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【製作国 : イタリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 太陽が知っている 《ネタバレ》 『太陽がいっぱい』『太陽はひとりぼっち』に続くアラン・ドロン太陽三部作の最終章(嘘)。 あれだけ若くてスタイルの良いブロンド娘が来たら、あっという間に手を出すのは至極当然な訳だが、殺人を犯した事によって主演二人の愛が深まるのは奥が深い。 しかし、あそこまで警察が鋭い捜査をしておきながら、家宅捜索で剥ぎ取った衣服を探さないのは不自然かな。 証拠の衣服が見つかれば、逮捕になるのは間違いないわけだし。 世俗とは隔絶された屋敷における束の間のバカンス、そして全編に漂う気怠い雰囲気はとても良いだけに、サスペンスの部分が弱いのが弱点かな。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-01 22:08:52)《改行有》 2. ただいま 《ネタバレ》 ちょっとした過ちが、殺人につながり、そしてそれが一人の女性の人生を奪ってしまった。 何とも哀しい話だ。 哀しい話だけで終わってしまうところが、この作品の最大の難点。 悲劇があったとして、悔い改めてこれからの生活を前向きにいこうとか、何らかの希望や、温かい何かがあっていいはずなのに、それがまったく見えてこない。 単なる悲劇で終わっている。 ただ哀しい話で終わらせず、そこへのプラスアルファ、つまりは、何か観ていて得られるものが欲しかった。 テーマとしては、深くて重みがあっただけにもったいない。[ビデオ(字幕)] 5点(2009-11-21 20:37:47)《改行有》 3. 大列車作戦 《ネタバレ》 バート・ランカスターの骨太なかっこよさ炸裂の作品。 序盤はよくあるアメリカ映画もので、相手方をただ悪者としてしか描けない勧善懲悪、ご都合主義映画かと思ったら、最後の最後であらら・・・の展開。 ナチスの大将がバート・ランカスターに言った最後の言葉にしびれた。 「おまえはそこまで必死に画を守ったが、画の良さなんかこれっぽっちも分かっていないだろ?」 みたいなセリフ。 バート・ランカスターの愚直ぶりを見事に皮肉ったセリフで、相手方のボスにも花を持たせるという洒落たはからいを見せている。 この辺りから、アメリカが単独で製作した作品でなく、フランスやイタリアが製作国に名を連ねているというのが伺える。 アメリカ色に偏りすぎておらず、絶妙なバランスを持った作品である。[ビデオ(字幕)] 7点(2009-08-15 00:44:48)(良:2票) 《改行有》 4. たそがれの女心 残念ながら観た直後でも大した印象が残っていない。 DVDまで購入して観たのに、これは残念無念。 シャルル・ボワイエやダニエル・ダリューといった出演陣に古臭さを感じてしまったのも、その一因かもしれない。[DVD(字幕)] 5点(2009-08-01 21:24:09)《改行有》 5. ダンケルク(1964) 《ネタバレ》 アンリ・ヴェルヌイユにジャン=ポール・ベルモンドの組み合わせということで、食い付いた私。 同じくヴェルヌイユ作品の『ヘッドライト』の様な作品を想像していたが、これがなんと単なる戦争映画だったので、テンションも落ち込んだが・・・ しかししかし、これがなかなか素晴らしい内容。 戦争映画っていうと、アメリカ映画や日本映画を観すぎているせいか、「撃ち合い」「仲間との死別」「残忍で生々しいレイプシーン」「上下関係」などばかりをイメージしてしまいがち。 そういった、日本人が戦争映画に対してイメージする様な内容とは全く違った渋みを持った作品だった。 主人公のベルモンドは、隊から離れて戦地をブラブラとしている。 そこで巻き起こる数奇な運命の数々。 とびっきり綺麗な女性との出会い。 粋な同盟軍兵士とのいっときの友情。 仲間との離別。 そして最後には自らの死。 そういった、まるでロード・ムービーを観ているかの面白味がつまった内容だった。 なんてことのない平坦な流れなのに、何故か心地良く見入ってしまった戦争映画だった。 戦争映画を観て、こんな気分になったことは、今まで一度もない。 それは、ドンパチや安っぽいヒューマニズムと反戦思想の渦巻いたアメリカ戦争映画や、敗戦国としての重荷を背景に背負った重苦しい日本戦争映画ばかりを観ていたからこその衝撃だった。 ベルモンドと束の間の愛を交わす少女にカトリーヌ・スパーク。 いやはや、息をのむほどに美しい。 顔がどうとかというより、全身から放たれる匂い立つような魅力。 抜群のプロポーションと美しいブロンドヘアー。 これにやられた! 運命の皮肉と戦場における美しき少女とのロマンス。 そしてロードムービー色の強い流れるようなストーリー。 個人的に、50年代、60年代のフランス・イタリア合作には良い作品が多いというイメージを持っていたが、そのイメージは本作でも見事に保たれたのである。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-02-12 21:40:27)《改行有》 6. 太陽がいっぱい アラン・ドロンが最もかっこよくスクリーンに映し出されている作品だと思います。 アラン・ドロンの代表作であることは間違いないですね。[ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-13 10:33:05)《改行有》 7. 魂のジュリエッタ これもやや難解。しかも退屈。[ビデオ(字幕)] 3点(2007-09-03 16:07:51) 8. 太陽はひとりぼっち 《ネタバレ》 まずは主演女優のモニカ・ヴィッティが美しすぎた・・・ ただただ、美しいのだ。 とにかく美しいのだ。 ため息が出るほどに。 モニカ・ヴィッティが出演している作品の中でも、この作品の彼女が最も魅力的だ。 そして音楽もまた素晴らしい。 これはフスコという人の影響らしい。 アントニオーニの演出する「乾いた都会の風景」。 この作品でも魅力全開だ。 奇妙な建造物、殺伐とした道路、主人公の女性が住むマンションのエントランス・・・などなど、とにかく徹底してその無味乾燥さが描かれているのだが、これがまた病みつきになるかっこよさ。 寂しい風景なのに、何故か自分もそこに身を置いてみたくなるような気持ちになる。 とにかく映像がシャープで、容赦なく無機質で、かっこいい。 あと、アントニオーニの作品を観ていていつも思うけど、背後に雑然と流れ続ける「騒音」がなんとも印象的だ。 もしくは風の吹く音とかが。 どれも心地の良い類いの音じゃないのに、何故か聞き入ってしまう。 私は病気なのか?! そんな風に自分のことを思ってしまうくらい、惹きつけられてしまうのだ。 都会に流れる何気ない「音」を、アントニオーニは誇張して流している。 だけど何気ないその音が、何かを訴えているような気もする。 しかし、それが何を意味するのか、私には分からない。 が、何故だか異常なくらいに魅力を感じ、惹きつけられるのである。 それにしても、ラストの辺りで繰り返し出てくる横断歩道の風景だが、つくづく印象的だ。 アラン・ドロンがモニカ・ヴィッティに、「向こう側に着いたらキスをする」って言ったシーンとか。 横断歩道を渡って二人は別れて、モニカ・ヴィッティが振り返ると、もうそこにはアラン・ドロンの姿がない・・・っていうシーンとか。 横断歩道辺りの荒涼たるアスファルトとか。 あまりに印象的で、かっこよすぎて、寂寥感があって・・・ この映画を観た私(観客)が、観た後にこんなになるのをアントニオーニは計算してこの映画を撮ったのだろうか? そこまで計算してアントニオーニがこの映画を撮っていたとしたら・・・ もしそうだとしたら、ミケランジェロ・アントニオーニという監督は、恐るべき監督だと思う。[DVD(字幕)] 10点(2007-09-01 20:31:16)《改行有》
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