|
1. オルランド
《ネタバレ》 見ていると、ティルダ・スウィントンの大きな瞳に吸い込まれそうである。性も年齢も感じさせない、彼女の不思議なキャラクターなくしては、成り立たない映画かも。
何百年も生き続けたり、途中で男が女に変わったり、しかもまわりはそれを不思議がることもなく、そういうものとして受け止めている。そもそも人を食った話なのだが、まじめな顔で与太とばすようなおかしみが全編に漂っている。
衣装や美術も楽しめた。[DVD(字幕)] 7点(2007-07-27 17:37:45)《改行有》
2. ヘヴン
《ネタバレ》 予備知識はほとんどなにもなく、ケイト・ブランシェット主演というだけでレンタルしたものだが、これは思わぬ拾い物だった。
約90分と短い映画で、ストーリーといえば、一組の男女が愛(復讐も広義の愛だよな)のために破滅へと突き進んでいく、というだけのものである。
彼らの行動だけを見れば、何人もの殺人を犯した挙句、自分も死に急いでるに等しいのだが、愚かにも邪悪にも無軌道にも見えないのはすごい。
ケイト・ブランシェットの名演はもちろんだが、ジョバンニ・リビジのイノセントで、それでいて暗いまなざしが実によい。リビジの父親役のレモ・ジローネが、出番は少ないにも関わらず、印象的な演技である。
舞台はイタリアで、主人公ふたりの会話は英語なのだが、それもまた、彼ら二人の世間から隔絶された立場を効果的に伝えている。
多用される鳥瞰や俯瞰。映像も緊張感があり美しい。逃亡の途中、丸刈りにしたケイト・ブランシェットは、まるで古代エジプトの王妃のように静かな美しさを湛えていた。リビジの弟役の少年の無垢な美少年ぶりがアクセントか。[DVD(字幕)] 8点(2007-07-27 17:19:05)(良:1票) 《改行有》
|