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【製作国 : イタリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. フェリーニのアマルコルド まず最初に出てくる言葉は「美しい」これに尽きる。そして、美しさの中に見え隠れする刹那さ、哀愁とでも言うべきフェリーニ監督独自の映像、ノスタルジーと言えば確かにその通りではあるが、単なるノスタルジー映画ではないものを感じさせるのは作品全体に付いてまわる暗い影のせいかもしれない。[ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-24 21:41:11) 2. ブーベの恋人 《ネタバレ》 あっ、この映画の音楽だったのか!どこかで何度も聴いたことのある曲でした。しかも「鉄道員」「刑事」と同じ作曲家とは、どうりで似ているはずです。それはそうとここでもまたクラウディア・カルディナーレの美しさが凄い。モノクロなのに色が付いてるような錯覚さえも起こさせるほどの美しさです。恋人であるブーベが殺人罪によって長い間、離れる運命へとなっていく中で後から現れた別の男の優しさの前に心を開き、そして、好きになってしまうという女の苦しさを見事に演じているのだが、恋人のことを見捨てることなど出来ないと最後まで付いて行こうとする姿を見るとブーベって奴は本当に良い女を持ったものだと思わずにはいられなくなる。一方でマーラには恋人がいると解っても彼女を許し、それどころか最後は自ら身を引いて去っていくステファーノの方がブーベなんかよりも男らしくてかっこ良い。で、やはりこの映画においてもとにかくクラウディア・カルディナーレの美しさが異常と思えるほど印象に残る。あの笑ってる時と泣いてる時も怒りを露にする時もこの女優の持っている男心を刺激するような表情に今回もまたクラクラしそうなほどである。[DVD(字幕)] 7点(2012-01-27 20:55:23) 3. フェリーニのローマ 《ネタバレ》 うつりゆくローマ、風化してゆくローマ、フェリーニ監督自身の少年時代の面影、どんどんと変化していく過去と現在、その両方を見つめる監督の視線というものが何か過去を背負って生きて行くことに対する不安とこれから先の未来に対する不安というものを暗示しているような何とも不思議な感覚を覚えずにはいられなくなるのはこの監督の映像的センスなのか?私にはよく解らないけれど、この監督の作品に共通して言える見ている時には解らなくても見終わった後に残る余韻、心に残る映像の数々、フェリーニ監督が映像の詩人と呼ばれる理由が解ったような気がする。ラスト、遺跡が建ち並ぶローマの街中をオートバイの集団が駆け抜けていく場面、それはまるで風化していく過去を感じさせ、タイトルにある「ローマ」を象徴しているようである。ここに監督が一番、言いたかったことが現れているのではないだろうか![ビデオ(字幕)] 7点(2010-03-05 22:16:29) 4. フェリーニの道化師<TVM> 《ネタバレ》 フェリーニのサーカス好き、愛情のようなものが伝わってくる。サーカス好きなフェリーニ、あのピエロの劇団、一座の人達の奥に隠れている表向きとは反対な悲しさ、辛い人生、人生はけして楽しいことばかりではない。辛いこと、悲しさ、苦しみがあるからこそこうしてピエロ、つまりは道化師という形で人々を喜ばせようとすることで自分達も前向きに生きようというそういうメッセージのようなものがこの映画から伝わってきます。フェリーニにとってのサーカスとはピエロとは自分自身であるという強い思いのする作品であり、また、この映画を通してもフェリーニという監督は他の映画監督や映画へのオマージュのようなものを描いています。あのサーカスの一座が演技して見に来ている観客を楽しませようとしている場面でチャップリンの「モダン・タイムス」の中で使われている「ティティナ」を演奏し、また仲間の一人の死を思い、悲しむ場面では何と同じイタリアが映画の舞台にも使われている「ゴッドファーザー」の愛のテーマ曲を流すという正にフェリーニ監督の映画への愛というものを見ることが出来ます。サーカスと言えばピエロと言えば明るいイメージしかないけど、この映画はその明るさ以上に悲しさ、切ない部分が強く描かれている為にタイトルからは想像出来ない暗さも感じるものの、フェリーニ監督らしい映画への拘りを感じる仕上がりになっていて観客が帰った後のラストの鳴り響くトランペット、消えていく二人のピエロの姿に哀愁めいたものも感じずにはいられず、この監督らしい余韻の残し方、刹那さの残るそんな映画だと思いました。[ビデオ(字幕)] 7点(2008-10-26 16:47:47) 5. ブルジョワジーの秘かな愉しみ 相変わらず人間の嫌らしい部分を徹底して描き切るルイス・ブニュエル監督による可笑しな喜劇とでも言うべきか?言いたいことは何となく解るけれど、それでもスッキリせずに一体、夢なのか?現実なのか?今、そこで起きていることは現実問題として人間なら誰しも起こり得ることであるというようなものが見えてくる。食事しようとする度に邪魔が入るのは人間の心理としてはかなりの確立でイライラさせられるし、それを見せることで人間の欲に対する考え方、心理を監督自身が笑っているようで意地の悪い監督らしく、その中に色々なものが見えてきて、ある意味これこそ人間だとでも言うような感じの心理劇として見所のある映画になっている。同じように人間の嫌らしさを描くラース・フォン・トリアー作品のように観ていて不愉快な気持ちにしかならないということがない点に関してはルイス・ブニュエル監督の作り出す世界、不思議な世界、私は嫌いではない。ただ今作に限れば他のルイス・ブニュエル作品に比べると難解な部分も多くて、この監督の映画を一度も見たことのない人には薦めようとは思いません。[DVD(字幕)] 6点(2010-07-25 21:31:00)
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