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プロフィール |
コメント数 |
1047 |
性別 |
男性 |
年齢 |
30歳 |
自己紹介 |
とにかくアクションものが一番
感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます
備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません 10点…大傑作・特に好き 9点…好き・傑作 8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く |
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1. 戦争と平和(1965-1967)
《ネタバレ》 レフ・トルストイの長編を映像化したセルゲイ・ボンダルチュクの超大作。余りの長さと重苦しさは、ロシア映画随一の退屈さを誇る。原作の恋愛要素も大分薄れてしまったし。
だが、実際のソ連軍の兵士を動員して撮影した超ド迫力の戦闘シーンは圧倒的だ。「ワーテルロー」も凄いぜ。
ピエール、アンドレイ、ナターシャの3名を始め、クラーギンやドローホフ、クトゥーゾフ、ナポレオンと原作を意識させる個性に富んだ登場人物が沢山出てくる。
戦闘までの貴族のいざこざや日常の、それぞれがしっかり結末へと流れていくのでどの場面も見逃せない。
この映画は戦争映画に徹した部分が多く、戦場の悲惨さが如実に描かれていく。
ヤケクソになって戦場に飛び込んで行ったピエールも、修羅場をくぐり抜ける事で傷心と成長を繰り返して行く。
全ての戦いが終わり、ピエールを静かに迎え入れる者は果たして・・・という感じの大作。
長時間かつシリーズものという取っ付き難い映画だが、レフ・トルストイに挑戦、あるいわ小説の世界を映像で堪能したいという人。
挑戦しがいのある内容なので、是非とも挑んで貰いたい。[DVD(字幕)] 8点(2014-12-02 22:41:10)《改行有》
2. 全線―古きものと新しきもの
《ネタバレ》 エイゼンシュテインの映画は、最初退屈な掘り下げから始まる。
ただ、そのじっくりと描かれる掘り下げが後の大爆発へと繋がるのだ。
ロシア革命と虐殺の爆発を描いた「ストライキ」や「戦艦ポチョムキン」、一人の暴君の後悔と絶望を描いた「イワン雷帝」等々。
この「全線」もそんな農民映画だ。
最初1時間は農民たちが泥と汗にまみれる光景を延々と捉える。特に牛を燻製にしていく工程は結構エグい。
ただ、1時間もする内にそこに退屈さは無くなっている。
華やかな少女たちの笑顔と共に。
農民たちはより大きな収穫、より人間として自立するために改革を求めていた。
無知と貧窮に溢れた農村から解放されるため、何より肉体を酷使する農業を少しでも楽にするため。
年老いた農婦マルファは立ち上がる。
半ば諦めの入っていた農民仲間たちは「そんなもんは無理だよ」と嘲笑う。
それでもマルファは止まらない。
協同組合を組むが、旱魃の容赦のない渇きが人々を襲う。神に祈っているだけでは何も解決しない。
自ら機械のトラクターや牛乳分離器など、文明社会の利器を取り入れる。
エイゼンシュテインは今までロシア社会の荒波に揉まれる人々を、文明社会が生み出した機会を通して描いてきた。
「ストライキ」における生産工場、
「戦艦ポチョムキン」における砲艦。
作品では機械のトラクターや牛乳分離器を通して、人々の生き様に変革を起こしていく。
それは同時に人々の運命を大きく左右していく。
「機械の牛」は手に入るが、今まで家族同然に暮らしてきた牛たちとの別れ。
しかし、最早どんな死をもっても農民たちの団結を崩す事は出来ない。
大地を揺らすトラクターの群れ、群れ、群れ!最新の機械をボロボロの布切れが動かす時の感動。
大地に「全線」が引かれる時のダイナミズム!
ただそれだけなのに、こんなに面白いなんて。傑作だ。[DVD(吹替)] 9点(2014-03-15 18:20:11)(良:1票) 《改行有》
3. 戦艦ポチョムキン
《ネタバレ》 実際に起きた反乱を元に描かれる本作。
今でこそ「モンタージュ技法なんて使い古されて新鮮味なんか無いよ」と言うかもしれない。
ただコイツを見たらそんな事は言えなくなる。
この映画のモンタージュは新鮮味ではなく驚きと興奮のモンタージュだからだ。
冒頭数分の単調さが、兵士の怒りの声が挙がるあたりから面白くなる。
ウジが湧いて腐った肉を、これほどまでに生々しく描写する。
腹が減っては戦はできぬ。
飢えた軍隊は勝てない。
軍の底を支える兵士の扱いの不当さ、上層部の傲慢への怒り。
当時のソ連社会への怒りを、食料を通じて描くその生々しさ!
それを巡って反乱が起き、その波は民衆にまで流れていく。
そして血で血を争う戦い・虐殺。
「ストライキ」を超えたカタルシス。
母親に抱きかかえられた子供。
手当をしても何をしても助からない。
命の軽さと重さ。
一体民衆が何をした。
ロシア革命から続く理不尽な市民の虐殺。
その怒りを、惨たらしく死んで行く人々の叫びで訴えかける強烈な映像!
それをここまで残酷かつ力強く映していく。
画面に映る男も女も、みんな時代の波にさらされながら、力強く抗い生き残ってきたという鍛えられた表情をしている。
それだけに説得力も段違いだ。
よくもこんな凄い映画を検閲だのなんだのでカットしたり焼き捨てるなんて馬鹿みてえな事が出来たもんだ。
スターリンが悪いんじゃない。
そんな理不尽なやり方を実践できる「人の心」が腐っているのだから。
ふざけやがって・・・。
この映画は「面白さ」を楽しむ映画じゃない。
戦争に対する怒りを感じられるか感じられないか。
それを個々の視点で感じて欲しい映画である。
シベリアの雪の大地を踏み歩くロシア人の力強さを・・・!
そしてこの映画を探し出し、再びこの世の中に蘇らせてくれたスタッフに感謝したい。
音楽的には「マイゼル版」がオススメかな。
あの旗を染めた「赤」の色のように、いつまでも鮮やかに輝く映画だ。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-10 07:21:30)《改行有》
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