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1. ゴスフォード・パーク
《ネタバレ》
作品中に語られていた科白で、
「たとえ愛されなくても、愛することが大切である。
愛とは与えるものだから…」という言葉に感銘を受けました。
普段なら陳腐に聞こえるし、詭弁にすぎないと思うのですが、
様々な場面で(ピアノ弾き語りのシーン、ディナーでの愛ゆえの失言、
犯人の告白 等)、あまり仰々しくなく、時にはシニカルに、
このモチーフは繰り返され、深みを増していったように思います。
同様に階上・階下を問わず、人の嫌な部分も多く映しだされていました。
人間とは清濁あわせ持って生きていくもの。
それを描ききるための群像劇だったようにも思います。
ミステリーの部分は、クリスティへのオマージュかな…
彼女の小説を読む時、映像の彩りを添えるため。
[DVD(字幕)] 8点(2009-09-24 20:30:21)《改行有》
2. パッション(2004)
《ネタバレ》
キリスト教徒ではないのですが、
各エピソードの一つ一つに胸打たれ、
ごくごく自然に感動してしまいました。
自分的に一番泣いたシーンは、
十字架担ぎを手伝わされたシモンの場面です。
普通の人でも、強くて優しい人になれるんですよね。
母マリアの、狂わんばかりの苦しみと悲しみも
ひしひしと伝わってきました。
そういったエピソードを格言めいたものでなく、
リアルに感じさせるためには、
あの、心を引き裂かれるような酷い受難の数々を
克明に描かないといけなかったんだなあ
と思いました。
ユダやペトロの裏切りが、
ヨハネの忠誠心を際立たせたように…[DVD(字幕)] 8点(2009-09-05 18:18:29)《改行有》
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