|
1. 少年と自転車
《ネタバレ》 執拗に自らを捨てた父親に縋る姿は、あまりにも残酷で、彼が無垢であればあるほどその行動は父を求め、痛みに満ちていて心苦しくて仕方ない。子どもが親を求めるのは本能で、それを周囲が抑制すればするほど溢れ出る彼の反発が葛藤として痛いほど胸に響いた。その抑制の中で唯一自転車は、“想いのままに行きたい所に行ける”自由を願う願望の象徴としてとても効果的に描かれていたように思います。また、信じた友人の裏切り、父親からの完全な拒絶の末、もうどこにも縋る事のできなくなった彼が、やっとの思いで彼女に甘える事ができたその変化は涙無しに直視出来ませんでした。閉ざされてしまった心を開かせるには、まず温もりの伝わる距離に辛抱強く居続け、なおかつ諦めずに心を開いてくれるのを持つほかないわけですが、「ぐるりのこと」や「シークレット・サンシャイン」のような優しい感動を得られました。[映画館(邦画)] 8点(2012-07-29 23:38:41)(良:1票)
2. 自転車泥棒
この作品から感じるものはいくつもあった。占いをくだらないと
言ったアントニオも最後は神頼みをして、天にも祈る思いというか、
窮地に追い込まれたときの人の心境の変化というのが濃く描かれていた
。そして、憎んでいたはずの自転車泥棒にまで手を出してしまう、
悲しさや虚しさも伝わってきた。作品自体の完成度の高さに驚きです。
ですが全てを通してのストーリーがあまりに暗くて、観賞後の後味
が正直あまり良くなかったのが残念。。。7点(2004-05-07 23:39:09)《改行有》
3. ジュブナイル
子供達の純粋な想い、勇気、恋。すごくワクワクさせられた。でもラストで大人になった未来のストーリーが少し気になる。もっと繊細に描けなかっただろうか。終始あれほど子ども心を擽る演出をして置いて、ラストであれではちょっとがっかり。テトラがなぜ少年時代に送られたのか?という疑問は解消されたけれど、だからと言って大人の世界を見せるのは夢がないのでは?と思う子ども心。だけどやっぱり僕はこの映画結構好きだ。夢があって良い。この監督にはすごく期待してしまう。これからも純粋な監督の子ども心を失わずたくさんの夢のある作品を作って欲しい。[ビデオ(字幕)] 7点(2003-02-08 12:07:38)
|