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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  山猫 貴族出身のヴィスコンティによる貴族のいやらしさと崩壊を描いた傑作だと思う。ヴィスコンティの作品は貴族の退廃といいますか、貴族の内幕モノという印象があります。アラン・ドロンがクラウディア・カルデナーレに婚約指輪を贈る、大喜びする彼女。けれど平民の娘である彼女にはそれなりの指輪を選んでいるのね。同じ貴族に「安物ですよ」と囁くドロン、貴族のいやらしさがうまく描かれていたシーンだと思う。細かな演出、特にバート・ランカスターの気品ある振る舞い所作など見事です。豪華絢爛、これぞ映画を観た!と堪能できる作品。[CS・衛星(字幕)] 10点(2005-12-06 23:57:02)

2.  死刑台のエレベーター(1958) ほぼ半世紀前に20代なかばという若さの監督のデビュー作。いつの時代も、次世代を担う斬新なセンスを持った人というのは必ずでてくるものだ。音楽以外は即興ではなく、かなりよく練られた演出だと思うよ。ジャンヌ・モローもそれまでの「イイ女」の定義を変えてしまったんじゃないかなあ。やはりこれは革命的な作品だといえるのではないでしょうか。だからこそいまだに語られる、話題になるのだと思う。そういう意味もあっての満点です。[CS・衛星(字幕)] 10点(2004-09-19 10:28:20)(良:1票)

3.  さよなら子供たち ナチスに関する作品はやはりヨーロッパ映画がいいです。ナチスに限らず戦争の残虐性、非道を訴えるのに、派手な戦闘シーンやスプラッター並みのリアリティは必要ないです。娯楽性にこだわるなら別ですけれど。この時代に一番自由で無邪気でいられる子供時代を過ごさなければいけなかったことが不憫でならない。人種、民族、宗教間の差別、偏見が子供だったルイ・マル自身の体験によって語られているので、日常生活においてのフランス人によるユダヤ人への差別というものも描かれている。密告した使用人もまた、自分の足が不自由だということで差別されていることを感じ、憎しみを持っているのね。ところでこの作品の原題は「Au Revoir Les Enfants」です。どう発音するのかはわかりませんけど・・・[CS・衛星(字幕)] 10点(2004-01-14 09:26:44)

4.  禁じられた遊び(1952) ナルシソ・イエペスのあの曲を思い出しただけで涙が出てくる。むごたらしく、リアルな戦闘や人がバタバタと死ぬシーンなどなくても、戦争の悲惨さ、無意味さを充分伝えている。幼い子どもをもってくることで、あざといと言う人もいるかもしれないけど実際、戦争のいちばんの犠牲者は民族や政治的なことも、まだ死の意味もわからない子どもたちなのではないでしょうか。「パリから来た垢抜けた女の子」はミシェルにとって、自分が見つけた、発掘した宝物だったのかもしれませんね。いつも大人に囲まれ見下ろされている立場だったのが、ポーレットに対しては自分が教えてあげる、守ってあげる立場になるわけだから。お墓を作ることは悪くはない、ただ十字架を盗むといのがいけないということでしょう。それによって村が大騒動となり、争いが起きる。何か皮肉な感じもする。大人のある一部の者たちによって勝手に戦争やって、罪のない人々を巻き込み、人生を狂わせているのだから。「ミシェル」と呼んでいたポーレットが、現実にかえったように「ママ」と呼んで雑踏の中へ消えていく、こんな悲しくていたたまれないラストシーンは他にないです。素直にこれが反戦映画というものなんだなと思える。[地上波(吹替)] 10点(2003-12-14 00:56:05)(良:1票)

5.  太陽がいっぱい 私の洋画人生の原点といっていい作品です。初見は6~7才のころだったと思う。字幕、ノーカットで観たのはずーっとあとになってからです。 親の財産で遊んで暮らす放蕩息子、友達といいながらトムを決して対等の友達とは扱っていないフィリップ。魚料理を食べる時のトムのナイフの持ち方をわざわざ指摘する情の無さ。このような数々のエピソードが語られることによって単なる物欲ではないことが理解でき切なさ、悲哀が増す。原作とはこのあたりが違うみたいですね、非常にうまく脚色したと思います。アラン・ドロンのあの美貌とハングリーな目もなくてはならなかったでしょうね。そしてニーノ・ロータのあの音楽、生涯私のベストワンです。[地上波(字幕)] 10点(2003-12-10 21:59:32)《改行有》

6.  わたしは、ダニエル・ブレイク 《ネタバレ》 ひどい話です、40年間真面目に働き、税金も納めてきた。しかし権利としての保証を受けようとしたらこれです。 支援金のための審査の質問をする医療なんちゃら、電話ですませるとかふざけるにもほどがあるんじゃないの?その電話の声もやけにイライラする声質で、私だったらブチ切れて電話を投げつけるかもしれない、でもダニエルは理不尽さを訴えながらも最後まで冷静に答えるのよ、なんて忍耐強く善良な人なのか。彼は通りすがりの困っている人のために大声で抗議をすることもできる人なのですよ。こんな人は滅多やたらいません。 手紙が先か電話が先か・・・なんなのよ、ネットで申請するのも係の人が代理でやれよ。 シングルマザーはロンドンに住んでたのにニューカッスルへ行けと言われたらしい、飛行機でも1時間かかる遠方へ行けとかなんなの? とにかく前半は静かに着実に怒りがこみ上げてきます。 鉄の女・サッチャーの政策は今も継続しているということでしょうか?富裕層は得するということらしい。 中にはとんでもないヤツがいるのも事実で、役所の職員も大変なんだろうけど規則一辺倒でお役所仕事とはよく言ったもんです。 これは遠い外国の話ってだけじゃないですよね、この映画を観ながら自分の10年後20年後のことが非常に不安になったのでした。 壁にスプレーで書いた、エンピツで書いたダニエルの主張が、監督からの強いメッセージであり、どのシーンにも問題提起されているものがあり、まさに渾身の一作だと感銘を受けました。[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-11-11 14:19:33)(良:1票) 《改行有》

7.  女神の見えざる手 《ネタバレ》 面白かったー、ジェシカ・チャステインがかっこよかった。 かなり前ですが、デヴィッド・スーシェのドラマ版「オリエント急行殺人事件」が初見だと思う、だからてっきりイギリス人女優だとずっと思ってたんですが、アメリカ人なんですね。 リズの頭の中ってどうなってるの?まさに神業。ロビイストとはナニ?最初からロビー、ロビーと出て来るんですが、よくわからなくて一時停止して検索した私でした。 腹心の部下っていう感じのジェーンがついていかないことが意外だったけど、まさかそうくるとはね。どのようなラストが用意されてるのか見当もつかなくて最後の最後まで満足できました。 リズの内面や背景がかなり排除されてましたけど、エスコート君のまえでは急に泣いちゃったりして繊細さがチラリと見えるものの、なぜ彼女はこうなのかというものがほとんどなくて、もう少しその部分があったらよかったな。彼女は自分のキャリアではなく腐った政治家相手に戦っているんだなというのはわかりました。 ガラス張り、ガラスで仕切られた部屋っていうのがよく出てきて、それが効果的にも感じます。 そして忘れちゃいけないエスコート君。彼もプロなんですねぇ、あそこでそのまま言ったら全ての顧客を無くす結果になったと思うのよね、それだけが理由とは思いたくないですけど。 ラストの出所したところで彼が待ってるというのをちょこっと期待したんですけどやっぱりそれは無理でした、そんな甘ったるいラストにするわけないか。でも偶然鉢合わせてリズが慌ててる様子、ずっとこわばった顔してるリズですがエスコート君の証言にふっと安らいだ表情を見せるとこも良かったな。弁護士のダニエルもリズの真意がわかった時、彼女への考えが変わるのね。 出所のシーンの見せ方は上手いですね、すごい荷物で彼女はまだ終わってないと感じるのよ。 そしてリズの視線の先には何があるのか誰がいるのか気になってしょうがないの、候補は5人いるんですけどね。後を引くラストでこの続きが観たいという衝動にかられます。 久しぶりにグイグイ引き込まれ、のめり込める映画でした。秀作、傑作だと思います。132分だったの?全く気にならなかったです[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-09-25 20:34:13)《改行有》

8.  ダンケルク(2017) 《ネタバレ》 戦争映画はかなり苦手です、話題になった作品も殆ど観てません。 でもこの「ダンケルク」今まで観た数少ない戦争映画とは全く違うものでした、これは敵を殺しまくって、ナントカ作戦で見事に勝利し満身創痍のヒーローがいるという物語ではなく、海岸に追い詰められた30万人の若い兵士たちをとにかく救おうとするのですね。まだ子どもといってもいいくらいの若い兵士ばかりなの。敵を殺して勝ってナンボじゃなく、人を救うことに徹底した戦争映画でした。ここが素晴らしいと思うんですよ。 戦争娯楽作品にしていないの、特筆すべきはここなのよ。 隠れる場所のない海岸の長い長い桟橋に武器も持たずにずらっと並んでいる若い兵士たち、そこへ空から攻撃されるという恐ろしさ、恐怖なんです。やっと船に乗っても攻撃される、重油まみれになり炎に襲われる。いったい何回沈没した船から脱出し大海原に放り出されたのか、怖いです。戦争の無意味さ、不条理がこれでもかと伝わる映画でした。同時期、カレーの部隊は救出されなかったという事実もあるのね。 空から見える海の美しさが一層悲しい。 本作とゲイリー・オールドマンのチャーチルの方と両方観るのもいいかもね。[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-01-28 14:11:08)(良:1票) 《改行有》

9.  最強のふたり 《ネタバレ》 もう~こんな邦題つけるもんだから有料チェンネルで放送もスルーしちゃってたじゃないですかぁ、「アンタッチャブル」→「最強のふたり」・・・なんかほかになかったんですかね とにかくフィリップという人の人柄ですね、ステキな人だと思いました、そして育ちの違いすぎるドリスとの共通点は笑いのツボでしょうか。そのドリスは建前のない人でいつも本音を語る、見せる人。なのでハラハラすることもあるけど見ていて気持ちいいんです。 オペラと真っ白な中に真っ赤がバシっと入った絵画のどこが何がそんなに価値あるのかさっぱりわからんというとこ、共感しすぎて笑ってしまいましたーで、ドリスは「こんな絵なら自分にも」てことで密かにモダンアートな?絵を描き始める、最高に楽しいです。 あらゆる面でお互いに持っていないものを補えあえるふたり。。。だから「最強のふたり」なのかな? 実話だそうですね、フィリップが著書を出版したことで映画にもなったわけで、富豪になるに相応しい才能と人格の持ち主なんですね。富豪になるより富豪を維持することは自分に厳しくないとできないと思います。 過剰な演出はなくフランスのエスプリを感じる身障者とその介護人との関係、繋がりを描いた作品でした。 この作品がきっかけなのかどうかわかりませんが、なんか最近のフランス映画の傾向が変わった気がします。[CS・衛星(字幕)] 9点(2014-06-23 11:22:49)(良:1票) 《改行有》

10.  ファム・ファタール(2002) 《ネタバレ》 コレ面白い、大好きなタイプの映画です。 オープニングからして単なる犯罪映画じゃないと感じるモノがムンムンしてる、どこまでいっても予測不可能、次から次へと展開するへんてこりんなシチュエーション。 デ・パルマがノリノリだとこうなるのね。今回はヒッチコックよりデヴィッド・リンチが浮かぶ。 金魚の水槽の水がだーだー溢れてるのが意味不明だったけど、そんなことは忘れた頃にそうくるか・・・そこまで戻るわけか・・・やられました、お見事というしかありません。 デ・パルマ独特の映像美と怪しいパリの街、パリって犯罪映画のよく似合う街だわね。 レベッカ・ローミンはモデル出身だけあって、完璧なボディはもう芸術、完璧すぎて淫靡さには少々欠けるけど男と女のすったもんだの愛憎がテーマじゃないから、現実離れしたスーパーボディのミステリアスな美女はあってると思う。しかしほんとにあんなカラダしてる人がいるんですね、ウエストのくびれからヒップラインの流れなんてもう神です。 何がテーマかといったら「もしもあの時こうしたら、しなかったら」でしょうかね、ロールだけじゃなく、取り巻く人々の人生も変わるというものです。こう考えると普段何気なく選んでいる些細なことも結構意味を持つことなのかもなんて気がしてきます。 ただあの黒人俳優がさ、なんていうかすごく場違いな暑っ苦しさがあって不快でした。これでマイナス1かな。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-05-11 22:11:01)(良:1票) 《改行有》

11.  ボーン・アルティメイタム 前作の手ぶれ、カット割に辟易し、怒りすら感じたのですが、今作はいいですね、前ほどひどくなかったと思います。 これは面白いです、特に駅のシーンの緊張感と流れのよさね、いちばん盛り上がったなぁ。相変わらずカーアクションも見ごたえありました。 ジェイソン・ボーンシリーズのいいところは爆破シーンやバタバタと人が死ぬ撃ち合いがないのがいい、からだに叩き込まれた知識と技術、能力が武器っていうのがいいです、どことなく憂い、情感のあるインテリジェンスなアクション映画。確かマットがインタビューでこの役を選んだ理由に同じようなことを言っていたと思う。 そしていつもラストがなかなか粋なのね、1作目のオープニングを思い出させるラスト、わかっちゃいるけどやっぱり「ニヤっ」としてしまいました。エンディングの曲もかなり好きです。 そうそうマリーはジェイソンに髪を染めてもらってカットもしてもらったのに、ニッキーはどっちも自分でしてました、なんだかいちばん切なかったシーンです(^_^.) スコット・グレンの影が薄かったのがちょと残念です [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-09-28 00:59:24)(良:1票) 《改行有》

12.  ベニスに死す ヴィスコンティ作品というのはあんまり若い時に観るもんじゃないね。わかんないのよ、やっぱり。これは初見は高校生の時でした。ダーク・ボガードがいつもイライラと怒っているのを見てこっちもイライラ。美少年を追いかけるのが気持ち悪かった。たしかビョルン・アンドレセンは公開当時、日本でも話題になり来日までしちゃったのよね。マーク・レスターかアンドレセンか、そんな感じ。再見したのは2,3年前かなぁ、全体を覆う気だるさが心地よかったです。冴えない中年男の視線に気づき、それを弄ぶようなアンドレセンが小憎らしい。あれだけ嫌悪していたにもかかわらず、髪を染め化粧をするアッシェンバッハ。傍目には醜いしまるでピエロだ、でもそうせずにはいられない心情が、なんとなくわかる気がするようになっていました。死に際の汗まで髪を染めた染料が混ざって黒いのよね、あそこまで演出するなんて・・・キツイなあ。[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-12-11 14:25:27)

13.  フランスの思い出 子どもの視点から見た大人たちという作品は数多くありますがその中でも印象深いのがこれです。まず、田舎は善で都会は悪、子どもは善で大人は悪というように感じるところがないのがよいです。母親の都合で言われるままに連れて来られ、初めは田舎の生活になじめないでいる少年。これだけで不憫で涙が出てきそう。いきなりうさぎの皮が剥がされるのを見てぎょっとするところがいい。私もぎょっとしました。いろんなところから大人の世界を覗き見する少年。そして成長するにつれ、「あの時のあれはこういうことだったのか」と懐かしく思い出すのでしょうね。ぎくしゃくしたあの夫婦が和解するであろうということは予想できましたが、夫婦はあくまでも脇として、ラストはあの少年に焦点を当ててほしかったです。そこだけ少々不満でした。9点(2004-08-25 13:43:21)

14.  ひまわり(1970) イタリア映画の名作でありますな。でも前半はあんまり好きじゃないの。戦争で引き裂かれた二人、男の帰りを待ち続ける健気なソフィア・ローレン。後半は胸が痛いです。しかしですねソフィア・ローレンのあの迫力を見ていると「大丈夫、あなたはひとりでも強くしっかり生きていける人よ」と思わずにはいられない。ちょっとしょぼくれた感じのマストロヤンニがいいですね。そうなのよ、私はソフィア・ローレンではなくマストロヤンニに感銘を受けました。あの一面のひまわり畑にはたくさんの戦死者が眠っていると昔なにかで読んだ記憶があります(記憶ちがいだったらすんません)極寒の中で息絶え、そして夏のシンボルであるひまわりが太陽に向かって咲き誇っている、ひまわりの一本一本が戦死者の生まれ変わりのように思え、やはり胸が痛くなります。9点(2004-08-19 21:37:45)

15.  人生は、時々晴れ この邦題が見事です。「人生は、時々晴れ」この言葉がヒシヒシと響いてくる。さて、はなしの方ですが「秘密と嘘」もそうだけど、母親の言動がポイントだわね。二作ともお母さんがイライラする存在なのよ。メインのあの一家の母親も穏やかさのない不幸顔、甘ったるい声でちょっとしたことにも重く、深刻な反応をする。そして無意識に旦那をクソ扱いしている。ここんとこが私自身もドキっとしたとこでした。子どもたちにとってもそれが辛いのよね。生活にゆとりの無い貧しさは心のゆとり、潤いを無くさせ、人をトゲトゲしくしてしまうことは少なくない。発作を起こすまで我が子のからだの異常に気づけなかったこともゆとりの無さが関係しているように感じる。階級社会が脈々と続いている英国ならではの貧乏悲惨系作品。パターンとしては「秘密~」と同じね。ティモシー・スポールはこの作品のほうがよかったです。[CS・衛星(字幕)] 9点(2004-07-18 10:31:43)

16.  コックと泥棒、その妻と愛人 グリーナウェイの作品は全部見ていないのですが、これは最高傑作と言っていいのではないでしょうか。ひと言でいってゴージャス。ゴルティエの衣装を着ている、そして全裸のヘレン・ミレンの崩れかかった中年女の体つきがいっそう肉欲とエロスを増す。しかし人間というのは業の深い生き物ですな。ピュアなものを次々と汚していく罪深い存在だわね。豪華なレストランでの美食の数々、けれど裏にまわるとその残飯の山の凄まじさ、醜さ。これが強烈。ちょっとズレるけど、トリュフという地下性高級きのこ。これはブタの大好物で匂いを嗅ぎ付けて掘り出す。それを人間が横からぶんどるという方法で収穫するらしい。ダチョウの口に機械をあてがい、否応なしにとうもろこしをガガガーっと流し込む。無理やり太らせ肥大した肝臓がフォアグラだ。それが世界三大珍味だ。これって虐待だわね。ラスト、カニバリズムへと繋がっていくのがとても皮肉に感じました。マイケル・ガンボンのちょっと腫れぼったいような凶悪な目が脳裏に焼きついた作品でもあります。9点(2004-06-29 11:40:57)

17.  ベティ・ブルー/インテグラル<完全版> カット版を先に観ました。インテグラルではゾルグの心情がより伝わりました。ベティはまるで猫のよう。ラスト、窓から猫が一匹部屋に入ってきますね、あの猫がベティに見えました。あちらにおおかたの感想は書きましたが、やはり苦しい映画だというのは同じです。観終わったあとしばらく動けなくなってしまうのね。この作品の原題は「37°2 LE MATIN」(朝、37゜2)女性の基礎体温になりますか。最も妊娠しやすい状態、つまり女性がいちばんキレイな時、心身アツくなっている、高揚している時といってもいいですね。ベティの愛はいつも37゜2のようでした。9点(2004-03-25 09:33:12)(良:1票)

18.  薔薇の名前 いいですねえ、あのオドロオドロした雰囲気に次から次へと出るわ、出るわ妖怪のような修道士たち。ワクワクと小躍りしてしまいます。 連続殺人の動機がまた中世らしくてうれしい。この時代のサスペンスというのはなかなかないのね。思いだしては観直している作品のひとつです。[CS・衛星(字幕)] 9点(2003-12-15 22:04:23)《改行有》

19.  ディーバ ジャン・ジャック・ベネックスの中ではこれが一番好き!ふたつの録音テープを巡り、警察とギャングとアジア人の海賊版を扱う怪しいけどなんかヘンな二人組みが絡む。そのテープをふたつとも所有するジュールがこの三者に追われることになるわけです。録音テープの声の主、ひとりはこの世から抹殺されもうひとりは自分の声を客観的に聞いたことがない、録音テープの存在さえ知らない。その黒人歌手シンシアに憧れ、追っかけをしているジュール、楽屋を訪ねた際に彼女の衣装をくすねる。その衣装を体に巻きつけシンシアの歌声に恍惚状態のジュール、黒人娼婦に衣装を着てもらうジュール、異常といえば異常だけど切なくて憎めない。ここでも声と衣装だけで本人は不在だ。これがこの作品のポイントなのかな、確かに存在しているのにそれを証明するものが不在とでもいったらいいのかな。後半シンシアとジュールがあてもなく歩く明け方のパリの街が美しい。声の主シンシアと一緒に録音テープを聞くラストはやっと不在が存在となったかのようだ。犯罪絡みのテープと黒人歌手への愛の証のようなテープ、これをめぐってサスペンスと愛の物語が同時進行していく。サスペンスのほうはあんまり期待しないほうがいいけどね。でもこっちに絡むリシャール・ボーランジェがなかなかシブイです。[CS・衛星(字幕)] 9点(2003-12-08 09:23:35)

20.  ベティ・ブルー/愛と激情の日々 《ネタバレ》 観ていてほんとに苦しい苦しい作品でした。カっとなると何をするかわからない気性の激しいベティ。大抵の男はベティのような女は重すぎて逃げ出すんじゃないでしょうか。設定ではベティはやっと20才くらい、ゾーグは30才過ぎてるのじゃなかったかな。けっこう年が離れているからこそゾーグはベティを受け止められたのだと思う。ゾーグに対し「アバタもエクボ」的に惚れこむ情の深いベティ。当のゾーグは夢などとっくに忘れてしまったように惰性的にその日暮らしで生きている。それに苛立ち思うようにならず妊娠も間違いだったことが決定的となり精神に異常をきたしショック状態に陥ったベティをゾーグは開放してやるつもりであんなことをしたのだろうか。ベティのいなくなった部屋でひとり静かに原稿に向かうゾーグ。ベティとの激しく濃密な日々を書くことで世の中に認めらることになる。それを一番望んでいたベティはもういないというのがなんともドラマチックです。 9点(2003-12-07 00:40:53)(良:2票)

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