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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. ガスパール/君と過ごした季節 《ネタバレ》 人によるかもしれませんが、僕はもう何回も泣いてしまう映画です。 こんなに映画の世界に入り込める映画は、すばらしいの一言です。 大きな感動を用意しているわけではないのですが、全編通してぐっとくる場面が次から次へと・・・登場人物たちの気持ちが手にとるように伝わってきます。 ロバンソン、本当に良い人です。 ガスパール、実は良い人です。 ジャンヌやローズ、ローズの娘との出会いを通して、二人の優しさや強さが画面からとめどなく伝わってきます。 たとえ貧しくても、辛いことがあっても、この二人のような人間でありたい、そう思わせてくれる映画でした。 これを見終わった後、邦題見るとまた泣けます。 この邦題、ありきたりですけどめちゃめちゃ良いじゃないですか~(泣) [DVD(字幕)] 10点(2012-05-06 05:19:52)《改行有》 2. バイオハザード(2001) 《ネタバレ》 まず、私はこのゲームのファンです。 とは言え、『初期』の、です。『1』~『3』、そして『アウトブレイク』ぐらいまで。 この作品は、そのゲームの雰囲気が感じられる作品です。 例えば、『レッド・クイーン』の電源を落とした瞬間のシーン。施設内のロックが次々とはずれていく様子を、短いショットで見せてくれます。これ、ゲームと同じなんです。『新しい場所へ行ける。』と同時に、『新たなる恐怖の始まり』でもあるこの瞬間。目的を達成したはずなのに、皮肉にもそれが惨劇の幕開けとなる。そう、この期待をはらんだ独特の緊張感こそ、バイオハザードの面白さなんです。 『ゾンビ』に加え、『ゾンビ犬』や『リッカー』など、ファンにはおなじみのクリーチャーを出してくれたことも嬉しい。そして出しすぎなかったことはもっと嬉しい。製作者のみなさんがもし原作のファンであるならば、登場させたかったクリーチャーはもっといたはず。それをぐっとこらえてくれたので、今作では『ゾンビ』、『ゾンビ犬』、『リッカー』を存分に堪能することができました。これには感謝。そして他のクリーチャーは、きっと続編で出てくれるのでしょう。 また、主人公グループが『エージェント』だったり、『特殊部隊』だったり、極めて戦闘能力が高いので、ゾンビやクリーチャーと対等なバトルを繰り広げるのが楽しいです。 その中でも、圧倒的な強さを見せるアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)。アリスが強ければ強いほど、ホラー的緊張感が損なわれるのは事実ですが、それを補ってあまりある爽快感を感じられます。 また、普通のゾンビ映画であれば、味方の感染者を除いて、『ゾンビ』は初めから『ゾンビ』。それをこの作品では冒頭で『生前』を見せています。これは従来のゾンビ映画にはなかった新しい試みだと思うのです。ゲームで言うなら、『日記』のような演出にあたると思います。『マットの妹』にしろ、『水死体の女性研究員』にしろ、エンターテイメント色の強い本作において、悲劇のドラマをブレンドするこの演出は、大変効果的かと思われます。 結果この作品は、『アクション』『ホラー』『ドラマ』『スパイサスペンス』『ミステリー』各ジャンルのバランスが完璧にとれた傑作となっています。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2017-06-04 22:57:25)(良:1票) 《改行有》 3. 告発 《ネタバレ》 法廷ものとしてこれより面白い映画はたくさんありそうですけど、アルカトラズ刑務所の負の遺産を映像化し人々の記憶に残すという意味では、この映画を超えるものはないかもしれません。 スタンフィルのナレーションで、ヘンリーヤングとスタンフィルがたどってきた道のりを比較していくとき、使われる映像はヘンリーのものだけです。確かに、スタンフィルの人生は言わば一般的なものであり、言葉だけでも私達は認識できるでしょう。ですがヘンリーの人生は無理です。ヘンリーのたどった人生は言葉だけではとても伝わらない。これこそ映像化し、見ている人に疑似体験してもらう必要があったのかもしれません。そしてその試みはおそらく成功なのではないでしょうか。 スタンフィルの存在もかなり重要です。彼は言わば私達側の人間です。はじめは、ヘンリーと言葉を交わすことすらできません。「君を弁護するためには、君にも協力してもらわなくちゃいけない。」と言っている時点で、ヘンリーとは意識の次元が違いすぎます。ですが、ヘンリーと少しずつ言葉を交わし、ヘンリーの人生の片鱗を共有したとき、スタンフィルは社会とヘンリーを結びつける重要なポジションになった気がするのです。 この映画で僕が一番鳥肌が立ったのは、スタンフィルがアルカトラズ刑務所と、所長・副所長を告発したシーンです。今まで決して表舞台にさらされるはずのなかったアルカトラズの究極の闇の部分が、白日の下に晒されるきっかけとなったシーンです。そしてやはりラストの、ヘンリーの告白でしょうか。確かにあそこに戻るくらいなら死んだほうがマシなんでしょうね。こんなにストレートで説得力のある言葉はありません。 この映画で、唯一共感にブレーキをかける要因になるものがあるとすれば、「何故脱獄したのか。」です。2時間という枠でそこまで明らかにするのは難しかったのかもしれませんが。やはり気になります。ヘンリーを完全なる被害者側の人物と位置づけられるかどうかの重要なファクターになると思うんですが、結局最後までわかりませんでしたね。[DVD(字幕)] 9点(2013-12-19 03:37:41)《改行有》 4. グリーン・カード 《ネタバレ》 最初の「偽装結婚」という設定で既に筋書きの予想はついてしまいます。ですので、「次に何が起こるのだろう」という楽しみ方ではなく、登場人物たちと一緒に、おそらくそうなるであろう筋書きの決まったストーリーを一喜一憂しながら楽しみました。 もちろんこの映画の良いところは、予想を裏切ることがないことです。嘘から始まった二人の関係が次第に本物になっていく。特に終盤のブロンティの変化は、かなり可愛らしく好感がもてます。個人的には、試験が終わってからブロンティはこれで終わりといったそぶりで別れていくのですが、それから何となくジョージのことを考えているのが表情から伝わってくる静かなシーンが好きです。そして、チャイムが鳴ったらジョージだと思って満面の笑顔で玄関に出て行くシーンが最高に良いです。(結局ジョージではなかったのですが) そんなにラブストーリーを面白いと思うことは少ないのですが、これはかなり良かったです。コメディのバランスもとても良いので、最初から最後まで飽きることなく観られますね。 [DVD(字幕)] 9点(2012-05-10 00:02:52)(良:1票) 《改行有》 5. 神風 《ネタバレ》 最高です。面白い。もしかすると「デスノート」のアイデアに少し影響を与えていたりするのでしょうか。 でも実際にこんなことが現実世界で起こったら防ぎようがないです。恐ろしい。 突然人が撃たれた瞬間はびっくりしました。 「これはハラキリではない。カミカゼだ。」 いや、セリフの意味はわかんないですけど、面白いです。おススメです。[DVD(字幕)] 9点(2012-04-08 01:25:20)《改行有》 6. コロンビアーナ 《ネタバレ》 こーゆーわかりやすい復讐もの好き。ひねった作品も良いけれど、ただただ理屈抜きで感情移入できて楽しめる作品は最高です。 映画や漫画や小説ではすごい数のネタがあふれかえっている状態です。もはや類似作品が出ちゃうのはあたりまえ。むしろ、『ありきたり』や『普通』の何が悪いんだろうと思います。堂々と二番煎じで面白い作品を世に送り出してほしいものです。 映画が始まってすぐ、少女カト レアは両親を殺され、マフィアから追いかけられ、何とか国外へ脱出します。序盤から最高にスリリング。この少女役のアクションが凄いです。 時は経ち、『暗殺者になりたい』宣言から15年後。ここからカトレアを演じるのはゾーイ・サルダナ。ここで二度目の見どころ。ミッション・インポッシブルが始まります。留置場でのミッションは成功するとわかっていてもハラハラ。序盤の逃走劇とはまたちがうドキドキを感じられるのです。 ガモーラ役のときは気付かなかったですけど、この人演技もアクションも上手なんですねー。特に叔父さんたちを殺されて泣き崩れちゃうシーンは真に迫っていてぐっときちゃいました。ただちょっと悲しすぎるかな・・・。 ストーリーそのものは単純。ですがシナリオは結構練ってあってずっと緊張が途切れない。ラブロマンスでややダレるときがありますが、写真のくだりのために必要なロマンスですから仕方がない。カトレアは圧倒的強さなんですが、急に弱くなったりピンチに陥ったりするのがやや不自然。そういった細かいところで気になるところはありつつも、やはり理屈抜きで最後まで面白い映画でした。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2022-05-22 16:38:19)(良:1票) 《改行有》 7. スリーデイズ 《ネタバレ》 昔見た『逃亡者』の家族バージョンみたいな印象。 「自分」+「妻」+「子供」なので、逃亡の難易度としてはこちらのほうが高い。 冤罪ものっていうのはよほど上手に作ってくれないと、フラストレーションのほうがはるかに勝っちゃって楽しめるもんも楽しめなくなっちゃいます。 最後は無事ベネズエラに逃亡できるわけですが、妻は完全に潔白。にも関わらず、家、仕事、財産、祖国を失い、異国の地で家族3人再出発をしなければならない、これはハッピーエンドなんでしょうか。私は腹が立ちます。 最後にベテラン刑事がもう一度現場で真相をつかみそうになるのですが、あと一歩のところでちぎれたボタンに気づかず。いや、そこは気付いてくれても良かったのではないかな。再捜査が始まる終わり方にしてくれれば希望も持てるし溜飲も下がるってものです。 よってオチ、着地点は気に入らない部分が大いにあるのですが、逃亡劇が始まる中盤~ラスト、ここがとにかく面白い。 緊張感は終始途切れず、それでいて準備段階では失敗ばかりだったラッセル・クロウ演じる父親のスーパーマンぶりに否が応にもテンションが上がります。 見知らぬ老夫婦を同乗させることで見事検問を突破したり、あえて警察に見つかりそうなところに不正解の証拠(ゴミ袋)を配置してミスリードしたり、とにかくその頭の良さにしびれます。 それにしても他の映画でとにかく無能に描かれがちな警察が、こーゆー映画になるとやたら優秀になっちゃうのが嫌になりますね。そんなに簡単に見つかるかいっていうくらい、人込みの中何度も遠目でジョンを見つけてしまう黒人刑事。これは逆ご都合主義の典型的な悪い例と言っていいんじゃないでしょうか。ここまで警察有利に事が運ぶとハラハラよりイライラが勝ってそこはマイナス。 最後に、お金を手に入れるために人を殺しちゃったのは残念です。たとえ相手が悪党でもそこは人を殺さずにスマートに資金を調達してほしかった。奥さんの殺人容疑の冤罪を信じる夫が殺人を犯すってのがちょっとね・・・[ブルーレイ(字幕)] 8点(2021-11-30 20:56:58)(良:1票) 《改行有》 8. 最強のふたり 《ネタバレ》 これが実話っていうのが凄い。障害者の大富豪と貧しい黒人青年。描き方によっては重く、暗くなりそうな題材を、明るくポップに仕上げた作品。不謹慎になるかならないか、かなり際どい絶妙なバランス。でもそれがこの映画の魅力になっていそうです。『心のバリアフリー』とでもいうのでしょうか。『富豪』『障害』という肩書きを完全にスルーしちゃうドリスに、フィリップだけでなく、見ている私達も爽快な気分を味わうのです。 こーゆー作品にしてはユーモアのセンスも抜群。『絵』のくだりは最高。『白いキャンバスに鼻血つけただけじゃん。俺が描いてやるよ。なんなら青いペンキも足してやるし。』に始まり、ドリスの絵が売れるまでのコント劇。11,000ユーロで売れたときは『売れたっっ!』って笑いが止まらんかったです。芸術って何なんでしょう。ついた金額がその絵の価値を決めるのか? フィリップのラブレターを小馬鹿にするシーンも面白い。そういった意味では、心温まるヒューマンドラマというだけでなく、ちゃんと『映画』というエンターテイメントに昇華されているのが素晴らしい。 サイドエピソードについてはやや詰め込みすぎ、説明不足、消化不良気味であることは否めません。フィリップの娘。ドリスの家族。抱える問題がどのように解決され、今どうゆう状況になったのか、肝心なところが明かされないままです。ですので、ちょっとすっきりしない部分は残ります。 とは言え、ハートフルでプチサクセスなコメディドラマとして、見る人を楽しませてくれる作品なのは間違いないでしょう。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2020-01-19 11:30:45)(良:2票) 《改行有》 9. 96時間 《ネタバレ》 元CIAの父親が、娘のために有無を言わさぬ鉄拳制裁。これこれ、こーゆー痛快アクションが見たかったのです。 ブライアンは絶対正義というわけではなく、とにかく『娘を助ける』これ一本。そのためには手段を選ばない姿勢がすがすがしい。 スパイとしての能力は抜群に高く、絶対に捕まりません。アクションは圧勝。射撃も凄腕。これだけスーパーマンだとさすがにブライアンの心配はしませんが、なにしろ目的は娘キムの救出。キムと一緒にいたはずのアマンダの変わり果てた姿が焦燥感を募らせます。『はたして娘は無事なのか。』なのでそれなりにハラハラできます。 それにしてもブライアンのぶれない姿はしびれます。人身売買と利害関係にあった元同僚であり友人、その人の奥さんはまったく事情を知らないのに、友人に口を割らせるため撃っちゃうという非道ぶり。人質をとる主人公。今までこんなアンチなヒーローがいたでしょうか。公平とか正義とか、そんなの関係ねー。娘を助ける。ただそんだけ。なのにこんなに面白い。 序盤の冴えない父親と仕事モードのギャップがあつい。 今作は完全に単独でしたが、昔の仲間も優秀そうだったので、チーム戦も見てみたいですね。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-12-16 14:08:58)(良:2票) 《改行有》 10. バイオハザードII アポカリプス 《ネタバレ》 前作に引き続き、素晴らしい。 ゾンビ、ゾンビ犬、リッカーに加え、今作では『ネメシス』登場。ゾンビサバイバルから、ホラーアクションへ。そう、これがバイオハザードなんです。 『見捨てられる隊員』『ゾンビと特殊部隊との市街戦』『狭い通路を追ってくるネメシス』きてる、きてますね。間違いなく、この映画製作に携わっている人達は、みんなバイオをプレイしていますね。それも『1』『2』『3』『コードベロニカ』あたりまで、やってんじゃないのー?バイオハザードが世界の架け橋に。何が架け橋になるかわからんもんですね。 そしてジル・バレンタイン。ついにキター。レベッカ・チェンバース、クレア・レッドフィールドと並ぶバイオシリーズの3大ヒロインの一人。更にはS.T.A.R.S、待ってましたー。テンションマックスからの、ネメシスに瞬殺。そりゃないよー。バイオが誇る精鋭部隊を何だと思ってんのー。ジル・バレンタインも、登場シーンこそかっこよかったものの、アリスがパーティーに加わってからは見せ場らしい見せ場がなくなっちゃいましたね。そこはちょっと残念。 ついでに言うと、『アリスとネメシスのタイマン』『墓の下から起き上がる死体たち』は、バイオハザードとは違うと思いまーす。その辺は全部減点。 それにしても、個人的にバイオハザード・ゲーム版のストーリーテリングの良さっていうのは、『悲劇』だと思うんですよね。数々の悲劇。それでも生きるためにプレイヤーをせっせと動かす。恐怖だけでなく、絶望だけでなく、悲しい真実も体験しながら、それでも自分の力で道を切り開いていくから、このゲームは世界中でヒットしたと思うんですよね。 つまり何が言いたいかっていうと、『アリスをかばって代わりにヘリを撃ち落としてあげるネメシス』っていうのは、このシリーズの本当の良さが理解できていないんじゃないかってことです。 まあちょっと批判的なコメントが続いちゃいましたが、私の評価は8点。 なぜかと聞かれても、『好きだから』としか答えられないです。 『好き』という気持ちは理屈じゃないのよね。『好き』だからこそケチもつけたくなるわけです。 『好き』という感情は、すべての理屈を凌駕する。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2017-06-14 04:09:21)(良:1票) 《改行有》 11. アルティメット 《ネタバレ》 スピード感あふれるアクション。陰謀うずまくストーリー。 これぞアクション映画ですね。 『パルクール?』『フリーランニング?』なんかよくわかりませんが、これを使った追いかけっこがとにかく凄い。 空間をタテ・ヨコ・ナナメと自由自在に飛びまわる。こんなに爽快な追いかけっこは見たことありません。まじでかっこいいです。 そしてもう一人の主人公の潜入捜査官ダミアン。こちらも登場シーンからとばすとばす。 この無敵艦隊の二人が手を組んだらいったいどうなるのか・・・? あれれ?意外とおとなしい。いや、むしろピンでやっていたときのほうがアクションのキレがあったような。 『妹の救出』『爆弾の解除』『敵グループの仲間割れ』『政府の陰謀』と、いろいろな要素を詰め込んでしまったためか、後半はアクションがやや失速気味になりましたね。 ただ映画としては十分面白く、ラストのやりこめた感も一応のカタルシスを得ることが出来、満足です。 とは言え、最初に主人公のレイトが捕まえた敵グループの頭タハ、こいつをあろうことが見逃し、更にはレイトを逮捕し、レイトの妹はタハにくれてやるという、外道の極みの悪徳警官が何の制裁も受けていない、こいつは納得できませんね。 そんな仕打ちを受けたレイトの怒りの沸点も低いんじゃあないですか。もっと怒り狂ってほしいです。 他にも気になる点が。 タハの口座から全財産を引き出したのはおそらく政府関係者。ですがその辺の真相はうやむやのまま。 そーゆーとこ放置されると、見終わってからもやもやするのでやめて欲しいです。 せっかく面白い映画なのに、もったいない・・・![DVD(吹替)] 8点(2017-04-15 14:16:13)《改行有》 12. キス・オブ・ザ・ドラゴン 《ネタバレ》 怒りをアクションで体現できるジェット・リーの本領発揮。 かなり理不尽なストーリー展開が続くため、ラストの警察署殴りこみは否が応にもテンションが上がります。 黒人のボクサーくずれ。二人組みの足技使い。百人組み手。敵もバラエティに富んでいて申し分ない。大変見応えがあるアクションばかり。 ジェット・リー演じるリュウはカンフーの達人というだけでなく、『針』を使って相手の動きを封じる技も使えます。 タイトルにもなっている『キス・オブ・ザ・ドラゴン』がまさか北斗の拳の『秘孔』みたいなやつだとは、だれが想像できましょう。 カンフーアクションを散々見てきたのに、凄く面白かったので、目が肥えた人たちの鑑賞にも応えられる名作かもしれません。 ブリジット・フォンダ演じるジェシカが、かなり自分勝手で被害者意識が強すぎたのが、やや作品のバランスを崩している気がしますが、まあささいな事でしょう。 ひさしぶりの上質な娯楽カンフームービー。 ジェット・リーは最高っす。 [DVD(字幕)] 8点(2016-10-30 12:19:51)《改行有》 13. BULLY ブリー 《ネタバレ》 10代の少年、少女にはたらく集団心理の威力と恐ろしさ。 今作では、事件の因果関係の基礎となるはずの動機の描写が足りない気がします。ブリー(いじめっ子)のボビーが周囲の人間、とりわけマーティに対してどれだけの過酷な暴力行為を繰り返してきたのか、その説明・描写が足りない気がするのです。 つまりは、ボビーの悪行のエピソードが少ないうえに中途半端すぎるのではないかと。これではボビーは理不尽な暴君というよりかは、ただの嫌なやつにしか見えません。 リサやマーティーを演じている役者さんが、その演技力でどれだけ憤りを表現しようとしても、これでは限界があるように感じます。 もし劇中で紹介されたようなエピソードしかないのであれば、『殺すほどのことか?』とも思えるし。 そうではなく、意図的に事実をはっきり伝えていないのであれば、実話ベースの作品としては問題があると思います。 フィクションであれば問題はないのですが、観る人が被害者、もしくは加害者のどちらかに偏った見方をしてしまいかねない、そのような情報操作、もしくは心理的な誘導をするノンフィクション作品は危険だと思います。 ただ映画作品としての面白さは間違いなく高い水準にあると断言できます。 観賞中はいらいらしながらもずっと物語にひきこまれていましたから。そういった意味では文句なしの映像作品です。[DVD(字幕)] 8点(2015-11-15 23:51:27)《改行有》 14. TAXi2 《ネタバレ》 タクシーがラリー車をぶっちぎる、つかみは満点です。妊婦さんの声が誤解を生む、ベタベタなコメディぶりも健在です。続編はやはりこうでなくては。それに前作でおなじみのキャラクターをみんな出してくれたのも嬉しいです。ダニエルの『なんだかんだ言って良い人キャラ』が、ほっとするし疲れないので、彼が主役はるだけで満足です。今作は新キャラとして、リリーの父親が登場。この人もなかなか面白いキャラクターです。 ストーリーもわかりやすくて良いですね。前作同様、カーレースで決着をつけるシリーズ通しての統一感は◎。ただし、最後の爽快感は前作に一歩及ばず。それくらい前作のラストが良かったってことなんですが。 それから、リリーの出番のほとんどが電話のみだったのはちょっと物足りなかったかも。その分、今回はジャッキーばりのアクションがわずかな時間ではありましたが楽しめたので良しとしましょう。 全体的に、抜群の安定感を感じさせるエンターテイメント作品。こーゆー作品、大好きです。[DVD(字幕)] 8点(2015-02-08 15:50:18)(良:1票) 《改行有》 15. TAXi 《ネタバレ》 見る人を選ばないフランス映画という感じです。コメディあり、アクションありで、それぞれのバランスがとても良いです。テンポも良いし、ノリも良い、ついでに言うと音楽もなかなか良い。ハリウッド映画のように気軽に見れちゃうのに、見慣れたハリウッド映画とはまた違う雰囲気を楽しめます。 言うなればよくある『刑事のバディもの』なわけですが、これが『刑事&刑事』ではなく、『刑事&タクシードライバー』っていうのが面白いです。どちらかと言うとタクシードライバーのほうが主人公で、どちららかと言うとタクシードライバーのほうが頼りがいがあるのもまた良いですね。刑事と凄腕ドライバーがそれぞれの持ち味を活かす展開が楽しいです。 ダニエルは凄腕で大の警官嫌いでありながら、なんかお人好しなところがあってエミリアンに協力しちゃうのが好感が持てます。エミリアンはエミリアンで、そんなにダメ警官でもないところが逆に良いですね。エミリアンはありふれた普通の、でもちょっとだけ情けない警官。マザコン具合もそこそこなら、ヘタレっぷりもそこそこ。等身大の彼に共感を覚えます。それでいてひたむきに頑張る姿が良いじゃないですか。今作はもう一人。ダニエルの恋人リリーのポジションがかなりグッド。彼女の存在が映画に華を添えています。エミリアンの母親とケーキを焼いて待っているところなんか微笑ましくて何よりです。申し訳ないですが、ヒロイン?がデカ上司のペトラだけでは物足りなかったことでしょう。 そしてカーアクションが凄く良い。冒頭のピザ配達のシーンからして、ローアングルからの撮影でなかなかのスピード感です。今作は結構ローアングルからの撮影が多く、走っているシーンはスピード感があるし緊張感もあります。更には、ちょっと本気出すときにハンドルを変えるっていう趣向がまさに『走り屋』って感じで、わくわくしちゃいますね。 予想がつかない強盗団の追い詰め方もグッド。ありふれていそうで全然ありふれていない新しいオチ。最期にドンパチなんてせずに、あくまでカーレースと信号機操作の工夫だけで勝負を決めちゃったのが◎です。 既存のカーアクションに、既存ではないアイデアを採用するだけで、ありふれた題材でも面白い作品にできるという良い例だと思います。[DVD(字幕)] 8点(2015-01-02 14:22:42)(良:1票) 《改行有》 16. 真実の瞬間(1991) 《ネタバレ》 このような映画が作成されること自体、今のアメリカは良い国になったのだろうなと思われます。 「赤狩り」。帰国したときのメリルにはまだ他人事。なぜなら共産党員ではない自分には関係のない話だと思っていたから。 ですがメリルの考えは甘かったようです。 密告の強要。自白の強要。事実の歪曲。仕事関係者への圧力。 メリルの想像もつかない国家権力の暴走がハリウッドを侵していました。 振り返れば、帰国時のラリーの様子は、これからメリルの身にふりかかる災難を予想させるうえで十分すぎる効果を発揮しています。 一人の無実の人間が、容疑をかけられ、仕事をうばわれ、友人関係を壊され、社会から強制的に排除され、何一つむくわれないままラストを迎えるので決して後味の良い映画ではありません。(ラストの友人の証言には少し救われますが) ですが「赤狩り」の歴史を知る映画としては、国家権力の暴走の恐ろしさを知る映画としては、とても良い映画だと思います。[DVD(字幕)] 8点(2012-06-10 16:03:37)《改行有》 17. ベティ・ブルー/インテグラル<完全版> 《ネタバレ》 ベティはゾルグを偶像化し、自分とゾルグの関係さえも偶像化してしまいました。 偶像化には拍車がかかり、ベティの中で理想のゾルグ、理想の恋愛、理想の未来が完成しつつあります。 しかし悲しいかな、ベティには、現実と理想のギャップを上手に修正することができません。そのギャップと直面するたびに、ベティは発狂し、錯乱し、少しずつ精神を削っていきます。 ゾルグは気づいていました。かなり早い時期から気づいていました。気付いていたからこそ、「彼女がイカレていること」を認めたくありませんでした。また、彼女と離れるのも嫌でした。なぜならゾルグもまた、ベティが描く理想に次第に夢を見るようになっていたからです。現実のベティとの生活に酔いしれていたからです。ベティという存在に依存してしまっていたからです。 早い話、ゾルグはベティさえいてくれれば後はどうなっても良いというくらい、正気ではなくなっていました。 そんなゾルグには、もはやベティの暴走を止めることはできませんでした。 ・・・・・・・と、勝手にこの映画の人物描写をしてみました。 ベティに必要なのは愛情ではなく教育です。 と、誰かに言いたいのです。 映画としてはクオリティ高いと思います。 【※注意※】この映画には過激な性描写、およびショッキングな内容が含まれております。[DVD(字幕)] 8点(2012-05-22 00:13:59)《改行有》 18. ランド・オブ・ザ・デッド 大好きです。面白い。テッド号強い。硬い。頭の良い黒人ゾンビだけ、ゾンビに見えない。周りのゾンビから、「オマエなんてゾンビじゃない。」とか思われて食べられちゃえば面白かったのに。でもゾンビって、なんで最後まで食べないのだろう。本能で生きているのなら、それこそきちんと最後まで召し上がっていただかないとねぇ。まさか、仲間を増やしたくてかじっているだけ?[DVD(字幕)] 8点(2011-07-07 20:04:02) 19. ケープタウン(2013) 《ネタバレ》 ハリウッド映画とは一味も二味も違う緊張感漂うサスペンス。 人気の少ないビーチで、釣りをしている人やのんびりしている若者たちに聞き込み。 よくある刑事ドラマのワンシーン。 ・・・かと思いきや、そこから突然の急展開。こんな序盤で、死にそうにない人がまさかのリタイヤ。まさかの惨劇。 こーゆーのはアメリカ産の映画では、なかなか味わえない痛みかもしれませんね。 ストーリー自体は、まあよくありそうな感じ。麻薬に見せかけた新薬の人体実験を、ホームレスの子供たちでやってたっていうのが真相。で、その警護にあたっていた人物が、薬物をくすねてナンパした女に使い、その女が狂暴化したので頭にきて殴り殺しちゃった。その女性の殺人事件と、子供たちの行方不明事件を刑事たちが追っていくうちに、真相が次第に明らかになっていくというもの。 ミステリー的な面白さはそこまで感じませんが、なにしろ過激な描写やスリリングなシーンが多い。 だから中盤までは固唾をのんで成り行きを見守り、これはとんでもない隠れた名作なんじゃと思ったものです。 後半になるにつれて、徐々にパワーダウン。 黒幕の博士も施設から逃げ出したらただのしょぼくれた老人。 ラストの砂漠での追いかけっこはやたらと長くてダレます。 歴戦の強者って感じで出てきた軍人も、わりとあっさりブライアンとの撃ちあいに敗れちゃう。 まあ、それがリアルと言えばリアルなのかもしれませんが、何とも物足りない。 だって犠牲になった人たちは、みんなそりゃもうひどい目に遭ったのに・・・。悪者たちはもっとめちゃくちゃにしてほしかったです。 ハリウッド映画みたいなザ・ハッピーエンド、って感じではなく、あまりに犠牲が多いので、事件が解決しても爽快感や満足感はそこにない映画です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-04-15 00:11:47)《改行有》 20. パージ:アナーキー 《ネタバレ》 なんだか『ハンガー・ゲーム』と同じ路線に向かいそうな雰囲気が・・・。 まあ、あちらより数段面白いですが。 最初は群像劇っぽい始まり方。次第に主要人物が集まっていく。腕の立つ主人公を中心に、5人が力を合わせて困難を乗り越えていく。これは前作にはなかった高揚感を感じさせてくれます。 友人宅での惨劇。富裕層の人間狩り。政府軍の介入。(これはパージを盛り上げるためなんだか、区画整理に邪魔な住人を消すためなんだか、どっちかよくわからんかったが。) とにかく次から次に襲い来る危機の連続。前作よりスピード感があり、スケールはアップしましたが、緊迫感はやや弱くなったかなと。 サスペンスなら前作。アクションなら今作、ですかね。 街に罠がしかけられていたり、いろんな勢力が入り乱れていたり、とにかく1分1秒も気が抜けない。目まぐるしく変わる状況がなんだかんだで面白い。ただ、あまりに詰め込みすぎたため、一つ一つのエピソードが薄味になってしまった感は否めません。 それにせっかく複数の勢力を出したのであれば、その潰しあいも見たかったものです。 仮面の人間バイヤーグループと、政府軍、殺りあってほしかったなぁ。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-03-17 02:15:33)《改行有》
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