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1. カビリア
大監督グリフィスがこの映画を観て、あの超大作「イントレランス」を作るに至ったというのは「グッドモーニング・バビロン!」でも描かれていたように有名なエピソードですが、本作はその理由も納得できるほどの壮大な映画です。まさに史劇!撮影に関するテクニックなどは特別グリフィスのように優れているわけじゃないけど、素直に観客を喜ばせようとしているんだなぁということが画面から伝わってきて好印象。またこれだけの物語を一本の話にまとめ上げたパストローネ監督の力量も相当なものです。フルヴィオ、マシステ、カビリア、ソフォニスバ、マッシニッサとそれぞれのキャラの個性がちゃんと確立しており、充分に必要性が感じられるのも凄い。パストローネ監督の作品はもっと観たいです![ビデオ(吹替)] 8点(2005-08-17 16:46:44)
2. 崖
《ネタバレ》 はっきり言って主人公はかなりの悪人です。無知な貧乏人から金を騙し取ったり、偽の抗生物質を売り付けて病人を死に至らしめたりと。ある意味では『自転車泥棒』で自転車を盗んだ奴等と同類です。金持ちからふんだくれば良いものを…、最後に仲間から言われる「自業自得だ」という言葉もまた然り。ただこれはそういうモラルを問う映画ではないし、そもそもあれで主人公に感情移入するなと言う方が無理というものです。彼を慕う若者の詐欺師に「この仕事では家族は邪魔になるだけだ」と言いながら、実は彼にも娘がいて、しかも事情で定期的にしか会えない。傑作『青春群像』にも似た登場人物の後悔と未練の気持ちがビシバシと伝わってきます。ラスト、どん底に突き落とされ蟻地獄から這い上がるかのようにもがく主人公の姿に、今からではもう人生をやり直すことができないという崖っぷちの心情が重なってようやくタイトルの意味が理解できました。自分はもう無理だからこそ、まだ希望のある若者に願いを託したかったのかもしれませんね。[地上波(字幕)] 8点(2005-06-03 18:42:14)(良:2票)
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