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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. ニーチェの馬 世界の終焉が、こんなみじめであるわけがないと信じたい。 そして、湯がいただけの芋に塩をして食らう時も、そこそこ幸せそうな私でありたい。 あと、邦題に「ニーチェの馬」とつけた配給会社の人には、猛省してほしい。ニーチェ、ほとんど関係ないし。[DVD(字幕)] 6点(2012-12-31 23:18:54)《改行有》 2. 裏切りのサーカス 英国の曇天の下、跋扈するオッサン英国諜報員たちの渋さを、ひたすら堪能できる作品。一煮立ちさせた激渋エスプレッソ・コーヒー(砂糖抜き・茶請けなし)を、何杯もマグカップで飲まされたような気分でした。[DVD(字幕)] 7点(2012-11-12 07:36:42)(良:1票) 3. 灼熱の魂 残酷で無慈悲な物語ではあるが、愛すること、そして許すことの大事さについても、静かに訥々と伝えてくる素晴らしい映画だった。[DVD(字幕)] 10点(2012-08-13 01:56:46) 4. 華氏451 《ネタバレ》 「他人の自我にたえず耳を貸さねばならぬこと―それこそまさに読書ということなのだ」 【ニーチェ】 本妻の言い分に耳を貸さずアッサリ捨てて、「読書」に熱中してしまった主人公。ニーチェもさぞ「そりゃねーべよ」とお思いだろう。 そしてラストの【本の人の集落】は、興味深いですね。私もいっちょ暗誦できるくらいに一作品を読んで「彼はマスジ・イブセの【山椒魚】だ」とか紹介されてみたいもんだ。 とりあえず、最近アホウな条例を打ち出したどっかのアホウな都知事に、この作品を是非観てほしいですね。[DVD(字幕)] 8点(2012-05-10 01:05:39)《改行有》 5. イリュージョニスト(2010) 徹底的な引き算でシンプルにまとめられた切ない脚本と演出、一切の手抜きを感じさせない繊細な美術と動画の絶妙さ、2Dと3Dの完璧に融合した手法などに、ただただ驚愕。[DVD(字幕)] 8点(2012-04-13 05:01:40) 6. ミッション:8ミニッツ 《ネタバレ》 何度も訪れるバッドエンドを掻い潜り、真のハッピーエンドを追い求める、という凡百なゲームみたいな脚本と言ってしまえばそれまでだが、ラストの「8分間の世界」が途切れる瞬間に、皆が笑顔になって静止するシーンはとても気持ちがいい。 しかしその後、再び動き出した世界。これはちょっと野暮で、観様によっては幼稚なエンディングなのではないか?と、思った。 だが、この「8分経ってしまった後の世界」は、末期を迎える刹那にみた走馬灯、もしくは主人公が切り開いて得た新たな「平行世界」なのかも…と、私は考える。国のために二度も死ぬ運命を背負った男に舞い降りた、奇跡みたいなギフトなのだと。 そう考えると、このボーナストラックみたいな二度目の人生を送る彼に、ささやかなエールを送りたくなる。 観た後に、そういう様々な想像をかきたてさせてくれる佳作だったと、しみじみ思う。[DVD(字幕)] 8点(2012-04-02 02:43:37)(良:1票) 《改行有》 7. やわらかい手 《ネタバレ》 どうでもイイ話で恐縮ですが、昔、大阪某所の某店に「神の手」と呼ばれた女性がいたそうな。…とは言っても、同僚が勝手に「神」と呼んでいただけなのだが、聞けば「厚手のデニム越しに触られているだけなのに、二分も持たずに愚息昇天」というのだから、恐るべし。「夜のいてまえ打線」と呼称される同僚の談だけに、眉唾っぽくもあるが、真実味もある。 「その神の手とやらを、味わいに行くかね、君!」と同僚を誘ったが、もう引退してしまったという。残念。その神の手とやらの真偽は、もう闇の中なのである。超残念だ。 …サテ、話を戻してとりあえずこの作品「やわらかい手」の感想ですが。なんだか、その同僚の語っていた伝説を、ちょっと思い出しました。彼女の「手」は、まさしく「ソーホーのいてまえ打線」を完封する軟投投手のごとく、痛快無比な技でした。途中で右肘を故障するも「右がダメなら左があるさ」と、一向に彼女の勢いは止まる気配を見せません。 しかし、その痛快な手捌きなんぞが、この映画のテーマなのでしょうか?イエ、決してそうではありません。注目すべきは、半歩ズレた世界で変化した彼女の人間性と、普遍的な愛情なのではないでしょうか。でなければ、この作品の邦題は「神の手」でもイイはずです。 その掌(てのひら)に宿る掌(たなごころ)を、洒落っ気と慈愛たっぷりに描いた「やわらかい手」。うーん。隠れた名作。まさしく「穴馬的作品」でした。[DVD(字幕)] 9点(2012-01-17 00:53:00)(笑:1票) 《改行有》 8. 何がなんでも首ったけ 軽快で、洒落っ気たっぷりで、キュートという気持ちのよい三拍子が揃った佳作。 音楽に多用されていたラバンバをはじめとするラテンミュージックは、1959年に没したリッチー・バレンスの功績なのかな?と、深読みしてみたり。[DVD(字幕)] 7点(2011-10-29 00:36:51)《改行有》 9. 鬼火(1963) 《ネタバレ》 主人公を横切る自動車や自転車の群れ、見向きもせず追い抜かしていく子供たちの演出が、やけに印象的。 精神的不感症者の絶望、ねぇ。そんな遺書を残した友人が居ても、私は「そういやアイツ、死んだねぇ」で済ましてしまいそうだ。(というか、友達になれそうもありませんが) 友達甲斐も無く、薄情で鈍感な人間(私含む)には、ちょっと不向きな映画なのかも。[DVD(字幕)] 5点(2011-05-31 00:54:45)《改行有》 10. その男ヴァン・ダム 劇場の予告特報(キックボクサー?)で「機動戦士・ヴァンダム!!!!!」というツンドラ必至な激寒コピーを目にして以来、実に二十年も経ってしまった訳だが。 何と、ヴァンダム作品を観るのは今作品が初めて。 うーん。「ヴァンダム初見作品が、この作品でイイのだろうか」と、往年のファンからすれば新参者の末席を汚してしまいそうな私であるが、恐る恐る鑑賞に至った訳です。が……非常に楽しめてしまいました。 脚本、演出、演技が、ヴァンダム初心者の私にも十分理解できるような、驚愕に値する自虐っぷり。 この映画、チャック・ノリス、ルドガー・ハウアー、セガール、ついでにシュワルツネッガーやスタローン辺りに無理やり観せて、感想を聞いてみたい。 そして、この「マジなのか完全フィクションなのか、微妙」な作品の妙味を味わって欲しいと、思った。 名作。[DVD(字幕)] 8点(2010-07-28 03:59:21)《改行有》 11. 11'09''01/セプテンバー11 11ヶ国の様々な才能が、一堂に会するという奇跡みたいな作品集。どの作品も秀逸で素晴らしく、特にアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、ケン・ローチ、クロード・ルルーシュの作品が際立っていた。とりわけショーン・ペンの作品では、年甲斐もなく声をあげてボロ泣きしてしまった。 オムニバス映画としての足並みが揃っているとは言いがたいが、非常に見応えのある作品集でした。[DVD(字幕)] 9点(2009-11-13 02:10:23)(良:1票) 《改行有》 12. ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン! 《ネタバレ》 丁寧さと馬鹿っぽさを併せ持った脚本の見事さと、全速力でダッシュしつつも軽快な演出テンポのよさ、UKロックを主軸においた音楽センス、どれもとっても素晴らしい。 ミステリ、馬鹿ポリスコント、ちょっとした友情劇らを、破綻させず同時に楽しませるという器用な力技に、ただただ感服。 [DVD(字幕)] 9点(2009-10-05 04:10:46)(良:1票) 《改行有》 13. タクシデルミア ある剥製師の遺言 入るべき路地を数億本ほど間違え、迷い込んでしまったような。この奇妙な寓話的世界に、良くも悪くも引き込まれてしまった。監督も脚本家も美術もCG屋も、何か「とことんまで行っちゃってる感」というか、貴方たち、どっかおかしいですよ。笑。 蛇足ですが、個人的にはこの監督にバロウズの「裸のランチ」を撮ってもらいたいなぁ、と感じました。[DVD(字幕)] 8点(2009-07-27 00:34:32)《改行有》 14. ぜんぶ、フィデルのせい 映画そのもののテーマ性と、重さを感じさせずにユーモアたっぷりに魅せる手練が見事。しかし、始終不機嫌の仏頂面でイライラしている主人公ヒロインと、爛漫全開で愛くるしい弟が、それらの醍醐味を超えて面白かった。可愛過ぎ。[DVD(字幕)] 7点(2009-02-27 17:14:16) 15. 13/ザメッティ 《ネタバレ》 参加者を輪にして一斉に始める「ロシアン・ルーレット」という悪趣味な発想が意外と面白い。後ろで狙っている銃に弾が入っていようと、そのまた後ろの銃に弾が入っていて、後ろの銃より先にそのまた後ろの銃が発射されれば…と、考えていくと既存のロシアン・ルーレットルールよりも一層深い物騒なゲーム性が。 そして一番最初の「一発だけ弾を込め13人でロシアン・ルーレット一回戦」を観ていて思ったのが、使用されている銃が六発入るリボルバーと仮定すると83%の13乗…すなわち9.3%で「誰も死なない一回戦」になるという事に気付き、それはそれで勝手にハラハラしていた。 作中の「トルコじゃ42人集まったんだがな」という台詞にも笑えた。42人!熱いな!(悪趣味ではあるが)私も観てみたいと不覚にも思ってしまった。 作品自体はとてもシンプルでハイセンス。特に美術・音楽・配役が素晴らしかった。ゲーム進行役の奇妙なテンションの男の「回せ!もっと回せ!」という機械的な熱さを持った演技がヤバイくらいに面白かった。 ケチをつけるならラストシーンのオチの安易さだろうか。定石といえば定石だがもう一捻りあっても野暮にはならないんじゃないかな?、と。 蛇足ながら思ったのが、私ならその場で一万ユーロくらい使ってボディーガード兼運転手を誰かにお願いするかな。だって家まで安全に帰りたいもの。[DVD(字幕)] 7点(2009-02-11 01:03:14)《改行有》 16. スズメバチ 脚本の「練れていない感」がしんどい。物語の状況把握がしにくい上に切迫感だけが強調されている為、展開が雑。説明不足なのもチョッと難あり。登場人物のキャラクター像がハッキリしているクセにアッサリ死んじゃうのも勿体無いし、四面楚歌の倉庫という舞台設定も活かしきれていないような。 な~んも考えないで観る分にはソコソコのテンポのよさで充分堪能できるんですが。それとサミー・ナセリとブノワ・マジメルを同時に楽しめるという点が、ファンには嬉しいトコロかな?[ビデオ(字幕)] 4点(2009-02-09 00:34:44)《改行有》 17. 奇跡の海 《ネタバレ》 愛する者に殉ずる素晴らしさと危うさを、トリアー独自の目線でドッシリと仕立てた人間ドラマの佳作、と、解釈。 「愛する君のためなら何でもする。」つもりでも、「ある程度の事」「金以外の事」の二言を付け加えてしまう修行不足の私には、こんな生き方は真似出来ませんが。 しかし、問題の鐘は「迷える子羊ほど、愛しいってか?神様よ?何様だ?」と、思わず悪態をついてしまうラストシーン。何様も何も、神様なのだが。[DVD(字幕)] 8点(2008-09-13 22:00:11)《改行有》 18. バベル イニャリトゥ作品の中では、ちょっとおとなしい?と、感じた。 が、他者とのコミュニケイトすることの難しさ、大切さ、は十分に伝わった。 他者と100%分かり合えるのは不可能だ。不可能だが、諦めたり知ったかぶりするより、私は分かり合うためには色々と苦労したいと思う。そういうコミュニケイトを、面倒がるなっちゅう事ですかね。 しかし、相変わらず配役センスがイイ監督ですね。[DVD(字幕)] 7点(2008-07-14 00:13:16)《改行有》 19. ハンニバル・ライジング ハンニバルのサイコさは際立っていたが、インテリさに欠けていたような気が。和風テイストも、ちょっと邪魔かな?とも。しかし、ハンニバルの人間描写は素晴らしい。G・ウリエルの切なげ怒サドな雰囲気も、面白かった。[DVD(字幕)] 6点(2008-04-23 01:19:20) 20. マンダレイ 前作ドッグヴィルは完璧といっていい出来の人間ドラマだった。今作はどちらかというとミステリ作品として楽しめた。登場人物、人間描写、伏線、オチ、ラスト、どれも見事。数多ある中途半端なミステリ作品なんかにゃヒケをとらない傑作ミステリといっていい。ラース・フォン・トリアーの引き出しの多さなのか?ちょっとスゴイな。[DVD(字幕)] 9点(2008-02-21 02:27:23)
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