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プロフィール |
コメント数 |
1276 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。 【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。 【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。 5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。 また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。 |
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1. 戦艦ポチョムキン
《ネタバレ》 ソビエト連邦の映画である。戦艦の名前は日本人には変に聞こえるが(淀川長治氏も言っていたが)、もとが人名なので変だといっても仕方ない。皇帝エカチェリーナ2世の寵臣としてロシア帝国の南下政策に深く関わった人物なので、黒海艦隊の軍艦にはふさわしい名前かも知れない。
見たのはいわゆるショスタコーヴィチ版のようで、わかる範囲でいえば背景音楽の多くを交響曲第11番から採っていたようだった。これはまさにこのロシア第一革命を描写した曲であり、日本でも知られた「同志は倒れぬ」とか「ワルシャワ労働歌」といった革命歌のメロディが使われているので世代によっては懐かしいかも知れない。ほかに第5番の最初と最後を映画の最初と最後で使っており、途中で第2・3楽章も出ていた。うまく合わせていたとは思うが、場面によっては曲の方に映像を付けたようにも感じられたのは、映画を見る上でかえって邪魔になっていると思うべきか。
ストーリーとしては別に史実に忠実なようでもなく、当時の体制に都合のいい展開を適宜に作った国策映画である。ただし今どき革命の勝利を讃えようとする人々も多くないだろうから、政治色など現代ではほとんど無意味化しているともいえる。この映画では最後をバンザイで盛り上げていたが、歴史的経過としてはこの後まだ続きがあるわけなので、これより上記11番の終わり方が正しいかと思った。なお唐突にユダヤ人に関する台詞(字幕)が出ていたのは、この時期に起きていた反ユダヤの動き(オデッサ・ポグロムなど)と関係あるかと思われる。ここは多民族の集まる都市のためユダヤ人もかなり多かったらしい。
映画史的には先駆的な表現で知られた名画とのことで、有名な階段の動的な映像などには目を引かれる。戦艦が劇場を砲撃した場面では、主砲でなく副砲を撃った、などということばかり見ていて、寝ていたライオンさんがびっくりして起きた場面を見過ごしてしまい、映画の後でネット上の世評を読んで初めてなるほどと思わされた。こういう映画はちゃんと映像を見ていなければ駄目だ(反省)。
ほかに個別の場面では、港で死者の傍らを犬が通り過ぎたり、釣り人の側にネコが控えていたりするのが少し和ませる。全体的に深刻な雰囲気の中で、ヨットの場面の爽やかさは際立っていた。また階段の場面で両足のない男が身軽で逃げ足が速かったのは、走る技能と体力が半端でないようで感心させられた。[DVD(字幕)] 5点(2022-03-26 09:25:21)《改行有》
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