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1. 8人の女たち
DVD収録の監督インタビューで、「クリスティー風の推理劇」という表現をされていた。しかし、推理劇と単なる暴露話の区別がついていないのではないか。良質の推理劇では、観客の気付かなかった出来事や矛盾点を後から指摘されて「あぁなるほど」と思いながらその伏線やトリックに感心をする。だけどこの物語では、「実は知っているのよ」と互いに次々に皆の秘密が暴かれていくだけ。推理でも何でもない。ただの家庭内紛争ですね。また、暴かれた女たちの真実も醜いが、それ以上に男の真実ももっと醜い。推理や謎解きのような場面はあるものの、結局何の役にも立たず、全く別の角度から「実はこれが結末だ!」と言われても、推理劇としてのカタルシス・清涼感が全く感じられない。見終わった後に残るのは、嫌悪感のみでした。女優さんたちの歌に2点。2点(2004-12-26 23:57:11)
2. サンダーバード(2004)
夏休みに小学低学年の息子と見に行きました。今思えばこの映画の鑑賞方法として最もふさわしいものだったのですな。完全に子供向けの映画です。旧作の大人のファンが大人の映画を期待して見に行ってはいけない。子供はご機嫌でした。私も素直に楽しみました。今回は末っ子のアランと友人達の物語。何も活躍できなかったアランの父や兄たちは完全に脇役以下の設定でしたので、次回があれば彼らの活躍も見たいです。何の予備知識もない童心にかえって8点。8点(2004-08-22 09:40:01)
3. ミシェル・ヴァイヨン
《ネタバレ》 「ドリブン」も同じように漫画チックな展開があったけれど、「ドリブン」のほうがモータースポーツへの理解と愛情にあふれていた。
レースを理解していない悪役と、わざとスピードを落としている主人公で、白熱のドッグヒートなどは全く存在せず、こちらも手に汗を握ることも無い。唯一真剣に走ったのは予選に間に合わせるために高速道路を突っ走るときだけ。「ドリブン」では、本気のバトルが(たとえCGでも)全編にわたって繰り広げられたのと大違い。
そんな彼らが、繰り返すがレースを理解していない悪役と、わざとスピードを落としている主人公がルマンでトップを走れるなんてところは、ルマンを軽んじているとしか思えない。
漫画的な展開は承知して見た。だからご都合主義な展開も許す。その上でも、手に汗を握るレースを見たかった。ぎりぎりの競り合いを見たかった。力と力のぶつかり合いを見たかった。現実のレースではありえないほどのドラマチックでサスペンスフルでデインジャラスなレースを見たかったのだ。
実際のルマンで撮影を敢行た、その本物志向にだけ2点。この志は高く評価している。2点(2004-07-10 07:44:00)(良:1票) 《改行有》
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