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【製作国 : イタリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. ふたりの女 イタリアの巨匠デ・シーカ。「自転車泥棒」に代表されるネオリアリズモや、 マストロヤンニ、ソフィア・ローレンの名コンビを起用した艶笑喜劇、 そして「ひまわり」や本作のような、戦争と女を描いた反戦映画もまた印象的です。 多くのデ・シーカ監督作に出演したローレンですが、喜劇にしても戦争の時代のドラマにしても、 やはりこの人には逆境にも強く逞しく生きる姿がよく似合います。 1960年製作の本作、ローレンはまだ20代半ばですが、中学生の娘がいるシングルマザーという設定。 実年齢を考えると無理がある設定ですが、デ・シーカにとって主演はローレン以外には考えられなかったのでしょう。 実際、違和感を感じさせません。女として、母として。女優ソフィア・ローレンの素晴らしさを見ることができる作品です。 中盤までは母娘が疎開先の地方で出会う人々の交流がイタリア的陽気さをもって描かれる時間帯もありますが、 だからこそ市民生活の中に土足で踏み込んでくる、市井の中の戦争が描かれる終盤が辛い。 ローレンが圧倒的な存在感を示す作品ですが、娘を演じた女優さんの透明感のある存在もまた印象的でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-05-28 21:53:02)《改行有》 2. フレンチアルプスで起きたこと 見る前の想像をいい意味で裏切られた、笑えない状況下のコメディとしてよく出来た作品です。 それなりに可笑しくもあるのですが、(2日目の夜に夕食を一緒にとったカップルのその後とか) 作品に漂う気まずい空気。コメディでもあり、主人公夫婦の心の中を、ある出来事を発端に表面化させたサスペンスでもある。 スキーリゾートにやってきた4人家族。楽しそうな1日目。 でも2日目。食事中に起きたある出来事。この時、僕もパパの行動に一瞬「あれっ!?」とは思ったんですけどね。 この1点を一緒に食事をするカップルを巻き込んだりしながら最後まで見事に引っ張り続けました。 でも、似たテイストの作品としてはポランスキーの「おとなのけんか」のようにもうちょっと楽しく笑える要素があっても良かったと思います。 考える間もないあっという間の出来事。とっさの判断。こんな時皆さんはどうなると思いますか・・・? また、そんなことがあった後、皆さんはどうしますか・・・?作者から問いかけられているかのようでもありました。[DVD(字幕)] 7点(2016-01-15 21:13:03)《改行有》 3. フィオリーレ/花月の伝説 ナポレオンの時代のイタリア・トスカーナ地方から話は始まり、その100年後、さらに年月が流れ第2次大戦の時代・・・。脈々と受け継がれてきた一族の血と伝説と記憶。タヴィアーニ兄弟のこれまでの作品と同じく土の匂いがするかのような、イタリアの地方の昔話をゆっくりと語るかの如き作品です。タヴィアーニ兄弟の作品に流れるこんな空気は好きなのですが本作に関してはジャンと金貨の呪いの伝説、それから100年後の毒キノコ、そして今の一族の姿。受け継がれてきた血と伝説と今の家族の物語とのつながりが弱い気がしました。(おじいさんの出してくれたキノコ料理を子どもたちが怖がるくだりは笑ってしまいましたが・・・) [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-05-15 22:16:02)《改行有》 4. フェリーニのアマルコルド とても楽しい映画でした。イタリアの小さな港町の早春から始まる1年の様々なエピソードと町の人間模様が主人公の少年の目を通してノスタルジックに描かれるのですが、この雰囲気がたまらない作品です。僕の記憶の中にも少年時代のお祭りの楽しい記憶が確かに残っていますが、冒頭の春の訪れを告げる綿毛がふわふわと漂う町の風景に続くお祭りから映画は始まって、港にやって来た幻想的な豪華客船も大雪に見舞われた町も賑やかな人間模様も全編を通して描かれる小さな港町の風景はずっとお祭りのようです。タイトルからも分かりますが、フェリーニの記憶の中にある少年時代を映像化したフェリーニの自伝的作品なのでしょうが、どこかファンタジーの香りもします。特に一面雪景色の町に孔雀が舞い降りるシーンの美しさは忘れられないものとなりました。[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-11-28 19:45:09) 5. ふたりのトスカーナ 《ネタバレ》 事故で両親を亡くした姉妹がトスカーナに住むお金持ちの伯父さんの家に預けられる所から話は始まる。前半はトスカーナ地方ののどかな風景、善良な人々と伯父さんの家族の描写に戦争の時代の話だということを忘れてしまうほどでした。しかし、嫌な予感はあった。家の中ではイタリア語を話さない伯父一家、どうやら伯父の信じる神は周りの人とは違う事、そして伯父さんに持ちかけられる「一緒にスイスに逃げましょう」という誘いなど。後半、ドイツ軍がやってきてからは伯父さんの自分の誇りと信念を守り通しナチスに屈しない高潔な人柄に「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐の事を思い出しました。それゆえ最後はこんな事になるとは思わなかったので・・・。言葉もありません。久々に怒りがこみ上げてくる映画を観ました。しかも実話だったんですね。姉妹のその後については何も語られていませんが、彼女達の幸せを願わずにいられなかった。最後にこの邦題について一言。この映画にこの邦題は無い。[DVD(吹替)] 7点(2010-01-11 19:11:18)
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