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1. 不思議惑星キン・ザ・ザ
SF史上最もシュールな空前絶後の怪作です。いったいどんな人たちがどうやって作りあげたのか・・・。「では同志○○スキーは資本主義の悪の権化役です(ひそひそ声で「実はあんたの上司だよ!」)。このステテコを履いてクーって3回言って下さい。そうそう、スパシーバ!」「同志○○ビッチ、あなたは圧政の犠牲者です(ひそひそ声で「共産主義万歳!」)。このブリキのヘルメットをかぶって○○チェコフに深々とおじぎして下さいね。そうそう、スターリンに乾杯!」とかなんとかまじめ顔で作っていたのでしょうか。制作者たちがシベリア送りにならなかったことを祈らずにはいられません。
[DVD(字幕)] 10点(2009-01-01 06:30:15)《改行有》
2. ピロスマニ
フランスやスペインの光から遠く離れ、寒く重苦しいロシアの片田舎で、黙々と看板を描き続けて死んでいったニコラ。絵のうまいへたは確かにあります。けれども描かれた絵が人の心に触れるかどうかはまた別の話です。多くの人々にとって、この映画は生涯忘れることのできない宝物となることでしょう。
[DVD(字幕)] 10点(2008-12-31 06:36:20)《改行有》
3. デルス・ウザーラ
デルスを「自然と共生する心の美しい人」と簡単にまとめあげて賛美することはたやすいことです。けれどもいま都会に暮らす人々でさえ、あの森の中で育てば誰もがデルスのようになれるに違いありません。この映画の主題はあくまでも友情ではないでしょうか。人口密度の低さはかえって人々の間に強い結びつきを生みだし、相互の価値観の違いをも尊敬させ、そこに強い友情が生まれることができたのかもしれません。デルスの「カピタン(隊長)!」という声がいまも遠くから聞こえてくるようです。ラストのアルセーニエフの悄然とした姿に、彼の失ったもののいかに大きかったかを思わずにはいられません。
[DVD(字幕)] 10点(2008-12-30 15:15:09)《改行有》
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