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【製作国 : ソ連 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 鏡 黒澤は「私はタルコフスキーを難解だとは思わない。ただ彼の感覚が鋭すぎるだけだ。」というようなことを言ったそうだが、黒澤の見る眼は確かであった。この映画は鋭敏過ぎるほどの彼の感覚が爆発した心象風景であって、ストーリーは存在しない。というのも、この映画は彼の記憶をそのまま再生したものだからだ。記憶にストーリーが存在する人は居ないであろう。だから過去と現在、歴史と創作が入り混じる。妻と母が同一人物なのもそういうことで、彼の頭の中で両者の人物像は一致するわけだ。観客はタルコフスキーの頭の中を体験することができるが、個々の出来事が何を意味するか、正確なことはなにか、を知ることはできない。それはタルコフスキーにも分かっていないからだ。流れる水と印象的な炎、セピア色、モノクロ、カラー、タルコフスキーはどの場面を切り取っても文字通り絵になる映画監督である。[映画館(字幕)] 7点(2011-10-30 22:26:02) 2. 惑星ソラリス ストーリーは非常に分かりやすいが、この映画に何を観たかを説明することは非常に難しい。前半の約一時間は地上の自然を描くが、このシーンがあるからこそ一種の郷愁が宇宙で作用する。タルコフスキーの映画は常に郷愁、ノスタルジーが強烈な原動力になるが、それがあるからこそラストが特に際立つ。結局は良心の問題なのだ。タルコフスキー映画に通底する親子、良心、ノスタルジーといった諸問題を非常に分かりやすいストーリーで描ききった大作。最初にタルコフスキーを観るならこれだろう。[映画館(字幕)] 8点(2011-10-30 22:20:48) 3. 戦艦ポチョムキン 《ネタバレ》 オデッサの階段を見るためだけに観ましたが、前半だけでウジ虫気持ちわるー、とかワクリンチュクの「兄弟、誰を撃つつもりか」からの劇的な展開とか、モノクロの中真っ赤な旗だけが上がっていくシーンとか、見所はすごく多かったです。モンタージュモンタージュが少ししつこかったけど、意識していたんでしょうね。なんか今まで観てきたいろんな映画がこれのオマージュだったんだなーって気付きました。ウジ虫とかオデッサとか特に。肝心のオデッサの階段は、「へぇー」って感じでした。阿鼻叫喚には少し足りないかなぁ。顔のカットは迫力があったけれど。まぁでも乳母車の演出は今観ても斬新ですね。歴史的映画だと思います。[DVD(字幕)] 7点(2010-08-24 20:26:09) 4. 誓いの休暇(1959) 雪解け期の単なる国家賞賛映画ではない、新たな映画観に基づく傑作。みずみずしい美しさが何とも言えない。[レーザーディスク(字幕)] 8点(2010-04-10 21:04:42)(良:1票)
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