|
プロフィール |
コメント数 |
1910 |
性別 |
男性 |
年齢 |
48歳 |
自己紹介 |
自分なりの評価の基準は、 10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。 9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。 8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。 7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。 6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。 5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。 4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。 3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。 2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。 1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。 0・死霊の盆踊り。 |
|
1. 心と体と
《ネタバレ》 ブタベスト郊外にある食肉加工工場。妻と離婚し、孤独な独り暮らしを続けている工場の責任者エンドレはある日、食堂で見慣れない若い女性を見かける。産休に入った職員の代理として雇われたという彼女の名はマーリア。誰にも心を開かず常に一人でいる物静かな彼女が、エンドレは何処か気になるのだった。だが、それ以上なにが起こるわけもなく、二人は工場の単なる上司と部下として何気ない日常をやり過ごしていた。そんなある日、ちょっとした事件がきっかけで二人は驚きの事実を知ることに。二人が毎晩見る鹿の夢――牡鹿と女鹿となった二人が静かな森の中で木の葉をついばんだり池の水を飲んだりするという夢を、二人が毎晩同時に見ていたらしいのだ。戸惑いつつもエンドレとマーリアは、その後も鹿となったお互いの夢の中で次第に打ち解けてゆく。「もっと深く知り合いたい」――。そう強く思い始める二人。たが、現実生活ではどこまでも不器用なためいつまで経ってもすれ違うばかり…。奇妙な夢の中で知り合った、孤独な中年男性と生きづらさを抱え込んだ若い女性との不思議で静かなラブ・ストーリー。アカデミー外国語映画賞にノミネートされたというハンガリー発のそんな本作、何の前知識もなく今回鑑賞してみました。最後までとても淡々とした物語なのですが、それでもこの詩情あふれる映像の美しさは特筆に値します。それまで生きていた牛がただ事務的に屠殺され首を切り離され床のタイルを血で汚しながら淡々と食肉へとさばかれていくさまを、ここまで美しく撮れる監督は世界でも稀ではないでしょうか。そこに差し挟まれる二匹の鹿の映像も、本当に二人が姿を変えて逢引きしているように見えるのですから、この映像センスは本当に群を抜いている。内容の方は言ってしまえばまぁよくある、いわゆる〝枯れた中年男とメンヘラ女子の面倒臭い恋愛物語〟なのですが(日本の小説で例えるなら川上弘美の『センセイの鞄』のような)、このお互いの夢の中で逢引きを重ねるという設定が凄く秀逸。メルヘンなのかリアルなのか、この変な感覚は今まで味わったことのない不思議な世界観でとても惹き付けられました。次の日、昨日の夢のことを思い出しながらお互いににやにや見つめ合うとこなんて、「確実に交尾したね、この二人」と今まで口にしたことのないような言葉を呟いちゃいました(笑)。ただ、この設定が後半いまいち活かされていなかったところが惜しい。もっと夢の中での二人の秘密の逢瀬を見たかった。とはいえ唯一無二の独自の世界観を持ったこの監督のセンスには要注目。本作が18年ぶりの新作らしいけど、もっと早めに次作が観たいです![DVD(字幕)] 8点(2019-05-08 01:10:11)(良:1票)
|