりジメジメとしたサスペンス(サスペンスと言うホド謎解き要素が在る訳でも無いが)。要は、中学生の若々しい感性(てか、中二病気質とゆーか)故に、世界に絶望し、自己破滅的な行為を企てるガキ共が主役という話。こーいうガキって昔から必ず居るもんだし、その気持ちも決して理解できなくはないが、本作はサスペンス的なノリでつくられているが為にあまりガキ共に共感させようという方向には話が進んでゆかず、ただ気味の悪いガキが何やらシコシコ企んでいる、という割と薄い話になってしまっている。ラスト、唐突にガキ共に寄り添っちゃうよーな(=この世界はやはり歪んでいたのだ!的な)オチも、何をイマサラ、という感じがしなくもない。[インターネット(字幕)] 4点(2020-09-26 23:32:53)

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