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プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順123
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1.  ターミネーター2 エンターティメント作品として一級品。これ以上、言う事なし。10点(2003-10-31 20:33:58)

2.  マレフィク 呪われた監獄 《ネタバレ》 お、これは意外な当たり!見てみて分かったけれど、パッケージの「監獄が人を殺す」という内容紹介はほとんどデタラメ!この説明でだいぶ損してるよ、この作品。自分もこの説明で「また下らないB級作品か~」と敬遠してたから。 実際は、偶然、監獄の壁の中から見つけた「魔術書」に書かれている呪文を使って脱出を図ろうとする四人の囚人の密室劇。 と、正しく内容を説明してもB級臭さが強烈だけど、内容はしっかりと手間をかけて丁寧に作られているのが分かる作品。 何より、囚人の人物描写が秀逸。四人が四人とも、強烈な個性の持ち主(「本」に唆されて妻を殺した老人、何でも食べてしまい、可愛さのあまり妹まで食べてしまった青年、その青年を保護する母性本能に駆られたオカマ、そして唯一、常識的な主人公)。一見、色物キャラばかりだが、彼らの言動には考えさせられるものがあり、そこから彼らの歩んで来た人生と、抱え込んでいる「心の闇」が垣間見えるほど。 部屋の一室だけが舞台にも関わらず、先の読めない意外な展開に飽きる事無く見ていられる。そして、そんな彼らが魔術書の呪文を用いて、脱出した先に待っていたものは…。 ホラーと言うよりは、優れた人間ドラマと評したい。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-02-19 02:17:35)《改行有》

3.  JFK 《ネタバレ》 これを見る前に、この暗殺事件に関する基本的な前知識が無いと、まず置いてきぼりを喰らう可能性が高い。特に人間関係の説明がほとんど無い脚本構成はちょっと不親切。 ただ、この説には非常に説得力があり、かなり詳しい情報をもとに論理的な結論を導き出している点を評価したい。無論、推測の域を出ていない部分もあるが、明らかに不自然な点と線を繋ぎ合わせると、やはり国家レベルでの大規模な計画・隠蔽工作がなくては成り立たない事件であることは確かだろう。戦争を「ビジネス」と考える国家の恐ろしさと危うさを象徴するような暗殺事件であり、それに対する危機意識を国民に持たせるためにも意義のある作品であると思う。 それとこの作品には、「歴史における個人の役割」というものを認識させる側面がある。どんな相手に対してでも、等しく自分の考えを自由に主張するためにやらなくてはならない個人の役割の重要性を考えさせられる。[ビデオ(字幕)] 9点(2004-08-23 21:14:37)《改行有》

4.  マルホランド・ドライブ 《ネタバレ》 リンチワールド全開。このいかにも「見た人の数だけ解釈の仕方がある」、と言わせたい作り方には賛否両論あるのは当然かも知れないが、まあ、あえてリンチの仕掛けた、夢と現実、虚構や妄想が混沌と入り混じる不可解な世界に遊び、フロイト的な夢の解釈をするもよし、フローチャートでも書いて独自の解釈をするもよし、という楽しみ方をするのが本道だろう。 この手の作品の見方は、アニメの「新世紀エヴァンゲリオン」などに対する見方にも通じるけど、単に一方的にストレートな情報を与えられて、老若男女、何も考えなくても泣いたり笑ったり出来るような作品とは違い、作品に仕掛けられた複雑で多様な情報から重要なピースを探し出し、時にはパズルのように組み合わせたりして、「自分から」積極的に作品の謎を解いたり、テーマを解釈していこうとする「意欲」や「知的好奇心」が無いと楽しめないタイプの作品と言える。 確かにあまりにも展開が不可解で不親切なので万人向けではないが、少なくとも、そうした謎解きを楽しめる程度には色々と「情報」が与えられている作品である。 破綻していそうで破綻していない、解釈できそうで解釈できない、そんなギリギリの内容が、ある種の人間の好奇心を刺激して止まない作品。 [ビデオ(字幕)] 9点(2003-08-31 09:33:39)(良:1票) 《改行有》

5.  シティ・オブ・ゴッド 《ネタバレ》 人間関係を含めた、自分の生まれた周囲の「環境」というものは、人格形成を始め、あらゆる面において最も影響を及ぼし得るものであり、先天的な資質よりも、こうした後天的要因こそが人間の精神性に多大な影響を与えるということを示す極端な例。 ただ、「与えられた運命をどう生きていくのか」という点においては、人種、年齢を問わず、万人に等しく与えられた普遍的な人生テーマと言えるだろう。与えられた運命に流れるままに身をまかせるのか、それとも自らの努力で人生を切り拓いていくのか。例えどんなに過酷な環境に生まれても、運命を切り拓く余地は誰にでもあるはずだ。運命と必然は表裏一体の関係性にある。カメラマンになった少年と、ゴミのように殺された少年の対比が、それを鮮明に浮き彫りにしている。 [ビデオ(字幕)] 8点(2004-08-16 23:02:16)《改行有》

6.  ファウスト(1994) 怖い。あの操り人形の不気味さは凄すぎる。命を持っちゃってます。現実と非現実の境界が曖昧な、まさに白昼夢の世界に眩暈すら覚える。撮影中、色々と事故やトラブルがあったというのを聞いてさらにゾっとした。8点(2003-08-28 10:27:59)

7.  隠された記憶 《ネタバレ》 DVDのインタビューで監督さん本人が解説しているように、基本的に「解釈お任せサスペンス」であり、そういう意味で評価が難しい作品。 ビデオを送ってきた人物が誰かという「謎解き」は本質ではなく、それは見る人にとって誰もが共感しやすい「自分の過去や罪にどう向き合うか」というテーマの表象なのだろう。 そのため、より見ている者が自分自身と対話しやすくするため、意図的に抑えた演出やカメラの長回しなどが多用されている。事実、見ている間、「こんな風景ってどこかで見たな」とか、「こんな状況なら自分ならこう言うのに」などと、登場人物と自分をダブらせながら見てしまった。こういう感覚は久々。 ただ、全編に亘って「ビデオの送り主は誰で、その目的は?」というミステリアスな謎掛けで引っ張っているだけに、その解釈を観客に丸投げしてしまうオチは、はっきり言って手抜き一歩手前と言わざるを得ない部分もある。そういう意味では本格ミステリーなどと比べれば、お手軽な作りと言える。 あえて解釈すれば、主人公の生家を知っている事やニワトリの首の絵などから、明らかに少年時代の出来事を知っている人物であるのは間違い無いはず。とすれば、あんな大昔の、しかも二人しか知らないはずのエピソードを知っていて、かつ、それを恨みに思っている可能性がある人物は、あの養子にしていた少年以外にいない訳で、さらに二人の「室内」でのやり取りまで隠し撮りされている以上、まったくの「第三者」が忍び込んでやっていたという可能性は、現実問題としてまずあり得ないだろう。それに加え、ラストシーンを見るに、父親に聞かされた過去の愚痴などから、彼(自殺した男)の息子が今回の行動を起こしたと解釈するのが一番妥当に思える。 まあ「解釈お任せ」という逃げ道を用意して、始めから伏線の回収を放棄している作品である以上、どうしても傑作とは言い難いが、見ている間は退屈しなかったし、それなりに考えさせられる作品として一度くらいは見ても損は無いと思う。[DVD(字幕)] 7点(2007-02-26 22:52:29)《改行有》

8.  仕立て屋の恋 《ネタバレ》 中盤までの退屈な展開から、このまま逃避行で終わりかな、と単純に思っていたので、ラストの人間関係の「本質」が凝縮されたような、皮肉で非情な結末には強く心を打たれた。 「他者に対する執着」は「自己愛」と表裏の関係にある。愛や自尊心は、他者からの認識を必要とするものであり、だからこそ、自分が傷つきたくない人間は、自己に対する評価が剥き出しにされる人間関係を忌避するのだろう。 大切なのは自分の価値を他者に委ねるのではなく、自分で価値を作り出すことと、その価値すら「相対的関係の元に始めて成立するものである」という認識を常に持っておくことだ。他者ありきの流動的価値は、その関係性が崩れた時、即、自己の立脚点を見失う危うさがあるからだ。 この仕立て屋も自己の価値を他者に委ねてしまう弱さがあった。人間関係を否定してきたのは、自分の価値の無さを認識したくないからであり、それを認めてくれる人間が現われた時の脆さがよく表現されている。 ラストのセリフすら、「彼女に対する愛を貫く利他行動」を示すものではなく、自分の立脚点を否定したくないためのエゴイズムでしかない。人間関係の本質を考える点で、これだけ純然たる作品にはなかなかお目にかかれない。 [ビデオ(字幕)] 7点(2004-08-14 10:13:20)(良:1票) 《改行有》

9.  シンプル・プラン 《ネタバレ》 「人間にとって、一番大切なものは何か」。まさにシンプルながらも、未来永劫、語られ続けるであろう普遍的なテーマがサスペンスを下敷きにして見事に描かれている。 それは人によって違うかも知れないが、当然のように身近にあるものほど、その恩恵や大切さには気付きにくいもの。最初、主人公は既にその「大切なもの」をほとんどすべて持っていた。だが、その事に気付いていなかったが故の悲劇がここにある。 突然手に入った大金に目がくらむ事は誰にでもあるかもしれない。しかし、貧しいながらも傍らにあった、当たり前のような「日常の平穏」や「家族」「友人」を犠牲にしてまで手に入れる価値のあるものなど、多分ありはしない。7点(2004-07-25 20:04:00)(良:1票) 《改行有》

10.  アパートメント(1996) 《ネタバレ》 「何故、愛する女性が何も言わず自分のもとを去っていったのか」、という謎をメインに据えながら、徐々に新たな謎や伏線が浮上して来る作りは見事。またその過程において、人間のエゴイズムのみならず、男女の「恋愛感の性差」をも明瞭に描き出している。 友情よりも男を選ぶ女、愛する女よりも目の前の肉欲に溺れる男、人間性の闇の部分を見通すことが出来ず、裏切られていく友人たち。単にサスペンスや恋愛ドラマという枠組みを超えて、「自己本位」という、人間関係を語る上での本質をズバリ突いている。この脚本構成は見事。 とは言え、テーマ性は深いが後味が良いわけではないし、娯楽性も薄いので、見ていて素直に楽しめる作品とは言い難いのも事実。厳しい評価かも知れないが、この辺の両立が出来ていない限り、やはり9点、10点までは行かないかな~。[ビデオ(字幕)] 7点(2004-01-19 21:49:27)(良:1票) 《改行有》

11.  ジャンヌ・ダルク(1999) 監督はジャンヌ・ダルクの生き様を通して、人間の心のあり方や宗教に対する姿勢、といった現代にも続く普遍的な問題を描きたかったんじゃないでしょうか。7点(2003-11-03 03:52:29)

12.  アザーズ 《ネタバレ》 「シックスセンス」見てたのに、ひっかかった(笑)。多少ずるいと思う部分もあるが、基本的に面白いので結果オーライ。中盤あたりまでは、これといった展開もなく、非常に退屈なので、もう少し変化がほしかった。でもこれ以降は、もうこの手のパターンはやりにくいだろうなと思う。観客も耐性がついちゃうしね。7点(2003-07-02 16:23:06)

13.  アメリ 独特な演出センスが光る作品。特に絵本や絵画のように美しい色合いを意識した映像は一見の価値がある。内容的には色々な解釈ができるだろうが、私としては好意的に、「人の出会いや運命なんて、ほんの些細なことでどうとでも変化してしまう。だから前向きに行こうよ」と解釈した。確かにアメリのやっていることは、見方を変えればほとんどストーカーで、不法侵入といった犯罪行為もしている。だが、そう解釈してしまうとひたすらつまらない自己中心的な社会不適応者の女の話でしかなくなってしまう。ここはやはり、「運命なんて自分も他人も含めて、たいしたことないんだ。だから気軽に生きていこう」と解釈すべき映画でしょう。 7点(2003-07-01 17:15:01)

14.  エスター 《ネタバレ》 これも「エクソシスト」みたいな悪霊系かと思いきや、まさかのオチ。ただネタバレが早いので、正体が分かってからは返ってエスターの恐怖感は半減。エスター本人は静かに暮らしたいのか、新しい家族をめちゃくちゃにしたいのか、何がやりたいのかいまいち伝わらなかった。ラストも生死は不明にして、また別の施設で絵を描いている「エスターっぽい少女の後ろ姿」を映してエンドにした方が良かったのでは。エスターとマックスを演じたふたりの女の子の演技力には脱帽。[インターネット(字幕)] 6点(2017-12-30 01:54:32)(良:3票)

15.  サイレントヒル 《ネタバレ》 ゲームの映画化としてはかなり高いレベル。 もともとストーリーの分かりにくいゲームだし、どちらかと言えばストーリーは二の次で、静かだけど深い霧の立ち込める不気味な街の雰囲気や、得体の知れないクリーチャーの恐怖を味わうゲーム(ホラーゲームとしては「バイオハザード」と同じくらい有名作品だけど、それなりにゲーム好きな人じゃないとプレイまではしてないでしょうね)。 実際にゲームをプレイしているかどうかで評価は大きく変わりそうだけど、世界観の作り込みやクリーチャーの動きなどは、さすがに監督がゲーム版の大ファンだけあって、特に文句なし。 ただ、キャラの役回りの変更、演出などには大いに不満アリ。オリジナルとしてアレンジしたのは良いけど、基本的にゲーム版とは別内容で、より分かりやすいストーリーに変更された割りに、無駄に残酷な描写が多く、アレッサやシビルを少しづつ焼き殺すようなシーンは見るに耐えなかった。映像で見せるべきシーンと言外に匂わす程度に止めておくべき表現のバランスを考えないと。せめてシビルは助けてやれよ!過去のシーンで人間の醜さは十分描けているから、それ以上に被せる必要は無い。これが大きなマイナス。あそこでシビルを助けてくれていれば8点はあげても良かったのに…。 他にも序盤で小さなクリーチャーが何十体も出てくるシーンなど、最初から飛ばし過ぎで、せっかくの不気味な雰囲気が台無し。霧の中にチラっと蠢く「何か」が見えるというような「出し惜しみ」が大事。クリーチャーの動きや「象徴性」に対する理解はあっても、この辺の「侘び」というか、恐怖演出の妙味がこの監督はまだまだ分かってないな~。 賛否あるラストについては悪くない。ゲーム同様、続編が作りやすそうだし(笑)。 [DVD(字幕)] 6点(2007-01-31 03:31:31)(良:5票) 《改行有》

16.  まぼろし 《ネタバレ》 「愛する人を失った現実」をどう受け入れるかというテーマは、古今東西、映画に限らず小説でも漫画でも基本中の基本と言ってもいいほどよく扱われるもので、今作もそんなテーマの典型的作品。主演女優のシャーロット・ランプリングの演技は素晴らしいが、内容自体はそこまで絶賛するほどのものではない。前述したようにテーマ自体がありがちだし、何よりストーリー展開が平板すぎる。 一見、サスペンス風味だが、謎解き要素は皆無で、フランス映画特有のスローなテンポと地味な演出のせいで、見ている間はかなり退屈。二時間近くシャーロット・ランプリングの陰気な顔を見させられるのも辛い。 夫が失踪したのか溺死したのかという点は最後まで暈してあるけど、周囲の反応や状況、警察の検死報告などからすれば、ラストの解釈は色々あれど、失踪という可能性はまず無いだろう。従って「夫が死んだ事実を受け入れられない妻の現実逃避の物語」と結論するしかない。 しかし、現実の無常観や寂寥感は出ているが、夫婦としての日常が描かれておらず、お互いの感情なども語られないうちに夫が行方不明になるので、どちらにも感情移入がしにくい。あえて夫婦の背景を深く描かなかったのかも知れないが、やはり映画として見ると、どうしてもドラマ性は弱くならざるを得ない。 ラストを褒める向きもあるが、この手のストーリーなら、「ご想像にお任せします」というオチはむしろよくある定番のパターン。 駄作ではないが、21世紀に作られた作品にしてはテーマに目新しさが無く、演出も地味すぎると思う。 PS.加えて言えば、こういう現実を受け入れられず、いつまでも引き摺るのは男性。女性はこういう現実に対する割り切りは早いよ。連れ合いが死んで長生きするのが女性、後を追うように死ぬのが男性だからね。[地上波(字幕)] 6点(2007-01-28 06:38:51)《改行有》

17.  ランド・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 世界観は「死霊のえじき」の延長。今までのシリーズより、良くも悪くも「人対人」の構図がはっきりしている上に、今回はゾンビが知能や感情を持ってしまうので、ますますゾンビとしての存在意義が薄くなっている。人間の摂理から解き放たれた、生と死の中間の存在として世界を傍観する者だからこそゾンビには意味があるはず。 また個人的にゾンビ映画の魅力は、日常が少しづつ崩壊していく「終末のカタルシス」にもあると思うけど、すでに日常が崩壊していて、ゾンビ込みの「秩序」が、ある程度でき上がってしまっている世界では、あの独特な終末観も感じられない。 その世界設定も中途半端。秩序が出来ている割に、世界にどれだけの人間が生き残っているのかはっきりしないし、食料や水、電気なんかがどう供給されているのかも分からない。ゾンビも顔なじみが多いし(笑)、全部で数十匹くらいしかいない感じで、「もうどうにもならない」という絶望感がまったく感じられない。あれだけ武器や装備があるなら、バリケードを築いた後で閉じこもっていないで、さっさとゾンビを一掃すればいい。 また、社会そのものが崩壊している世界で、いまだに金に価値があるという設定も意味不明。その辺のディテールにリアリティが無いので、今までの作品のように入り込めなかった。世界の広がりや空気感を感じないのも、セット撮影による合成が多いことによる弊害で、全体の雰囲気がゲームっぽくなってしまっている。 PS.本編よりDVD特典のメイキング映像の方が面白かった。オレもゾンビになりたい。 [DVD(字幕)] 6点(2006-04-15 14:39:23)(良:1票) 《改行有》

18.  -less [レス] 《ネタバレ》 ホラーと言うよりは怪談。ある程度、この手のジャンルを見慣れた人なら、最初の事故になりそうなシーン以後の不条理な展開を見た地点で、すぐオチの見当がついちゃう。 肝である恐怖演出にあまりセンスが感じられないし、細かい事だけど、登場人物の行動などにもあまり納得できない部分が散見された。例えば、何度も出てくる乳母車に腹を立てているのに、丁寧に手で押して脇に退けるとか(道に迷ってイライラしているところへ、あんな気味の悪いことが起こったら、その不安やストレスを吹き飛ばす意味も込めて、乳母車を蹴っ飛ばすんじゃないかな)、また、あんなに暗い直線道路なのにヘッドライトをハイビームにしないとか、黒い車を見失ったのに横の脇道にはまったく注意を向けないとか…。微妙な所だけど、人間心理としてちょっと不自然に感じた。この辺の演出にもっと細かい気配りが欲しい。 「ジェイコブズ・ラダー」や「マルホランド・ドライブ」以前に出ていたら斬新だったかも知れないが、こう言うサプライズ作品は、先例があると途端に凡作に見えてしまうから難しい。 もちろん模倣が悪いわけではないけれど、出来ればもう少し予想を裏切る展開や工夫が欲しかったし、それをやる気概をこそ見せてもらいたかった。 [DVD(吹替)] 6点(2005-12-29 17:54:50)《改行有》

19.  ゴールデンボーイ(1998) 《ネタバレ》 <原作未見・映画版のみの評価> 原作を知らないので、それなりに楽しめた。ナチズムへの傾倒の危険性を通して、狭義の意味から、人種、年齢を問わず、人間全般に普遍的に当てはまる、「他者より優れていたい」という本能の危うさを説いている作品だろう。 トッドの罪が表沙汰にならず、「選民意識」のみが継承されていくというラストこそが、永続的に受け継がれていく人間の業の深さを強調している。 ただどうせなら、もう少し突っ込んで、戦争犯罪やホロコーストを糾弾していくうちに、はまり込みやすい「他者を糾弾する事の目的化」という危険性を追求して欲しかった。 6点(2004-09-14 23:55:47)(良:1票) 《改行有》

20.  勝手にしやがれ 恋人は恋をして、殺し屋は人を殺し、レビューを書きたいオレはレビューを書く。半世紀近くも前の映画という事を考えれば、このシニカルで退廃的な主人公のキャラクター性は今見ても古臭さが無く、自己中心的な現代人に通じる普遍性がある。客観的に見ればただの犯罪者であり、齎される結果のすべてが自業自得であるものの、この作品からはまさにタイトルが示す通り、「オレは勝手に生きるから、お前も勝手に生きろ」というような、しょせん人間関係の成立なんて虚構とする、ある意味、諦観めいた人生観を突きつけられる。自分の人生を好きに生きるのも勝手、他人の人生に巻き込まれるのも勝手。その結果はすべて自己責任として受け止めればいいだけの事。人生なんてそんなものさ。6点(2004-06-22 17:55:48)

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