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プロフィール |
コメント数 |
681 |
性別 |
男性 |
年齢 |
59歳 |
自己紹介 |
点数基準 芸術点、技術点、俳優点、個人的感情移入度の4要素の比重で決めています。 芸術点とは、主に脚本、演出が映画の各要素、美術、音楽、などをどれだけ高次元でまとめ上げたか 技術点とは、撮影技術、特殊効果、音響効果など、技術的な部分のレベル、完成度。 俳優点とは、出演俳優の演技、存在感、作品とのマッチングなど。 個人的感情移入度とは、作品テーマや登場人物などが自分自身の価値観や好みに対してどの程度影響するか。 これらの比重を勘案して点数を出しています。 有る項目が0点に近くても、別の項目が突出して良ければ点数は上がります。 映画としての及第ラインは6点です。それ以下は落第点、マイナス評価です。 |
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1. 300 <スリーハンドレッド>
《ネタバレ》 今先行から帰ってきたところです。スパルタの史実もフランク・ミラーのコミックも知らないで書きます。この映画、全編血みどろの戦いが続きますが、色調、構図、キャラクター、編集、とにかく何もかもが超絶に美しい。フランク・フラゼッタなら知っていますので比較できますが、彼のアートがそのまま動画になったような、本当に息をのむ美しさです。重量のある大振りな剣を振り回し、パワーで押し切る戦闘形態は、狩猟・肉食白人文明のマッチョな美意識そのものであり、その至高を見せつけられたような気がします。日本だって侍という戦士が居ましたが、細身で鋭利な日本刀で極力無駄な動きをせずに戦う古武道のそれとは全く違う文明圏のものだということがよくわかります。ただし、その根底に流れる精神、自らを律する心や自己犠牲などは日本武士道に通じるものがあると感じました。唯一ハリウッド映画だなと現実に引き戻されたのが、(史実を知らないで書きますが)、スパルタの王や兵士が「自由」「正義」「民主主義」という近年手垢が付くほど使い古された言葉で自らを正当化するところです。美しく強く気高いスパルタに対して、ペルシアは悪の帝国、血も涙もない悪魔の軍団として描かれます。ペルシア軍には得体の知れないモンスターも登場しますので、史実を忠実に再現した歴史物語というよりはスパルタVSペルシアの戦いをベースにクリエイトした架空の物語だとは思いますが、実在の国名を出す以上、イランのアハマディネジャド大統領が「ペルシアの歴史を侮辱している」と激怒するのも致し方無しかとも思いました。まあ、あまりこの映画に現実の国際関係や戦争の意義などを絡めて観るのも野暮だと思いますので、分別ある大人として、デジタルテクノロジーとヒロイックファンタジーアートの粋を集めた映画芸術の最先端を体験するというスタンスで楽しむのが良いと思います。[映画館(字幕)] 8点(2007-06-03 00:37:29)(良:3票)
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