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【製作国 : ソ連 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. ローラーとバイオリン 音楽教室に通う裕福そうな少年サーシャと、道路整備の運転手セルゲイとの1日の交流が、詩情豊かに描かれており、何とも優しく美しい。特に鏡、水たまりなど、反射を多用した映像美に、うっとりしてしまう。 まるで万華鏡を覗いたような感覚。またサーシャ役の少年の表情の愛くるしさも満載でした。終盤の、サーシャが思い描く夢のシーンは芸術的で、ほんと秀逸でした。[DVD(字幕)] 7点(2009-02-11 10:53:45) 2. 鏡 ううん、難解でした。主人公(もしくはその父)の映像がサワサワと多様に被さり、白昼夢を観ているような感覚に陥りました。どれが現在なのか過去なのか、現在で夢なのか、否、本物ということに意味はあるのか?言葉で語ることに意味はあるのか?と、風に草がなびくように、観客に揺らぎを与える一作。 台詞や自然描写(水、火、草)、映像の美しさ、繊細さは相変わらず溜息もの。でも難しかった…これが正直な感想です。[ビデオ(字幕)] 6点(2009-02-11 10:47:51) 3. 惑星ソラリス 台詞や登場人物、映像の1つ1つが全て謎掛けのようで、とても神秘的。同時に、リンゴを齧ったり腕を洗う母親や最後の場面の父親に宗教めいたものも感じつつ。ソラリスがつくり出す存在について、ある者は良心の問題として自らを罰し、ある者は単に物質化したもの、客人として扱う。クリスはそこに懺悔や贖罪を負い、魂の救済と安らぎを求めていく。図書室で、ブリューゲルの絵(雪の中の狩人)をじっと見るハリーの目。自然の秘密を暴いていくのが科学だとすれば、「知識は不幸を招く」と呟き、死などの所謂“神の領域”はそのままに秘密裏に伏すべきなのか。思索に富んだ作品でした。[ビデオ(字幕)] 10点(2009-01-31 01:00:54) 4. 誓いの休暇(1959) 《ネタバレ》 決して褪せることないであろう反戦映画、地味に秀作。 戦争がなければ真っ当に育めたであろう友情、夫婦愛、勇気、そして愛情を道中に描き、通して反戦を訴えていました。 アリョーシャがまた好い青年なんですよね。青年然としているというか。列車で偶然に出会うシューラとの淡い恋愛は、青春を感じると同時に切なかった。「待っていて」と言うアリョーシャの列車を、何度も振り返りながら駅を後にする、シューラの小さな背中が印象的。 同じく印象に残ったのは、母親がアリョーシャとの束の間の再会へと駆ける、広大な麦畑の場面。果てしなく広がる一面の麦畑、ロシアの大きな自然と母の愛を感じました。再び戦地へと帰る息子を見送る母親の背中と、延々と続くような道のラストシーンが胸に残りました。[地上波(字幕)] 8点(2009-01-11 14:27:24)(良:1票)
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