みんなのシネマレビュー
Yuki2Invyさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1647
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順123456789
投稿日付順123456789
変更日付順123456789

121.  君の名前で僕を呼んで 《ネタバレ》 夏の北イタリアの透き通った情景は非常に美しく、観ているだけでも気持ち好い気分になれるホド。そんな中に繰り広げられる情熱の限りを注ぎ込んだかの様な濃厚な恋愛事象もまた、それでいて実に美しく眼に映る。ただそれは、確実にどこかに真実めいたものを秘めつつも、永遠に続くことを希われた様なものであったか、と言われればもっと淡く、儚いものであった様にも思われる。 どちらかと言えば私は、恋愛映画というよりは青春映画として本作を解釈する方が(あくまで個人的には)納得が深い様に思う。その意味では、本能の目覚め、種々の葛藤、情熱と痛み、等々、ティモシー・シャラメの演技はそのどれもを素晴らしく表現できていたと思う。恋愛要素について、ちょっと情熱的過ぎてコアな部分の描写に少しだけエグみを感じてしまった、ということと、映画としても全体的に少し尺を取り過ぎている様に感じたこと、2点を踏まえて、一応のこの評価とさせていただきたい。[DVD(字幕)] 6点(2020-06-12 14:06:42)《改行有》

122.  レスラー 《ネタバレ》 この映画に描かれるものは、主人公の過去の栄光にしても、凄惨なプロレスシーンにしても、悲哀に満ちた現在の状況にしても、とにかく非常にリアルなものに感じられた、というのが第一の感想(ドキュメンタリチックな撮り方も効果的だったと思う)。主人公の人生にそのリアリティがある分、例え身体が限界を迎えつつも彼の人生はこう生きるしか無いのだ、ということも、正に重く重く理解できた、のだが… だからこそ、その自己破壊的な生き方を乗り越えて未来を生きていくランディが観たかった、というか。正直、前半の出来があまりにも良かったせいで、ちょっと感情移入しすぎたのかも知れない。このラストは、私には少し辛過ぎた。 ミッキー・ロークとマリサ・トメイの素晴らしく魅力ある演技を含めて、極めて出来の良い映画だと思うが、上記の理由から(本来の点数から1点引いて)この評価とさせていただきたい。[インターネット(字幕)] 7点(2020-06-10 22:18:37)《改行有》

123.  CURED キュアード 《ネタバレ》 ゾンビ・パンデミック後、治療法が開発され、幾ばくかの人々がゾンビ状態から人間性を取り戻した、が…というお話。 前半はホラーと言うよりはサスペンスなつくりで、恐怖描写はごく程々に、非常に重苦しくてやるせないハードな展開がまあまあ見応え有る。ラスト30分はお待ちかねのゾンビー・パニック・アクションで、またもや全力疾走なゾンビがまずまず迫力有って率直に恐怖。前半はアイデアで独創性を出し、後半はゾンビものとして観客の観たいモノをしっかりと観せる。適度なコンパクトさも相まって中々にバランスの良いホラーであった。グッド・クオリティな小品といったところだが、個人的には割と好き。[映画館(字幕)] 7点(2020-05-28 00:37:16)(良:1票) 《改行有》

124.  ジョルジュ・バタイユ ママン 《ネタバレ》 理性を脱ぎ捨てた先に、神は現れる。全編を覆い尽くすグロテスクな性描写が意味するのは、人智に依っては理解し難き「神」、その如き母の愛を得るべく、息子に課せられた試練だ。あまりに不道徳で不条理なその終着を彼が本能的に拒むのは、至極当然な事である。しかし人間を辞さなければ、彼は母の愛をも得られないのだ。これは中々に気の毒な事ではないか。 本作に於ける「神」、これが務まるのは、如何にも「怪物」イザベル・ユペールくらいなもんであろう(その絶大な、かつ変態的な存在感を以てして)。エロくてゲスい見た目の割には、内容の方がそこそこ在る(流石バタイユ)。[DVD(字幕)] 7点(2020-05-15 23:15:15)《改行有》

125.  髪結いの亭主 《ネタバレ》 こーいうのも何だが、床屋で流れる時間って単調で退屈で、それでいて理髪師との距離感は近いから、それが男と女ならある意味凄くフェティッシュな空間だし、そこからこういう物語を捻り出したってのが、実に面白い着眼点だと思うのですね。 何ごとも無い毎日、何ごとも無い店、何も無い人生。そこに在るのはただ、唐突にもたらされた愛だけ。手に入れた喜びよりも、失う恐怖が心を覆い尽くす。シンプルな内容だからこそ、前述の状況設定の絶妙さが際立っていたかと。 フランスの恋愛映画なら不可欠と言える性愛描写も、フェティッシュな側面を活かして程良く艶やかに、かつコミカルさも兼ね備えて中々に観ていて楽しかった。仄かに、しかし確実に、残された者の悲哀と絶望を醸しつつも、どこかこれも温かみを感じる様なラストも、私にはとても心地良かった。良作。[DVD(字幕)] 7点(2020-05-13 01:26:30)《改行有》

126.  ザ・ホード -死霊の大群- 《ネタバレ》 仏語で「ラ・オード」、英語でも「ザ・ホード」で「大群」という意味である。フレンチ・ホラーの佳作『フロンティア』のザヴィエ・ジャン監督が中心となって製作した本作は、仏国産としては少し珍しいゾンビもの、かつウリはその「物量」だという点で中々興味深い作品だ。もっとも「史上最多」という宣伝文句自体は、わずか3年後に公開された『ワールド・ウォー・Z』にすぐさま奪還されたことに間違いは無いだろうが。 しかし、本作の見どころはそのゾンビの数というよりは、『28日後…』以降の高速ゾンビ系統の中でも際立って高速&高耐久なゾンビの戦闘能力の高さにある。何しろ本作、ゾンビとの戦闘シーンは少し早回しにしてるくらいですもんね。そしてショットガンだろうが何だろうが胴体を狙ってる限りは何発ブチかまそうが止まらないというスーパーゾンビは確かに相当な恐怖である(まあ、落ち着いて頭を潰しましょう、と言ってしまえばそれまでなのだが)。中盤までは別にゾンビの数も多くないが、最終盤は宣伝どおりかなりの大群で群がってくるのも中々ゾクゾクさせてくれる。 惜しむらく、ゾンビが強力すぎ&感染拡大速度も速すぎて脱出に現実味が無く、結果イマイチ緊迫感を出せていない点と、中盤までのアクションの「物量」は率直に不足している点、そして、まるで感情移入できない魅力皆無な登場人物たちのキャラ設定の悪さ等は、ハリウッド産A級ゾンビ映画の基準点をやや下回るかと思う。ただ、前述どおりのゾンビの戦闘力の「過激さ」には、これぞフレンチ・ホラーと言うべきラディカルなユニークさをつくり込めていると言える。ホラーとして決して、出来は悪くない。[DVD(字幕)] 6点(2020-05-10 22:42:23)《改行有》

127.  ショーガール 《ネタバレ》 ハダカというのは、それを隠して恥ずかしがるからエロいのだ。誰も彼もが脱ぎまくりな本作、全員揃ってハダカ如きを恥ずかしいなんて思っちゃいない(それは羞恥心が無いサマを「演じて」いるのではなく、本当に馴れっこになってしまっていることを意味する)。ので在るからして、実のトコロはこれが全然エロく感じなかった…というのが正直な感想(ある意味残念)。しかし、だからこそ本作のダンスシーンからは、性欲と切り離されることを強制されてきた「ハダカの美の歴史」を、逆の側から超越した真に純粋な「肉体の美しさ」を感じ取ることが出来るのだと言える。俗悪なモノの中だからこそ、本当の美しさが際立つ、この単純な方法論こそがヴァーホーヴェンの真骨頂である。 それはストーリーの面でも同様で、ただ自分の最悪な状況を打開したい、自分を証明したいと願うだけの前半の持たざるノエミは実に美しく、翻って、一たび手に入れた「虚栄」を守ることに固執し、「もっと多く」を望むために手段を選ばない後半の勝ち誇ったノエミは実に醜い。しかし彼女は、敗北と引き換えにひとつの真理を得て虚ろの都を去ってゆく。それこそが人間の成長であり、これは何とも痛快なグッドエンドじゃないか!と思うのだ。 非常に単純な物語ではあるが、重ねて、これこそがヴァーホーヴェンの真骨頂であり、彼の最高傑作であると私は確信している。[DVD(字幕)] 9点(2020-05-05 12:20:38)(良:1票) 《改行有》

128.  氷の微笑 《ネタバレ》 世紀のクールビューティ、シャロン・ストーンが稀代の毒婦を演じている、ただそれだけの映画。そして、ただそれだけで十分な映画だとも言える。色々とモヤっとしたまま終わらせるというサスペンスとしては禁じ手を犯していることもあり、正直、内容面には観るべきモノはさほど無い。しかし、グレース・ケリーをも彷彿とさせる抜けば玉散る氷の美貌なシャロン姐さんが、ヴァーホーヴェン流の超イヤらしいセックスシーンをこれでもかと熱演することによって醸される品格のある妖艶さは、もはや一つの奇跡である。これは、エレガントさと色っぽさを史上最高レベルで兼備するシャロン姐さんだからこそ成立する映画なのだし、姐さんの年齢的にもこの三十凸凹より上でも下でも恐らくダメで、人類史上このタイミングでしか撮れなかった映画なのではないかと思っている(ヴァーホーヴェンは流石の目の付け所ですね)。 今(2020)であれば、誰なら務まるか?例えば、マーゴット・ロビー(→×色気が安っぽい)、レベッカ・ファーガソン(→×色気が圧倒的に足りない)、ガル・ガドット(→×ちょっとヴァイタリティ過ぎてクールさが足りない)、スカヨハ(→×ちょっと機を逸した感が…)、シャーリーズ・セロン(→×姐さんも10年前なら…)、ジェニファー・ローレンス(→×…ビューティ?)、あとは… 個人的には、アンバー・ハード、レア・セドゥとかなら少しはピンと来るかと……か、無茶を承知でナタリー・ポートマンとか……[DVD(字幕)] 7点(2020-05-04 21:59:28)《改行有》

129.  レ・ミゼラブル(2019) 《ネタバレ》 色々と中々に見応え・歯応えの有る映画だが、とにかく今作はラストに尽きる。 これは問いだ。無情なまでに切迫した問いだ。つまりこれは、これ程までに「非」善良で悪意に満ちた(そしてそれは、誰の所為であるとも言えないが、一方で絶対的な必然性のもと厳然たる事実として存在するという意味で正に絶望的な)人間性の内に、それでも希望、ポジティブな未来を見出せるかという極限的な問いかけなのだ。社会問題を広く提起する類いの作品として、このラストは率直に極めて優れていると感じた。是非、この(普通の映画では味わえないだろう)リアルで切実な鑑賞後感を体験していただければと思う。[映画館(字幕)] 8点(2020-05-03 00:27:52)《改行有》

130.  海の沈黙 《ネタバレ》 極めて上質な文芸映画。ごくコンパクト、かつ非常にシンプルで明快な話ながら「人間性」というものをここまで見事に鮮烈に描き出すか、という傑作。物語(原作の小説)自体のハイ・クオリティを、理知的で静謐な優れた雰囲気で映像表現に結実させる演技・演出というのは、どちらも実に素晴らしい。メルヴィル、斯くの如し。必見。[インターネット(字幕)] 8点(2020-04-18 13:42:29)

131.  毛皮のヴィーナス(2013) 《ネタバレ》 マゾッホ原作の劇中劇をオーディションという体で演じていくという(たったふたりの)会話劇。2人ともかなり(堂に入った台詞を)喋りまくるので、吹替の方が観易いかもとも思うが、この淫靡ながらのエレガントな雰囲気はフランス語でないと出せないだろうとも思う。その意味では、少なくともマゾッホの原作は読んでおいた方がよい映画であろう(本作のために態々読むかは別として)。 現実と虚構が次第に綯交ぜになってゆく展開はかなり繊細ながら個人的にはそこそこ興味深く観れたが、特にエロティック面では最初から最後までさほど過激なシーンも無く、全体としてもやや抑揚を欠く(特に「見た目」がほぼずーっと同じなのは少し気になる)。あと、女優は別に取り立てて悪いと言うつもりはないが、敢えて言えば、若い女優を起用することに何らの問題もない(ので、若い女優にすべきだ)と思う。冒頭のちょっと非常識なノリは、オバハンとしては若干イタイし。[インターネット(字幕)] 5点(2020-04-04 18:04:44)《改行有》

132.  アンダーグラウンド(1995) 《ネタバレ》 色々と映画を観ていると、稀にどうしようもなく「天才性」を感じさせる作品に出会うことがある。本作は特に(通常の辻褄を超えて展開し始める)後半は、もう殆どがその類いの「常人の才覚では撮れそうもない」映像となっている様に思う。 「何故、どうして」という点で全く常人の理解が追い付かない本作は、初見では十分に理解するのは難しいかもしれない(少なくとも私はそうだった)。しかし、そういった細かい点を超越して作品全体から迸る得も言われぬパワーとメッセージは、初見だろうが何だろうが多くの人の心に確実に響くであろうし、そして二度三度と観直すと本作もまた、細部まで精密につくり込まれた類稀な完成度を誇るクストリッツァの仕事だということが分かってくる。生涯に渡って何度も楽しめる、素晴らしい映画だと思う。 シーンとしてひとつ、空飛ぶ花嫁の結婚式は、全ての映画の中で私が一番好きなシーンだと言ってよいかも知れない(初めて観たときはやはり疑問と、そして感動と笑いが止まらなかった)。もう一つ、演技面ではどうやってサルにあれ程に上質な演技を仕込んだのか、そのうち聞いてみたい。 もう一点だけ、批判されることも少なくない本作のテーマ面について、私は監督の「歴史を肯定する」姿勢には賛意を表したい。人間と、人間の生業(としての歴史)は、全て多面的なものであると思っている。本作は決して、歴史の負の側面を虚飾で覆い隠そうという作品ではない。清濁併せ呑み、醜さもさらけ出した上で、ポジティブな側面を力強くかつノスタルジックに描いた本作は、テーマ面の表現についても傑出した作品であると強く感じている。[ブルーレイ(字幕)] 10点(2020-03-29 02:37:06)《改行有》

133.  黒猫・白猫 気が付くと、珍しく幾度も観直しているという作品。溢れ出る生命力を浴びることで、明日への活力を分けて貰えるような気がするからだろうか。この映画の登場人物の様に、愉快に、力強く、無頓着に歌い踊る様に生きてゆきたいと、無意識に願っているのかもしれない。 とは言え、クストリッツァの才気炸裂・真骨頂な内容は、一見は適当なようで細部まできめ細やかにつくり込まれた実に高い完成度を誇る。今作ではそれをコメディ面に全振りしており、とにかくとてもユニーク・唯一無二な「笑える」要素が満載。しかし、何と言ってもこの作品の魅力は、これこそが「生きてる」ってことだという様な登場人物(あと動物)たちの無軌道で型破りな活力・生命力だと思う。何度見てもこう思う、「人生は、生きることは素晴らしい」と。[DVD(字幕)] 9点(2020-03-28 18:24:58)《改行有》

134.  飛行士の妻 《ネタバレ》 主な登場人物は3人。飛行士の愛人(妻ではない)と、その愛人の恋人?の矢鱈と鬱陶しい若造、そして(何故か)通りすがりの小娘である。全体として5つほどの各々長い会話シーンを主たる構成要素としているが、ひょんなことから飛行士を尾行することになった若造と小娘が他愛無く駄弁った挙句暢気にお茶したりしてるシーンが何と小一時間のぶっ通し、その後、愛人と若造のこれもグダグダな愛の囁きが30分弱と、この2つで映画の大半を占めている。 前者は、無邪気な小娘がキャッキャとはしゃぐ様子がまず実に健康的で面白いが、この小娘が齢15にして(演者も16、7のホントの小娘)頼りない若造をモノの見事に手玉に取る手管を身に付けているというのが、如何にもおフランスな風情でこれまた面白い。そして本作のハイライトたる後者。ここでは愛人の支離滅裂極まりない言動がとにかく超絶に面白い。正に雲を掴む様なフワフワ気紛れ分裂症女という感じで、何を考えてるのかサッパリ理解できないが、ほんの1日を描いたこの映画をつくるのに際し、ここまで綿密にキャラ設定をつくり込んでそれを女優に精密に演じさせる監督のやる気に満ち溢れた見事な仕事には、ただただ感服する。 この手の(殆ど内容の無い)ホンワカ恋愛会話劇としては、個人的には白眉と言ってよい優れた作品に思う。マイナー作品だが、是非。[映画館(字幕)] 8点(2020-03-22 03:30:48)《改行有》

135.  美しき結婚 《ネタバレ》 結婚願望を拗らせた女性が軽ーく暴走していく様を描いたコメディ。主役は正直あんまし可愛くないし(頼れる親友のアリエル・ドンバール姐さんの方が100倍美人)、相当イタイ女なのも間違い無いのだが、ちょっと痛々しさが過ぎて、途中からは少し情が移って「何とかハッピーエンドに漕ぎ着けてくれ!」と懇願しながら観ていた。ので、中々スリリングで実は結構面白かった。 結局、その儚い希望は考え得る中でもそこそこ最悪に近い形で打ち砕かれるのだが、このたびの男の「振り方」が、この手の面倒臭い女の取扱の手本と言ってよい様な優れた対応であり、正直そこの「口説き」が本作の最大の見せ場である(前述どおり、それでもかなり失敗に見える形で決裂してはいるのだが、この事案は最悪の場合、命に係わる事象をも引き起こしかねないことを鑑みるに、十分に成功だったと言えると思う)。まあ、全体としては為る様に為っただけの物語であり、巧さは在るが目新しさは無い、とも言える。[映画館(字幕)] 6点(2020-03-22 03:05:19)《改行有》

136.  悪魔のような女(1955) 《ネタバレ》 本作は、サスペンスではなくホラーとして観るのが一番良い鑑賞法であると思う(私がホラーマニアだからそう言ってる、ということではありません)。まず、世評に「世紀のドンデン返し!」とか言われているのを耳にしてしまうと「ああ、これはサスペンスなんだ」となってしまうので、そこがまず本作を真に楽しむ阻害要因になっているように思う。そして、邦題も実はイケてない。「うん?誰が悪魔なの?」となって、やっぱりサスペンスになってしまうからだ(つーか主人公以外には女なんて1人しか出てこないやんけ→ほぼネタバレやん)。シンプルに『悪魔』というタイトルだったら良かったのにと思う。 映画人生における後悔はいくつも在るが、本作を事前情報を入れた状態で観てしまった、というのは間違い無く最上位に入る。他に上位なのは「サイコをリメイクから先に観たこと」「シックス・センスのオチを先に聞いてしまったこと」とかだろうか。[DVD(字幕)] 8点(2020-03-07 03:37:51)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

137.  エスター 《ネタバレ》 単純なホラーとしては、2000年代以降では屈指と言える出来かと思っている。 一見は可憐な少女だが、その実は凶悪な怪物を家に招き込んでしまうという部分はままよくある展開ではあるが、複雑な過去を持つ夫婦の設定、子供を手玉に取る描写の巧みさ等、展開面での細かい工夫はどれも秀逸で飽きずに観てゆける。エスターの目的が父親の誘惑で、要は性的に歪んだ異常者(実を言えば普通なんじゃねーのという気もするが)だという点も、ある種良く出来たキャラ設定に思う(この手の異常殺人というのは、大抵満たされない性的欲求が動機の根底にあることが多いように思う)。 しかし、あんな絵を部屋中に描いてその中で夜を過ごしていたというのは、それだけで正に狂気を体現するこれも優れた演出に思う。中盤以降は比較的スピーディにその狂気が加速・過激化してゆき、終盤は相当に派手な展開になるのも個人的にはかなり好み。子役&ファーミガの熱演も素晴らしい。時代最高のホラー。[DVD(字幕)] 8点(2020-03-01 12:40:35)(良:1票) 《改行有》

138.  屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ 《ネタバレ》 『ハウス・ジャック・ビルト』も極めて醜悪な作品だったが、それでもあちらは随所に一種のスタイリッシュさや女優の美しさ等の「虚飾」を纏っていたのに対し、本作ではそういう取り繕った要素はほぼ完全に徹底的に排除され、本当にひたすらに醜悪で、そして混沌と老醜・汚穢・悪臭に満ち満ちた作品となっている。何つーか、主演男優に限らず登場人物の大半に、人間性(は少し言い過ぎかもだが)・理性とか衛生観念であるとかを全く感じられないとでも言おうか。 フリッツ・ホンカは(本作での描かれ方も、また実際の殺人者としても)典型的な「無秩序型」のシリアルキラーで、その衝動的な殺人動機の根本的な部分は満たされない過剰な性欲、およびアルコール依存に依拠するものであり、真に精神異常系の殺人者とまで言えるかどうかは微妙かと思う(頭が足りないのと精神を病んでいるのは全く違うのだし)。しかしそれでもやはり、あれほどまでに衝動的に「女だったら何でもいい」的に行動するホンカの有様、そしてそんなホンカにヒョイヒョイついていく婆さん娼婦達も含め、そこにはもはや「狂気」としか言い様の無いものしか感じ取れないのが正直なトコロ。実話なことも含めてこれも非常に強烈な映画だが(ある程度は誇張だと思いたい)、見応えは文字通り抜群。この手の(グロ)映画に興味がある人にとっては、観て損は絶対に無い。[映画館(字幕)] 7点(2020-02-17 20:56:14)《改行有》

139.  満月の夜 《ネタバレ》 (主として貞操観念が)フワフワと掴みドコロの無い女がひとり。短気で独占欲の強い本命彼氏との同棲が気詰りで、別宅を構えて友達以上恋人未満の男(実は躰だけが目当てのゲスい不倫野郎)を連れ回しては煙に巻く日々。挙句、行きずりの男を連れ込んで夜を共にするも、事後罪悪感に苛まれ、アタシって罪な女…的に物憂げに佇む自己陶酔感溢れる浅薄な姿にいい加減イラっとし始めた矢先、急転直下のラストの一撃には実に見事な爽快感を覚えた(ザマァ見ろ!)。私の本作の楽しみ方が正しいのかは分からないが、個人的には十分に良作。 あと、主演のパスカル・オジェは(そうは言っても)ルックスは超絶美形でメッチャ好みなのですわ(特に超アンニュイな目付き)。夭折が何とも悔やまれる。。。[映画館(字幕)] 7点(2020-02-16 03:59:34)《改行有》

140.  海辺のポーリーヌ 《ネタバレ》 田舎な海辺に女と男、んなもんヤることは決まってる、とは言え、女どもは良く言って恋愛体質、悪く言えば尻軽である。しかし、尻軽一号のマリオン姐さんは美貌も然ることながらプロポーションが抜群で、水着・ヌードシーンも多くその点は大変に結構。二号の小娘もとても健康的で見た目は中々魅力的。男どもは、アンリは軽薄な女コマシ(加えてハゲ)、ピエールは中盤まるで刑事かの如く執念深く疑惑を追い回すが、だからお前はフラれるんだ、としか言い様が無いし、シルヴァンはなんも分かってないガキなので、総じてキャラクターに全然魅力を感じない。だが、こいつらがゆるーくスッタモンダするサマは(どうでもいいという意味で)実に滑稽で、コメディとしてはかなり面白かった。良作だと思う。[映画館(字幕)] 7点(2020-02-16 03:54:26)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS