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プロフィール |
コメント数 |
2162 |
性別 |
男性 |
年齢 |
57歳 |
自己紹介 |
実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます
評価:8点以上は特別な映画で 全て10点付けてもいいくらい 映画を観て損をしたと思ったことはないので 酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです
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●今週のレビュー 「」
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1. 刑事(1959)
ビスコンティ『ベリッシマ』あたりを想起するアパートの喧騒から始まり、ラストシーンなんてもろにロッセリーニ『無防備都市』のアンナ・マニャーニだったのだが、そんなネオレアリズモの世界にハードボイルドなピエトロ・ジェルミ扮する刑事がいることの不思議。捜査も地道さを強調しており、ずっとネオリアリズモ風を維持してるんだけど、それゆえにジェルミ刑事のかっこよさが浮いているように思えた。疑わしい人間に対する強引で横暴なジェルミ刑事のやり口も、これまた当時のリアルなんだろうけど、それをかっこよくしちゃってるところにやっぱり違和感あり。嫌いじゃないんだけど。[DVD(字幕)] 6点(2010-04-23 15:01:41)
2. 現金に手を出すな
《ネタバレ》 ごつい顔のおっさんがなぜにこうもかっこいいのか。それは見ていただければわかるのだが、歳をとることで得られる貫禄?いやいやそれだけじゃない。内面ではいろいろな葛藤がある。若手が台頭してきたギャングの世界での自分の身の振り方、相棒のヘマに対する苛立ちなど。しかし表には出さない。精一杯の大人の振る舞い。これが最後まで貫かれる。相棒を見捨てたって誰も責めはしない。しかし見捨てない。金塊が喪失すればむちゃくちゃくやしい。しかし何もなかったかのように振舞う。相棒の死に悲しむ。しかしそんな素振りは見せない。かっこいい男には哲学がある。この世界に入ってからこの世界を去るまでの貫かなければならない男の哲学。この手の男を主人公にするにはよほど丁寧に人物を描かないとただのかっこつけに終わりかねない。でもちゃんと描かれている。損得なしで貫く男の美学が。これぞフィルム・ノワールだぁ!って感じ。 ↓ん?たしかにラスクうまそうでしたけどフランスではバター(でしたっけ?)塗りたくるんですね。ゲゲッと思ってしまった。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-09-20 13:20:11)(良:2票)
3. 軽蔑(1963)
(なんで?なんでそーなんの?俺が何したっちゅーの?ぜんぜんわからん!)こんなことを言ったことがあるような気がする。(イヤやったらイヤって言ってくれたらよかったやん。なんで言ってくれへんの?不満があったら、そん時言ってくれたらすむことやん!)こんなことも言った覚えがある。そんな私は当然この作品に痛い痛いノスタルジーを感じ、共感してしまう。そしてアンナ・カリ-ナに対するゴダール本人の葛藤を共感できるという凄い経験までさせてくれる。〔ヒロイン、ブリジット・バルドーが金髪(だったかな)を隠したショートヘアのカツラを男が似合わないと言うシーンがあるが、あの髪型はまさしく前作『女と男のいる舗道』のアンナ・カリ-ナ。〕男にとってはなんとも理不尽なこの現象を、ゴダールはラスト、映画の中において復讐をする。しかし「死は愛を失うだけ」という言葉どうり、それが空しいだけのことだとゴダールが一番知っている。同時に映画造りにおけるメッセージも載せる。露骨に商業主義のプロデューサーを批判しながらも、その中で果敢に自分の作品を造り続けたフリッツ・ラングにゴダールの敬意を感じる。8点(2004-03-31 12:01:37)(良:1票)
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