みんなのシネマレビュー |
|
【製作国 : ソ連 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. モスクワは涙を信じない トリュフォーの「終電車」か黒沢の「影武者」かという戦前の下馬評を見事に裏切ってアカデミー賞外国語映画賞を獲得した映画。見る機会はなかなかなかったが、HDマスターDVDの登場によって鑑賞。まずは「アレクサドラ、アレクサドラ」と何度も繰り返される主題歌がすごく印象的だ。てっきりアレクサドラという名の女性が主役かと思うと、田舎からモスクワに出てきた三人娘を中心に物語が進む。まじめで働き者のエカテリーナ、軽薄だが行動力のあるリュドミーラ、地味でつつましいアントニーナ、前半はこの三者三様の生き方が巧みに描かれ、とても鉄のカーテンで覆われた共産圏ソ連というイメージはない。前半の最後で目覚ましをかけて眠りに着くが、目覚ましで起きた後半は20年後というのもうまくできている。[DVD(字幕)] 7点(2017-07-11 14:19:07) 2. デルス・ウザーラ 極寒のシベリアで生活するデルスの知恵とたくましさには感動を覚えても、映画自体はさほどおもしろくない。二部に分けるほどの映画かどうかもわからない。[DVD(字幕)] 5点(2013-06-03 15:15:43) 3. 戦争と平和(1965-1967) 美しく作り上げられたヘプバーンの「戦争と平和」に対し、こちらはより原作に忠実、よりロシア的、より壮大である。ロシア文学はロシアの手でという意気込みが感じられる。映画が製作された50年代から60年代は米ソ冷戦というか、二大強国の対立が激しく、どちらかの国が何かをなせばもう一つの国もそれ以上のものをめざすという競争も激しかった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-19 05:55:59) 4. チャイコフスキー 《ネタバレ》 ピアノの詩人ショパンがジョルジュ・サンドなしで語ることできないように、チャイコフスキーはフォン・メック夫人なしで語ることはできない。彼が経済的困窮に見舞われなかったのはひとえにメック夫人の援助の賜であり、彼女は夫の有り余る遺産をチャイコフスキーの音楽に注ぎ込んだのであった。映画はやはりこの二人を軸として流れていくが、直接会ったことは一度もなくそのすべてが文通であったことに驚く。だが13年も続いた関係がなぜ打ち切られたかは定かではなく、映画でも二人の行き違いとして扱われている。それにしても交響曲第4番の堂々たるオープニングから、さまざまの彼の作品を綴りながら、終焉となった第6番の悲愴交響曲まで、音楽はすばらしい。[映画館(字幕)] 7点(2013-02-17 22:54:30) 5. 戦艦ポチョムキン 評判の高い映画らしいが私には合わない。有名な「オデッサの階段」のシーンだけは見るべきものがあったが、あとはまったくおもしろくない。それにウジ虫が出てくるなんて生理的に嫌だ。 [DVD(字幕)] 4点(2011-11-17 23:17:10)《改行有》 6. アンナ・カレーニナ(1967) 《ネタバレ》 本場ロシア(旧ソ連)の威信をかけた映画だけあって、スケールが大きく本格的である。これでもトルストイの原作を忠実に表しているとは言えず、映画観賞用としてぎりぎりの長さかもしれない。この長さは、ガルボやヴィヴィアンの映画で省かれてしまった重要なシーンを見ることができる。 映画はカラーで美しく、ロシアの広大な自然を背景に映し出されるが、主役のサモイロワだけでなく登場する女優陣がすべて美しい。 音楽もまた旧ソ連を代表するロディオン・シチュドリン、現代感覚と少々耳に付くしつこさはあるもののすばらしい。 ところでこの映画の公爵夫人ベッツイを演じているのは、世界の名バレエダンサーのマイヤ・プリセツカヤであり、シチュドリンの妻でもある。[DVD(字幕)] 6点(2011-07-03 12:42:35)《改行有》 7. ひまわり(1970) 《ネタバレ》 広大に続くひまわり畑の美しさとヘンリー・マンシーニの哀愁を帯びた美しいメロディー、美しい風景と美しい音楽の映画と言えば、私の記憶の中では真っ先にこの「ひまわり」が浮かぶ。それほど強烈な印象を持つ映画であり、名作中の名作と言ってよい。 それと「自分の夫は必ず生きている」と信じて、遠く離れたウクライナの地まで夫を捜し求める妻のいじらしさに思わず涙が出てくる。やっとの思いで探し出した時、夫は雪原で倒れていたところを助けてもらったロシア女性と暮らしていた。 甲斐甲斐しく尽くす若きロシア女性マーシャ、戦争という長い年月で疲れ切ったジョバンナ、二人は言葉を交わさずとも、瞬時に相手が何者かを知る。 何かメロドラマにもあるようなストーリーは日本人の共感を呼びやすく、それでいて、はるかにスケールの大きいドラマである。 蛇足ながら、ソフィア・ローレンにとってこの映画は2年ぶりの映画出演になった。それは、この映画の制作者であるカルロ・ポンティの愛児を出産したからで、映画の中の赤ん坊は何とその実の子である。[映画館(字幕)] 9点(2011-06-26 23:01:31)(良:2票) 《改行有》 8. 誓いの休暇(1959) 《ネタバレ》 勲章よりも一人暮しの故郷の母に会うことを願い、6日間の休暇の旅に出たアリョーシャ、往復の日数を除くと故郷に滞在できる日数は2日間しかない。その限られた日数が、出会った人の頼み事や遭遇した事件により、刻々と減っていく、実に痛ましい。ついには母の元に戻ったときは帰る日数しかなかったとは・・・。 それにも増して残酷なのは、この善良なアリョーシャが再び母の元に帰ることができなかったことである。 こう書いていくと、ここに書いている他の方たちの思いも皆同じなのがよくわかる。戦争はむごい、残酷と言うほかないのだ。[DVD(字幕)] 9点(2011-06-16 20:22:38)(良:1票) 《改行有》 9. 不思議惑星キン・ザ・ザ 「不思議映画キン・ザ・ザ」だった。これでは映画を見終わった後、「クー」と 言って不思議な挨拶(おじぎ)をした人も多かろうと納得。 惑星自体が変な不思議惑星だから、当然変な不思議な映画だ。しかし、その変な不思議なところが実におもしろい。相手の言葉をすぐに理解したり、空飛ぶカプセルなど進んでいるようで、ポンコツでちぐはぐなところが実に良い。 他の変なところはすべて許すことにするが、あのヴァイオリン弾きは、本当にヴァイオリン弾きだったのかと大いに疑問だった。1度も弾かなかったのでは・・・。[DVD(字幕)] 7点(2011-06-15 22:01:54)《改行有》 10. 鶴は翔んでゆく スターリンの死亡により独裁政権が消えたとはいえ、米ソ冷戦のまっただ中にあって、よくぞこういう映画が作れたと驚かざるをえない。当時のソ連は秘密主義、都合の悪いことは一切発表せず、権威を保てることだけが公表されていた。いわばまったく自由のない時代であったように思うからだ。 DVDの中に主役を務めたパターロフのインタビューと、サモイロワの回想が特典として入っていたが、実に興味深い。パターロフによれば、いかに監督や撮影陣が革新的であったかがわかる。サモイロワの方はまったくのおばさんになっていて・・・。 前置きが長くなったが、映画では愛する男女の表現描写がすばらしい。またラストの復員列車を迎えるシーンもすごく印象的、カンヌ映画祭のグランプリにふさわしい。[DVD(字幕)] 8点(2011-05-23 18:06:25)《改行有》 11. 帰郷(1971) この映画が1972年に日本で封切られたときに、映画館で見ました。当時はソビエト版の「風と共に去りぬ」と言われるほど評判が高く、私も良い映画だったことはよく覚えています。 すぐさま映画のパンフレットと主題歌「セラフィーマの恋」「さすらいのパリ」のレコードを買い求めました。 40年たった今では細かな部分はほとんど忘れてしまっていて、何としてももう一度みたいと思っている一番の映画です。 [映画館(字幕)] 7点(2011-02-04 20:25:59)《改行有》
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS